東方禁初幻譚   作:鈴華

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おおよそ2か月ぶりですね。
はい、すみません(´・ω・`)
大学生活後半となると、忙しくて書く暇ないんです。
開いた時間でゲームやってる人が何言ってんだろうねっ!
はい、ごめんなさい(´・ω・`)

それでは、本編どうぞ。


Ep,3 反乱分子

地底から戻ってきた紫はこいしから聞いたことを麗夢に報告していた。

 

「そうですか。地底でそんなことが…。」

「麗夢、焔は狐火とはいえ善狐なんでしょう?宿主としてどう思う?」

「……。」

 

こいしとのやりとりを考えると、善狐の行いとは到底思えない。繋がりが切れたことに関係しているのだろうか。

 

「分かりません。さとり妖怪の妹―こいしさんが言っていた焔が違うことを祈ることしかできません。」

「特徴を聞く限り、本人である可能性が十分高いわ。」

「……はい。」

 

こいしとさとりの証言は全て焔と一致している。

 

「正直、私も地底に行きたいです。」

「貴女には地上を任せているわ。地底のことはカルマに任せましょう。」

「はい…。」

 

 

 

地霊殿を出たカルマはこいしを連れ、街道を歩いていた。

 

「探す当てはあるの、お兄さん?」

「無いな。青い狐火の目撃者を探すしかねぇだろ。」

「~♪」

「……。」

 

目を少しでも離せば、いつの間にかこいしはウロウロとして逸れそうになる。溜息を付くと、カルマは彼女を猫を持ち上げるように摘み上げた。

 

「わわっ!」

「逸れるだろうが。」

「えー、私あっち行きたい。」

「知るか。」

 

こいしは頬を膨らませるものの、手足を垂らして大人しくする。

 

「まぁ、当てはないが思う所があるからな。アイツに会ってみるか。」

「…?」

 

カルマは何も考えずに街道を歩いているわけではない。ここは地底であり、鬼がいつも騒いでいる場所だ。

 

―ドドドドドドドドドドドドッ!!―

 

街道の奥から砂煙を上げながら走ってくる影があった。どうやら上手く釣れたらしい。

 

「見つけたぞおおお!!鎌使いいいいいいいいいいい!!!」

「なんか来てるよ、お兄さん?」

「…そうだな。」

 

彼女―朱姫の変わらない様子に呆れるが、今回は争いが目的ではない。朱姫はそんなカルマの雰囲気を感じ取ったのか、速度を緩めて彼に歩み寄る。

 

「なんじゃ、随分と大人しいの?」

「まぁな。」

 

彼女の手を借りるのは癪だが、人手が多いに越したことはない。

 

「話がある。場所を移すぞ。」

「うぬ?」

 

道中で話すには内容が長い。街道にある飲み屋の二階にある客間へと場所を移した。

 

「さて、話とはなんじゃ?」

「あぁ…。早々飲むな。」

「別にいいじゃろ。」

「よくねぇよ。」

 

手に持った酒瓶を渋々脇においた。

 

「最近焔を見ていないか?」

「焔?…巫女の女に憑いとる狐火か?」

「そうだ。」

「見ておらんな。なんじゃ、巫女に憑いとるわけではないのか?」

「いや、憑いているはずだったんだが、繋がりが切れた。」

「…成仏、したわけじゃないようじゃな。」

「まぁな…。こいつが焔を見たと―」

 

こいしの目撃を掻い摘んで話そうと思う、彼女の頭に手を置こうとしたが、空を切った。見れば彼女の姿が何処にも無かった。

 

「どうしんじゃ?」

「連れが…いや、なんでもない。」

 

恐らく朱姫もこいしの能力下にいるのだろう。認識できていないはずだ。こいし抜きで今までの説明を始めた。

 

「消えた狐火が悟り妖怪の所に、のぉ…。」

「話を聞く限りじゃ、焔らしくないからな。何かあったと考えている。」

「ふぅむ…。一応話しておくかの。」

「何か思い当たることでもあるのか?」

「可能性の話じゃ。」

「…いいから酒から手を離せ。」

「ケチじゃのぉ…。」

「うるせぇ。」

 

伸ばした手を引っ込め、朱姫は紫に頼まれていたことをカルマに話した。

 

「なに、スキマ妖怪に依頼をされてのぉ。」

「あ?」

「人間と妖怪の共存じゃったか?まぁ良い。あやつの計画の反乱分子がここに潜んで居るようでな。そやつを炙りだしておる所じゃ。」

「聞いてねぇんだが…。」

「クハハッ。」

 

輝夜の件といい、今回といい。紫はカルマに話していないことが多い。話さない方が利用しやすいというのもあるが、やられる側としては釈然としない。

 

「まぁいい。反乱分子がいることが分かっただけマシだろう。」

 

反乱分子が焔と接触して何かをしたと考えるのが妥当だろう。焔は麗夢と繋がりがあり、麗夢は紫とも繋がりがある。関係していないとは思えない。

 

「俺はそろそろいく。」

「なんじゃ、共に酒を飲もうではないか。」

「時間が惜しいんだよ。」

「釣れんのぉ…。そうじゃ、これをやる。」

 

立ち上がり襖に手をかけたところで、朱姫がカルマに向けて何かを投げ渡した。背中越しのそれを取ると、それは鬼の角だった。しかもただの角ではない。

 

「妾の角じゃ、昔折りよったじゃろ。」

 

朱姫の角は片方が折れている。それは月移住計画の時にカルマが折ったものだ。

 

「これをどうしろっていうんだ。」

「妾が持っていてもくっつくわけでもなかろうて。お主が持っておれ。」

「……。」

 

カルマは適当に角をポケットに押し込むと店を出る。こいしが何時からいなくなったか分からないが、探すしかないだろう。彼女の能力を考えるとそう簡単に見つけられるものではないだろう。

 

「んにしても、反乱分子か…。」

 

朱姫の言い方からそれが何者なのか分かっていないようだった。恐らく紫も分かっていない。焔のことも気になるが、反乱分子を優先した方がいいだろう。焔はその後に探し出せばいい。

 




何も知らせられずに利用される主人公・・・。
騙すにはまず味方からというからいいんですw

いつの間にか消えたこいし。
別にフラグとかじゃないよw
無意識だから仕方ないのです(`・ω・´)
因みに次回、こいしがある人を連れて登場。
多分知ってる人は知ってる人です、ふひひ。

これからの投稿ペースもこんな感じで遅くなります。
忙しいんだもん、仕方ないじゃない(´・ω・`)

それでは、間違い等がありましたらご指摘のほどよろしくお願いします。感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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