ISGジェネレーション   作:京勇樹

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ようやく、UCが終わった……
長かった
だが、これで折り返しかな?


ザンスカール帝国戦2

次に映ったのは、巨大な複数のリング状の建造物だった

 

「これはなんだ?」

 

「ザンスカール帝国が建造した、決戦兵器。エンジェル・ハイロウだ」

 

箒が問い掛けると、一夏がそう答えた

すると、エンジェル・ハイロウのデータが表示された

その大きさは、コロニー並だった

その中には数百人のサイキッカーが居り、そのサイキッカー達と中央の女王の平和への祈りを思念波として照射

それにより戦闘行為を止めて、その隙に制圧するという物だ

だがこの時、タシロ・ヴァゴにより女王

マリア・ピア・モーリアが誘拐され、反乱が始まった

 

『ザンスカール軍、なんか動きが鈍いな』

 

『理由は知らんが、今がチャンスじゃね?』

 

『今の内に、旗艦を潰せ』

 

直哉達はスピリッツ本隊と共に、ザンスカール軍に対して攻撃を開始した

リガ・ミリティアは全体的に散開しており、その先頭に立っているのはウッソ・エヴィンが駈るV2ガンダムだった

Vガンダムシリーズは機体がコアファイターを中心に、上半身と下半身パーツ

更に、バックパック、装備と多種多様な構成になっている

それにより、各パイロットに合わせた構成や武装を選べるのだ

それを更に発展させたのが、フラッグ機体

V2ガンダムだ

V2はミノフスキードライブを搭載しており、機動性の向上と攻防兼ね備えた装備を搭載

そこに、専用換装により高い戦闘力を確保した機体だ

ウッソ・エヴィンはその合体分離機構を利用し、下半身か上半身パーツをミサイル代わりに発射し攻撃

相手には損傷、もしくは撃破し、その後にまた合体するという戦法を考案した

そして、この機体シリーズの利点は戦闘中に機体が損傷しても、その場で換装して再構成出来るのだ

しかし欠点として、そのパーツが途中で破壊されると戦闘力ががた落ちするのだ

だから、戦場換装するのはタイミングが重要なのだ

そのV2ガンダムを見て、シャルロットが

 

(あの機体、僕向きだ)

 

と思った

確かに、シャルロットの器用さならば、使いこなせるだろう

その時、一機のガンブラスターが長距離狙撃で撃破された

 

『オデロ!?』

 

『あれか!!』

 

オデロ機を撃破した相手を見つけたらしく、ウッソがある方向に向かっていった

直哉達は知らなかったが、オデロ機を撃破したのはカテジナだった

カテジナはこの時、狂気に染まっていた

その狂気で、半ば正気を失っていた

その証拠に、先程は仲間たるザンスカール軍を巻き込んで砲撃したのだ

なお、カテジナとウッソは既知の間柄だった

お互いにメッセージのやり取りをしていて、ウッソにとってカテジナは憧れの人物だった

しかし、その人物と争う

それもまた、戦争の悲劇だろう

片や狂気に染まって、片や幼馴染みの少女を助けたくて戦場を駆け抜ける

その時、一隻のバイクのような形の戦艦がまるで針ネズミのような弾幕を撃ちながら接近してきた

直哉達はその弾幕を容易く回避すると、一気に下へと回り込んだ

そして、直哉機は楯に内蔵されているハイメガカノンを

弾は四門を構え、一夏は背部のビームキャノンを発射した

それにより、そのバイク戦艦は大爆発した

その直後だった

 

『ガ……ガァァァァァァァァ!?』

 

『アアァァァァァァァ!?』

 

と直哉達が叫び始めた

その理由が分からず、見ていたメンバーは困惑した

その時、エンジェル・ハイロウが光り輝いていることに真耶が気付いた

 

「エンジェル・ハイロウが、光ってます!」

 

その言葉を聞いて、何人かが気付いた

直哉達が叫んでいる理由が、エンジェル・ハイロウにあることを

そう

この時直哉達は、エンジェル・ハイロウのサイキッカー達の思念波によって幻覚を見せられていたのだ

それにより、直哉達の機体はただ虚空を浮くだけだった

そこへ、ザンスカール軍のMS一個中隊が接近

報復だろう

ビームライフルを構えた

そして、ビームが放たれた

だが、そのビームは間に割って入ったガンダムエピオンによって弾かれた

エルフリーデはその巧みな剣技でビームを全て弾くと、左手のヒートロッドで一機の足を捕まえると、別の一機にぶつけてから右手のビームサーベルで切り裂いた

そのエルフリーデを撃墜しようと他のザンスカール軍機がライフルを構えたが、それはGNピストルを両手に持って現れたデュナメスによって阻まれた

デュナメスは両手のGNピストルで一機の頭を叩き壊すと、もう一機のコクピットを撃ち抜いた

マリア機の攻撃にザンスカール軍は浮き足立ち、動きが鈍くなった

そこからは、一方的な蹂躙だった

たった二機に、残っていた八機は瞬く間に全滅した

すると、二人が

 

『トライアド隊、大丈夫か!?』

 

『エンジェル・ハイロウの思念波で、幻覚を見せられたのね』

 

と言いながら、直哉達の機体に近付いた

 

『う、あ……』

 

『あ、が……』

 

『つう……』

 

だが、未だ三人に返答する余裕すらなく、機体は浮いているだけだった

するとそこに、フォーエバーガンダム

カチュア機と、ビギニング30

シスミット機が近付いてきて

 

『お兄ちゃん達、大丈夫!?』

 

『……しっかり』

 

と声をかけてきた

実は彼女達もサイキッカーであり、その思念波で直哉達が危ないと気付いたのだ

なお、直哉達は叫んだ程度だが、リガ・ミリティアMS部隊の中には錯乱して味方誤射をしそうになったパイロットすら居た

それに比べたら、三人はまだ理性が働いたのかもしれない

すると、近くに母艦が近付き

 

『リトル1、2は周辺警戒! アテナ隊がトライアド隊をマザーまで牽引してこい!』

 

とゼノンが指示を出した

この後、直哉達は母艦に収容されて、戦闘は終結

UCの戦争は幕を下ろし、新たな戦争に向かう


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