東方禁初幻譚   作:鈴華

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温かくなってきましたねぇ。
関東では桜が咲いて花見してる人もしばしば。

何も考えずに書くからこんな内容になっちゃったw
私も頭が春になっちゃったかな(*´ω`*)

それでは、本編どうぞ。


Ep,12 姉妹

「何の真似だ…。」

「はい…?」

 

場所は地霊殿の温泉。麗夢と一緒に居ないだけで気が楽であり、ついでに温泉で疲れを取ろうとしたのだ。

 

「何の真似だと言ってんだ、古明地さとり。」

 

カルマが温泉に入り疲れを癒している最中にさとりが入ってきたのだ。焦らないところを見ると、故意にやったことなのだろう。

 

「あら、女の子と一緒に入れるんだからいいじゃない。」

「そういう問題じゃねぇよ。」

 

浴室に乱入されることに慣れ始めている自分に呆れを通り越して関心するほどだ。さとりはカルマから少し距離を開けた場所に腰かける。

 

「ほら、こいし。貴方も来なさい。」

「…は?」

 

言われて戸に視線を向けると、さとり妖怪特有の第3の眼がこちらを覗いていた。

 

「お、お姉ちゃん。やっぱり恥ずかしいって。」

「いいから来なさい。これもこいしの為なんだから。」

「おいこら。」

 

彼は呆れながらさとりの頭に手刀を落とした。彼女は打たれた頭を両手で抑え、カルマを見上げてくる。

 

「何するの?」

「何の真似だと聞いてるんだよ。こいしまで連れ出しやがって。」

「そうだよ、お姉ちゃん。お兄さんに迷惑だよ。」

 

影から顔を覗かせたこいしだったが、しっかりとカルマの身体を見ている限り説得力がないように思える。

 

「それにこれ絶対こいしの為じゃないよね!」

「そんなことないわ。人と接するためにも色々な状況を経験する必要があるの。」

「だったらお姉ちゃんと一緒に入るだけでいいじゃん!」

「私だけじゃ駄目よ。他の人ともやらなきゃ。」

「お燐とかいるもん!」

「ペットでしょ?」

「うぅぅ…。お兄さんっ!」

 

反論を封じられ、どうすればいいか考えたこいしはカルマに助けを求めてきた。

 

「なんだよ…。」

「お兄さんからも何か言ってよ!今日のお姉ちゃん意地悪!」

「―だそうだが、さとり。流石に温泉での場合はねぇと思うが?」

「あら?ここは旧とは言え地獄よ?温泉で誰かと一緒になるなんて、日常茶飯事よ。それに閉じこもってばかりだし体も洗わないと。」

「本音は?」

「こいしとカルマさんの反応が見たかっ―あっ。」

「………。」

「………てへ?」

 

可愛らしく舌を出して小首を傾げたさとり。しかし、それで許されるはずもなく、カルマは彼女の両頬を無言で引っ張ることにした。

 

「い、いらいっ!やめへくらさいっ!」

「………。」

「何かしゃれって!こふぁいから!」

「…はぁ。」

 

容姿が幼子とはいえ、カルマには何処ぞの巫女のような趣味はない。溜息とともにすぐ両手を離した。引っ張られた頬を抑えて、さとりはカルマから少し距離を取った。改めて溜息をすると、視線を感じ顔上げる。すると、こいしが頬を膨らませてこちらを見つめていた。

 

「なんだよ。」

「別に…。お姉ちゃんと仲いいんだね。」

「…はぁ、さっさと入れ。冷えるだろ。」

「う、でも迷惑―」

「いいから来い。冷えてんだろ?」

「う、うん。」

 

影から姿を現したこいしはタオルを体に巻いているだけの姿だった。そんな格好のままでいれば冷えて当然だろう。彼女はお湯を体に掛けてからゆっくりと肩まで浸かり、さとりの隣で気持ちよさそうに息を吐いた。

 

「ふはぁ~。」

 

こいしは最近まで部屋から出ることなく閉じこもっていた。そのため体も清潔ではなかった。

 

「こいし、温まったら体洗ってあげるわね。」

「い、いいよ。1人でできる。」

「そんなこと言っても、ずっとしてなかったでしょ?やってあげるから。」

「…わ、わかったよぉ。」

 

女3人寄れば姦しいとは言うが、2人だけでも十分だろう。幼子に興味がないとは言え、流石のカルマは眼を閉じて聞いていないフリをしていた。

 

「あ、なんだったらカルマさんに洗ってもらう?」

「お姉ちゃん!流石にそれは駄目だよ!」

「冗談よ冗談。そんなにムキにならなくていいじゃない。」

「いいもん!こいしが自分でやるから!」

 

言うが早い。彼女は温泉から上がり、体を洗い始めた。

 

「悪いが俺は出るぞ。」

「もう少し温まって行ったらいいじゃない。」

「…わかって言ってるだろ、お前。」

「なんのことでしょう?」

「ふん…。」

 

さとりとのやりとりは疲れる。彼の巫女を彷彿とさせて、休もうにも休めないのだ。カルマはそのまま温泉から出て行ってしまった。

 

「行っちゃった。」

 

ふぅと息を吐き、体を洗っている妹の方に視線を向ける。カルマが来るまで塞ぎ込んでいた彼女だったが、彼が来てからというもの目に見えて明るくなった。

 

「これもカルマさんのおかげかしらね。」

 

彼のおかげで地霊殿の中だけだが、少し出歩けるようになっていた。

 

「終わったよ、お姉ちゃん。」

「分かったわ。」

「…あれ?お兄さんは?」

「先に出て行っちゃったわよ。」

「そっか…。」

 

こいしはお湯に口まで浸かり、ぶくぶくと泡を浮かべ始めた。

 

「どうしたの、こいし?」

「何でもない…。」

「…やっぱりカルマさんと入りたかった?」

「違うもん!」

 

大声を上げると彼女は温泉に潜ってしまった。拗ねた妹の様子を微笑ましく思いながら体を洗うことにした。

 

 

 

「………ククッ」

 




こいしに少し違和感ある感じだと思います。
ほら、こいしって無邪気なイメージあるじゃない?
この時点でのこいしはまだ心を完全に閉じてるわけじゃないのでねw
ついでに言います。
カルマはロリコンじゃないです!(←ここ重要

なんでここのさとりはこんな性格してるんだろ・・・(´・ω・`)
まぁほっぺむにむにできたからいいかなw

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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