だって一目惚れキャラって描いたことないんだもん(´・ω・`)
それでは、本編どうぞ、
屋敷の中を歩く女性。その仕草だけでなく、容姿そのものも美女と言って過言ではないものだった。
「……」
物陰からその様子を見ていたカルマは人気が無くなるのを待ち、時を見計らい塀を飛び越えて外に出た。
「…やはり輝夜だったか。」
カルマの考えが『少しの確信』から『絶対的な確信』へと変わっていた。彼は輝夜がまだ地上にいた頃に彼女の未来を見ている。その時、地上に落とされるところまで見ていたのだ。故に彼女がここにいる理由も分かっている。
「…この後の未来も見ておくべきだったか。いや、やめておこう。」
考える事を止め、街道を歩くために視線を上げると―
「……。」
「あん?」
屋敷を囲う塀を睨みつけている女性がいた。外見で言えば、輝夜と同じくらいだろうか。彼女は溜息をつくと、振り返る。
「あ…。」
「……。」
まさか人目があると思わなかったのだろう。カルマがこちらを見ていることに今気づいたようだ。
「な、何の用だ?」
「別に。」
「…アンタはここの女に興味ないのか?」
「そこに並んでいた男どものことか?俺をあんなド低能と一緒にするな。」
「そうか…。良かったら話を聞いてくれないか?」
「……?」
街の中にあるお店で彼女は団子を注文した。カルマはというとお茶を飲んでいるだけである。
「まずは自己紹介しないとな。私は藤原妹紅。アンタは?」
「カルマだ。」
「かるま?姓がないところを見ると平民か?」
「さぁな。好きに捉えろ。」
「まぁいいけどな。」
「それで、お前は―」
「妹紅だ。」
名前を訂正されたので、一度お茶を飲み、話を再開する。
「妹紅は何故あそこに居たんだ。ただ立っていたってわけじゃないだろ?」
「……。」
彼女は食べる手を止め、表情が暗くなった。
「私の父―藤原不比等って言うんだけど、父があそこの女に執心してるんだ。」
妹紅の口調から感じ取れるように、輝夜に対し恨みのようなものを感じられる。彼女からすれば、父と言う家族を盗られたという事だろう。
「しかも、倉持皇子って偽名使ってあの女の所に行ってるし、どれだけ欲しいんだよ…。」
輝夜に気がある父にさえも恨みがあるようだ。
「なら縁切りすればいいだろ。」
「あぁでも自分の父だからな。切ろうにも切れないんだ。それに私の家はそれなりの家柄の貴族だし。」
「そうか。」
輝夜と縁のあるカルマからすれば、妹紅の彼女に対する恨みをあまり良く思えないが、彼女の気持ちも分からなくもない。
「ところで、カルマもなんであんな所に居たんだ?あの女に興味がないのに。」
流石にこの状況で輝夜との縁を語るわけにもいかない。ただ通り過ぎただけというのも出来すぎな話だ。
「…ただの様子見だ。男どもが血眼になって求めている女がどんな奴かって感じだ。」
「それで、どう思ったんだ?」
「そこまで良いとは思えないな。この時代の男は女に飢えているのかと思った。」
「ははは。言えるかもな。」
嘘は言っていない。カルマ自身そこまで輝夜に惹かれているわけではなく、それなりに縁があるだけなのだから。
「ふぅ…。話を聞いてくれてありがとうな。また話そう。」
「機会があればな。」
妹紅は会計を済ませると、自分の屋敷へと帰って行った。
「……面倒な繋がりができたな。」
今後の事を思い溜息をつくと、お茶を飲み干しその場を後とした。
「あら、お帰りなさい。遅かったわね。」
神社に開門を繋げると、ルーミアは畳に寝っ転がっていた。カルマに気づくとその体勢のまま声をかけてきた。
「どこ行ってたの?」
「俺の勝手だろ。」
「そうなのかー。……女?」
「知らん。」
鋭い指摘に一瞬焦るが表に出さないようにし、縁側に腰掛けた。形的にルーミアに背を向ける姿勢となる。
「八雲紫はどうした?」
「スキマでどっか行ったわ。」
「…そうか。」
何を考えているかわからない彼女のことだ。その内適当な時に出てくるだろう。
「あら?お客さんですか?」
ルーミアとも紫とも違う女性の声がした。振り返るとそこには1人の女性がいた。
「ほら、さっき言ったでしょ。こいつがカルマよ。」
「貴方がカルマ様でしたか。初めまして、この神社の巫女の博麗麗夢です。」
彼女がルーミアの言っていた博麗麗夢。―ということはあの炎の狐は彼女の中にいるのだろうか。
「ルーミアからある程度は聞いている。カルマだ。」
「……。」
「……あ?」
「……///」
「おいこら。」
無言のため不審に思った矢先、彼女は頬を染めた。対し、ルーミアは面白くなさそうな顔をしている。
「麗夢。ご飯は?」
「えっ…あ、い、今出来たところなので、食器を準備をしてもらおうと思ったんですけど。」
「あー、俺の分は無いか?」
「いえ、紫さんにカルマ様が来ることは聞いていたので、人数分あります。」
「そうか。」
どうやらカルマの分の夕飯もあるようだ。しかし、大食いの妖怪かそこにいるため、足りないような気がする。結果から言えば、やはり少なかったようだ。何故かカルマの分のご飯を横取りしていた。
「ルーミアさん。ちょっとこっちに。」
「んー?」
食後、麗夢に呼ばれ、彼女と一緒に隣の部屋へ移動した。
「カルマ様、少々お待ちくださいね。」
「あぁ。それと無理に敬う必要はねぇからな。」
「ふふ、わかりました。では。」
彼女はカルマの言葉にクスクス笑うとそのまま隣室の戸を閉めた。
「いただだだだだっ!!?ちょまっ麗夢!?その関節はそっち曲がらなああああああああああああああああああああああああああああ!!いや熱いって火近い近い!!火傷するからほんと待って!!え?なにその手はちょっと怖いってホント怖いってその手の動き!近づいて来ないでって!いははははははははははははっはははははっひいいいひあはははははははっはあは!!!」
我関せず。カルマは食器の台所に下げ、適当に洗うことにした。
「カルマ!助けてよおおおおおおおあははははははははははっはははあははははは!!!」
「…平和だ。」
吉報、もこたんがヒロイン枠に入りました。
「そんなっ!?」
しょうがないじゃない。
何も考えずに書いてるんだから。
やっと登場させることができました。
いやぁ、長かった(*´▽`*)
そしてこの物語ではボケポジです。
因みに最後の部分、ルーミアに何をしたでしょうか?
「関節技からの火炙りからのくすぐりです。」
えげつねぇ・・・(;´・ω・)
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。