まぁ、私が悪いんですけどねw
え?なら勉強しろって?
やだ♪
それでは本編どうぞ。
翌日、カルマは屋根の上で日向ぼっこをしていた。彼はこの国に来てから、何をするか考えていた。そこで、水咲のカルマを呼ぶ声が聞こえてきた。
「カルマさーん。どこですかー?」
「なんだ?」
屋根から飛び降りると、水咲のところへ行く。水咲の手には竹かごがあった。
「今、暇ですよね?」
「・・・そうだな。」
何故、そこで「暇ですか?」ではなく「ですよね?」と、確定しているような聞き方なのか。
「なら、少し付き合ってくれませんか?」
「買い物か?」
「いえ、ちょっと国の外にある森に。」
思い浮かべたのは、2人が初めて会った時のことだ。彼は彼女の護衛ということらしい。彼自身、面倒だと思っている。しかし、ここでそんなことをすれば、彼はこの国から追い出されてしまう。彼女は洩矢の巫女。この国になくてはならない存在なのだ。
「わかった。行こう。」
「ありがとうございます!」
外に向かう道、カルマはふと思い出した。先日、彼女は薬草を持っていた。水咲は薬師でも医者でもない。ならば、何のために使うのか。
「聞いていいか?」
「はい?」
「いや、歩きながらでいい。お前は外で薬草を集めるつもりか?」
「そうです。よくわかりましたね。」
彼女は純粋に驚いているようだ。
「お前は役職上、薬草は必要ないだろう?何に使うつもりだ?」
「助けるためです。」
「助ける?」
「はい。」
水咲の話によると、病にかかった男の子がいたらしい。その家は貧乏で薬を買う金もない。父は働き、母はその子の看病につきっきり。そのため、神頼みをしにきたというわけだ。それを聞いた水咲は自ら薬草を探してくると言い出したらしい。
「外には妖怪がいることを忘れていましたけどね。」
昨日少し思ったが、彼女は忘れっぽい性格をしているらしい。それも微妙に重要なところを。
「なら、さっさと済ませるか。」
「そうですね。ことは急げ、です。」
「ところで、あの薬草をどこで見つけたか、覚えているよな?」
念のために聞いてみる。彼女は何かと忘れやすい。まさかと思い、カルマは聞いてみたのだが・・・。
「・・・・・・(´・ω・`)」
「・・・おい、・・・まさか。」
「カ、カルマさぁぁぁぁぁん!!」
「だー!泣くな!俺たちが会った場所に行けば、何かしらわかるだろ。さっさと行くぞ。」
「・・・はい!」
カルマは足早に歩を進める。水咲は嬉しそうに彼を追いかけていった。それはまるで、懐いた子犬のようだった。
2人は初めて会った場所に無事、着くことができた。何度か水咲が迷子になりそうになったが。しかし、ここは危険な場所だったようだ。いつの間にか妖怪に囲まれている。ただ、まだ水咲は気づいていない。カルマは、薬草を探してしゃがんでいる水咲に、小さい声で話しかける。
「(水咲。)」
「は、はひ!?」
突然、耳元で囁くように名前を呼ばれ、過剰に驚く水咲。それに構わず、カルマは話を続ける。
「(囲まれた。)」
「え?」
「(昨日、妖怪に襲われただろう。ここは奴らの縄張りだったようだな。)」
見れば、妖怪の中に水咲を襲おうとしていた妖怪もいる。数は十数体。穢れの群れと戦ってきたカルマにとって、苦ではない。
「(警戒しているのでしょうか?)」
「・・・・・・。」
「(カルマさん?)」
「(ここから動くな。いいな?)」
「(・・・はい。)」
カルマは立ち上がり、妖怪の潜んでいる方向へと歩き出す。妖怪の間に動揺が走る。だが、見つかってしまったのならば、しょうがない。一斉に襲いかかってきた。
「死ネエエエエエエエエエエエエエエエ!!!」
「ガアアアアアアアアアアアアア!!」
―第47禁忌魔法“堕天”―
瞬間、カルマは消えた。いや、消えたのではない。異常な脚力で踏み込み、駆け出したのだ。妖怪の合間をすり抜けるように走る。
「鈍ってないか・・・。」
カルマの右手の手には、血がべっとりついていた。妖怪は何が起こったのか分かっていない。腹を抉られた激痛に悶え苦しむ。人間なら出血多量で死に至るが、妖怪は頑丈だ。そう簡単に死ぬわけではない。
「まだいるか・・・。」
水咲に襲い掛かる妖怪。カルマは、音速を超えるような速度で駆け出す。一瞬で間合いを詰められた妖怪は驚く。だが、それは時間差であることにも驚いていた。彼に蹴飛ばされた後だったからだ。
「怪我はないか??」
「は、はい。」
「そうか。さて・・・、まだ潜んでいるのはわかるが、殺るか?」
血のついた右手を手刀の形にし、妖怪たちに向ける。妖怪は我先にと逃げていってしまった。それを見届けると、手に付いた血を払い、グローブをポケットにしまった。少なくとも、これで手に血はついていないように見えるだろう。
「所詮、腰抜けか。水咲、先を急ぐぞ。」
「・・・あの、言いにくいのですが・・・。」
「なんだ?」
「腰が抜けて動けないです・・・。」
カルマはため息をつくと、背を水咲に向けて屈む。
「おぶってやる。さっさと薬草見つけるぞ。」
「・・・はい!」
水咲を背負い、森を進む。それから薬草は2本だが、見つけることができた。帰りは流石に深く潜りすぎたため、堕天を発動し、諏訪の国が見えるように、木の上を跳躍しながら帰っていった。
水咲の目がつり目ぎみになってしまった。
本当はたれ目の予定だったのですが、直すの面倒なんでこのままにしました。
そんなわけで、好感度アップイベントでした。
それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
犬っ娘水咲とかかわいいかも・・・。
誰か描いてくれないかな。 |ω・`)ちら