まだ練習中だから、挿絵にするにはまだ先だね。
今回はタイトルにある通り吸血鬼の登場です。
それでは 本編どうぞ。
街での噂、吸血鬼の存在。プリズムリバーの館もそうだが、東の国にあった建物とは違ったつくりをしている。そういった建物が並ぶ街に入ってから耳にした噂。それが吸血鬼だ。東では耳にしなかった妖怪の存在。カルマはその噂の元となる場所へと足を踏み入れた。歩を進め、森を抜けた先にあったものは大きな館だった。プリズムリバーのものとは比べ物にもならない大きさだ。
「でか…。」
「こんな場所に何の用でしょうか。」
門の前にはここに来るまでに立ち寄った国の服をきた少女が立っていた。見た感じ10代後半だろう。少女は警戒するように、こちらを睨み、構えをとった。
「吸血鬼ってのはお前か?」
「いいえ、違います。」
どうやら違うらしい。確かに噂のものとは姿形が違っている。
「吸血鬼は主人のことです。」
簡単に情報を手に入ってしまった。まさかそちらから明かすとは思わなかった。
「もう一度問います。ここへ何の用でしょうか?」
カルマは口を開かず、何も言わないことで、警戒度が増したのだろう。彼女の脚に力が入った。おそらく踏み込むためのものだ。対し、吸血鬼の存在が確定したカルマは、一度会ってみようかと思ったが、まずは目の前の少女をどうするべきか、だろう。彼女はおそらく門番の役割を担っている。構えも様になっているようだが―。
「弱いな…。」
「―ッ!」
瞬間、少女は飛び出した。放たれる拳にカルマは片手で止める。反動を受け流すように腕をクッションのように引く。カルマは立っていた場所から移動せずに衝撃を殺したのだ。ただ者ではない。そう判断した少女はカルマから距離をとった。
「構えも動きも上々。だが、修行不足だな。まだ弱い。」
「確かに私はまだ未熟です。ですが、貴方が何者かわからない以上、警戒させてもらいます。」
「ただの旅人。」
「貴方のような手練れがそんなわけないでしょう。」
確かに“ただの”旅人ではないが、そこはご愛嬌。
「まさか、貴方、ヴラドの者ですか?」
「ヴラド?」
聞いたことのない名前だ。カルマは首をかしげることしかできなかったが、少女はヴラドという名前に対し、構えに一層力が入ったようだ。
「何事ですかな、美鈴。」
突如として彼女―美鈴の後ろに現れたのは、老紳士の男性だった。執事服を着ていることから、彼もこの館の主に仕える者なのだろう。
「深さんっ!」
深と言われた男はカルマに視線を向ける。どうやら品定めをしているようだ。
「どちら様でしょうか。」
気付けば、彼は目の前から消え、ナイフをカルマの首に当てていた。
「ただの旅人だ。下町で吸血鬼の噂を聞いて、ここまで来たってだけだ。」
「嘘をついてもいいことはないと思われますが?」
「一応人間を辞めてはいるな。」
「そうでしょうな。貴方からは一般人が持ち得ないはずの量の魔力を感じます故。」
なるほど。力量もそうだが、カルマは歩く異常者といったところだろうか。
「…嘘は言っていないようですね。」
すると、彼はナイフをしまった状態で美鈴のそばに戻っていた。
「い、いいんですか、深さん?」
「はい。美鈴が迷惑をかけたようですな。申し訳ありません。」
「いや、いい。」
「もうじき日も暮れます。良ければ、中へお入りください。」
「いいのか?」
「はい。」
招待されるがままに、カルマは門をくぐり、館の中へと進んでいく。そして、たどり着いたのは大広間だった。長い机があり、蝋燭台がその上に並べられている。
「適当におかけください。今、何か口に合うものをお持ちいたします。」
そう言い残し、深は一瞬にして姿を消した。さっきから瞬きのする間もなく移動して見せている。一体どのような能力なのだろうか。カルマは適当な椅子に座り、待っていると深ではなく、一人の女性が現れた。
「貴方が客人かしら?」
真っ赤なドレスに身を包み、膝まである紫寄りの金髪を伸ばした女性だ。背中には蝙蝠と同じ翼が生えている。彼女はスカートの裾を持ち上げ、頭を下げた。
「はじめまして、私はマキナ・スカーレットと申します。ここの館の主です。門にいた娘は紅美鈴。案内をしてくれたのが、十六夜深よ。」
「俺はカルマ。適当に旅をしている。」
自己紹介を済ませると、彼女はカルマの向かいに腰掛けた。
「ここの主ということは、お前が吸血鬼ってことでいいんだな?」
「えぇ、そうよ。私が吸血鬼。予想通りだったかしら?」
「あー、いや…。」
カルマは街で聞いた噂を一通り話した。話している最中に深が入室。料理を並べて、退室していった。
「ふふ。流石にそれは私じゃないわね。」
「そういうわけだ。それを確かめるためにここにきた。あと、さっきから気になっていたんだが。」
「なにかしら?」
「お前、妊婦か?」
彼女が入室したとき、お腹が普通よりも大きく見えていた。それに椅子に座るときにお腹を庇うような座り方をしたからだ。
「えぇ、そうよ。二人目になるわ。」
マキナは愛おしそうにお腹を撫でながら言った。
「…今日はもう遅いわ。ここに泊って行って?」
「いいのか?」
「えぇ。歓迎するわ。」
そのあと、深に一室に案内された。
「それではゆっくりお休みください。」
そう言い残し、深は一瞬にして消えてしまった。カルマもベッドに横になって眠りにつくことにした。
そして、丑三つ時、カルマの心臓は貫かれた。
マキナのお腹には第二子がいます。
つまり、あの子はすでに生まれているってことです。
今いる館は紅魔館ではないです。
紅魔館は別荘って感じの設定にしてます。
イラスト描き溜めしようとしたけど、ストーリー書き溜めしないと描けないっていうねw
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。