まったく・・・。
小学生は最高だぜ。
いや、私はロリコンじゃないからね( ̄▽ ̄;)
それでは、本編どうぞ。
「…行くぞ。」
3人は早急に打ち合わせを済ませると、朱姫が穢れに向けて飛び出した。
「KaAAAaaaaaaAa!!」
対し、穢れは迎え撃とうと、闇の弾丸を放つ。朱姫は拳でそれを逸らしながら、穢れへと接近していく。もう少しで距離が零になろうとした時、朱姫は拳を振り上げた。
「…今じゃ!」
拳が当たる瞬間、2人を覆う境界を隔てた結界が生まれた。それだけでは足りないとばかりに、6面と8つの点を更に結界で覆い、更にそれと同じ結界を上から重ね掛けする。
「これなら大丈夫のはず…。」
朱姫が放った拳を振り抜き、穢れを殴り飛ばす。だが、結界に阻まれ、外まで飛ばされることはない。
「―グゥッ」
朱姫の拳の威力が想像以上の物だったため、結界が軋み、紫に苦悶の表情が生まれた。今から結界を追加しようにも、少しでも気を緩めれば、結界が壊れてしまう。
「歪みやがってください!」
それを察し、麗夢は彼女の張った結界に空間の歪みで生み出した結界を重ねる。
「ありがとう、麗夢。」
「どーいたしまして。」
突然現れた結界を穢れは破壊しようと、闇を爆発させようとする。しかし、それをさせまいと朱姫が襲い掛かる。
「クハハッ!どうした、今までの威勢は!!」
「―OoAaaaaAaaA」
狭められ制限された空間で穢れは上手く動けないようだ。朱姫の猛攻で消耗してきている。
「…そろそろね。朱姫!」
「よし来た!」
紫の呼びかけに彼女は穢れの腹を蹴り込んだ。くの字に曲がった穢れはそのまま結界に衝突する。
「捕まえたわ!」
「AaAaaaaaaAAA!!GaAAAAaAAAAAAAAAAAA!!」
穢れの手腕を境界の狭間に挟み込み、動きを封じた。闇を爆発させ逃れようにも、狭間へと消えて行ってしまうため、脱出することはできない。
「朱姫様、後は私がやります。」
麗夢は歪めた穴を潜り、朱姫の隣に現れた。
「何じゃ、もう終いか。つまらぬのぉ。」
ぶつぶつ言いながらも、麗夢の出てきた穴から結界の外へと出ていく朱姫。
「さて、始めやがりましょうか。」
懐から取り出した赤い布。それを穢れの身体に当てる。
「…無相封印。」
布に込められた術式が発動する。赤い光が発光し、闇を削ぎ落していく。光により穢れが浄化され消えて行く。
「…まったく、よくやってくれたわね。」
幾つかの穢れが落ちてきた時、ルーミアの姿が現れた。しかし、その姿には闇が離れまいとこびりついていた。
「お疲れ様です、ルーミアさん。」
「そうね。自分の意思で身体を動かしたわけじゃないから、色々疲れたわよ。」
「あれだけ動かされれば疲れるのは当たり前でいやがります。」
「―てか、その姿なんなの?焔も混ざってるみたいけど。」
この状態を彼女が見たのはこれが初めてだ。見てわからないのは当たり前だろう。
「説明してあげたいのは山々なのでいやがりますが、時間がないので。」
封印は発動している。布から伸びた術式が刺青のようにルーミアの身体に刻み込まれていく。
「ふーん。ま、いいけど。」
「この後ですが、ルーミアさんは1からやり直すことになりやがります。」
「何それ?」
「後のお楽しみです。」
「…いや、ほんと何それ?少しくらい教えなさいよ。」
彼女の問いに麗夢はただ微笑むのみ。ただし、その笑みは慈愛に満ちていた。そして、全身に回った術式が強く光り出す。
「ルーミアさん。貴女はこれで自由でいやがります。この世界で生きやがってください。」
「そ、そーなのかー…。」
麗夢は一礼すると、歪めていた穴から外に出る。赤い光は結界の外まで届いていた。そして、封印が終わり、結界を解く。
「…これは。」
「貴女も変なことするわねぇ、麗夢。」
そこには今までのルーミアを子供にしたような娘がいた。頭には封印で使われた赤い布が縛られている。
「大変だったのですよ、この術式を作り上げるの。」
「いやはや、確かにこれは1からやり直すことになるのぉ。」
幼児化させられたルーミアは状況が掴めていないようで、不思議そうにこちらを見つめてくる。
「子供ならさっきのよーな戦いはしやがらないと思いましたからね。まぁ、本質は残念ながら変えられませんでしたが。」
つまりは今まで通り、ルーミアは人食い妖怪となる。
「そこは私がどうにかしましょう。」
しかし、ここには境界を操る八雲紫がいる。
「私が存在概念の境界を弄って、あまり襲わないようにするわ。」
「えぇ、あとはお任せしやがります。流石に疲れました。」
夢蒼天成を解くと、軽く首を回し溜息を吐いた。焔も大きな欠伸をすると、麗夢の中へと溶け込んでいく。
「疲れている所悪いがのぉ。約束、忘れてないだろうなぁ。」
「…えぇ、覚えていますよ。帰りながら説明します。」
麗夢と朱姫が2人を残し、神社へと帰っていく。
「さて、と。ほったらかしにしてごめんなさいね。」
「…わはー?」
第一声に少し笑いたくなる。今までが今までだったためだろうか。可愛らしく思えてくる。
「はじめまして、私は八雲紫よ。」
「…そーなのかー?」
「ふふ、…ごめんなさいね。そして、貴女の名前はルーミアよ。」
「…るーみゃ?」
子供を持ったらこんな気分なのだろうか、と心の中で密かに笑みを浮かべる紫。
「さて、貴女はこれで自由よ。好きなように生きなさい。」
「そーなのかー。」
去り際にルーミアの境界を弄ることを忘れない。そして、紫はスキマの中へと消えて行った。
「…取り越し苦労だったか。」
「…そーなのかー?」
やっと封印終わったぁ・・・orz
意外と長かったなぁ。
いや、書いてるの私だけどw
ほら、幼児退行ルーミアだぞ。
喜べよ。(投げやり
「カルマを子供にして、私を姉として育てたら、どうなるのでしょうね。」
「やめれ。」
カルマには姉のような存在が既にいるけどねw
はい、技紹介~
無相封印 ― 麗夢が作り上げたルーミア専用封印術。穢れを削ぎ落とし、浄化させた後に封印が発動する。尚、浄化できる量と封印できる容量は限られているので、今回できたのは奇跡に近い。
次回でこの章終わりだぁ。
次章がこの物語の重要なところだぜ(= ̄▽ ̄=)
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。