なんか紫よりも背が少し高い人に頭を撫でられて、頬を膨らませてそっぽを向くみたいな?
飄々としてるけど、たまにそういうことあってもいと思う。
ただし、この物語の中でそういうことはない!(`・ω・´)
それでは、本編どうぞ。
「…暑い。」
『そーでいやがりますね。』
麗夢から焔を押し付けられる形で、地底へと訪れたカルマ。彼の回りには何人かの鬼が倒れていた。
「闘うことしか考えていないド低脳が…。」
『騒がしいことを好みやがりますからね。根は優しいのでいやがりますが。』
地底へと来るなり鬼に喧嘩を売られ、適当にあしらったカルマ。どうも歓迎されていないようだが、紫に頼まれたこともあり、先に進むことにする。
「さとり妖怪、ねぇ…。」
彼は歩きながら、紫の話を思い出していた。
「さとり妖怪?心を読むんだったか?」
「えぇ、そうよ。だから、カルマが適任だと思うわ。拒絶を使えば、そんなこと関係ないでしょ?」
「…まぁな。」
「こっちの考えていることを先読みされるから、やりづらいのよ。だから、お願いするわね。」
「まぁ、会ってからでいいか。」
『何か言いやがりましたか?』
「なんでもねぇよ。…あ?」
何かが落ちてくる風を切るような音が聞こえてきた。顔を上げれば、桶がカルマ目掛けて落ちてきていた。
「行くぞ。」
『そーでいやがりますね。』
見なかったことにして歩みを進める。背後で桶が地面に衝突し、女の子が何か言っているようだったが、気にせず進んでいく。
『ちょっと失礼しやがります。』
カルマの前に出る焔。少し進むと彼女の炎が何かに引火しだした。炎は蜘蛛の巣状に広がっていく。
『行きやがりましょー。』
炎が服に燃え移って慌てている女の子がいたが、先を進むことにする1人と1匹。暫くすると、賑やう声と明るい灯りが見えてきた。
『あれが旧地獄の街道でいやがります。』
「地獄と思えねぇ賑わいだな。いや、地獄ならではか?」
『どーでいやがりますかね。』
進むと街道の前に門があり、そこに繋がる大きな橋があった。そしてそこに身長の高い鬼と1人の少女が何か話しているようだった。
「―ん?地底に客か?珍しいこともあるもんだねぇ。」
「そうね。地上の人間は暇なのかしら?妬ましい…。」
どうやらこちらに気付いたようだ。2人はこちらに身体を向けた。
「地上の人間だろ、アンタ。ここはちょいと五月蠅いから引き返した方が身のためだ。」
「悪いがここに用があってここにきた。」
「ちょっと待って。そっちの狐火はともかく、アンタは人間?」
流石に近づかないと気付かれなかったようだ。カルマは既に魔神として扱われている。彼からは少なからずとも神気を感じるはずだ。
「人間じゃねぇな。神の分類に入るか。」
「アンタが神?まったく妬ましいわね。」
「適当に妬んでろ。俺はこの先に用がある。」
だが、彼の前に鬼が立ち塞ぎ、道を阻んだ。
「何の真似だ…?」
「いやぁ、悪いね。少なくともただで通すわけにはいかないんだわ。どうだ?あたしと喧嘩しないか?」
「……めんどくせぇ。焔、離れんなよ。拒絶。」
出来れば、さとり妖怪と対面した時に使いたかったが、ここから発動させても問題ないだろう。これを地上に戻るまで維持すればいいだけの話だ。
「あ、あれ?」
「ちょっと勇儀!?」
勇儀と呼ばれた鬼はカルマに道を譲らせさせられてしまった。
「どうなってる?」
「いいの、勇儀?行かせて。」
「いや、行かせるつもりはなかったんだけど…。まぁ一応ついて行こうかね。パルスィはどうする?」
「…いいわよ。ここにいるわ。」
「おう。じゃ、行ってくらぁ。」
少し離れて焔が付いてくる。拒絶により一定の距離から近づけないのだ。街道に出ていた妖怪たちも自然と彼を避けるように道が開けていく。勇儀は焔に追いつくと、彼女に話しかけてきた。
「狐火さんよ。あの男はなにもんなんだい?なんかいきなり近づきたくなくなったんだけど。」
『彼奴は魔神カルマでいやがります。』
「魔神だって!?…そうか、なるほどねぇ。」
何か1人に納得している勇儀をほっといて、焔はカルマの後に続いていく。
「おーい、魔神さんよー!もう手を出さないから、その近づきたくなくなるやつ消してくれねぇかな?」
距離があるため、大声でカルマに語り掛ける勇儀。拒絶をといても構わないが、ここで解けば、残り使える禁忌魔法の魔力は2つ分しかない。だが、ここまで魔法を使わずに来れたのだがら、大丈夫だろう。
「…チッ。」
軽く舌打ちすると、拒絶を解いた。途端に辺りは元通りになり、先程までの賑わいに戻った。
「いやいや、さっきは済まないねぇ。喧嘩を売るような真似しちまって。」
肩を叩きながら接してくる勇儀を鬱陶しく感じながらも歩みを進めていく。
「そんで、こんな場所に何の用なんだい、魔神さん?」
「さとり妖怪に用がある。」
「うん?なんでまたそんな奴に?」
勇儀の疑問に答えることなく進んでいく。焔に聞いても肩をすくめるだけでまともに答えようとしなかった。
「ま、細かいことはいいか。それならあたしが案内してやるよ。」
実際適当に歩いているだけだった。一応今いる位置からも見える屋敷のような建物に向かって歩いていた。
「あそこだろ?」
「お?まぁ、そうだが、ここいらに詳しい奴がいれば安心だろ?あたしはここにいる鬼の中で結構強い。そんなあたしがいれば、周りの鬼も喧嘩売ってこないからね。」
彼女は笑いながらそう言った。確かに門を潜って拒絶を解いたが、襲われるようなことはなかった。
『なら、案内お願いしやがります。』
「おう。任せなって言っても、入り口までだけどな。あたしもアイツが苦手だからね。ほれ、ついてきな。」
カルマと焔は彼女の案内について行った。
え?一部不遇な扱い受けてるって?
知らぬな!
あ、ごめんなさい。
好きな娘だったらごめんなさい(;´Д`)
はい、やってまいりました。
地底でございますよ。
焔がいるのは、1人だとつまらないくなりそうだったから!(`・ω・´)
それに、一応動物だし・・・。
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。