そろそろ衣替えしないと駄目ですよ?
あ、因みに私はまだ夏服ですw
この少し冷える感じがいいんですよねぇ(*´∀`*)
それでは、本編どうぞ。
妖忌に案内されるまま、長く続く石階段を登っていく。
「それで、紫。」
「何かしら?」
「俺を呼ぶほどの用ってのはなんだ。」
紫自身も一般的な妖怪が持つ妖力以上の力を持っている。そんな彼女がカルマの力を貸してほしいというのだ。唯事ではないのは確か。
「そう急かさないで。後で説明するから。」
階段を登りきると、そこには大きな屋敷があった。輝夜と永琳に用意された屋敷よりも一回り大きいかもしれない。
「こちらにございます。」
通されたのは1つの部屋だった。そこには2人の女性がいた。1人は八雲藍だが、彼女は疲れた表情をしている。そんな彼女の前には何皿も重ねられた大皿が積まれ、満足げに横たわる女性がいた。
「藍、お疲れ様。下がって大丈夫よ。」
彼女は一礼すると、紫の後ろに下がった。しっかりと従者らしさが様になってきていた。
「あ、紫。おかえり。」
紫の声に反応した女性は横になっている身体を起こす。そして、見かけない姿―カルマを確認すると、彼女は小首を傾げた。
「紫のコレ?」
「違うわよっ!」
親指を立てる彼女に紫は即答で否定した。紫にしては珍しく感情を表に出している。どうやらそれだけ2人の仲がいいようだ。
「そうなの?じゃあ私の―」
「それも違うわよっ!…はぁ。彼はカルマ。ほら、さっき西行妖の話で出したでしょ?」
「あぁ、そうだったわね。」
両手を合わせ、納得した様子の彼女はカルマに身体を向ける。
「初めまして、西行寺幽々子よ。よろしくね、カルマさん。」
「あぁ。」
幽々子の物言いは気の抜けたようで、本腰を悟らせないような感じだった。紫とは似た者同士と言った所だろう。最もそんな彼女に紫が振り回されているようではあるが。
「それにしても、相変わらず食べるわねぇ。」
そう。幽々子が隠れてしまうのではないかとも思える量の皿が彼女の前に積み上げられていた。
「紫の式、えっと…。藍だったかしら?その娘が作るものがおいしくてね。歯止めが利かなくなっちゃったのよ。」
「それもそうでしょ。自慢の式なんだからね。」
「勿体ない言葉です。」
少し頬を赤く染めた藍が礼をする。
「ねぇ、紫。妖忌あげるから、藍頂戴?」
「んなっ!?」
幽々子の言葉に妖忌が驚きを露わにした。
「やーよ。藍は私の物よ。」
「ケチー。」
しかし、そんな彼に構うことなく、話が進んでしまう。ここでの妖忌の様子に少し親近感の沸いたカルマは同情の眼差しを向けていた。
「いい加減本題に入ったらどうだ。」
「そうね。そうしましょう。」
コホンと咳払いをすると、紫はカルマの呼んだ理由の説明を始めた。
「カルマ、あの丘の頂にある桜の木が見えるかしら?」
紫は今し方入るために開けられた襖の奥を示す。そこから見える丘の上に一際大きな気があった。
「あの木がどうした?」
「あの桜の木はね。絶対に満開にならないのよ。」
「……。」
しかし、彼の桜には点々と花が咲いていることがここからでも見て取れる。
「あの桜の名前は西行妖。ここの白玉楼の文献に死を呼ぶ桜と記されているわ。」
「正確には精気を吸う妖怪桜なのよ。そして、それには満開になるまで吸い続けるわ。」
「だが、少し咲いた程度で満開になるってわかったわけじゃないだろ?」
「そうね。でも、近々満開になることは確かよ。」
紫の視線は幽々子に向けられる。
「カルマさん。私の能力は『死を知らせる程度の能力』なの。そして、もう少しで地上に大量の死期が訪れることが予見されたわ。」
カルマや蓬莱人にとって、この知らせは意味を成さない。だが、彼ら以外には大きな問題となってしまう。
「なら、あの木を切り落とすなり焼き払うなりすればいいだろ?」
「それが出来れば苦労しないんだけどねぇ・・・。」
「西行妖が今まで吸ってきた精気の量はどれだけかわからないのよ。」
「一度挑んだけど、駄目だったの。それでカルマを呼んだのよ。」
「なるほど。」
紫の力に干渉できるほどの力があるカルマの力を借りればなんとかなると思ったのだろう。
「お待ちくだされ。」
だが、そこで待ったをかける人物がいた。今まで黙って聞いていた妖忌だ。
「どうしたの、妖忌?」
「紫殿が西行妖に及ばなかったのは知っております。ですが、その男をそう簡単に信用するのはどうかと思われます。」
「そうは言ってもねぇ、妖忌。彼は紫が連れてきたわけだし、信用に足るとは思うけど?」
「儂が信用していないのです。」
幽々子と妖忌とは今回が初対面の為、仕方ないのだが、妖忌は頑固として認めない。幽々子自身がマイペースなため、自分がしっかりしなければいけないと考えているのだろう。
「儂は西行妖の満開をこの目でしかと見たことがある。カルマ殿、お主の力を試させてもらってもよろしいだろうか。」
妖忌は西行妖の満開を見たことがある。そして、その恐ろしさも知っている。カルマの力が西行妖に対抗できうるのか、自分で体験しなければ、納得できないのだろう。
「ちょっと妖忌!」
「いいだろう。」
「なっ!カルマまで何言ってるのよ!」
「こういう奴は何言っても聞かねぇよ。」
紫が止めようとするが、2人は止まらない。
「そこの庭先でいいよな?」
「構いませぬ。」
部屋から出ると、2人はそれぞれの得物を構えた。妖忌は腰に差している刀の1本を抜き、カルマは大鎌を肩に担いだ。
「はぁ、もう好きになさい。」
「妖忌がんばってぇ。」
「幽々子まで・・・。はぁ、カルマ分かってると思うけど。」
マイペースな幽々子に呆れ、紫は溜息を漏らし、カルマに注意を促す。勿論禁忌魔法の使用の禁止だ。だが、カルマはそれを受け入れなかった。
「悪いが使わせてもらう。安心しろ、殺しやしねぇよ。」
ラスト、どうしてこうなった・・・(´・ω・`)
いやぁ、妖忌と勝負させるつもりはなかったんですけど。
妖夢が譲り受けた生真面目さを表現しようとしたら、こうなったんです。
ま、まぁ久々のバトル回になると思うんでいいのかな・・・?
幽々子ののほほん感も表現しようとしたら、こうなりました。
こっちは思った通りになってるかな。
幽々子は死亡前後で能力を変えようと思いました。
死後は西行妖の影響を受け、能力が変化したって感じです。
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。