やっぱりこういうのがしっくりきますね。
では、本編どうぞ。
Ep,1 魔界誕生秘話
「やだ!やだやだやだやだあああああああ!!!」・゜・(>Д<)・゜・
「・・・・・・。」
今、カルマの目の前には地面に寝っ転がりながら暴れている女の子がいた。何故このようなことになったのか。それは数時間前に遡る。
月移住計画による爆弾投下から、どれだけの年月が過ぎたのだろうか。既に辺りには自然が戻り、都市も穢れも痕跡が残っていなかった。そしてある日のこと。カルマが眠る洞窟に1人の少女が近づいてきていた。赤い服に身を包み、白い髪にはぴゅんとアホ毛ができている。
「ここら辺のはずなんだけどなー。」
何かを探しているようだ。辺りをキョロキョロ見渡している。
「あ、あそこだ!」
どうやら目的のものが見つかったらしい。彼女は洞窟に近づいていく。
「やっぱりこの奥からだね。すごい魔力を感じる・・・。これは・・・結界?でも、随分壊れやすくなってきてる。」
少女は洞窟の入口に触れようか触れないか迷ったが、意を決っして触れてみた。すると、結界は容易く壊れる。
「弱っ!?」
だが、それと同時に中から禍々しく濃密な魔力が漏れ出てきた。
「な、なにこれ・・・?奥に何があるの?」
少女が洞窟に足を踏み入れる。少し進むと、誰かが寝ているのが見えてきた。魔力はそこから溢れ出ている。
「男の人?なんでこんなところに・・・。起こして大丈夫かな?」
「残念だったな。今起きた。」
「きゃあっ!?」
少女は驚き、飛び退く。男性はゆっくり起き上がると体を伸ばした。
「あー、よく寝た。」
「あ、あなた・・・誰?」
「それはこっちの台詞なんだが。」
「私は神綺っていうの。」
「そうか。俺はカルマだ。」
少女―神綺をカルマは見つめている。彼の知る限り、このような子を見たことがない。それに結界を壊されたことから、それなりに長い時間が経過しているのだろう。
「どうして、ここで寝てたの?」
「ん?ただ力の回復をしていただけだ。さて、お前は俺になんのようだ?」
ここにいる以上、彼女は何か用があってきたのだろう。
「う、うん。すごい魔力を感じたから、それをたどってきたの。」
「魔力・・・?・・・なるほど。」
カルマの持つ力が“魔力”と呼ばれているようだ。それを初めて理解する。それから神綺の話を聞くと、彼女は家出をしてきたらしい。そして、行く宛もなく歩いていたところでカルマの漏れ出る魔力を感じ取ったようだ。
「それでね、お願いがあるの。」
「なんだよ。」
「私の世界を作って欲しいの!」(`・ω・´)
「断る。」
「即答!?」Σ(゚д゚lll)
神綺は、まさか即答されると思わなかったのだろう。カルマ自身は何故断られないと思ったのかわからないようだ。
「どうして俺がお前の世界を作らなきゃならないんだ。」
「だって、カルマの魔力ならできると思ったんだもん。そのためにここまで来たのに・・・。」
「他にあたれ。」
「やだ!」
「今度は、お前が即答か。」
そして、現在に至るわけだ。何故、ここまで自分の世界を作ることに断るのかわからないが、それ相応の理由でもあるのだろうか。
「何故、そこまでして自分の世界を作りたいんだ?」
「んーとね、皆が私から離れていくの。」
「離れる・・・?」
「うん。」
彼女曰く、神綺は魔力に恵まれた家系に生まれたらしい。だが、彼女自身はカルマ程ではないが、膨大な魔力を持っていた。そんな彼女を家族は大切に育てたのだが、いつからか、それは畏怖のようなものを感じるようになった。彼女の魔法は普通と違う。それだけで、周りからは疎遠に扱われてきたのだ。
「だから、私は家出してきたの。」
「・・・・・・。」
「皆が私を“否定”するなら、私は“肯定”してくれる世界を作るの。だから、お願い!力を貸して!」
確かに、彼の使える禁忌魔法の中には、世界を分断できるものが存在する。彼女は優しいが故に、自分がこの世界を変えるのでなく、自分をこの世界から切り離すという選択を取ったのだろう。
「仮にだ。お前が作った世界でも、お前が恐怖の対象にされたらどうする?」
「大丈夫!私が新世界の神になる!」(`・ω・´)
「・・・頭、大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない!」(`・ω・´)b
こんな子供に世界を託して大丈夫なのか、カルマは頭を抑えた。だが、物は試しだろう。
「分かった。明日、ここに来い。別世界を作っておく。」
「やったー!」(((o(*゚▽゚*)o)))
「だが、その次の日次第では、その世界を消す。わかったな。」
「はーい♪」(^o^)/
本当に大丈夫だろうか・・・。
後日、神綺がカルマの元に訪れると、洞窟の入口に別次元へとつながるであろう、空間ができていた。
「もう行っていい?」
「はえぇよ。」
「えー。」(´・_・`)
「はぁ・・・、よく聞け。ここから先は別の世界に繋がっている。だが、その世界には何もない。お前が全てを創造しろ。神になると言い出したのはお前自身だ。それでも行くか?」
「行く。私がカルマの作った世界を―魔界を私色に塗り替える。」
「魔界?」
「うん。ここから先にすごい量の魔力を感じるの。だから、魔力の世界、魔界ってね。」
「わかった。まぁ、頑張れよ。」
「うん!」
神綺が魔界への入口に向かう。入る前にふと足を止め、カルマに振り返った。
「なんだ?」
「ありがとね。私なんかのために、こんなわがまま聞いてくれて。」
まさか、感謝を述べられるとは思わなかった。カルマは顔をしかめる。
「いいから、さっさと行け。」
「うん。ばいばい。」
そう言って、神綺は魔界へと足を踏み入れた。そして、少女は成長し、本当に魔界の神となった。だが、2人は知らない。後に、魔界の存在は多くの人々に認知されることとなる。それが、“あの女性”の封印先になることを・・・。
私の中では神綺はボケキャラです。
なんでだろ・・・。
そんなわけで、魔界の誕生でした。
ちなみにちょっと裏設定。
カルマを金髪金眼にした理由は、夢子とアリスにあります。
彼の血、というより魔力をモチーフにして造られたのが、この二人という設定です。
そして、カルマの紅い瞳ですが、これは前作で夢子が使ったスぺカの時に発現しています。
―ということはもう一人も・・・?
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
前作主人公さんに酔ってもらいました。
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im4328882
流石やで(`・ω・´)b
「ありゅいでしゅよ~。」