東方禁初幻譚   作:鈴華

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ま、まさかこれから先登場予定だった娘と東方紺珠伝の新キャラともろ被りするとは思わなかった・・・(´・ω・`)
今後の展開どうしよ(;・∀・)

それでは、本編どうぞ。


Ep.11 竹取物語 表

あくる日の夜。夜空に輝く星の中、月は上弦を過ぎ、あと2、3日で満月を迎えようとしていた。

 

「それで、ルーミア。お前なにしてんだ?」

 

カルマの目の前にはルーミアがいた。ただし、彼女は若干涙目だった。正座で。

 

「つまみ食いしたのよ。そしたら、止めが効かなくなって…。」

「全部食べてしまった、のか。」

「そうよ。それで今麗夢が買い出しに出かけているわ。あの娘が戻ってきて料理ができるまで正座を強いられたのよ。」

 

かれこれ1時間以上は正座させられているらしい。足が痺れて堪らないようだ。

 

「麗夢のことだから、世間話とかして時間を伸ばしてるのよ。」

「…そうか。」

 

しかし、彼女がいないのであれば、少しくらい姿勢を崩すことも可能なのではないのだろうか。彼女は視線で足元を示した。そこには4枚の札が貼ってあった。

 

「この札のせいでこの姿勢のまま仮封印状態なわけ。おかげで動く事ができないのよ。だから、お願い。カルマ、その札剥がして?」

「剥がしたら、あいつに何されるわからないからな。やらねぇよ。」

「いいじゃないのよ。1枚だけでも剥がせれば、あとは自分でやるから。ね?」

 

更に上目遣いで懇願してくるが、それも無意味に終わった。時を見計らったかのように、丁度麗夢が帰ってきたからだ。

 

「ただいま帰りました。あ、お札は剥がさないでくださいね。」

 

帰ってくるなり、笑顔で言ってしまうあたり、彼女の黒さが分かるというものだろう。この時、2人は絶対タイミングを合わせて登場したのだと確信した。

 

「あ、カルマも手伝ってください。」

「あ、あぁ。わかった。」

 

麗夢に呼ばれ、後についていく。ちらっとルーミアの方を見ると助けを求める子犬のような眼をして、こちらを見ていた。ただし助けられないのが現状である。

 

 

 

台所で2人は料理をしていた。カルマは昔一人暮らしをしていたため、それなりに料理ができる。

 

「そういえば、噂を聞いたのですが。」

「あん?」

「輝夜姫が満月に月に帰るそうですよ。」

 

一瞬カルマの動きが止まったが、すぐに調理を再開し、話の続きを促した。

 

「帝様が彼女の親族の方から彼女を帰すことを防ぐよう依頼を受けたそうなので、兵を向かわせたそうです。」

 

愛する者と別れることは辛いものがある、と帝は遠くを見るような眼で承諾した。もっともこれは当人しか知らないことである。

 

「輝夜はどう思ってるわけなんだ?」

「少なくとも帰りたくないそうですよ。」

「…そうか。」

 

彼は溜息をつくと、何も気にしていない仕草で料理を終わらせると、外に出て月を眺める。

 

「少なくとも明日、明後日の夜か…。」

「ねぇ、自然に素通りしないでよ。足痺れてきてて、泣きそうなんだけど。」

「おぅ、好きなだけ啼け。麗夢の奴が楽しいだけだからな。」

「泣くの意味が違うわよ!」

 

珍しくカルマがボケた瞬間だった。

 

 

そして、時は満ちた。輝夜の屋敷には警護の兵がそこかしこに居り、辺りを警戒している。輝夜は屋敷の奥で待機していた。そして、月の輝きが更に増した時、月からの使者が何人も現れた。月光を浴びた兵たちは身動きが取れなくなる。

 

「輝夜様、お迎えに上がりました。さぁ、穢れた地上から早く立ち去りましょう。」

 

不思議と声が屋敷の中まで木霊する。しかし、屋敷から出てきた輝夜は首を横に振った。

 

「いやよ。月にいても退屈なだけ。ここに居た方が楽しいわ。」

 

輝夜の返答に使者の1人は溜息をついた。

 

「ほら、私の言った通りでしょ?」

「全く、誰に似てしまわれたのでしょうな。」

「因みに私は姫様につくわ。」

「八意様…。」

 

そういうと、使者の1人―八意永琳が輝夜のいる場所へと移動する。

 

「こうなるだろうとは思ってはいましたが、致し方ありません。」

 

すると、他の使者の各々が武器を取り出し、構える。

 

「無理やりにでも連れて行かせてもらいます!」

 

しかし、その言葉通りにはならなかった。突如、輝夜と永琳を囲うように青白い炎が立ち上ったのだ。数秒で火柱が消えた時、そこには2人の姿はなく、黒衣に身を包んだ金髪の男性がいるだけだった。

 

 

 




そういえば、最近挿絵描いてないや・・・。
でもめんどげふんげふん時間ないんだよねぇ。

ルーミアを弄ってみた。
一度彼女視点の章を書いたけど、一緒にいるのに登場してない。
そしたら、この展開を思いついた次第です。

珍しくカルマにボケてもらいました。
故意的なものなのか、聞き違いによるものなのか。
それはご想像にお任せします。

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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