東方禁初幻譚   作:鈴華

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かごめかごめの替え歌
「課題課題」
課題課題♪
課題の中の私は♪
いついつ終わる♪
提出前に♪
先生と私が面談♪
後ろの正面誰もいない♪

本編どうぞ・・・orz


Ep,4 気晴らし

今日も今日とて、カルマは屋根の上に横になっていた。ずっと暗い場所に寝ていたからであろうか。彼はよく屋根の上で日光浴をしている。

 

「んしゃっと。」

 

ボーっと空を見つめていると、屋根に誰か登ってきたようだ。視線を向けると、帽子がひょっこりと見えていた。

 

「なにしてんだ、お前。」

「よっと。」

 

顔を出したのは諏訪子だ。彼女は屋根によじ登ると、カルマの隣に腰かけた。

 

「いつもここにいるよね、カルマって。」

「暇だからな。」

「そうそう。昨日は水咲を守ってくれたみたいだね、ありがとう。」

「……勘違いするな。ここでアイツに死なれると、俺の居心地が悪くなると思っただけだ。」

「あはは。そういうことにしてあげるよ。」

 

どうやら警戒は溶けているようだ。諏訪子もカルマと同じように横になって空を見上げる。

 

「あったかいねぇ…。」

 

カルマ自身、話すようなことがない為、しばらく無言でいると、横から寝息が聞こえてきた。横を見てみると、日向が気持ちよかったか、すやすやと眠っている。

 

「…はぁ。」

 

彼女を起さないように抱き上げると、屋根から飛び降りる。幸い、衝撃を緩和するため、起こすことはなかった。そのまま諏訪子を縁側に寝かせると、カルマはその隣に腰かけた。

 

「…静かだ。」

 

耳を澄ませば、自然の流れを感じる音が聞こえ、住民の賑わう音が聞こえてくる。水咲は買い出しに行っているため、ここにはいない。おそらく賑わいの中にいるのだろう。諏訪子がカルマを警戒した理由もわかる気がする。ふと空を見上げると、ぼんやりだが、白い月が見えてきていた。

 

「月、か…。」

 

思い出すのは彼が永琳たちと過ごした日々。できるのならば、あの頃に戻りたいと思う。禁忌魔法に未来視があるのなら過去に関連するものもある。実際に過去に戻るもの。俗にいうタイムスリップだ。しかし、カルマはこれを使おうとは思わない。何せ、その時間に戻れば、それ以降の未来に影響するからだ。もしかすると、諏訪子や水咲が生まれなかったかもしれない。そういう可能性を危惧しているからだ。

 

「我ながら、執念深いな…。」

「何が?」

 

いつの間にか、諏訪子が起きていたようだ。目を擦りながら軽く欠伸をしている。

 

「いや、なんでもない。」

「…そう。じゃあさ、私と戦ってみない?」

「は?」

 

いきなりの申し出に疑問を抱かずにはいられない。彼女は手を腰にあて、自信満々といった感じだ。

 

「なんか悩んでるみたいだし、話してくれそうにないからさ。身体を動かして発散してみたらってね?」

「なら戦う以外にも方法はあるだろ?」

「私が暇だから。」

「お前…。」

「それに水咲を助けてくれた力を見てみたいってのもあるね。」

 

 

 

場所は洩矢神社の上空。諏訪子はふわふわと浮いているが、カルマは拒絶を使い、空間を拒絶することで空中を踏みつけて立っている。

 

「じゃあ、始めようか?」

「さっさと済ませてるよ。」

 

先に動き出したのはカルマだ。彼は堕天を使用しているため、音速に近い速度で駆け出した。

 

「―ッ!?」

 

流石に予想外だったのか、諏訪子は慌てて回避する。

 

「ちょまっ!?はやっ!?」

 

驚いている暇はない。Uターンし、再び襲い掛かる。諏訪子は鉄輪を取り出すと、カルマの拳を防いだ。

 

「うっぐぅ。」

 

異常な衝撃。腕どころか、全身が痺れるほどだ。カルマはステップで距離を開ける。負けじと鉄輪を投げてけるが、突如として現れた十字架に防がれてしまった。

 

「強いね、カルマって。」

「伊達に長生きしてねぇよ。」

 

この戦闘では殺してはならないというハンデがあるため、彼自身、ほとんどの能力を封じられている。そのため、これでも彼は全力ではないのだ。カルマは十字架を掴むと、諏訪子に投げつけた。等身大の十字架が回転しながら近づいてくる。目にすれば、恐怖し動けないものだが、諏訪子はそれを躱す。

 

「おわりだ。」

「え?」

 

気が付けば、目の前にカルマがいた。目の前まで近づいてきていた十字架がカルマの姿を隠していたのだ。そのまま諏訪子の腕を掴むと地面に向けて投げつけた。

 

「うっあっ!?」

 

カルマの腕力と堕天の上乗せ、重力が合わさり、諏訪子は地面に急降下を始める。さらに威力が強すぎて体勢を整えることができない。そして地面に衝撃が伝わり、砂煙が舞う。

 

「きゅ~……。」

「…はぁ。」

 

そこには諏訪子を抱えたカルマの姿があった。彼女が地面に直撃する寸前に禁忌魔法で瞬間移動をして受け止めたのだ。衝撃を緩和しきれず、彼を中心にクレーターが出来ている。流石に地面にぶつかると思っていた諏訪子は気絶をしてしまった。

 

 

 

 

「どうしたんですかっ!?」

 

何事かと水咲が急いで帰ってきた。流石にその頃には諏訪子も目を覚ましていた。

 

「あー、これはね。かくかくしかじか。」

「それで通じるのか?」

「なるほど。大体のことはわかりました。」

「通じるのかよ…。」

「それで、どっちから始まったんですか?」

「ん。」

 

すると、諏訪子がカルマを指さした。対しカルマは諏訪子を指さした。

 

「元はと言えば、カルマが悩んでいたのが悪い。」

「諏訪子が戦おうとか言い出したのが悪い。」

「はぁ!?カルマでしょ!」

「知るか。お前だろ。」

「ガルルルルッ!」

「……。」

 

最初よりも仲が良くなったようなそうでないようなよく分からず溜息を漏らす水咲だった。

 




諏訪子との仲良しイベントでした。
なんで戦闘になったんだろ・・・。
実はカルマは空を飛ぶ事ができません。
でも場所を空中で維持する方法はいくつか兼ね備えています。

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

次はいよいよ始まりますよ。

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