さて、追試の勉強っと・・・(白目を通り越した何か
それでは、本編どうぞ
「ま、提案の前に前提があるのだけど。」
「前提?」
「そぉ。私は人間と妖怪の共存を望んでいるの。」
「…ほぉ。」
紫の幻想に興味を示す帝。それもそうだろう。自分が人間で愛している者は妖怪なのだから。
「なるほど、それは面白いな。それで、提案っていうのはなんだ?」
「玉藻御前を私の式にしたいのよ。」
「式…。陰陽の者が使う式神というものか?」
「えぇ、そうよ。でも、私はあそこまで縛るつもりはないわ。」
陰陽師の使う式神は主に命令されたことを熟す人形のようなもの。だが、実際は使用者に絶対に逆らわないように、意識を縛りつけるものなのだ。だが、人間はそれを是として行う。自分のやっていることの意味を理解しきれていないのだ。
「意志は尊攘するし、ある程度の自由行動も許可するわ。」
「そうか。」
「…貴方がここで『死んだ』ということにすれば、玉藻御前と一緒に居ることができるわよ?」
人間の噂の流れは速い。ここで帝が死んだということにすれば、その話は浸透し、噂は事実ということになる。そうしれば、帝は統治を行う必要もなく、玉藻と一緒に居られることになる。が、帝はその考えに首を縦に振らなかった。
「確かにそれなら玉藻と一緒にいることができる。しかし、私がいなくなった後、新しい帝が決まるまでが大変だろう。血統で決まっているのならまだしも、今はまだ早い。それに先も言ったが私自身がここを離れるわけにはいかない。」
「そうね、言ってみただけよ。」
紫としては玉藻御前のことを好いている帝がいてくれた方が、こちらの支持が増すと考えていたが、そうはいかなかった。人間社会は彼女が思っているよりも複雑なのかもしれない。
「それで、玉藻御前を式にするかどうかだけど。」
「私からは何も言えない。それは玉藻が決めることだ。」
「…そう。それなら、そうさせてもらいましょうか。」
紫はスキマを開き、帝に別れを告げるとスキマを閉じてしまった。
「玉藻御前はどこかしらね。恐らく、陰陽師の人たちに追われて衰弱しているでしょうし。急ぎましょう。」
輝夜は襖の隙間から見える月を見て溜息をついていた。月はまだ満月ではないが、あと2、3日もすれば、満月になるだろう。彼女が地上の人間でなく、月の人間であることは既に育ててくれた人たちに話している。それを聞いた帝は彼女を月に返さないよう、兵を集めることにしたのだ。
「私は月に戻ろうとは思っていない。でも、月の皆はそれを許さないでしょうね。それに地上の力じゃ月の技術に対抗できないでしょうし…。」
ふと目に留まったのは今まで正体のわからない者とやり取りをしていた文の数。
「あの人に相談しようかしら。」
もしかしたら、今回も何かしら対策を考えてくれるかもしれない。彼女は筆を走らせ、現在の状況を書き綴った。
「これでよしっと。」
書き終えたところで丁度夕食の時間になったようだ。女官の彼女を呼ぶ声が聞こえてきた。輝夜は部屋を後にする。夕食を取り、部屋に戻ってくると紙には新しいものになり文章も変わっていた。
「もう来たの。早いわね。」
文章にはこう書かれていた。
『わかった。月の者たちが来た時に力を貸す。』
力を貸すということは何らかの形でこちらに接触するかもしれない。彼女は手紙の主について目星はついていた。
「永琳経由だけど、アマテラス様の言っていた、カルマが生きているって話。あれが本当なら…。」
カルマが生きていると聞いた時は驚かされた。永琳は嬉し涙を流すほどだった。手紙の文章からも彼の口調に似ているものがある。もし、この手紙の主がカルマなら、心強いし、もしかしたら、彼女の地上に残るという望みを叶えてくれるかもしれない。
「寧ろカルマ以外あり得ないわね。もし違ったらどうしてくれようかしら。」
今回はいつもより短かめでしたね。
だって思いつかなかったんだもん(´・ω・`)
次回はいよいよ竹物語の終盤。
輝夜の運命は如何に!
―とまではいかないですけどね。
あと、あの人を再登場させる予定です。
一体誰でしょうねw
あと数日でこの禁初幻譚も一周年になります。
いやぁ、早いねぇw
だからと言って特別篇とか番外編は投稿しないのよ。
ごみんね~(*´ω`*)
あ、やめて!殴らないで!
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。