一週間ごとに更新してる気がする・・・。
それでは、本編どうぞ。
麗夢がルーミアを探し、どれくらい時間がたっただろうか。空間を転移できるとはいえ、この広大な世界からたった1人を見つけることは至難の業だ。
「カルマは私の獲物よ(食べる的な意味で)。」
「いいえ。私の獲物です(意味深)。」
「いずれ私が食べるつもりよ(物理的に)。」
「先に私が食べちゃいますよ(意味深)。」
2人でくだらない会話をしていたが、麗夢にとってルーミアは最早家族当然の存在だった。そんな彼女の姿が消えた。最初は散歩でもしているのだろうと思った。しかし、どれだけ時間が経っても帰ってこない。
「ルーミアさん…。一体どこに行ってしまったんですか…。」
彼女に限って攫われることはないはず。だからと言って殺される程弱いわけでもない。
「探したわよ、麗夢。」
「…紫さん。」
空間が裂け、紫が姿を現した。
「ルーミアを見つけたわ。まずは神社にいらっしゃい。」
「本当ですか!?」
「…えぇ。」
歯切れの悪い彼女を不信に思ったが、素直に神社に戻る。
「あれ?カルマは…。」
「カルマなら今永琳の所―永遠亭にいるわ。今は動けそうにないの。」
「何故です?」
「魔力枯渇で休眠状態に入ったらしいの。暫くすれば起きるから、命に別状はないわね。」
「それはよかったです。」
居間には焔と藍が既に待機していた。麗夢が帰ってきたことを確認すると、焔が姿を消し、彼女の中へと戻っていく。
「それで、ルーミアさんは?」
「ルーミアはここからとても遠い場所にいるわ。しかも、点々と移動を繰り返してここから遠ざかろうとしているの。」
「えっ?」
近づくどころか遠ざかる?いったいどういう事なのだろうか。
「麗夢。貴女、ルーミアがどういう妖怪か覚えている?」
「確か人食い妖怪、ですよね?」
「そうよ。そして、ルーミアのいた場所に人骨が山を作っていたわ。」
ルーミアのいた場所に積み上げられた人骨。それは彼女が人間を喰らっていることを意味する。
「ぐ、偶然じゃないのですか?だってルーミアの捕食活動はカルマの力で封じられているはずじゃ。」
「今のカルマは休眠状態よ。もしかしたら、効果が切れたのかもしれないわ。」
「それはないわ。」
すると、他の女性の声が割り込んできた。襖が開き、姿を現したのは永琳だった。
「永琳さん?どうしたのですか?」
「カルマからの伝言よ。」
休眠状態のはずのカルマからの伝言。起きるにしては早すぎる。
「麗夢だったわよね?あの狐火の宿主。」
「はい、そうです。」
「その狐が私たちの所に来て、現状を教えてくれたわ。」
焔は紫がルーミアを探すため、神社を出て行った後、永遠亭に訪れていた。そして、カルマにどういうことか聞こうとしたらしい。本来なら安静にしておきたかったが、禁忌魔法について永琳が知っていることはほんの一部。一時的にカルマを起こすことにしたのだ。
「今はまた休眠させているわ。尤も無理に動こうとしたから、全身麻酔を使ったけどね。」
「そうだったのですか。焔、ありがとうございます。」
『私は私のやれることをしたまででいいやがります。』
「それで、伝言というのは?」
空いている場所に座ると、紫が永琳に話を促した。
「拒絶―今ルーミアに掛けている封だけど、あれは一度発動すれば、カルマが許可しない限り解けることはないわ。」
「なら、どうして捕食を繰り返しているのかしら?」
「カルマが言うには、本能が拒絶を上回ったらしいわ。」
「本能…?」
「えぇ、そうよ。」
ルーミアは元々が穢れの集合体。意志は『ルーミア』だが、彼女の操る闇は『穢れの集合体』なのだ。本来、彼女1人で抑え込めるものではない。そして長い間、捕食活動という本能を抑え込まれ続けた為、ついに我慢ができなくなったのだ。
「確かに、最近かなりの量を食べるようになったとは思っていましたが…。」
輝夜を救い出す前にルーミアはつまみ食いをし、麗夢に罰を受けていた。もしかしたら、すでに徴候は見られていたのかもしれない。
「…これ以上、犠牲者を出すわけにはいかないわ。ルーミアを倒しましょう。」
「た、倒すですって!?」
「場合によっては殺すわ。」
「なっ!?」
紫の言葉に麗夢は驚愕を露わにした。麗夢にとってルーミアは家族当然。そんな存在を倒す。場合によっては殺すと言っているのだ。
「そんなことできるわけないじゃないですか!」
「なら、どうしろというのかしら?指を咥えて人間が食べられている所をじっと見ていろというの?」
「そ、それは…。」
殺すよりも封印することもできる。しかし、麗夢にとってルーミアに危害を加えることが悩ましかった。普段弄り倒してはいるが、これとそれとでは話が別だ。
「…カルマがいれば、どうにかできたでしょうに。」
「今のカルマじゃ、禁忌魔法を1つ使うのにも苦労するわね。生贄って手もあるけど、彼がそれを許さないわ。」
『………。』
そんな中、麗夢の中にいる焔だけが、妙に静かだった。
最初の会話はいつか入れたかったやり取りですw
ほら、話が噛み合っていそうでいない奴w
西行妖の時の紫もそうだけど、麗夢も甘いですよねぇ。
そして、永琳の再登場w
てか、カルマに全身麻酔刺すって・・・(((゜Д゜;)))
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。