東方禁初幻譚   作:鈴華

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表裏ときたら、表裏一体とか違うタイトルになるかと思った?
残念、こっちでしたw
まぁ、その頃の麗夢はって感じです。

それでは、本編どうぞ。


Ep,13 竹取物語 歪

「私も行きましょうか。」

 

カルマが麗夢の開けた穴を通り抜けた事を確認すると、彼女は新しく穴を開けた。行き先は輝夜と永琳を送った竹林だ。穴を抜けると、打ちどころが悪かったのか、お尻をさすっている輝夜と永琳がいた。2人は麗夢の存在に気づくと永琳は輝夜を庇うように前に進み出た。

 

「こんばんは。月が綺麗な良い夜ですね。」

「・・・貴女が私達をここに送ったのかしら?」

「えぇ。そうです。ある人の頼みだったもので。」

「ある人・・・?」

 

不審に思う永琳だったが、輝夜は逆に何かに勘付いたようだ。

 

「そちらの女性は気づいたようですね。」

「姫様?」

 

永琳は振り向き、輝夜に問いかける。少し考える素振りを見せるあたり、はっきりとした自信がないのだろうが、思い切って口を開いた。

 

「もしかして、カルマ?」

「正解です。」

 

カルマの名が出たことで永琳が驚きを隠せなかった。

 

「ほ、本当にカルマ、なの?」

「はい。私は彼と相談して貴女たち2人を救うことにしました。」

「今、カルマは?」

「そうですね。カルマなら今頃月の使者と接触しているはずです。もっとも戦っているのか話し合っているのかはわかりませんが。そのうちすぐ来ますよ。それよりも、お2人のこれからのことです。」

 

屋敷から逃げるという形で離れることとなってしまっただけでなく、月の者はあの屋敷の場所を特定している。結果として、あの屋敷に帰ることはもうできない。

 

「貴女たちの住居ですが、この竹林に屋敷を建てておきました。そこを使ってください。」

「あら、気が利くわね。」

「それとこの竹林は迷いの竹林と呼ばれています。ちょっとやそっとや見つかることはないでしょう。」

「私たちが迷わないのかしら?」

「それは自己責任です。頑張ってください。」

 

誰にでも分かる程嫌そうな顔をする2人に笑みを浮かべるだけである。すると、麗夢が何かに気づいた。

 

「そろそろ来るようですね。」

 

彼女の背後の暗闇から1人の男が姿を現した。

 

「おかえりなさい、カルマ。ご苦労様です。」

「あぁ、ただいま。」

 

カルマの姿を確認すると、2人は驚いた表情を浮かべていた。麗夢は空気を読んでカルマの後ろに下がる。3人にとっては数億年越しの感動の再会なのだから。

 

「カルマァッ!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

耐え切れなくなった永琳がカルマの胸に飛び込んできた。驚いたが、彼は優しく抱きとめる。

 

「逢いたかったわ、カルマ・・・。本当に、逢いたかった・・・。」

「そうか・・・。」

 

カルマの冷たい反応だが、これが彼の性分であることは一緒に過ごしてきた時間が長い永琳にとっては懐かしくてしょうがない。彼女は嬉しさのあまり涙が溢れてきていた。チラリと輝夜を見ると、彼女は肩をすくめるだけだ。永琳の気持ちを優先しているようだ。

 

「・・・・・・・・・。」

 

自分で空気を読んだ上での行動でカルマを前に出したものの、麗夢の心は穏やかではなかったのは言うまでもない。嬉し泣きを続ける永琳を見かね、その頭を優しく撫でるカルマの様子に嫉妬が更に増していく。

 

『・・・はぁ。大人げないと思いやがらないんですか?』

「恋は戦いです。奪うか奪われるかです。引けを取るつもりはありません。」

『そうでいやがりますか。』

 

しばらくして、落ち着いた永琳を引き剥がすと、今度は輝夜が近づいてきた。

 

「ありがとう、カルマ。私達を助けてくれて。」

「唯の気まぐれだ。」

「そうかしら?私と文通してたのに。」

「文通?俺はんなことしてないが・・・?」

「え?でも確かに・・・。」

 

輝夜は懐から何枚かの手紙を取り出した。永琳も覗き込んでくる。

 

「確かにカルマの言動と同じ感じね。でも、カルマなら手紙なんて使わないでしょ?多分ずっと姫様を様子見してたんじゃない?」

「まぁな。何回か輝夜のことは見ていたのは事実だ。」

「で、でもいつの間にかこの文が机に置かれてるのよ。それならカルマでもできるでしょ?」

 

確かに、開門を使えば容易いことだ。しかし、今のカルマは禁忌魔法の使用を節約している。手紙の文章から彼の言動をよく知り、瞬間移動紛いのことができる人物。そして、それは身近にいる。

 

「麗夢。」

「はい、なんでしょう?」

「お前、俺に輝夜が今日月からの迎えが来るって言ってたよな?」

「えぇ、そうですね。」

「お前がやっていたのか。」

 

もっともなことだ。麗夢なら空間を歪めることで場所と場所をつなげることができる。それに彼女はカルマを好いている。よって彼の口調を真似ることなど容易い。

 

「残念ながら、私ではありません。」

 

だが、答えは否だった。

 

「それに、私の能力では歪めることにそれなりに時間はかかります。一瞬とは言えません。それにここから都まで距離があります。輝夜さんのことを知ったのはカルマが都と行き来するようになってからです。」

 

なら、他にできる人物とすれば―

 

「あ、ちなみに月からの使者については紫さんから聞きました。」

「・・・あの女ぁ。」

 

つまり、輝夜と手紙のやり取りをしていたのは、八雲紫ということになる。思い返してみれば、彼女は輝夜の屋敷の近くにいることがあった。それだけでなく、最初の頃、輝夜の噂が事実であるようなことも口走っていた。

 

「アイツ、最初からこのつもりだったな・・・。今度会ったら、どうしてくれようか・・・。」

「あ、面白そうですね。そのときは私も混ぜてくださいね。」

 




永琳が小さい・・・。
ま、まぁ気にしないでください(^_^;)

驚きの事実。
手紙の相手はあのスキマ妖怪でした!
多分気付かなかった人多かったんじゃないかな?
カルマは手紙なんて面倒な事しませんからね。
それに手紙を書いてたら書いてたで麗夢とルーミアが気づくはずですからw
そしたら修羅場ですよ、うっへっへヽ(*´∀`)ノ
さて、紫はカルマと麗夢に何をされるのか。
・・・本当に何されるんだろう( ̄▽ ̄;)

ところ変わって次は玉藻編に戻ります。
お待ちかねのお狐様です。
また挿絵突っ込もうかな・・・。

PSO2で霙を再現してみましたが、微妙ですた(´・ω・`)

間違い等がありましたらご指摘のほどよろしくお願いします。感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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