ふぅ、やっとだじぇ(;・∀・)
あとお知らせがあります。
それでは、本編どうぞ。
「……キマイラ。」
念のため、全身をキマイラ化させたカルマ。しかし、両腕がないとなると、何かと不自由で仕方ない。
「足蹴にすることないじゃない?」
「腕を喰われなければ、蹴ることもなかったんだがな。」
ルーミアの周りの闇が増加した。何もかも飲み込んでいくその闇は、触れている木々さえも咀嚼していく。
「こんなものじゃなくて、貴方を食べたいわ。」
「喰えるものならな。」
瞬間、カルマの姿が消えた。辺りの木々は闇の中へと消えている。移動できる場所限られる。つまり、カルマの移動先として考えられる場所は一か所のみ。
「上ね。」
ルーミアが闇を空へ向かせようとする。案の定、彼はルーミアの上空にいた。しかし、それもすぐに姿を消した。それもそのはずだ。彼は空中で拒絶を発動し空を蹴ったのだ。脚力にはキマイラも追加されている。空にいたカルマは今、ルーミアの眼前に着陸していた。闇を空へと向けているため、反応ができない。
「―っ!」
「チッ!」
しかし、彼女の変わりに反応したのは闇自身だった。彼女は言っていた。この闇は穢れの集まり。つまり、この闇にも意志のようなものがあるのだろう。闇がカルマの顔を貫こうと針となり攻撃した。反射的に後方へと飛んだが、顔を覆う仮面に傷がついてしまった。あと少し反応が遅れていれば、顔の右半分が消えていたかもしれない。
「あら、惜しかったわね。もう少しで殺せたかもしれないのに。」
「…ド低能が。」
「そうね。でもそんな低能も集まれば有能に近づくってものよ?」
確かに、今彼女は一人だが、彼女は数多くの穢れを従えているようなものだ。実質、一対多と差して変わらない。
「…あまり使いたくないんだがな。」
「まだ隠し玉があるのね?いいわよ。それすらも闇の中に飲み込んであげる。」
「そうか。なら遠慮はいらんか。第88禁忌魔法“オートマター”。」
すると、脱力したかのように首を垂れた。何かの罠かと判断したルーミアは様子を見ようとする。しかし、変化はすぐに起きた。彼の口から生気を感じない声が漏れだした。
「目的、敵の殺傷。スタート。」
顔を上げた時、彼に大きな違いはなかった。だが、その瞳には感情と言えるものが見て取ることができない。そして、カルマは地を蹴り、ルーミアの懐に入り込む。
「何度やっても同じよっ!」
「……。」
返事の代わりに鋭い蹴りが放たれた。彼女はそれを闇の盾で防いだ。
「拒絶。」
拒絶を発動することで、盾ごと蹴り飛ばされてしまった。飛ばされても闇で威力は吸収しようとしたが、カルマが追撃を加えるべく、目の前まで迫ってきていた。闇がその追撃を防ごうとした。その闇にとうとう右腕が肩まで消えてしまった。しかし止まらない。
「なっ!」
勢いそのままに横蹴りがルーミアの脇腹に入る。
「かはっ!このっ!」
闇の槍がいくつも現れ、それがカルマに向かって飛んでいく。しかし、カルマはそれを防ごうとしない。キマイラの鎧にいくつもの傷がつくが、彼は止まることなく突っ込んでくるのみ。
「そーなのかっ!貴方、今目的しか見えてないのね!」
今のカルマにはルーミアを倒すことしか見えていないのだ。それが第88禁忌魔法“オートマター”。この魔法を数億年前に穢れとの戦いで使ったため、傷だらけになったことがある。
「なら、遠慮なく飲み込まれなさい!」
目的しか見えていない以上、それ以外に関与することはない。つまり、手段を選ばないということだ。それは目の前に迫った大きな闇すらも視界に入らないほどに、だ。そして、カルマは闇の中へと飲まれてしまった。
「うふふ。自分から来るなんて、良い鴨だわ。」
闇の中から骨を砕く音、肉を噛み千切る音が聞こえてくる。
「ふぅ、ごちそうさm―」
しかし、すぐにお腹を押さえて苦しみだす。
「うっうぅ。ぐえっ!」
闇から吐き出されて出てきたのはカルマだった。そして彼の姿にはしっかりと両腕もついている。
「まぁ、思い通りだが、いいものじゃねぇな。」
カルマの考えは至って簡単。死ぬことで黄泉返りを発動させ、再生させることだ。オートマターを発動したのは、自分が喰われる苦痛を味わないためだ。
「ぐぅ。はぁはぁ。」
「よぉ、穢れ。気分はどうだ?」
「…えぇ、最悪よ。」
「そうか。」
しかし、カルマは止めを刺そうとしない。
「殺さないのかしら?」
「穢れから妖怪になって今でも生きてんだ。もっと生きたいと思うものだろ。」
「私が生き続ければ、多くの命を喰らうのに?」
「それは俺が制御してやる。」
「どういうつもりかしら?」
彼の真意が見えない。確かに彼女はまだ生きたいと思っているのは事実だ。
「ただの気まぐれだ。」
「…そういうことにしておくわ。それで?どう制御するのかしら?」
「拒絶で人に対する捕食活動を拒絶してやる。」
「そう。ならお願いするわ。」
その後、カルマはルーミアに拒絶をかけた。それ以降、彼女は人を食べることはなくなった。こうして、彼女はカルマとともに旅をすることになった。しかし、二人は知らない。拒絶をかけたことであんな悲劇が起きるなどと。
終わり方雑っ!
本当ごめんね、こんな終わり方で(´・ω・`)
一度死ねば全部再生します。
逆に言えば、死ななければ再生しません。
これが蓬莱人との違いです。
そして、カルマの弱点だったり・・・するのかな?
今回登場した禁忌魔法紹介~。
第88禁忌魔法“オートマター” ― 一切の思考、感情を削除し、特定の目的を遂行する。成功するか失敗することで解除される。
今回はルーミアに食べられたため、失敗ということになる。
この場合、失敗は死ぬことを意味するため、黄泉返りを発動することでリセットされる。
はい、お知らせです。
今日から3月末まで投稿が止まります。
楽しみにしている方(いるのかな?)ごめんなさい。
免許とりに行くんで、勉強に集中しようと思ってますので。
申し訳ないです。
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。