東方禁初幻譚   作:鈴華

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遅れてごみんね(´・ω・`)
EXルーミア暴走体を描こうとしてたんだけど、描けなくて・・・。
イメージは出来てるんだけども・・・。
まぁ、あの三次創作と同じと思ってくだちぃ(m´・ω・`)m

それでは、本編どうぞ。


Ep,11 災禍

「それで焔。何か言うことはありますか?」

 

現在、居間では麗夢と焔がいた。ルーミアとの戦闘後、無事に帰ることができた焔だったが、黙って抜け出したことに怒っている麗夢と出くわしてしまっていた。遅かれ早かれこうなることはわかっていた焔はそのまま彼女に説教されていた。

 

「藍、ルーミアはどうだった?」

 

そんな2人を横に紫は藍に問いかける。

 

「手遅れのようです。今は闇が繭のような形状になっているため、動きはありません。」

「わかったわ。ありがとう。」

 

繭が孵った時、ルーミアの意思は既に考えた方が良いかもしれない。出来れば繭の孵る前に始末をつけておきたい・・・。

 

「麗夢。焔の尻尾を弄るのやめて、こっち来なさい。」

「あ、はい。」

 

麗夢は紫に呼ばれ、ピクピクしている焔を置き、彼女に対面する形で腰掛けた。

 

「もう時間の猶予はないわ。さっきの焔の報告から、ルーミアはもう自我がないと考えた方がいい。悩んでいる暇はないわよ。」

「・・・・・・。」

 

彼女の言葉に麗夢の顔に影が刺した。麗夢の気持ちも分かる。だが、感情論でどうにかできるほど、現実は甘くない。

 

「…分かりました。術式を作り直すので、少し待ってください。」

「作り直す?今までのものでいいわ。時間もないのよ?」

「構いません。今のカルマができないなら、私がやります。」

 

今のカルマのできない事。それは1つしかない。

 

「まさか、禁忌に触れようと考えているのかしら?させると思う?」

「触れませんよ。カルマがルーミアさんにしようとしていたことをするだけです。それにこれは紫さんにとっても利に叶っていると思います。」

 

彼女は今から作る封印の術式の内容を説明した。それは確かに紫にとってメリットになるが、危険もその分大きいものだった。

 

「でも、やる価値はあるわね…。わかったわ。式は貴女に任せるわ、麗夢。」

「ありがとうございます。では、すぐに―」

「えぇ。取り掛かって頂戴。」

 

麗夢は焔を内に戻すと、新しい術式を作るために部屋を出て行った。

 

「私たちも準備しないといけないわね。藍、行くわよ。」

「はい、紫様。」

 

 

 

翌日、麗夢の術式はなんとか完成した。

 

「準備はいいかしら?」

「はい。問題ありません。」

「・・・行くわよ。」

 

スキマが開き、その中を進んでいく。

 

「――ッ。」

 

通された場所の惨状に麗夢は息を飲んだ。そこかしこに転がっている人骨の数々。それは彼女の予想を遥かに超えたものだった。そして積み上げられた人骨の頂きにそれはあった。

 

「あれがルーミアさん、ですか。」

「えぇ、そうよ。あの中にルーミアがいるわ。」

 

少し離れてはいるものの、その存在が異質であることは素人でもわかるかも知れない。繭が胎動し、その振動が空間を震わせていた。

 

―ミシッ―

 

繭が軋み始めた。一層胎動が大きく早くなり、所々に亀裂が生まれていく。

 

「・・・手遅れだったようですね。」

「構えなさい、麗夢。こうなった以上、戦うしかないわ。」

「分かっています。焔。」

 

麗夢は両手両足に炎を纏うと尾と獣の耳が現れた。炎が激しさを増していく。

 

『いつでも行けやがります。』

 

眉が裂け、そこから禍々しい妖気が血のように吹き出した。

 

「AAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」

 

中から現れたのは先に焔が会っていたルーミアとは程遠い姿だった。人の姿形に酷似はしているが、闇がその体に粘液のように纏わりついている。

 

「Aaaa・・・。」

 

最早人語すら喋れなくなっているようだ。もう既に『ルーミア』の意思はないと思っていいだろう。

 

「・・・行きますよ、焔。“刹月火”!」

 

麗夢の周りに歪んだ空間がいくつも現れた。それと同時に、ルーミアだった物―穢れの周囲にもいくつかの穴が開かれる。そして、炎が吸い込まれるように麗夢の開けた穴を通り、穢れへと襲いかかった。

 

『手応えはありやがりますが・・・。』

「効いていないようですね。」

 

爆炎の煙の隙間から見えるのは無傷の穢れだった。今の攻撃でこちらを注目したのは確実。ここからが戦いとなる。

 

「“刀忠火葬”。」

 

両手に纏っていた炎が膨れ上がり、1mほどの手刀へと姿を変えた。姿勢を低くし、駆け出した。足にある炎が彼女の走る速度を上げていく。そして、振り上げられた炎は穢れに直撃―しなかった。

 

「ガフッ!?」

 

目にも止まらぬ速度で麗夢の目の前に現れた穢れは彼女を殴り飛ばしたのだ。何かしらの行動はしてくるとは思っていたが、対処が出来なかった。力任せに振り抜かれた麗夢はそのまま吹き飛ばされてしまう。

 

「麗夢ッ!」

 

紫はすぐにスキマを開き、彼女を受け止めようとしたが、威力を殺すことができず、二人もろとも飛ばされてしまう。

 

「かっはぁ・・・はぁ・・・。すみません、紫、さん。」

「こっちは、そんなに問題ないわ。それより、貴女はどう、なの?今ので、骨は数本やられたと思うけど・・・。」

 

麗夢は普段から鍛えているわけではない華奢な身体をしている。今の攻撃で数メートルは飛ばされれば、かなりの重症に違いない。

 

「確かに、数本逝ってるみたいですね・・・。幸い肺には刺さってないみたいですけど。」

『麗夢。これは最初から本気の方がいーでいやがります。』

「そうみたいです、ね。」

 

激痛に耐えながら、立ち上がる。ふらつく身体を紫が支えた。

 

「永琳にもらった回復薬よ。即効性だからよく効くはずだわ。」

「ありがとうございます。」

 

紫からもらった小瓶の中を飲み干す。かなりの苦味に苦悶の表情を浮かべるが、一気に流し込んだ。効果はすぐに現れ、痛みが和らいでいく。

 

「ふぅ・・・。では、焔。行きましょうか。」

「わかりやがりました。」

 

深呼吸を1回置くと青い炎が麗夢から吹き出し始めた。焔が人化した時に現れた現象に似ている。

 

「『夢蒼天成!』」

 

炎が爆ぜるとそこにはいつもの麗夢がいた。しかし、いつもと様子が違うのは一目瞭然だろう。尾が炎の尾が9本になり、髪は伸び、白髪へと変わっていた。

 

「カルマには到底及ばないでしょうが、ここからは本気で行きやがるとしましょうか。」

 




獣娘って尻尾弄られるとこんな感じだよね?
あれですw(/ω\*)

今回登場した麗夢の技。
実は“東方霙無双”で使うつもりだったものです。
まぁ、霙無双はお箱入りになりましたので(´・ω・`)
そんなわけで説明~。

“刹月火”―読みは「せつげつか」。空間同士を繋げ、いくつもの開いた空間に向けて炎を撃ち込み、相手を攻撃する技。
“刀忠火葬”―読みは「とうちゅうかそう」。両手を炎の剣を携える技。簡単に言えば、両手にレーヴァテイン?w
“夢蒼天成”については次回にします。
これについては色々考えましたのでw

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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