東方禁初幻譚   作:鈴華

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おふとんからでたくありません(:[____]
でも、げんじつがそうさせてくれません。
もぞもぞ・・・。

それでは、本編どうぞ。


Ep,13 闖入者

土煙が舞い、視界が悪くなる。そんな中でも攻防の音が聞こえてきた。

 

「今の声って…。」

 

土煙の中から飛び出した影は身軽に2人の前に着地した。

 

「朱姫。なんで貴女がここにいるのよ。」

 

そこにいたのは鬼子母神の朱姫だった。普段の彼女なら天狗が縄張りとする山にいるはずだ。

 

「クハハ。何、懐かしい気配を感じてのぉ。ちぃと様子を見に来たんじゃ。」

 

朱姫もカルマ程ではないが、穢れと関係している。そして、ルーミア以上に濃度が濃い気配が数億年もの昔を思い出させ、不審に思い駆けつけたのだ。

 

「しかし、あれはなんじゃ?」

「見ての通り、穢れよ。」

「穢れは既に絶ったはずじゃ。居てもルーミアとやらじゃろう?」

「そう、あれが元ルーミアよ。」

「ほぉ…。」

 

煙が晴れ、穢れはこちらの様子を見るように動いていなかった。

 

「随分と変わったものじゃな。」

「まったくよ。それで、朱姫。手を貸してくれるかしら?」

「ふむ…。」

 

ここで朱姫が手を貸しても利益はない。だからと言って不利益もない。それに“今の鬼の立場”を考えても、同じことだった。

 

「朱姫様。」

「…なんじゃ、狐付きの小娘。」

 

手を貸してくれそうにない朱姫に見かねた麗夢が割って入った。

 

「魔神カルマについて知りたくないですか?」

「…ほぉ。」

 

彼女の言葉は朱姫の気を引くに十分な物だったようだ。少なからず、カルマと朱姫の関係を紫から聞いたことがあった。基本的に山から出ない朱姫は神社にカルマがいたことを知らない。そこに付け込んだのだ。

 

「手を貸してくれたら、彼のことを教えると約束しましょう。」

 

更に約束するというキーワードを持ち込んだ。鬼は特性上、約束を必ず守ることに拘る。そこを突いたのだ。

 

「クハハ!いいだろう、手を貸してやろう!小娘、約束は必ず果たしてもらうぞ!」

「えぇ、勿論。」

『…悪女がいやがります。』

 

焔の溜息をスルーすると、麗夢は再び“夢蒼天成”を発動するため、力を蓄え始めた。この間の彼女は完全に無防備になってしまう。

 

「では、行くとするかの。」

 

朱姫は限界まで膝を曲げると、バネのように穢れへと飛び出した。

 

「AaaAagYuuuaaaAaaaaaaAAAAAAAAAAAAAA!」

「クハハハハ!」

 

穢れの巨腕が迫りくる。彼女はそれを何の躊躇もなく殴った。すると、巨腕が拉げてしまう。そこで縦に回り、踵を落とした。踵落としを受けた巨腕は水のように弾けてしまった。

 

「おっと。」

 

朱姫は巨腕を足場にしようと思っていたため、バランスを崩してしまう。その隙を狙って、闇の弾丸が襲い掛かった。

 

「クハ、クハハハハハ!!」

 

前のめりになってしまった朱姫だが、飛び出した時の勢いはまだ消えていない。手を地面に付いて、上へ飛び上がり、弾丸を避ける。

 

「温いぞ、穢れ!もっと楽しませろ!」

 

空へと逃げた朱姫に闇の槍が襲い掛かる。それを軽やかに躱すと、それを足場に下へと駈け出した。何か攻撃を仕掛けようとしていると判断した穢れは彼女の進行方向に壁を作る。

 

「クハハ!薄い、薄いぞ!」

 

しかし、それも1回の拳で粉砕させられてしまった。そのまま穢れに拳を叩きこむ。

 

「AaaAaa…。」

「クハハッ。」

 

怯んだ穢れの頭を掴み、追い打ちで勢いよく膝蹴りを叩きこんだ。更に衝撃で浮いたところに回し蹴りを叩きこみ、蹴り飛ばす。地面を何回か跳ね、岩に凹みを作ってやっと止まった。

 

「なんじゃ、手応えもないのぉ。鎌使いなら今の流れで反撃できたであろうに。…うん?」

 

微かに聞こえた不快な音。それは粘液質な液体が泡立つ音だった。音の発生源は蹴り飛ばされた穢れだった。泡立ちは大きくなると、2つに分裂する。

 

「分裂しよるか。…面白い。」

 

分裂した穢れは二手に別れ、朱姫を挟み込もうとした。両側からの挟み撃ち。受け止めることもできるが、躱しても前後が上だ。

 

「…右から潰すかの。」

 

朱姫は右に飛び出し、そちらにいた穢れへと襲い掛かる。だが、それは叶わなかった。飛び出すと同時に、遮るように闇の壁が地面から現れただめだ。

 

「うおっ!?」

 

いきなりのことに踏ん張るが、飛び出すことに力を入れすぎたために止まることはできない。そのままぶつかりそうになった時、目の前の空間が裂けた。

 

「おっと。」

 

そのまま中に入ってしまったが、出てきた場所が紫の隣だった。

 

「猪突猛進するとはよしなさい。穢れとは言え、あっちは集合体。何してくるかわからないのだから。」

「すまぬな。しかし面倒じゃ。弱いには弱いが、耐えるしのぉ。」

「もっと力を削がないと、封印できないわ。」

「やれやれ。骨が折れるのぉ…。」

 

分裂した穢れが1つの塊へと戻っていく。まだ封印できる範囲まで力を削り切っていないのは明らかだ。

 

「仕方ないですね。このまま封印へと移行しやがります。」

 

夢蒼天成状態となった麗夢が袖から1枚の赤い布を取り出した。

 

「出来るのかしら?」

「最初よりは力を削いでいますが、難しいでしょー。紫さんの力で抑え込みやがってください。」

 

境界を操れば、穢れを押し込むことも可能。だが、これだけの力を抑え込むことはできるのだろうか。

 

「クハハッ。中々面白いことを考えるのぉ、小娘。良いぞ、力を貸してやる。」

「まぁ、やってみないことには始まらないわ。やってみましょう。」

「お願いします。」

 




戦闘描写が雑でごめんなさい。
わかりにくくてごめんなさい。
だが、後悔はしない(`・ω・´)

麗夢が腹黒へとレベルアップ。
もう抑えられないw

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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