東方禁初幻譚   作:鈴華

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諏訪大戦いよいよ始まります。

あとちょっとお知らせがあります。

では、本編どうぞ。


Ep,6 諏訪大戦 表

「私が一騎打ち!?」

「そうだ。」

 

大和での話を終え、諏訪の国に帰ってきたカルマは、決定事項を諏訪子離した。それは諏訪と大和で代表者が一騎打ちをするというものだった。ちなみに今、水咲は買い物に出ている。

 

「ど、どうして私なの?カルマでもいいじゃん。」

 

実際、カルマは諏訪子や神奈子よりも強い。だが、カルマは自分が戦うということを論外と考えていた。

 

「ふざけているのか?」

「え?」

「お前はこの国の神だ。その責任を他者である俺に押し付けるのか?なら、さっさとこの国を引渡し、どこかに消えろ。」

「・・・・・・。」

「安心しろ。相手はツクヨミとアマテラスじゃない。八坂神奈子とかいう神だ。相性はお前の方が不利だが、勝算はないこともないだろ?」

「神奈子が相手なの?」

 

諏訪子の眼の色が変わる。カルマに諭されたこともあるだろうが、相手が神奈子ということもあるのだろう。

 

「そうだ。神奈子からお前とは決着をつけたいと伝言もある。」

「やるよ・・・。絶対勝つ!」

「そうか。日程は明後日だ。準備しておけ。」

「うん!」

 

諏訪子を立ち上がり、奥間へと戻っていった。おそらく作戦かなにかを考えているのだろう。カルマは横になり、大和でのツクヨミとアマテラスと交わした会話を思い出す。

 

 

 

一騎打ちの内容も決まり、神奈子が部屋を出て行った。彼女も戦いに向けて準備するようだ。

 

「ところで、カルマ。」

「なんだ?」

「その手紙の件だが。」

 

机の上に置かれているのは、先ほどの脅迫の手紙だ。

 

「おそらくだが、あの2人で済ませられることではないと考えている。」

「他にもいるってこと?」

「そうだろうな。少なくとも、十数人くらいはいるか。」

「そんなに・・・。」

 

アマテラスはショックを受けてしまった。まさか、これほど強行派がいるとは思わなかったのだろう。

 

「我ら2人は、明日大和を発たなければならない。おそらく、その隙に奴らが仕掛けてくるはずだ。」

「一騎打ちは明後日。やるとすれば、諏訪子と神奈子が戦闘で留守にしている時だろう。」

「そうだ。カルマ、悪いが―」

「構わない。任せろ。」

「月移住の時といい、今回といい。すまないな。」

「気にするな。俺はそろそろ帰る。一騎打ちのことを伝えないといけないからな。」

「そうか。またいずれ。」

「カルマ、また会おうね。」

「あぁ。またな。」

 

カルマは立ち上がり、開門で空間に穴を開け、諏訪の国に帰っていった。

 

 

 

そして、時間は過ぎ、一騎打ちの当日となった。大きく開けた平原。諏訪子と神奈子が相反するように立っている。諏訪子から少し離れた後方には、水咲が控えている。

 

「諏訪子、久しぶりだね。」

「そうだね、いつ以来だっけ?」

「いつだったかな。忘れたね。」

「さっさと始めようよ。」

 

諏訪子がいくつか鉄輪を取り出し、両手に持つ。対し、神奈子の後ろに6本の御柱が現れた。

 

「行くよ!」

「来い!」

 

諏訪子が走り出す。そこに御柱がいくつも飛ばされてくる。

 

「地よ!」

 

諏訪子が跳ぶと、地面が変形し、諏訪子の足場となる。諏訪子の能力は“坤を創造する程度の能力”。すなわち、大地関連の自然を創造することができる。彼女はそこから跳ぶと神奈子へと鉄輪を投げつける。神奈子は動くことなく、それを御柱で防ぐ。

 

「甘いね!」

 

神奈子が動き出した。御柱の影から飛び出し、容姿に似合わない速度で駆け出した。諏訪子の能力に対し、神奈子の能力は“乾を創造する程度の能力”。彼女は天に関わるものを創造することが可能だ。神奈子はこの時、追い風を作り出していたのだ。立ち位置上、諏訪子にとっては向かい風となる。飛ばされないようにするが、それが彼女の隙となった。

 

「隙有りだ!」

「あぐっ!?」

 

御柱が諏訪子に直撃。彼女は空中に放り出された。それだけでなく、天から御柱が追い討ちのように降ってきたのだ。

 

「うがっ!?」

 

御柱の衝撃は防いだものの、重量によるダメージは防ぐことができない。諏訪子は勢いよく地面に叩きつけられた。

 

「まだ!」

 

突如として、地面が槍のように神奈子に襲い掛かる。反応に遅れ、御柱で防いだが、そのまま地面に叩きつけられる。

 

「くっ!―ッ!?」

 

身動きが取れない。神奈子は地面に埋め込まれるような形になっていたのだ。

 

「捕縛成功!」

 

上空から諏訪子の鉄輪が襲い掛かる。

 

「舐めるな!」

 

身動きがとれなくても、能力を使うことはできる。御柱が錐のような形を組み上げ、鉄輪を防いだ。その間に地面から抜け出し、距離を取る。

 

「やってくれるじゃないか、諏訪子。」

「神奈子もね・・・。」

 

お互いの間に沈黙の時間が過ぎる。だが、それはすぐに終わった。一瞬、強風が吹き荒れた。だが、それには血の匂いが混ざっていた。2人はまだ大きな傷を負っていない。ならば、何故か。神奈子が目を見開き、硬直している。おそらく何かを見つけたのだろう。その視線の先は諏訪子の後ろ。振り返れば、そこには―

 

 

赤一色に染め上げられた地に倒れる巫女の姿があった。

 




前篇ならぬ、諏訪大戦-表-でした。
なぜ、表なのかと言いますと、カルマのことを覚えている者が少ないっからです。
つまり、カルマは表舞台に出てこないということになります。
お分かりかなw?

そしてお知らせです。
東方歪界譚の番外編を書こうかなって思ってます。
その名も「東方歪界譚番外編‟東方人魚恋譚”」
名前で誰が登場するかわかっちゃいますねw

それでは、間違い等がありましたらご指摘のほどよろしくお願いします。感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

またもや大学友達が描いてくれました。
前作主人公さんです。
ぶっちゃけ閲覧注意だと思います。
なんで許可降りたんだろ・・・?

【挿絵表示】

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