―とか思っています。
内容は無いよう。
・・・冗談です。(´・ω・`)
まぁ、実際内容決めていませんが、うどんげでも弄ろうかなって思ってますw
もしくは水咲の方を出そうかな。
それでは、本編どうぞ。
能力を使うにしても体力が必要である。痩せこけている少女にとって、能力を使うことはとても辛いことだ。それに加え、無自覚に村全域を包んでいる歪んだ空間があるのだ。それが少女の身体を蝕んでいる。
「そこで貴方の能力よ、ルーミア。」
話は至って単純。今いる神社を闇で覆うのだ。言わば、結界の役割である。それなら紫でも大丈夫なのではないかと思えるが、彼女曰く―
「この娘の面倒を見ないといけないでしょ。それとも貴女が見てくれるのかしら?」
「あっそ。」
確かに食べる専門とも言える彼女にとって、人間の面倒を見ることは面倒極まりないことである。ルーミアは自分の能力―“闇を統べる程度の能力”を使い、神社を覆い、少女の力が漏れないように制御した。
「これでいいのよね?」
「ありがとう。当分の間はそれを維持し続けて。」
「はいはい。」
闇を解くことができるのは、おそらく少女が能力を抑え込めるようになるまでの間だろう。それまで彼女の体力が持てばの話だが。
「能力を制御するにしても、この娘次第。まずは体力をつけないといけないわ。」
それから数週間は彼女の体力の回復を促していた。やがて肉もつき、それなりに女性としての形が出来てきた。それほど時間が掛からなかったのは、焔の妖怪としての生命力によるものだろう。たどたどしかった口調もこの頃になると、滑らかなものへとなっていた。
「改めて、お礼を言わせてください。私を助けていただきありがとうございます。私は博麗麗夢。この神社の巫女をしていました。村の皆さんからは能力に因んで“歪御子(ゆがみこ)”と呼ばれていました。」
少女―博麗麗夢は今まで着ていた白装束から私服へと着変えていた。濃い緑を中心とした服装、薄紫の帯を巻いている。
「それにしても、どうしたらあの痩せ細った状態からこうなるのよ。」
「…あはは。」
そればかりは愛想笑いするしかない。彼女とて、自分でこのような体格になろうと思ったわけではないのだ。
「さて、脂肪も十分付いたことだし、次は筋力をつけましょうか。」
「はい。」
「もっとも、ほとんどの脂肪は胸に行ったみたいだけど。」
「うぅ…。」
気持ちを落ち着かせるのに、少しばかり時間が掛かった。落ち着くとまず歩く事から始めることにした。壁に手をつきながら、歩きはじめる。長い間出歩かずに過ごしていたため、筋力が衰えている。脚は生まれたばかりの小鹿のように震えていた。闇の中にいるため、焔の灯りが便りだ。
「無理しなくていいわ。少しずつやっていきましょう。」
「はい。」
少し動いては休憩を繰り返す。どれほど長い時間が掛かるのだろうか。あの魔神は既に西に到着し、旅を再開しているかもしれない。早く追いついて喰らいたい。
「ねぇ紫。」
「何かしら?」
「魔神は今どのあたりにいるの?」
ルーミアの目的は魔神の捕食。西に向かっていることは分かっているとはいえ、気になるに決まっている。
「そうね。今夜あたり見てくるとしましょう。」
「魔神…?」
麗夢にとっては初めて耳にする単語だ。
「魔神ってなんですか?」
「魔神は人間から神に昇華した奴の名よ。カルマっていうらしいけど。」
「そうなのですか。その魔神様ってどんな人なんですか?」
「そうね。私は直接会ったわけじゃないから外見ぐらいしかわからないわ。ルーミアは?」
「さぁ?私も外見ぐらいかしら。あと人間の時から結構強かったはずよ。」
「外見だけ、ですか?でもどうしてそんな人の話が出てくるのですか?大して関わりがないように思えるのですが。」
「食べるためよ。」
「えっ?」
ルーミアの言葉に疑問を抱く。食べるとはどういう意味なのか。食べるとしてもそれがどういう事なのか。どうしてそういう事になったのか。
「簡単に言えば、彼女は魔神様と殺すと言ってるのよ。」
ルーミアは妖怪。その妖怪が食べると言ってる意味は、物理的なものだった。
「だ、だめですよ!人を簡単に殺したりしては!」
何も知らない麗夢にとって、その事実は驚くことだった。現にルーミアは彼女たちと一緒にいる。危害を加えようとする素振りがない以上、紫と同じ志しを持っているものだと思っていたのだ。
「あいつは私たちをたくさん殺した。別に不思議なことじゃないわ。私もあいつを殺すのも至極当然でしょ?それに私は人食い妖怪。本来、人間を喰わないといけないのよ。」
「それでもっ!」
「なら、麗夢から食べてあげましょうか?」
ルーミアから闇が漏れ出し、蠢く闇が麗夢を狙う。彼女を守るように、焔が唸り、紫が睨みを利かせている。
「私を食べたら、魔神様に何もしないというのならいいですよ。」
『麗夢!何考えてやがるですか!』
「貴方が消えてしまっては困るの。」
ルーミアは溜息をつくと、闇を引っ込めた。意外と大人しい彼女に紫は不審がる。
「やっぱり、私にこの役割は向いてないわ。あとは紫が面倒みて。私は行くわ。」
「そう。ならここから行きなさい。」
空間に裂け目ができる。奥の目がルーミア見つめている。
「このスキマを通れば、すぐ西につくわ。」
「最初からこうして欲しかったわね。」
ルーミアはスキマの中へと臆することなく足を踏み入れる。
「ルーミアさん。また会いましょうね!」
背後から少し悲しみを含んだ声が別れを告げている。ルーミアは軽く手を振り、歩を進めていた。
スキマを通り抜けると、そこはどこかの山の中だった。
「ここが西…。」
どうやら西の大陸についたようだ。なんとなくではあるが、雰囲気が今までいた場所と違うのがわかる。ルーミアは深呼吸を幾度かし、最後に大きく吸い込んだ。
「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
そして、吠えるとあたりに闇が広がっていく。まだ夕暮れだというのに、そこだけが夜以上に暗くなった。あたりにあるものが全て闇の中へと飲まれていく。無差別に飲み込むと、落ち着いたのか、息を切らせながら座り込んだ。
「はぁ…はぁ…。なんでよ…。」
彼女は我慢していたのだ、人間の捕食を。何とか堪えてきていたが、限界もすぐ訪れた。それが今。
「あんな女、食べてしまえばよかったのに…。」
食べてしまえば全て丸く収まったのだ。なのにしなかった。何故か。彼女の能力が闇を防ぐからか。違う。そばにいたあの計り知れない妖怪が恐ろしかったからか。違う。
「…忘れましょう。今は魔神を食べることが最優先よ。」
彼女は立ち上がると覚束ない足取りで闇の中へと歩みを進めていった。
結論、修行風景なんてなかったんや・・・。(遠い目
紫がルーミアを行かせたのは、彼女の‟人間への捕食活動”を抑えられなくなってことを察したからです。
ぶっちゃけ、この禁初幻譚のルーミアはあの感動的な動画のルーミアを元にしてます。
てか、それそのものじゃないかって感じです。
これ著作権的に大丈夫かな?(;・∀・)
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。