東方禁初幻譚   作:鈴華

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連休中に頑張って書き溜めするぞー!
あ、PSO2やr(っ・д・)三⊃)゚3゚)'∴:. ガッ
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        麗夢

竹取物語をやっている頃の紫視点ですたい。

それでは、本編どうぞ


Ep,14 対面

紫は玉藻御前を追う陰陽師の情報を集めていた。まずは彼らが何処にいるのか知らなければならない。

 

「やっぱり伝承とは異なることもあるわね。なら、玉藻御前のいる場所も違うのかしら・・・。」

 

しかし、伝承通り陰陽師は那須野に向かっているという情報を手に入れることができた。

 

「そこは変更ないのね。なら、その辺りを探すことが最善かしら。」

 

そうと決まれば、善は急げ。陰陽師の行き先である那須野へと先回りをする。紫がスキマを開いた場所は黄金色が広がった草原だった。あの伝承ではこのような場所が模写されていたためだ。

 

「それに狐の毛色と重なって隠れやすいでしょうからね。」

 

しかし、同じような場所は数え切れない程存在する。それを血眼に探しだすことは至難の技だ。だが、それは取り越し苦労だったようだ。何故なら、探し物はすぐに見つかったからだ。

 

「こんばんは、狐さん。」

「・・・・・・。」

 

草々の中をかき分けると、少し開けたところにうずくまっている1匹の狐がいた。もっとも見てわかる通り、尾の数は9本であり普通の狐よりも体長が倍近くあった。

 

「そうそう全部知ってるから、黙りこむことはないわ。玉藻御前。」

「・・・なぜここが?」

 

なんと説明するべきなのだろうか。紫はこの場所で彼女がいるということは昔から分かっていたことだ。それを説明すればよいかわからない。

 

「それは秘密。強いて言うならば、貴女の血の匂いが風に乗ってきたからかしら?」

 

玉藻の姿は傷だらけだった。ここまで行き着く間に陰陽師の者と何度か接触し、攻撃を受けたのだろう。

 

「妖怪の貴方が私を捕まえにきたのか?」

 

紫が今身につけている服装は陰陽服だ。見方によっては陰陽師に溶け込んでいる妖怪に見えるだろう。

 

「違うわ。むしろ、貴女の助けになると思うのだけど。」

「・・・・・・?」

 

紫は玉藻御前の噂から帝との取引の話まで全てを話した。終始静かに聞いていた玉藻だったが、彼女の瞳には光るものがあった。

 

「・・・良い男を見つけたわね。」

「・・・えぇ。」

 

少しすると落ち着いたのだろう。紫の提案―彼女の式となることの話になった。

 

「少し、考えさせてくれないか?」

「いいでしょう。―でも、あまり猶予もないと思うわよ。陰陽師がここに近づいてきていると耳にしたわ。」

「それなら、自分でなんとかしよう。考えがある。」

「・・・そう。わかったわ。ならこれを渡しておくわね。」

 

懐から出したのは幾何学模様が描かれた1枚の札だった。

 

「これは?」

「貴女の身に何かあった場合、その札が私に知らせてくれるわ。そしたら、すぐに駆けつけるわね。」

「・・・わかった。有り難く受け取っておこう。」

「それじゃあ、また来るわね。」

 

玉藻に別れを告げると、スキマを開きどこかへと消えてしまった。紫はその足で今まで通りある物語の舞台となった屋敷へと向かった。思った通り、机の上には文字が書かれた紙があった。

 

『月からの迎いがもうそろそろ来るわ。知っている通り、私―蓬莱山輝夜は月の住人。いつか戻る時が来ることは知っていたわ。でも、戻るつもりはないの。あそこに戻れば退屈で仕方なくなる。地上の方がいい。例え、穢れていようが構わないわ。だから、私が地上に残る手助けをしてくれない?』

 

スキマから手を伸ばし、書かれている文章を読んでいく。予想通り、月からの使者が現れる。この文脈からして、時間の猶予はまだあるだろう。

 

「・・・これでよし。」

 

ある男の口調を真似て書いた文を机の上に置くと、すぐにスキマを閉じた。次の行き先は博麗神社だ。

 

「・・・見ない間に変な趣味にでも目覚めたのかしら、ルーミア?」

 

そこには正座の状態で仮封印されているルーミアの姿があった。

 

「そんなわけ無いでしょうが。それよりも、しばらく見ないと思ってたけど、何してたのよ。」

「内緒よ。それより、麗夢かカルマはいるかしら?」

「どっちもいないわ。カルマは都とかいう場所に行ってる。麗夢は買い物よ。」

 

どうやらどちらも留守のようだ。カルマに知らせるとなると面白くないと判断し、麗夢に教えることにした紫は早速彼女が向かったであろう麓の人里へと向かうことにした。

 

「あっ!せめてこの封印解いてから・・・って行っちゃったわね。・・・はぁ、脚の感覚がもうやばいわね、これ。」

 

 

 

麗夢はすぐに見つかった。まだ村に向かう道中だったため、人目を気にしている紫としては好都合だった。

 

「麗夢。」

「わっ!・・・紫さんですか。驚かさないでください。」

「それは悪かったわね。それと少し話があるのだけど、いいかしら?」

「えぇ、構いませんよ。」

 

紫は麗夢に輝夜の存在と月からの迎いが来ることを話した。

 

「カルマのことでしょうから、これを教えたら手を貸しそうですね。」

「そうでなくちゃ困るわ。だから、このことを彼に伝えて欲しいの。頼めるかしら?」

「・・・むぅ。」

 

麗夢にはメリットもデメリットもない話だが、少し渋っているようだ。

 

「ライバルが増える予感がしますね・・・。」

 

小声で呟いたが、紫の耳にはそのつぶやきが届いていた。恋する乙女らしい悩みだ。彼女が好いている彼の知り合いならば、教えてあげたい。しかし、女の勘がそれを否と囁いている。その様子に呆れを通り越して感心するものがあった。

 

「そうね。ならこういうのはどうかしら?」

「―と言いますと?」

「麗夢の能力で転移する代わりに何でも言うことを聞いてもらうって。」

「あ、いいですね。そうしましょう。」

 

本当に乗るとは思わなかった紫は彼女がカルマにどのような願いをするのかを期待することにし、麗夢に言付けを頼むとスキマの中へと消えていった。

 




本当なら玉藻御前を追う陰陽師とひと悶着考えてたんですけどね。
名前忘れたので、書けなかったですw
2人か3人いたのは覚えているんです。
でも、どれが誰だか忘れたんですよぉ( ;∀;)

ちなみに玉藻御前の時間稼ぎですが。
これは追っ手の1人に玉藻御前が取引的なことをしていたことを思い出したので、入れました。
まぁ、上記にある通り、名前がわからないのでその描写はカットすることになりましたがw

次回で玉藻編は完結の予定です~(n‘∀‘)η

間違い等がありましたらご指摘のほどよろしくお願いします。感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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