東方禁初幻譚   作:鈴華

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課題が多い・・・。
まぁ、私が悪いんですけどねw
え?なら勉強しろって?
やだ♪

それでは本編どうぞ。


Ep,3 洩矢の巫女

翌日、カルマは屋根の上で日向ぼっこをしていた。彼はこの国に来てから、何をするか考えていた。そこで、水咲のカルマを呼ぶ声が聞こえてきた。

 

「カルマさーん。どこですかー?」

「なんだ?」

 

屋根から飛び降りると、水咲のところへ行く。水咲の手には竹かごがあった。

 

「今、暇ですよね?」

「・・・そうだな。」

 

何故、そこで「暇ですか?」ではなく「ですよね?」と、確定しているような聞き方なのか。

 

「なら、少し付き合ってくれませんか?」

「買い物か?」

「いえ、ちょっと国の外にある森に。」

 

思い浮かべたのは、2人が初めて会った時のことだ。彼は彼女の護衛ということらしい。彼自身、面倒だと思っている。しかし、ここでそんなことをすれば、彼はこの国から追い出されてしまう。彼女は洩矢の巫女。この国になくてはならない存在なのだ。

 

「わかった。行こう。」

「ありがとうございます!」

 

外に向かう道、カルマはふと思い出した。先日、彼女は薬草を持っていた。水咲は薬師でも医者でもない。ならば、何のために使うのか。

 

「聞いていいか?」

「はい?」

「いや、歩きながらでいい。お前は外で薬草を集めるつもりか?」

「そうです。よくわかりましたね。」

 

彼女は純粋に驚いているようだ。

 

「お前は役職上、薬草は必要ないだろう?何に使うつもりだ?」

「助けるためです。」

「助ける?」

「はい。」

 

水咲の話によると、病にかかった男の子がいたらしい。その家は貧乏で薬を買う金もない。父は働き、母はその子の看病につきっきり。そのため、神頼みをしにきたというわけだ。それを聞いた水咲は自ら薬草を探してくると言い出したらしい。

 

「外には妖怪がいることを忘れていましたけどね。」

 

昨日少し思ったが、彼女は忘れっぽい性格をしているらしい。それも微妙に重要なところを。

 

「なら、さっさと済ませるか。」

「そうですね。ことは急げ、です。」

「ところで、あの薬草をどこで見つけたか、覚えているよな?」

 

念のために聞いてみる。彼女は何かと忘れやすい。まさかと思い、カルマは聞いてみたのだが・・・。

 

「・・・・・・(´・ω・`)」

「・・・おい、・・・まさか。」

「カ、カルマさぁぁぁぁぁん!!」

「だー!泣くな!俺たちが会った場所に行けば、何かしらわかるだろ。さっさと行くぞ。」

「・・・はい!」

 

カルマは足早に歩を進める。水咲は嬉しそうに彼を追いかけていった。それはまるで、懐いた子犬のようだった。

 

 

 

2人は初めて会った場所に無事、着くことができた。何度か水咲が迷子になりそうになったが。しかし、ここは危険な場所だったようだ。いつの間にか妖怪に囲まれている。ただ、まだ水咲は気づいていない。カルマは、薬草を探してしゃがんでいる水咲に、小さい声で話しかける。

 

「(水咲。)」

「は、はひ!?」

 

突然、耳元で囁くように名前を呼ばれ、過剰に驚く水咲。それに構わず、カルマは話を続ける。

 

「(囲まれた。)」

「え?」

「(昨日、妖怪に襲われただろう。ここは奴らの縄張りだったようだな。)」

 

見れば、妖怪の中に水咲を襲おうとしていた妖怪もいる。数は十数体。穢れの群れと戦ってきたカルマにとって、苦ではない。

 

「(警戒しているのでしょうか?)」

「・・・・・・。」

「(カルマさん?)」

「(ここから動くな。いいな?)」

「(・・・はい。)」

 

カルマは立ち上がり、妖怪の潜んでいる方向へと歩き出す。妖怪の間に動揺が走る。だが、見つかってしまったのならば、しょうがない。一斉に襲いかかってきた。

 

「死ネエエエエエエエエエエエエエエエ!!!」

「ガアアアアアアアアアアアアア!!」

 

―第47禁忌魔法“堕天”―

 

瞬間、カルマは消えた。いや、消えたのではない。異常な脚力で踏み込み、駆け出したのだ。妖怪の合間をすり抜けるように走る。

 

「鈍ってないか・・・。」

 

カルマの右手の手には、血がべっとりついていた。妖怪は何が起こったのか分かっていない。腹を抉られた激痛に悶え苦しむ。人間なら出血多量で死に至るが、妖怪は頑丈だ。そう簡単に死ぬわけではない。

 

「まだいるか・・・。」

 

 

水咲に襲い掛かる妖怪。カルマは、音速を超えるような速度で駆け出す。一瞬で間合いを詰められた妖怪は驚く。だが、それは時間差であることにも驚いていた。彼に蹴飛ばされた後だったからだ。

 

「怪我はないか??」

「は、はい。」

「そうか。さて・・・、まだ潜んでいるのはわかるが、殺るか?」

 

血のついた右手を手刀の形にし、妖怪たちに向ける。妖怪は我先にと逃げていってしまった。それを見届けると、手に付いた血を払い、グローブをポケットにしまった。少なくとも、これで手に血はついていないように見えるだろう。

 

「所詮、腰抜けか。水咲、先を急ぐぞ。」

「・・・あの、言いにくいのですが・・・。」

「なんだ?」

「腰が抜けて動けないです・・・。」

 

カルマはため息をつくと、背を水咲に向けて屈む。

 

「おぶってやる。さっさと薬草見つけるぞ。」

「・・・はい!」

 

水咲を背負い、森を進む。それから薬草は2本だが、見つけることができた。帰りは流石に深く潜りすぎたため、堕天を発動し、諏訪の国が見えるように、木の上を跳躍しながら帰っていった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 




水咲の目がつり目ぎみになってしまった。
本当はたれ目の予定だったのですが、直すの面倒なんでこのままにしました。
そんなわけで、好感度アップイベントでした。

それでは、間違い等がありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。
感想も待っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

犬っ娘水咲とかかわいいかも・・・。
誰か描いてくれないかな。 |ω・`)ちら

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