東方禁初幻譚   作:鈴華

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お久しぶりですね。
鈴華ですよ~。

SS書いてる時間が削られて投稿ペースが落ちるかもしれないです。
だって単位が足りないんだもん(´・ω・`)
え?免許?
HAHAHA・・・はぁ(*´Д`)

それでは、本編どうぞ。


4章 闇の標
Ep,1 闇の始まり


森を抜けたところに、大きな道があった。近くに町でもあるのか、沢山の人が行き来していた。その中一段と目を引くのは、男女の二人組だ。どちらの同じ金髪。だが、男の方は金と赤のオッドアイである。言わずもがなカルマとルーミアである。

 

「それで、こんな通りに出てどうするのかしら?」

「別に、宿を探しているだけだ。」

「勿論、一部屋よね?」

「んなわけねぇだろ。」

 

暫く歩いているとそこまで大きくはないが、町を見つけた。早速宿を探してみるが、あったのは一件。そして話してみると一部屋しか空いてないとのことだった。

 

「……。」

「くっ、くく。まさか、言った通りになると思わなかったわ。」

 

案内された部屋でルーミアはお腹を押さえて笑っていた。対し、カルマは頬杖をついてそっぽを向いていた。

 

「それに店員に変に気を使わせたみたいだし。」

「解せん。」

 

そう。店員はなにを思ったのか、二人が来たとき、常時頬をを染め、部屋に案内した時などは「おたのしみください。」などと言っていたのだ。

 

「それで、これからどうするのかしら?」

「あ?適当に旅を続けるだけだ。」

「そう。なら貴方の歩いてきた道をたどってみようかしら。」

 

要するに、彼女はカルマの旅をしてきた場所に行こうと言っているのだ。

 

「好きにしろ。」

「冷たいわね。貴方も来るのよ?」

「分かってる。」

 

今、ルーミアには第1禁忌魔法の“拒絶”が掛かっているため、人間を食べるということはないが、念のため、監視をしているのだ。よって、必然的に二人は行動を共にすることになる。

 

「そういや、お前は今までどこで何をしていたんだ?」

「…?」

「俺の路を辿ろうってんだから、お前の路を聞かせろ。」

 

彼女はきょとんとした顔をしたが、すぐにその顔にはニヤケ顔が張り付いてた。

 

「なぁに?私のことが気になるの?」

「別に。」

「ふふ、いいわ。暇だし、私の過去を話しましょ。」

 

静かに笑いながら、彼女は今までの過去を語り始めた。

 

 

 

月移住計画が成功し、焼き野原が一面に広がっていた。一人の人間が眠りにつき、焼き野原に自然が戻り、爆弾の痕跡が見当たらなくなった頃。長い時間を掛けて、一カ所に黒よりも黒い妖気が収束してきていた。この気配に誰も気づけなかったのは奇跡とも言えるかもしれない。

 

「此処ハ…。」

 

妖気の塊から声が発せられた。

 

「あら、やっとお目覚めかしら?」

「―ッ!?」

 

女性の声のした方向には空間の裂け目があった。その奥にはいくつもの瞳があり、全てがこちらを見ているように見える。

 

「誰ダ…。」

「私?名前はそのうち語るとしましょう。」

 

裂け目から出てきたのは、金髪の先をリボンで結び、卦の萃と太極図が描かれた服を着込み、ナイトキャップを被っている女性が出てきた。

 

「何ノ用ダ。」

「ちょっと説明にね。」

「……。」

 

女性がただの人間ではないのはすぐにわかる。警戒するように黒い妖気がいつでも襲えるように形状を変えた。

 

「警戒しなくてもいいわ。話すだけ話したら姿を消すので。」

「…早ク話セ。」

 

彼女は今までの経緯、月移住計画のその後を説明した。

 

「―それで今に至るというわけよ。」

 

説明の途中で記憶が戻ってきた“それ”は自分が殺されている瞬間を思い出した。しかしそれは一つでなく、いくつもの記憶だった。そこで自分自身が個体でなく、群体であることを理解することができた。その中で多く自身を殺していたのが、金髪の鎌使いであることが印象強く残っていた。

 

「それでは、私は行かせてもらいましょうか。またいづれ会いましょう。」

 

そう言い残し、彼女は裂け目の中へと消え、裂け目も閉じ、消えてしまった。“それ”はまだ実態を持っているわけではない。今はただの妖気の塊でしかないのだ。移動するにしても、この状態では人目に付き、目立ってしまう。

 

「マズハ肉体ガ必要カ…。」

 

すると、妖気は霧状に霧散し、そこには誰もいなくなった。そして、数日に渡り、行方不明となる人間が続出。骨格だけが残るという事象が起こった。そして―

 

「こんなものかしら…。」

 

金髪に金眼、黒い服に赤いネクタイを結んだ女性が山積みになった骨の上に立っていた。彼女を多く殺した者の姿に似せた結果でもある。

 

「そろそろ移動しようかしら。」

「あら。随分と人に似せたものね。」

 

森の影から一人の女性が現れた。彼女に説明をした人物である。

 

「貴方に言われたくないわ。貴方も私と同じ、人間に似た姿の妖怪でしょう?」

「そうね。私も妖怪。」

 

くすくす笑うその姿に底が見えない。

 

「何の用?早く行きたいんだけど。」

「用はすぐに終わるわ。貴女に名前を与えに来たの。」

「名前、ねぇ…。」

「そう、名前。貴女の名前はルーミア。」

「ルーミア…。ありがと。それで貴方の名前は?」

 

彼女の名前をまだ知らされていない。この機会に知ることもできるだろう。

 

「私は八雲紫。人間と妖怪の共存を望んでいるわ。」

「あっそう。私には関係ない望みね。」

「そうね。今の貴女には、ね。」

「どういう意味かしら?」

「さぁ?」

 

計り知れない。紫は感情を表に出さずに、くすくすと笑いながら森の奥へと消えていこうとしたが、何かを思い出し、歩みを止めた。

 

「そうそう。彼、魔神カルマって言ってわかるかしら?」

「知らないわね。誰のことよ。」

「貴女たちをたくさん殺した人。今は人間から神に転じているけど。」

「魔神カルマ…。あの人が…。」

 

ルーミアの反応に気づいているのかいないのか、彼女は話を続ける。

 

「今、彼は西に向かっているわ。もしかしたら会えるかもね。」

 

それだけ言うと、紫はいつの間にか姿を消していた。

 

「魔神カルマ…。」

 

彼女は凶悪な笑みを浮かべると闇の中へと歩みを進めて行った。

 




実はこの話は入れるつもりはありませんでした。
このまま東に戻すつもりだったんですけど、いきなり戻すのもなぁって思ったからです。
そのおかげでまだまだ長引きそうです。
でも、おかげであの娘が早く出せそうです。
え?誰かって?
前s「着火!」
ぎゃああああああああああ!!?

焦げてるナウ・・・。
ルーミアはカルマに似せて身体を構築したって設定です。
妖気だけでは肉体を作ることは不可能に近いので、人間の肉体を得ることで構成しました。
だってほら、ルーミアとカルマって似てるでしょ?
金髪金眼で服装も黒と赤じゃないですか。
性別はカルマが少し髪が長いため、女性だと思ったのだと思います。(汗
「カルマの女装・・・はっ!これは流行る!」

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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