東方禁初幻譚   作:鈴華

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久々の英語の題名。
えっ、規則性?
ねぇよ、んなもん(`・ω・´)

猫ランジェリーなるものがあるらしい・・・。

【挿絵表示】

ニコ静画にはカルマ無しで投稿してます。
なんか恥ずかしくて(/ω\)

それでは、本編どうぞ。


Ep,6 mind aberration

さとりが部屋から出て行っても、こいしはベッドから出て来ず、そのまま震えていた。さとりとカルマの会話を聞いていて、彼が残ったことを知っているためだ。

 

「古明地こいし、だったか…。」

「出てって!誰だか知らないけど、出てってよ!」

「断る。こっちにも事情があんだよ。」

「知らないよ!出てってよ!」

「なら読めばいい。俺がここにいる事情を。」

 

さとりが言っていた事。こいしは人間の心にある黒い部分を読みすぎた。今のカルマはさとりの能力を拒絶している。さとりと同じ能力ならば拒絶が発動するはずだ。

 

「嫌だ!もう心なんて視たくない!」

 

だが、彼女はまともに受け答えをしようとしない。このままでは埒が明かない。カルマは溜息を付くと、こいしの潜っているベッドに腰掛けた。

 

「あっち行って!」

「断る。」

「いいから出てってば!」

「断る。」

「こいしの事なんて、ほっといて!」

「何度も言わせんな。」

 

いい加減イライラし始めてきたカルマ。魔力が回復次第、強制的に心を読ませようかとも考え始める始末だ。だが、それでは意味を成さない。自発的にやってこそ意味を成す。

 

「お前は心の黒い部分を読んだそうだな。」

「そうだよ!分かってるなら、出てってよ!」

「…なら、これで最後だ。俺は何故ここに来た?」

「知らないよ!事情ってさっき言ったじゃん!」

「そうだ。その事情ってのはなんだ?」

 

“これで最後”。子供というのは甘い言葉に弱い。こいしを見ている限り、彼女は駄々をこねる子供当然だ。案の定、彼女はゆっくりと顔だけを出してきた。

 

「再度問うぞ。俺の事情ってのはなんだ。」

「……。」

 

こいしは彼をじっと見つめる。いつもなら心を読んですぐに答えが出てくるはずだった。しかし、いくら能力が発動しても、彼の心を読むことができない。

 

「…あ、あれ?」

 

彼女は首を傾げると、ベッドから出て不思議そうにカルマの身体を触り始めた。

 

「…何してんだよ。」

「あ、幻かと思って…。でもなんで読めないの?」

「俺の能力でさとりの能力を無効化してるからな。」

「ほぇ~。…じゃあお兄さん以外だと心が読めちゃうんだ。」

「あぁ、そうだ。」

 

こいしの能力が無くなったわけでも、変わったわけでもない。能力は名前と同じように、そのモノを象徴するものだ。無くなれば消滅し、変われば存在が変化する。そう簡単にどうにかなるものではない

 

「はぁ…。やっぱりそうなんだ…。」

 

彼女はカルマの隣で膝を抱えて座り込んでしまった。

 

「…心を読むのが怖いか?」

「…お兄さんは怖くないの?心を読まれること。」

「そうだな…。俺はこの力があるからどうにでもなるが、良くは思わねぇな。」

「みんなみんなそうだよ。みんなこいしを気味悪がって遠ざかって行っちゃう。お兄さんもその力が無くなれば、こいしから離れて行っちゃう。」

 

彼女の言っていることは尤もなことだ。誰だって好んで気味の悪いモノに近づこうと思う者はいない。こいしの心の傷はかなり深い物のようだ。

 

「…また来る。」

 

取り敢えず、今日の所はここまでと考え立ち上がったカルマだったが、慌ててこいしが彼のコートの端を掴んだ。

 

「あん?」

 

振り返ってこいしを見ると、彼女は涙目で彼を見上げていた。彼女にとって、誰かとのつながりは久々な物。この温もりから離れてたくはなかった。

 

「…い、行かないで。」

「…勘違いするな。俺はお前から離れようとしたわけじゃない。現状を報告しにさとりの所に行くだけだ。」

 

安心させるように、こいしの頭を軽く手を乗せた。すると、彼女は納得したのか、小さく頷き手を離した。

 

「また来る。」

「うん、待ってるからね。絶対来てよ。」

「あぁ。」

 

背中越しに手を振りながら、カルマはこいしの部屋から出て行った。廊下には伏せている焔と心配で落ち着かないさとりがいた。

 

「戻ったぞ。」

「あ、カルマさん!そ、それでこいしは?」

「俺限定だが、なんとか話はできるようになった。」

「…よ、良かったぁ。」

 

相当心配だったのか、彼女はその場に座り込んでしまった。

 

「気が早ぇよ。まだ俺と話すくらいしかできてねぇんだからな。」

「分かっています。でも、少しでも心を開いてくれたんです。それだけで十分です。」

 

さとりの感謝の気持ちにカルマは顔を逸らした。

 

「勘違いするな。交換条件が無ければこんなことしねぇよ。」

「…焔さん、これが例の照れ隠しですか。」

『そーでいやがります。』

「おい、焔。何を言った?」

『話してしやがりません。思っただけでいやがります。』

「それを私が読んだだけですよ。」

 

彼の知らぬ間に焔とさとりは仲が良くなっていた。

 

『話さなくて良い分楽でいやがりますよ。慣れれば、大したことないでいやがります。』

「この能力のおかげで、動物には好かれるのよ。」

「まさか、余計なこと言ってないだろうな。」

『言ってはいやがりませんよ?言っては。』

「思う分には自由ですからね。」

「お、お前ら……。」

 

埒が明かないと判断したカルマはそのまま割り振られた部屋へと戻って行ってしまった。それを見送る焔は肩を竦め、さとりはおかしそうにクスクスと笑っていた。

 




こいしが立った!
こいしフラグが立ったよ!(アルプス的なノリ
えーっと・・・。
ルーミアと水咲、レミリアに妹紅でこいし。
さとりは興味本位で、あの娘(この章で登場)は尊敬の対象。
そんで、麗夢とあの人(次章で登場予定)でしょう。
うへぇ、それなりに多いかもw

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

またもや友達が前作EXボス、殺女を描いてくれましたw
霙のお仕置き中のようですw

【挿絵表示】

あの頃は平和だったなぁ・・・(しみじみ
袖は描き忘れたそうですw

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