東方禁初幻譚   作:鈴華

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やっと・・・やっと試験が終わったじぇ・・・。
うへへへ、うひゃひゃひゃ!
Uryyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy!!
・・・さて、免許の再勉強しなきゃ(白目

それでは、本編どうぞ。


Ep,9 帝の后

カルマは妹紅と別れ、輝夜のいる屋敷に向かった。相も変わらず、そこには男の列が出来ていた。輝夜の出した難題を受けた5人が来る前に自分のものにしようとしているのだろう。これにはさすがに呆れて物も言えなかった。

 

「…もう何も言うまい。」

 

輝夜の様子を見ようと思ったが、これではいつもと変わらないと思い踵を返すことにした。夕暮れまでにはまだ時間がある。それまで適当に時間を潰すべきだろう。

 

「……?」

 

視線の先に小さな少女がいた。少女は木の傍で飛び跳ねたり、背伸びを繰り返していた。彼女の視線の先には帽子が気に引っ掛かっていた。風にでも飛ばされたのだろう。

 

「あの帽子はお前のか?」

 

話しかけると少女は驚き、彼から距離をとった。こんなところで大人に、それもカルマのような不愛想な男に話しかけられれば、警戒して当然だろう。

 

「う、うん。そうだけど…。」

 

怯えながらもカルマの問いに答えるあたり、少しは肝が据わっていると言えるだろうか。カルマは一回の跳躍で帽子を枝から取り外すと、少女に渡した。

 

「ほら。」

「ありがとうございますっ!」

 

少女は勢いよく頭を下げると、帽子を抱え、人ごみの中へと駆けて行ってしまった。

 

「…まぁいいか。」

 

彼女から少なからず人間でないような気配を感じはしたが、人ごみの中へと消えてしまった以上、追いかけるようなことはしなかった。それに悪意の類も感じることがなかった。

 

「地子様、何処に行っていたんですか?」

「あ、衣玖。帽子取りに行ってたの。」

「ご無事で何よりです。さぁ、行きますよ。」

「うん。」

 

 

 

都を適当に歩いていると、様々な噂を耳にすることができる。情報収集に適したものだ。その中で多く聞こえてくる内容があった。それは―。

 

「玉藻前、ねぇ…。」

 

噂によると、帝は美しい女官と契りを結んで以降、原因不明の病で床に伏してしまっていたらしい。有名所の医師ですら原因がわからず、このままでは危ないとのことだった。しかし、そこに現れた陰陽師―安倍清明により、契りを結んだ女官―九尾の狐である玉藻前が原因だった。正体を見破られた玉藻前はそこから逃亡。清明率いる陰陽師で捜索している、というものだった。

 

「どう思う、スキマ妖怪。」

「いつから?」

「屋敷の近くでだ。」

 

彼の隣、家々の間にある影から紫が姿を現した。輝夜の住んでいる屋敷付近で彼女の存在に気付いたカルマはわざと屋敷の中に入らず、素通りしたのだ。

 

「この際、貴様があそこで何をしていたかはどうでもいい。お前は件の狐をどう思う?」

「それはどういう意味かしら?」

 

人間に危害を加える妖怪。彼女の人間と妖怪の共存、という目的に反している。しかし、着眼点はそこではない。

 

「妖怪が人間と契りを結んでいるんだ。少しくらいは興味がわくと思ったんだがな。」

「…そうね。少なからずとも興味はあるわ。」

 

人間というものは自己中心的で欲深い生き物だ。件の話題も人間により歪められた可能性が高い。

 

「少しの間、ここを離れるわ。あとをよろしくね。」

「わかった。」

「麗夢と一線を越えてもいいから。」

「―ッ!!」

 

カルマは回し蹴りを放つも、紫は瞬時にスキマの中へと消えてしまい彼の脚は空を切るだけだった。

 

 

 

カルマと別れた紫はすぐに行動を起こすことにした。まずは帝から話を聞かなければならない。しかし、陰陽師が見張り番をしているため、近寄りにくい状態だった。おそらく、スキマで中に入っても結界が彼女の妖力に反応するだろう。

 

「まぁ、私には関係ないものだけど。」

 

しかし、八雲紫の能力は『境界を操る程度の能力』。結界の効力も彼女の能力により境界を弄られてしまっては意味をなさない。何の苦も無く、紫は帝のいる部屋へとスキマを開いた。

 

「こんばんは、帝様。」

「な、何奴!?」

「大丈夫よ。何もしないから騒がないで。話を聞きに来ただけだから。」

 

結界の反応もなく部屋に入ってくることができた不気味な女性。警戒しないはずがない。紫は彼から一定の距離を置き、何もしないようにした。彼女にかかれば、距離など関係ないのだが。

 

「話とは、なんだ?」

「あなたの妻について。」

 

帝の表情が変わった。しかしそれは一瞬のことだったが、紫は見逃さなかった。

 

「玉藻のことか?」

「そうよ。正直に答えてね。貴方は彼女が好き?」

「あぁ、好きだ。今でも愛している。」

 

彼の返答に迷いはなかった。表情も真剣そのものだ。彼の話はやはり巷の噂話と違っていた。まず、玉藻は帝と契りを交わす前に自分が妖怪であることを話していた。帝はそれでもいいと言い、二人は契りを結んだ。彼女妖怪である以上、周りの者は反対する。このことは二人の秘密にされた。ある時、帝は病に伏せてしまい、一部の侍女には玉藻が九尾の狐である姿を見られてしまった。そして、呼ばれた安倍清明により正体を見破られ、その場から逃げてしまった。この偶然が重なり、帝は玉藻の妖力により病に伏してしまった、という話が出来上がってしまったのだ。

 

「できれば、玉藻とまた一緒に暮らしたい。だが―」

「周りの人間が許すはずがないってことね。」

「そうだ。私が帝である以上、ここを離れるわけにもいかない。」

 

彼は深いため息をつき、俯いてしまった。帝の話を聞いていた紫は一つの案を思いついた。

 

「…一つ提案があるのだけど、いいかしら?」

 




はい、というわけで、まさかの玉藻前の話追加でした。
これが理由で章名を変えたんです。
それにしても、スキマ内にいる紫の気配すら感じることができるカルマって一体・・・。
自分のオリキャラなのに、チート過ぎた気がする(´・ω・`)

ついでに地子も登場させちゃいました。
彼女は今後登場しませんけどね(`・ω・´)

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。


そういえば、読者のみなさんは私のオリキャラに声優をつけるとすれば、誰がいいですかね?
因みに私的には・・・
カルマ:櫻井孝宏さん
博麗麗夢(古城霙):水瀬いのりさん
焔:沢木みゆきさん
呪利殺女:悠木碧さん
みたいな感じですw
ついでに・・・
上白沢古河音:阿澄佳奈さん
月詠鈴芽:花澤香菜さん
琴吹未来:釘宮恵理さん
神無悠月:間島淳司さん
霧晴咲妃:伊藤静さん
双花椿希:井口裕香さん
愛識光輝:日笠陽子さん
天宮星哉:江口拓也さん
明星美羽:井上麻里奈さん
綺裂真珠:竹達彩奈さん
紅城楓恋:佐藤聡美さん
黒淵白音:中村悠一さん
勧善和美:喜多村英梨さん
って感じに考えちゃったりしますw





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