普段なら2000字くらいなんだけど、今回は1500字くらい。
結構短いですね。
その割にフラグを入れてますがw
それでは、本編どうぞ。
「ま、その後なんやかんやあって、魔剣を手に入れて、ヴラドの所で厄介になってたってわけ。」
二人は海を越え、東の地へと上陸を果たしていた。最も、ルーミアは飛び、カルマは海上を歩くという異様な光景だったが。
「端折ったな。」
「めんどくさくなったのよ。」
彼女自身、その博麗麗夢という少女の話が出てきた時から、もやもやし出し話すことを止めたのだ。
「なら、お前は今俺を喰らいたくて堪らないってわけか。」
「少なくともヴラドの眷属を分けてもらってたから、堪らないってわけじゃないわ。」
ルーミアはヴラドの所にいる間、彼の眷属を食べていたようだ。おそらく、スカーレット家の従者も少人数とは言え、喰われていたかもしれない。あの時助け出した従者が全員でないことは分かっていた。
「一度その博麗とかいう女に会ってみるか…。」
「あら、興味ないとばかり思ってたのだけど?」
「その八雲紫とかいう妖怪も気にはなるがな。」
カルマは八雲紫なる者にあったことはない。しかし、ルーミアの話を聞く限り、彼女はカルマを知っているようだった。知っている事が情報だけというわけではなく、実際に会っていたような話ぶりだったのだ。
「あぁ。紫、ねぇ…。あいつとはあまり関わりたいとは思わないのよね。」
「そうか。」
「それよりも朱姫の方はどうなのよ?」
「鬼子母神だったか?」
「そうよ。あいつ、アンタと再戦する気満々みたいよ。」
朱姫と飲み明かした時、彼女はカルマとの再戦を心待ちにしている節を話していたらしい。それを聞いたカルマは嫌な顔をしていた。
「正直、アイツとは戦いたいと思わないな。」
「なんで?戦えばいいじゃない。」
「今の俺が全盛期の力がないんだよ。」
これはルーミアも感づいていた。カルマが自覚したのはヴラドとの戦闘でのことだった。理由はソウルイーターが斬られたという所だ。諏訪大戦時に神々からの攻撃を耐えしのぐほどの代物が魔剣―魔力を扱う剣に斬られたのだ。魔力は神力よりも強いわけではない。よって、これはカルマの能力が衰えてきていることを意味している。
「あの時の戦いでなんとなく分かってたわ。」
「おそらく、能力の使い過ぎが原因だろう。俺のこの力は薬で強制的に生み出されたものだ。薬の効力は永続的なものじゃない。」
「じゃあそのうち、アンタはただの人間に戻るってことなの?」
「いや、強制的にこうなったんだ。器はこのままだろう。力が仕えなくなるのは一時的なもんだと思っている。」
所謂魔力切れである。彼の使う禁忌魔法は人間の命を代償とする。つまり、人間一人分の生命力を使う。それを使う以上、燃費が悪く、カルマの魔力も少しずつ削られているのだ。
「なんだ。ただの人間に成り下がれば、食べられると思ったのに。」
「ただで喰われるほど、俺は甘くねぇよ。」
傍から見れば、仲良く会話をしているようにも見えるが、内容が重い物である。それだけでなく、片や魔神、片や妖怪なのだ。存在自体が異様である。
「それは置いとくとしても、朱姫には会うことになりそうね。」
「……。」
カルマに顔をしかめる。博麗麗夢のいる村に行くとなると、必然的に彼の者がいる山が近くなるということだ。遅かれ早かれ出会うことになりそうだ。
「―にしても、話を聞く限り、お前は随分と丸くなったみたいだな。」
「話逸らしたわね。」
「うるせぇよ。」
「でもそうね。むやみやたらに人間は食べなくなったわ。と言っても、食べるに越したことはないけど。」
そう言いつつ、彼女は舌なめずりをしながら、通り過ぎていく人間をチラ見している。もしカルマが彼女を制御していなければ、今通り過ぎた人間は彼女の胃の中だったのかもしれない。
「行くぞ、ルーミア。」
「はいはい。今行きますよー。」
本当なら魔剣の話とヴラドとの会合の話を入れるつもりだったんです。
グラムについて調べたら、色々面倒くさくなりましたw。
次回は設定を入れてから、竹取物語に入ります。
勿論、麗夢も登場させるつもりです。
さらに1話目からあの人の再登場です。
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。