もんすたーな世界にもんすたーで転生?   作:ひなあられ

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ブラキさんの心境が変化…しません。


白い少女

「アッハハハハ♪クロちゃんサイコー!

フツーそんな事考えないよ♪」

 

「うるせぇ。俺なりの創意工夫と言ってくれ。」

 

「でもぉ、泳げないからってその上を走ると言う考えはなかなか無いよ♪

なんなら海底を走れば良かったのに♪」

 

「馬鹿か。そんな事したら水圧でアボンだわ。」

 

「あれ?あ、そうだね♪

私はもっぱら空飛んでるからよくわかんなかったよー♪」

 

「…空ねぇ…?これの何処が空なんだか…。」

 

「でも、『空間』って言うでしょ?似たようなもんなんだよ♪きっと。」

 

「…規格外め…。」

 

「それはクロちゃんだけには言われたく無いかなー?」

 

「帰れ。」

 

…どーも。白い幼女に絡まれてるブラキさんだよ。

早く帰ってくれないかなぁ…。用は済んだんだしさぁ…。

白い幼女…もう気づいている人もいるだろうが、一応紹介しよう。

名をミラルーツ。祖龍その人だ。

空間に亀裂や穴を開けて移動したり、それを精密に操って鏡を作ったり、竜を擬人化させたりする、本当に謎の竜だ。

…まぁ、ロリだが。

 

ちなみに俺が『空』と言ったのは、ルーツの背後にある黒い亀裂。

何処ぞのスキマ妖怪のアレに似ているが、そこから見える景色はどっかの城だった。

シュレイド城では無いらしい。

誰にも見つからない別荘なんだとか。

 

「アハハハハ♪

…それにしてもしっかりと馴染んでるねー?

これなら心配無いかなー?」

 

「多分な。記憶も大分戻ってきたし。問題ないと思う。」

 

「ウンウン♪それは何よりだよー♪

色々条件飲んで、友達の友達の願いを成就させた甲斐もあったしねー♪」

 

「あー…それは、うん。悪かった。

何か手伝える事があったら言ってくれ。なるだけやってみるわ。」

 

「いい心掛けだねー♪

でも、もう少し安定してから頼むよ♪それまでは"アレ"よろしくねー♪」

 

「へいへい。」

 

なんか掴めないなー。やっぱ神だし、しょうがないのかな?

 

…ん?何を言ってるか分からないって?

俺も最初そう思ったよ…。

 

だけどこいつはまごう事なき神そのものなのだ。

『神』とは信仰や思いによって力を得た存在。

その思いや信仰が強い程、神は強力な力を得れる。

こいつは大昔からその存在を知られており、人々より多大な信仰と願いを受けてきた。

その為、元は雷を操る竜だったのだが、空間を超越する龍となったそうだ。

何故そうなったのかはこいつも分からないらしい。

 

そして俺を転生させたのもこいつだ。

 

前世の俺は普通にゲームをしていた所、ある事故によって肉体が消滅。魂だけ綺麗に分離した。

こいつの友達の友達は、自分が原因で事故を起こした事を悔いて、こいつの元へある依頼をした。

それが俺をこの世界に転生させる事だった。

…らしい。

 

やっと神様転生らしくなってきたよ…。

タグに入れてあるのに、さっぱりでてこないんだからさぁ…。(メタェ…。)

 

そして"アレ"とは、ここに来た転生者を殺す事。

俺を転生させる時に飲んだ条件が、転生者をこの世界に受け入れる事らしい。

中には上手いこと世界に貢献しているヤツもいるが、全体的に見れば害を成すヤツの方が多い。

そこで害を成すヤツらを殺して欲しいと言う依頼だった。

…まぁ、無謀にも古龍に立ち向かったヤツが多くて、殆どが死んでるらしいけど。

中には打ち負かしたり、殺したりした猛者もいるけどね。

 

ある意味俺のせいでもあるので、そういうのを見かけたら問答無用でぶっ殺しちゃってくれと言われた。

それでいいのか神様。受け入れるって言ったのに、殺してと頼むかフツー…。

 

ちなみに俺はどんなに物を壊しても大丈夫らしい。

この世界の生物は上手いこと出来ていて、どんなに物を壊しても、時間が経てば元通りになる。

俺の場合、粘菌が大地に作用して、大抵の物は元の姿を取り戻す。遺跡や人間の作った物は復活しないみたいだけど。

 

「相変わらず波瀾万丈な人生送ってるな坊主!

この数ヶ月で起こった出来事とは思えんぞ!」

 

「そうなんだよなぁ…。不幸にも程があるだろこれ。」

 

「でも飽きの無い、いい人生じゃないですか♪

ポディシムに行きましょうよ♪」

 

「飽きって言うか、命の危機や貞操の危機に晒されるデンジャラスな人生だし。

飽きるもクソも無いと思うんだが。」

 

「でもその危機感がたまらないじゃないですか♪」

 

「…え?」

 

「…あー…坊主、こいつはな、昔は有名な走り屋だったんだ。

さっき居た砂漠の辺りを縄張りにしてて、そこに侵入した奴らに片っ端から喧嘩売って打ち倒したりしてたんだよ。

しかもその攻撃方法が突進しか無くてな。

一度走り出すと止まらないって事で、『砂塵を纏う黒い風』とか言われて結構有名だったんだぞ?」

 

「もぅ…昔の話じゃない!」

 

「いやぁ…さっきの追いかけっこで、昔の事を思い出してな…。

あの時は俺も若かったぜ…。」

 

「…リーロックさん…本当なのか?」

 

「うぅ…不本意ながら本当の事よ。

私もあの頃は若かったわ…。」

 

そ、想像できん。

こんなフワフワした人が走り屋?

走り屋が何かはよくわからんけど、穏やかな言葉じゃ無い事は確かだ。

おっさんといいリーロックさんといい、まともな人生歩んでる人が一人もいない…。

 

ちなみにおっさんの過去も結構凄かった。

リーロックさんは亜種なので当然喋れるが、おっさんは古龍に仕えて喋れるようになった。

その仕えていた古龍と言うのが、ミラルーツだと言う。

おっさんと話しているときに、俺の後ろからいきなり現れるんだもんなぁ…。

前世の事を話した後だっただけに、かなり驚いたよ。

 

その後はなんやかんやあって、俺の今の状況説明をされ、おっさんが樽一つ分の酒を飲み干した所で今に至る。

 

「じゃあ私は帰るねー♪

伝えたい事も伝えちゃったし、やる事ないし。

後言える事は…そうだね、存分に第二の人生楽しんじゃってよ♪

古龍化してる時点で寿命とかほぼ無限だし♪

バイバーイ♪」

 

「え?ちょ、今トンデモない事口走らなかったか!?

寿命無限って何!?聞き間違いだよね!?

あぁぁぁあああ!!スキマ閉じるな!」

 

「あー…会議の時説明して無かったか…。

ドンマイ坊主。」

 

「そうそう♪それに、完全に不死って訳でも無いのよ?

大きな怪我をすれば死んじゃうし、病気や毒でも倒れちゃうわ♪」

 

「…俺、毒で死ぬ事無いしなぁ…。病気も克服出来るみたいだし、怪我なんて相当な事がない限り負わないし…。属性攻撃は意味ないし、そもそも攻撃が当たる事が殆ど無いというか…。」

 

「ハハッ。まるで死にたいみてぇな口調じゃねぇか。

死にたく無くてそんなに成長したんだろ?ならそうそう死ぬ事はねぇよ。

心配すんな。どんなヤツだって必ず終わりが来る。

意志ある者、意志無き者、動く者、動かない者、それこそ星だって必ず終わりが来る。

終わりは始まり、始まりは終わる。

俺たち竜の間に伝わる考えだ。

皆それをわかってる。

わかってるからこそ、抗い、悩み、争う。

それを先天的にわかる者、後から気付かされる者。

それぞれ違いはあるが、誰でも必ず、この結論と言う終わりを見つけるんだ。

…しみったれた話になっちまったが、これが俺の考えだな。

まぁ、あまり深く考えんなよ。

その時が来りゃ自ずとわからぁ。」

 

「…ふーん。」

 

…おっさんも見つけたのかな?その結論。

もしかしたら、その結論を見つける事が喋れる条件なのかもしれない。

おっさんの口ぶりがそんな感じがする。

 

不死、ねぇ…。

実際どうでも良いんだけどね。

俺が心配してんのは将来何処に住むかだ。長く生きるとなると、誰も来ない安定した場所に住みたいんだよ…。ゆっくりしたい…。

その時が来ると言われたが、もう来てるし、一回死んでるし。

ミラルーツのお陰で、憑依では無く転生と言う事がわかり、ハッキリと死んだ事がわかったし。

死って、意外とアッサリ来るもんだなぁ…としか感じないしね。

まぁ、その時が来るまで精一杯生きてやるか。

俺は俺だ。どうなろうともな。





少しメタい上に、厨二臭い文になってしまいました…反省。
ミラルーツは神…と言うか、現実的に言うと神にするしかありませんでした…。
全ての竜の祖とか…それ以外にどう解釈していいんですかこれ…。

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