東方禁初幻譚   作:鈴華

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投稿遅くなってすみません。
別にゲームばかりやってたわけじゃないんだからね?( ̄▽ ̄;)

マツタケ様の動画だけでなく、YouTubeの実況にも出てきました。
因みに、他様のYouTubeのライブ放送にもちょいちょい出てきましたw
うへへ(*´∀`*)

それでは、本編どうぞ。


8章 正義=悪意
Ep,1 小石


夢幻世界から戻ってきて2日が経った。麗夢は神社に戻ったがまだダメージが大きく、安静にしている。カルマも動ける分には魔力が回復していた。

 

「地底に行く。スキマを開けろ。」

「はいはい。」

 

2日間とは言え、地底に残したこいしが気掛かりでならない。それに胸騒ぎがしていた。紫にスキマを地底に繋いでもらうと中に足を踏み入れる。地霊殿の前へ出ると館の扉を開いた。

 

「・・・・・・?」

 

違和感があるが何かわからない。胸騒ぎが収まらない。そのまま歩みを勧め、さとりの部屋をノックする。予め拒絶を使っておくのを忘れない。

 

「はい?」

「俺だ、カルマだ。」

「入ってください。」

 

中に入ると明らかに疲れた表情をしているさとりがいた。

 

「どうしt―」

「大変なことになりました。」

「あ?」

 

彼女の疲労の様子から只事ではないのでだろう。

 

「こいしが消えました。」

「―何?」

 

こいしが消えた。この館から出ないあのこいしが消えた。

 

「どういうことだ?」

「消えた、というより何と言えばいいんでしょう。気配が希薄というか、見つけにくいというか・・・。」

 

なんと説明すればいいかわからないようだ。端的に姿を消したというわけではないらしい。

 

「落ち着け。事の顛末を教えろ。」

「・・・わかりました。」

 

 

 

カルマが地底を後にして数時間後のことだった。こいしがカルマの帰りを待つ間、彼女は部屋に篭っていた。様子を見る為にこいしの部屋に向かうと部屋から青い炎が出てきた。

 

「あれは確か・・・。」

 

カルマと一緒にいた焔という狐火だったはず。何故ここにいるのか。焔もこちらに気づいたようだが、逃げるように掻き消えてしまった。

 

「・・・なんだったの?」

 

報告か何かだろうか。それならこいしよりもさとりにした方が良いだろう。疑問は残るが妹の様子も気になる。

 

「こいし、入るわよ?」

 

ノックも程々に扉を大きめに開けた。しかし、中には誰もいない。

 

「・・・こいし?」

「出掛けてくるね~。」

「―――ッ!?」

 

妹の声に振り返るが誰もいない。廊下の曲がり角に紫の緑のスカートが見えたような気がしたが、それより部屋の中だ。

 

「何もないわね。まぁいいけど・・・。」

 

何もないなら問題はない。扉を閉めようとして手を止めた。

 

「・・・何もない?」

 

それはおかしい。ここはこいしのいる部屋だ。何もないわけがない。閉まりかけの扉を開けても中には誰もいなかった。

 

 

 

「その日以降、こいしは帰っては来ますが、存在を認識しにくくなったんです。」

「待て。焔を見たのか?」

「え?はい。それがどうしたんですか?」

 

それはおかしい。焔はカルマがここを出る時には既に消息を絶っていた。何の目的でここへ来たのか分からない。

 

「アイツは俺がここを後にした時、既に行方が分からなくなっているんだ。」

「ちょっと変だったけどね。」

「そうね。私から逃げることないわけだし・・・。」

 

この事は紫に話した方がいいだろう。

 

「取り敢えず、こいしのことは任せろ。こっちで探ってみる。」

「分かりました。お願いします。」

 

何かに躓きそうになったが、部屋を出るために扉に手を掛けてようとして動きを止めた。

 

「・・・?どうしました?」

 

既に拒絶を発動しているが、残りの魔力はあと数回使える程度にはある。

 

「“拒絶”。」

 

対象はこの部屋全体でのあらゆる能力。足元にいるこいしを猫のように摘まみ上げる。

 

「何をしている、こいし。」

「あれ?」

 

違和感の正体はこれだった。こいしは地霊殿の前からカルマの後ろにいたのだ。館内に入る時の違和感はこいしが後ろを付けていたから。部屋に入る時も同じだ。

 

「え?こいし、そこにいるの!?」

 

さとりからは彼女が見えないらしい。こいしは笑顔でピースをしていた。

 

「お姉ちゃんには見えてないよ?ブイブイ。」

「なんの能力か知らんが、能力を解け。」

「えー・・・。分かった。」

 

こいしが能力を解くとさとりにも彼女が認識できたようだ。安堵のため息をつくと、椅子に座り直す。

 

「はぁ・・・。お帰りなさい、こいし。」

「うん、ただいま!」

 

猫掴みしていたこいしをソファに放る。受身も取れず顔からぶつかっていった。

 

「へぶっ!?女の子なんだよ!もっと優しくしてよ!」

「・・・知るか。」

「ブーブー!」

 

こいしが手を振り回してくるが、頭に手を当てているため、彼女の攻撃が届かない。

 

「さて、さとり。」

「何でしょうか?」

「こいしがこうなった以上、俺たちの要求は飲むか?」

 

当初の目的はこいしの心を開くこと。しかし今の彼女は恐らく心を閉じている。現に見れば彼女の第3の目は完全に閉じていた。

 

「何の話?」

「こいしには話してなかったわね。」

「人間と妖怪の共存。」

「へー。」

 

こいしは差して興味がないようだ。ソファに座って身体を揺らし始めた。

 

「まぁ地底に人間が忌み嫌う妖怪がいる以上、滅多に近づかんだろうがな。」

「そうですね・・・。」

「こいしは良いと思うよ?さっき地上に行ってきたから。」

「えっ!?」

「・・・・・・。」

 

こいしはカルマに違和感を感じる程度の存在感しか発揮しない。つまり並みの人間や妖怪なら彼女の存在に気づかないということだろう。それでも心を閉ざしかけた理由が人間である以上、よく地上に行ったと言うべきだろう。

 

「・・・こいしがそう言うなら。」

「決まりか。あとで提案者寄越すからそいつと打合せしてくれ。」

 

これで地底も紫の計画に加わった。あとは彼女の術式が組み上がり、実行するのみとなった。

 




今回のタイトルを「恋死」、「故意死」、「小石」のどれにするか悩みましたw
恋死ならヤンデレルート、故意死ならちょい暗い感じでしたw
因みに現時点でこいしの能力は分かっていない状態です。
てか、無意識を書くのむっずいw

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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