東方禁初幻譚   作:鈴華

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・・・日常書きたい。
シリアスが多すぎだよ(´・ω・`)

喜べ、挿絵2枚だよ。
へへっ(遠い目

それでは、本編どうぞ。


Ep,9 闇と炎

翌朝、麗夢はいつもよりも重い身体を起こし、朝食をとると、身支度を整えた。ルーミアの場所を探そうと思ったが、先日、紫たちがルーミアのいたであろう場所を地図に指し示している。そこを重点的に探すべきだろうか。

 

「焔ー。出かけてきますねー。」

 

しかし、返事がしない。いつもなら、気怠げながらも返事をしてくれるはずなのだが。

 

「焔~?」

 

もう一度呼びかけても返事がしない。嫌な予感を感じ、神社内と周りを探してみても、彼の狐の姿が見当たらない。

 

「ルーミアさんに続いて、焔まで…。」

「おはよう、麗夢。どうしたのかしら?ふあぁ…。」

 

そこへ紫が欠伸をしながら現れた。彼女は寝起きのようで、髪が少し跳ねている。

 

「おはようございます、紫さん。突然すみませんが、焔を知りませんか?」

「焔?見てないわね。あの子がどうしたの?」

「朝から姿が見えないのですけど…。」

「そこら辺を散歩してるんじゃないかしら?」

「それならいいのですが…。」

 

 

 

博麗神社から数日は掛かる距離。そこに闇で包まれたドーム状の物があった。闇はとても大きく、村1つなら軽々と飲み込める程の大きさがある。

 

『やれやれ。世話が焼けやがりますね。』

 

その傍に一点だけ青白く明るい光が灯った。焔は溜息をすると、突如として炎が大きくなった。そのまま闇へとぶつかり、凄まじい音を響かせた。

 

『―くっ。そう簡単に開きやがりませんか…。』

 

大きな音の響かせたわりに、闇はびくともしない。それどころか、焔の攻撃に対し、反撃を開始し始めた。闇が触手となり、焔に襲い掛かる。

 

『残念ながら、こーいうのは効きやがりませんので。』

 

触手は焔を確実に捕えた。しかし、それは全てすり抜けていく。焔は狐火という妖怪に分類されるが、元々は幽霊と同じだ。物理的な攻撃は一切受け付けない。

 

『そーいうわけでいやがりますので、燃やさせていただきやがります。』

 

焔をすり抜ける触手に青い炎が引火した。すると、闇は苦しむようにのたうち回る。

 

『この時程、幽霊でよかったと思ったことはねーでいやがりますよ、ほんとーに。』

 

苦しみもがく闇が突如として霧散した。おそらく、炎から逃れるために行ったのだろうが、焔はそれを許さず、粒子と化した闇すらも焼き切ってしまった。

 

「誰かと思えば、アンタか…。」

 

闇が割れ、中から女性の声が聞こえてきた。しかし、彼女の姿は焔の知る姿を形が変わっていた。

 

『…見ない間に随分と様変わりしやがりましたね。』

「まぁね。おかげで自我を保つのがやっとよ。」

 

今のルーミアの姿はカルマのキマイラと酷似しているものだった。

 

【挿絵表示】

 

『麗夢が心配していやがります。早く帰りやがりましょう。』

「あのねぇ。この状態で帰れると思うわけ?それにこれを見てもまだそういうこと言える?」

 

今の状態で帰れば、必ず麗夢に襲い掛かる。それに加え、ルーミアは闇の中を焔に見せた。

 

『……。』

 

そこには地面を埋め尽くした人骨が転がっていた。それも積み上げられ、大きな山を作るのではないかと思わせる程の量だ。

 

「これだけの人間を食べても、まだ満たされないの。ねぇ、焔。私はあとどれだけ食べればいいのかしら?」

『あの魔神に言えば―』

「無理よ。今のカルマがどういう状態なのかは知らないけど、魔力がもう底を尽きようとしているのは確かだった。そして、私の中にいる穢れがカルマの拒絶を破った。破ってしまう程の力を蓄えてしまった。」

 

カルマが魔力回復のために節約している間も、ルーミアの穢れたちはなんとか拒絶を解こうと力を貯め込みながら、少しずつ拒絶を削っていた。

 

「今のカルマが全盛期の頃の物なら、私を倒すのも容易だとも思えるけどね。」

『今の魔神は魔力が無くなったそーで、安静にしてもらっていやがります。』

「やっぱり…。私をもう止められる者はいないのね。…それで、アンタはここに何をしに来たの?まさか、私を止めに来たとか言わないわよね?」

『そのとーりでいやがりますよ。』

 

焔の言葉に呆れるが、すぐに睨み付ける。

 

「言ったはずよ?私を止められる者はいない、と。」

『やってみねーと分かりやがりませんよ。』

 

すると、焔の身体を構成する炎が膨張し始めた。あまりの熱量にルーミアは闇で身体を庇う。そして、一気に膨らむと突然爆ぜた。

 

『…麗夢には悪いことをしやがりましたね。』

 

【挿絵表示】

 

姿を現したのは幼少の頃の麗夢を模った焔だった。本来の善狐なら人間へと姿を変えることは出来ない。できるのは天狐と悪に飲まれた妖怪狐のみだ。例外として尾の数が多い者も変化できる。尾が1本で善狐である焔が、ここまで力を出すことができるのは麗夢の力もあるためだ。焔はここへ来る前に寝ている麗夢から無断で力をもらっている。故に麗夢は朝起きた時、身体が重く、紫とほぼ同時刻に起きたのだ。

 

「面白いことするわね、アンタも。」

『褒められても嬉しくねーでやがります。』

 

お互いがにらみ合う中、2人は同時に手を翳した。ルーミアの背後にあった闇が蠢き、焔に襲い掛かる。対し、焔の手から劫火とも思える炎が吐き出された。2つの力はぶつかり合い、大きな衝撃波を生み出した。

 




今回は珍しく焔視点です。
この子はあまり表に出ないですからね。

ぶっちゃけ戦闘回は苦手です。
妄想もとい想像はできるんだけどね。
これを文章にするとなると・・・(´Д`)ハァ…
あれ?これ前にも同じこと言った気がする(´・ω・`)
あぁ、日常もの書きたい・・・。

挿絵らしくないのはご愛嬌ですたい。
元々はイメージ図のつもりだったので。
ところで、焔がなんか色合い的に気持ち悪ぃ・・・(゜д゜)

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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