遅くなってしまい、申し訳ありませんでした…。
リアルが…リアルが忙しかったんです…。
「むむぅ…ここはどこなのじゃ?」
困ったのぅ…。
爺を巻くのに必死で帰り道がわからなくなってしもうた。
うぅ…こんな時、あやつがいてくれればなんと心強いことか…。
やはりペットにしておくべきじゃったかの…。
…さて、どうしたものか…。
ともかく食料を調達しなければならぬ。
幸いにもここには妾でも狩れる小動物が豊富じゃ。
問題は火の確保じゃが…まぁ、問題なかろう。
肉焼き機なぞなくとも肉は焼けるわ。
ーーーーーーー
「…。」
「…(じゅるり。)」
…なんじゃか何処かで見たことのある光景じゃのぅ…。
今回はかなり規模が小さいがの。
同じモンスターであることに変わりはないのじゃがな…。
「…。」
「…(グキュルルル。)」
違うのはそれが二匹おる事じゃ。
ここは未知の樹海ゆえ、別段不思議でもないのじゃが、流石に大型二匹の子供は手に余るのじゃ。
更に言えばどちらも新種のようじゃの。
…黒い方…ナルガクルガの幼体かの?
毛の色に変色した箇所があり、まるでラージャンのような黄色になっておる。
心なしか全体の毛色もラージャンに近いのう。
黄色い箇所は模様のようになっておるのも特徴じゃな。
翼刃、尻尾の棘は、その縁に黄色い箇所が。
目元から目の下を通って目尻にかけて伸び、更に体の側面を一直線に横切る黄色い線。
目だけは原種同様に赤いようじゃ。
…ふむ。完全に新種じゃな。
どのような攻撃を行うか見当も付かんわ。
もう片方のは見事に真っ白じゃの。
見た所、ティガレックスの幼体のようじゃが…。
詳しいことはわからん。ティガレックス系の種族は、その姿が地域により大きく異なるのが常じゃし、地方により名前すら変わるのじゃ。
到底看板できるものではないわ。
模様と呼べるかは微妙な所じゃが、角、爪、尻尾の先、腹部の鱗などは対象的に真っ黒じゃ。
…何故こやつらはこのような進化をしておるのじゃ?
なんじゃか嫌な予感がするのぅ…。
まるで何者かが意図せず進化させてしまったような進化じゃ。
本来ならばこのような進化はありえんからの。
保護色を失ってしまっては、あっという間に食われてしまうのが大自然の摂理じゃ。
こやつらはそれをものともしない程の力を持っておるに違いないわ。
「…いるかの?」
「♪───O(≧∇≦)O────♪」
「(`・ω・´)」
…えらくわかりやすい反応じゃな…。
少し毒気を抜かれてしもうたわ。
「ほれ、食らうがよい。」
「ミュウミュウミャウ!」
「ギャギャウギュウ!」
ガッ!ブチィッ!ガッガッガッ!
…むぅ…よく考えればこれが普通じゃの。
あやつは10個のこんがり肉を一度に頬張っておったので、忘れておったわ。
10個のこんがり肉を僅か10秒足らずで完食じゃぞ?
あやつがおかしいのじゃ。本来ならばこのように食い千切って食う筈じゃからな。
「ミャゥー!」
「ギャゥー!」
「こ、これ、抱きつくでない!
お主ら、自身の体をよく把握せい!妾など簡単に潰れてしまう!」
「…ミゥ…。」
「…ギャゥ…。」
「…じゃが、妾が抱きつくならよさそうじゃな…。」
「ミャゥ?」
「ギャゥ?」
「モフモフじゃー!」
「ミャー!?」
「ギュゥー!?」
ふふふ…なんとも極上この上ない触りごこちじゃな…。
ティガレックスの方も、腹部はまだプニプニとして柔らかいと来た。
かわゆいのぅ…。
ーーーーーーー
「ミュゥー…。」
「ギャゥー…。」
「…少しやり過ぎてしまったのじゃ…。」
…ぐったりしてしまったのじゃ…。
妾と同じくらいの体なくせにだらしないのぅ。
あやつは砂漠を爆走しようとも、まだへばっておらんかったというのにな…。
ふむ、あやつと比べるのは酷かの。ましてや幼体。さほど体力もないのじゃろう。
…しばらくはこの者たちと行動してみようかの。
妾はまだ大型のモンスターに立ち向かえぬ。
人相手ならまだ別じゃが、モンスターに会ってしまっては逃げる他ないしのう。
その時はこやつらに乗って逃げれば良いのじゃ。
どちらも地上を走るにはうってつけのモンスターじゃし、大型のモンスターは妾達を見つけるだけで困難じゃ。
それに速度も合わされば怖い者なしじゃろう。
…体力は問題じゃがな…。
「よし、妾はお主らについて行くぞ!
…む?そういえば、お主らは何故こんな所におるのじゃ?」
「…ミゥミゥ…。」
「ギャゥギュウ!」
「ふむふむ、親が恩人の悪口しか言わなくて気分が悪いから飛び出してきた?母ちゃんが病気で親父があまりかまってくれないから散歩してた?成る程、お主らも苦労しとるんじゃな。」
「ミゥッ!?」
「ギャ、ギャゥ!?」
「フッ…お主らの言うことなぞ手に取るようにわかるのじゃ…。
あまり妾を舐めるでないぞ。」
「ギュゥー。」
「…ミャー…。」
「おい黒いの。妾とその恩人を比べるでない。
妾はまだ人間辞めとらんぞ。」
全く失礼な奴じゃ。
妾が読めるのは一部の古龍のみというのにのぅ…。
…む?何故妾はこやつらの言葉がわかるのじゃ?
ふむ、妾も成長したのやもしれぬ。
これは爺に自慢できるのじゃ!
さて、何処を目指そうかの。
…そういえば、あの黒い霧はどうなっておるのじゃ?
いくら待とうとも一向に晴れぬ。なにやら大変なことが起こっておるようじゃ。
…これは…行かねばなるまいて。
「お主ら、いつまでへばっておるつもりじゃ?
さっさと行くぞ!」
「ミャウ?」
「ギャウ?」
「決まっておる…あの黒い霧の謎を解きに行くのじゃ!」
「ミャウ!」
「ギャウ!」
「ふふふ…やる気じゃの…。
さぁ、出発じゃ!」
「ミャー!」
「ギャゥー!」
ーーーーーーー
…なんじゃこやつは。
「クソッ!あの黒い竜め!今度会ったらタダではおかんぞ!
この私の力を思い知らせてやる!」
…おぉ、思い出したのじゃ!
こやつはあの時、妾と一緒に投げられたルコディオラではないか!
こんな所まで飛ばされておるとは…黒闘竜、恐るべしじゃな。
どうやら木に絡まって抜けられなくなっしまったようじゃ。
運の悪いことに背中から着地してしまったようじゃのう。
これでは流石の古龍といえども抜け出せんわ。
こやつの体格的に無理もあるしのう。
…む?何故砂鉄を使わないのじゃ?
それさえ使えば簡単に脱出できるじゃろうに。
何か理由でもあるのかの?
仕方ない。助けてやるとしようかの。
「黒いの!そのツタを斬り裂くいてやれ。
白いのはツタを退けるのじゃ。妾も手伝うぞ!」
「(`・ω・´)」
バチッ…バチッ…ゴゥッ!
「ε-(/・ω・)/ トォーッ!!」
ザワリ…ズッ!
…予測はしておったが、これは…なんとも言えんのぅ。
黒いのはラージャンが如く黄色い毛を逆立たせ、雷光を煌めかせながらツタを切り裂いてゆく。
白いのは、白い鱗粉のような物を体に纏い、ふた周りほど大きくなった顎でツタを引っ張っておる。
…白いのに至っては理解不能じゃ…。
何故そのような物でツタを掴めるのじゃ?
むぅ…研究者共が喜びそうな奴らじゃ…。
この者共の事は、爺に言わんようにせねばならんのう…。
おチビちゃん達は大体大人ぐらいの大きさまで成長しています。
…力に関しては…ブラキさんのせいですね、はい。
黒いの…雷迅竜(仮)
ラージャンの特性を持つ迅竜。
興奮状態になると、黄金の毛を逆立たせて攻撃してくる。
迅竜のトリッキーな動きとスピードに、ラージャンのパワーが合わさっているのでかなり強い。
ただし、スタミナは輪をかけて少ない。
現在は幼体なので、そこまで強くは無いが、成体になった時の脅威は計り知れない。
尻尾の棘と翼刃に出血属性あり。雷属性なし。
白いの…蝕轟竜(仮)
ブラキさんの散歩に付き合った結果、黒蝕竜の鱗粉に侵されたが、その後直ぐに浄化された。
その結果、黒蝕竜の鱗粉を違う形で操れるようになったらしい。
某メルヘン野郎?はて、なんの事やら。
現在は幼体で、まだ侵された痕跡が残る。
成長に応じて白くなるようだ。
集めた状態がどう見てもスカスカな癖に、しっかりと当たり判定はある。
ただの噛みつきだと思って間合いを詰めると、手痛いしっぺ返しを食らうなど、割と初見殺し。
攻撃する瞬間のみ実態を帯びるので、間合いを間違えやすい。
亜空間攻撃を地でいくスタイル。
希少種と同じように辺りに鱗粉をばら撒き、当たった者を引き寄せて攻撃を当てる、鱗粉拘束状態が存在する。
ウイルスでは無いので狂竜病にはならない。