東方禁初幻譚   作:鈴華

35 / 92
霊感疑惑が浮上した鈴華です。
ほんの少しあるって程度ですが、地元の方で影を計3回見たってだけですがねw

さぁ、今回からラブコメっぽい展開が出てきますよぉ(*´ω`*)
竹取物語はもう少し先になりますけどね。

それでは、本編どうぞ。


5章 御伽話
Ep,1 巫女の再会


とある街道でカルマはある既視感を感じていた。街は賑やかであり、人々も活気にあふれている。ルーミアはというと、過ぎて行く人々を物惜しげに目移りしていた。勘違いすれば、過ぎ去る人々に惚れているように見えるが、実際は食欲によるものだが、誰も気づきはしない。

 

「いい加減にしておけよ、ルーミア。」

「今までこうも人間に溢れてる場所なんて来たことないのよ?しょうがないじゃない。」

 

カルマは溜息をつくと、ルーミアを連れて適当に宿を探す。少し歩くと、街の中央あたりに大きな社が見えてきた。

 

「ゲッ……。」

 

ここに来て、今いる場所が何処だか気付いたらしい。彼の顔が何とも言えない表情になった。そんなカルマを不思議そうに見つめるルーミア。

 

「何?あの社がどうかしたの?」

 

彼女の言葉に反応せずに、今来た道を急ぎ足で引き返そうとする。しかし、返答がないことに不満を感じ、ルーミアは彼の腕を掴んで引き止める。

 

「ちょっと、どうし―」

「カルマさん…?」

 

聞き覚えのある声が背後から聞こえてきた。その声はあの頃よりも大人びている女性らしい声だった。振り返ると、そこには人間にしては珍しい緑がかった髪に蛙と蛇の髪飾り、青を中心とした巫女服に身を包んだ女性がいた。

 

「…カルマさん、ですよね?」

「…あぁ、久しいな。」

 

【挿絵表示】

 

そこにいたのは東風谷水咲だった。最後にあった時よりも成長しており、肉体も女として成長していた。

 

「カルマさんっ!」

 

水咲はそばにいるルーミアに見向きもせず、カルマの胸へと飛び込んできた。街中ということもあり、周りから視線を感じるが、彼女は気にした様子はない。気恥ずかしいカルマは彼女から視線を逸らすが、視線の先にいたルーミアはジト目をこちらに向けていた。そこでカルマは水咲を引きはがす。

 

「大きくなったな、水咲。」

「はいっ!カルマさんは変わってないみたいですけど、お元気そうでよかったですっ!」

 

性格はあまり変わっていないようだ。

 

「ちょっとカルマ、その娘は誰よ?」

 

ルーミアは少し棘のある口調で聞いてくる。その顔は面白くないと言っているようだ。

 

「あぁ、こいつは東風谷水咲。水咲、こいつはルーミアだ。」

「ルーミアさんですね?初めまして、東風谷水咲ですっ!」

 

元気よく挨拶すると、彼女は手を差し伸べてきた。ルーミアは戸惑いながらも握手を交わす。

 

「ルーミアよ。因みに妖怪だからね?」

「えっ!?」

「更に言えば、人食い妖怪だ。」

「えぇっ!?」

 

驚いた水咲は、カルマの背後に隠れて彼女の様子をビクビクしながら伺ってきた。その可愛らしい反応にルーミアは舌なめずりをする。

 

「随分可愛い反応するじゃない。おいしそうね。」

「ふえぇっ!!?」

 

ここだけ聞くと如何わしく聞こえてくるのは何故か。

 

「安心しろ。今のこいつは人間を喰らうことができない。」

「そ、そうなんですか?」

「本当よ。そこの魔神さまに抑え込まれてるのよ。」

「ほへ~。」

 

自分が言ったことだといえ、そう簡単に信じていいのだろうか、と二人は思った。

 

「…魔神さま?」

 

巫女である以上、神の名前くらい聞いたことがあるのだろう。水咲の動きが固まる。

 

「誰が魔神様なんですか?」

「そこにいるじゃない。」

 

反応から誰が魔神なのか分かっているようだが、信じられないようだ。

 

「ここにはカルマさんしかいませんよ?」

「そうよ?」

「……。」

「……。」

 

否定して欲しそうに彼を見上げるが、彼の視線を逸らすという行動が肯定と言っていた。

 

「ええええええええええええええええええええええ!!!!!??」

 

彼女の叫びが大和の国に響き渡ったのは言うまでもない。

 

 

 

「先程は失礼しました、カルマ様。」

 

落ち着いた水咲はカルマへの接し方を改めていた。そこには巫女としての顔ができていた。巫女は神に仕える存在。自分の信仰する神と違っても、神への敬いは必要なのだ。

 

「畏まる必要はない。いつも通りでいい。」

「そういうわけにはいきません。」

 

カルマの知っている水咲とは違う様子に呆れを感じていた。戸惑っているカルマにルーミアは笑みを浮かべながら傍観している。

 

「俺は神として自覚したのも最近なんだ。今更そんな対応されてもこちらが困る。」

「貴方が困ってるところなんて見たことないんだけど。」

「余計なお世話だ。」

「…分かりました。」

 

いまいち釈然としない水咲だったが、カルマの言葉を受け入れることにした。

 

「そういえば、カルマさんは諏訪子様と神奈子様にお会いしましたか?」

「いや、今さっきここに来たばかりだ。会っていない。」

「じゃあ行きましょう!」

 

近くの大きな社に向かう水咲。彼女が来た方向からして、あの社に何か用事があり、その帰りなのだろうが、これでは二度手間になってしまうのではないのだろうか。

 

「カルマさーん!ルーミアさーん!早く行きますよー!」

 

当の彼女はそんなことを気にしていないようだ。やはり変わらない水咲に少し呆れながら、二人は彼女の後に続いた。

 




巫女と言って麗夢だと思った人。
彼女はもう少しなんや(´・ω・`)

水咲は成長しています。
イラストから大人っぽさが感じられないのは何故だ(´・ω・`)
一応成長しているので、衣装も少しばかり変えています。

マツタケ様がカルマ×EXルーミアの愛が爆発したそうですw
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im4901857
実際にこういう展開がありそうですねw

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。