もんすたーな世界にもんすたーで転生?   作:ひなあられ

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久しぶりの投稿です。



闘技場の転生者

「レディィィィィイスゥゥアァァァンンンドジェントルメェェェン!!盛り上がってるかぁぁぁい!?」

 

「「「「オオォォオオオ!!」」」」

 

「…始まっちゃったよ…どうすんだよこれ…。」

 

どうも…。無事転生して、のんびりまったりのゆっくりライフを満喫しようと考えていたのに、何故か超ブラック企業に就職してしまった転生者Dです。

本名?知らんな。名前はいらねと言ったら記憶が消えてたわ。

 

この世界での名前はアルフォート。苗字は無い。

 

産まれた場所は休火山のほとりにある寂れた村。

火山から豊富に取れる鉱石を売って生活する、至って普通の村だ。

ドンドルマとは違うのだよドンドルマとは。

 

転生する時に、神が願い事を一つだけ叶えてやると言っていたけど、全く信用出来なかったので、叶えなくてもいいと断った。

だって転生先の世界観とか説明も無しで『それは言えぬ規則だ』って言ってたんだよ?

信用する方がどうかしてるわ。

 

だけどどうしてもお詫びをしなければ、こちらの気がすまないと言っていたので、霊圧的な何かを感じれる、もしくは使えるようにしといてくれと言っといた。

 

なんで霊圧なのかって?

馬鹿野郎。異世界に行く時は霊圧を備えろって何時も言われるだろうが。え?違う?

 

…まぁ、正直あの有名な死神漫画をパクっただけなんだけど…。

 

でも個人的に霊圧さえあれば、何処でも生き残れると思っていたんだよね。

ほら、魔力とか気とかって世界によっちゃ使えない、もしくは制限があるだろ?

でも霊圧って言うのは生物が持つ、もしくは放ってる物で、生物がいる限り絶対に存在するんだよ。

てか、転生って時点で霊圧云々だもんなww疑う余地もねぇよww

 

と、まぁ、そんな考えでその能力を貰ったのは良いんだけどさぁ…。

それのせいでブラック…いや、超暗黒系腹黒龍属性的企業に目をつけられちゃってね…。

毎日毎日殆ど無休で働かされてるんだよ…。

 

俺が何しただー!?休火山から登ってくる滅茶苦茶でかい霊圧を感じ取って、付近の住民の皆様を避難させただけだぞー!?

なんでそれだけの事が功労賞もんになるだー!?

更にそれが何で大老殿でのハードデスクワークに繋がるだー!?

おらっちはちっとも優秀じゃねぇだべさ!キリンの鬣を利用した通信機を開発するだけで天才扱いなんざやってらんねぇっぺ!

 

…ふぅ…ふぅ…。

 

うし、スッキリした。訛ってるのは田舎もんなんだからしょうがない。

 

あぁ、今すぐピッケル使って帰りたい…。

霊圧を扱える能力を会得したら、長年愛用してたピッケルが九十九神になって、『大地を操る程度の能力』を会得したもんなぁ…。

これ使えばいつでもどこでもどんな所でも脱出口を開けれるんだけど…このまま帰ったら怒られるんだろうなぁ…。

 

だいたいさぁ…。この作戦かなり無茶でしょ…。

 

闘技場に囮送って、モンスターを全匹逃がして、逃がしたモンスターがその環境に合っていなければ捕まえて送って、証拠品探し出して、囚われた古龍観測員を救出して、犯人摘発して、この闘技場にいる全員を捕まえる…。

 

どう考えても無理っすわ。

前世的に言えばガサ入れ調査みたいなもんだけど、ハード過ぎねぇ?

どうすんのさこれ。

 

しかも、囮がいま上に挙げた4つを負担するって…本当にブラック過ぎやぁしませんかね?

今んところ一つ目の囮しかクリア出来て無いよ…。

逃すのは簡単だ。モンスターの檻の上に穴を開ければいいだけだし。しかも霊圧でその位置も大体分かるし。

 

問題は証拠品と囚われた古龍観測員だよ。

 

証拠品なんて何処に置いてあるかなんて検討も付かないし、古龍観測員に至っては霊圧が掴めない感じだ。

観測員…何してんのかな…?さっきからノイズが走ってて居場所が掴めないんだけど…。

 

本当にもう…無理ゲーっすわ。

 

…ハハッ…。いざとなったらモンスターに土下座でもかまそうかなぁ…。

今感じ取れているモンスターは四匹。同じくらいの霊圧だけど、集中して感知しようとするとノイズの走る謎の竜と、霊圧こそ小さいものの、輝きで言えばトップクラスの竜と、この闘技場全体を覆う程の強大過ぎる霊圧を持つ竜。

 

一番最後は絶対に戦いたくない…。

 

あ…でも、れいすたー?って人がなんか言ってたな…。

確か…『困った時は、最も強い力を持つ黒い竜に相談してみろ。何か協力してくれるかも知れないぞ?』…だったかな?

…竜が人語を理解出来んのかな?

てか、協力って…。そんな事出来んの?相手は竜だよ?竜。

 

いやほんと、あれと戦う事になったらジャンピング土下座からの穴掘りでとっとと逃げると思うけど。

いやだって怖いもん。この闘技場全体を覆う霊圧ってなんだよ…。勝てる訳無いじゃん。

 

「さぁ!長らくお待たせして申し訳ありませんでした!

今回のメインバトル!ハンターとモンスターが熱き魂をぶつけ合う!題してぇぇー…モンスターバトルショーだぁぁぁぁあああ!!」

 

「「「「「ウォォォオオオ!!!!」」」」」

 

「先ずはルールをご説明致します!

人間とモンスター!両者一対一のガチンコバトル!先に倒れる、もしくは死んだ方の負け!それだけだぁぁあ!」

 

…え?マジ?何それ聞いて無いんですけど…。

 

「それでは今回の対戦カードをご紹介致します!

先ずはハンターの方から!

その経歴、役職、人柄、全て良し!

かの有名な大老殿お抱えのスーパールーキー!

半年程前から突如として現れた幾人ものスーパールーキーと少し見劣りはするものの、その実力は折り紙付き!

つい先週G級に上がり、他のルーキーと少し出遅れたものの、大老殿の仕事をこなしながらクエストをすると言う、前代未聞の狩猟方法を確立した変人!

更に数々の天才的な発明品を作り上げたと言う噂もある、一癖も二癖もある頭脳系ハンター!

アァァァルフォォォォオトォオオオオ!!」

 

うるさっ!…て、あぁ…遂に本番かぁ…。

嫌だなぁ…。

 

待合室でもあるベースキャンプ(あのボックスのある所)のベッドを立ち、通路をゆっくりと歩いて目的地に到着する。

そして闘技場の大地に一歩足を踏み込んだ途端…。

 

「「「ウォォォオオオ!!」」」

 

割れんばかりの大歓声が俺を待っていた。

その熱気に気圧され、たじろいている内に後ろの扉が閉められてしまった。

退路を…絶たれた…!?

 

「続きましてモンスター!

『黒き凶弾』『最後の一撃』『ラージャン殺し』『阿修羅』『悪魔』『ファンタジック粘菌』『ガンナー殺し』等、数々の悪名を誇る凶悪なモンスター!

幼少期にG級のウラガンキンを瀕死に追い込み、僅かな期間の間に超長距離を難なく移動し、G級ハンター二人の内一人を再起不能にし、水没林で数多の生物を根絶やしにし、未知の樹海でスーパールーキーの内一人を一撃で殺した殺人鬼!

そのあまりにも重い拳はありとあらゆる物を粉砕し、凶悪に光る粘菌は少量で途轍もない被害をもたらす!

極々最近になって正式名称が決まった異色の竜!

『黒闘竜』!シュゥゥゥラァァァァノワァァァァルゥゥゥウ!!」

 

「…」

 

バッ!…ズゥゥンン…。

 

現れたのは黒い砕竜。

一声も唸ること無く穴から飛び出し、辺りをゆっくり睥睨する。

大勢の人の前だと言うのに一切動揺せず、そのままそこに座り込んでしまった。

枷を嵌められ、首輪をされ、鎖で繋がれてもなお絶えぬ堂々たる風格。

艶の無い、闇のような甲殻を日の本に晒し、その竜は寝息を立て始めた。

 

…って…。

 

「寝ただけじゃん!」

 

「…グルゥア?…グゥ…グゥ…。」

 

「いや、寝んなし!」

 

「…チッ…。」

 

「舌打ち!?舌打ちしやがったよこの竜!」

 

「おぉっっとぉお!?開戦の合図を前に両者ヤル気満々!

アルフォート選手!見た目によらずかなり好戦的なようだぁぁああ!」

 

「違うし!?こいつがさっき舌打ちしやがったからだし!」

 

「…プッ…ザマァ…。」

 

「キェェェェアァァァイェェェアアシャァァアベェェッッッタァァアア!?!!!?」

 

「ウルセェゾ…。コチトラネミィンダ…。ツイデニハラヘッタ…。」

 

「あ、どうもすみません…って!喋った!?今確実に喋りやがったよこいつ!

なんか腹減ったとか言ってやがる!」

 

「あぁぁっっつとぉぉお!?勝負を前に何やら独り言を言い始めたぞぉぉおお!?変人の名は伊達ではないのかぁぁあ!?」

 

「ヒトリゴトカヨwwサミシイネェww」

 

「よーし、テメェ表でろ。返り討ちにしてやる。」

 

「…ナァ…コノコブシ、ドウミエル?」

 

「え?え〜と…凄く…おっきいです…。」

 

「…ダヨナァ?…オレノテッテツメガネェンダヨ。

ダカラサァ…オレノクウニクッテ、ゼンブminceナンダヨネ。」

 

「…ひっ!?」

 

「アンマシチョウシコイテット…メンチカツヤニウリサバクゾゴラァ…!」

 

「」(ザザザザー!)

 

こ、怖イィィィ!?なにこの竜!ヤのつく自由業の方が入ってるよ!?

小声で怒鳴るとかかなり器用な事してるけど、それ以上に殺気的な何かがやばい!

 

「ひ、ひぃぃぃ!すいません!なんでもしますからどうか命だけはぁぁあ!

そ、そうだ!俺穴掘れますよ!脱出経路とか確保出来ますよ!」

 

「…ヒッシスギワロタwwジョークダジョークww

オマエカラレイ…ナントカサンのニオイガシテルジテンデ、コウゲキスルキハネェヨww」

 

「…え?」

 

「ソンナコトヨリ、シアイガハジマッタラアナヲアケテ、トラワレタカゾクヲタスケテヤッテクレ。

イヤァウンガイイ。コレデオレノサクセンハオワリダナ」

 

「…おぉ…。」

 

なんか…凄い竜だな…。

喋るし、意思はハッキリしてるし、仲間思いで自分の事を鑑みずに他の竜を助けようとしてるし…。

人間よりよっぽど賢いんじゃ…。

 

…あ、そうだ。この竜に相談しよう。

この竜なら相談に乗ってくれそうな気がする。

なんと言うか…姉貴分?みたいな安心感が凄い。

なんか、なんでも出来そうだし。





感想に粘菌の種類が多過ぎて、把握しきれないと言う感想がありました。
なので一旦ここで粘菌の纏めを書いておきます。
ゴッチャになってわからなくなったらここを見てください。

1、キノコ粘菌
ブラキさんが二番目に手に入れたその名の通りな粘菌。
腕に麻痺と毒のキノコを生やす粘菌、角に睡眠キノコを生やす粘菌がそれぞれ分かれている。
腕の粘菌はブラキさん自身の力の加減で、麻痺と毒に切り替え可能。
怒り状態になると全てのキノコが龍属性になり、攻撃の範囲が大きくなり、生えるスピードも早くなる。特殊な攻撃で本数が増える。
現在死滅中。

2、空気粘菌
ブラキさんが三番目に会得した粘菌。
最初は腕と角に付着していたが、水中で生活する内に体内へと繁殖。身体強化系の新型粘菌に変化した。
特徴として水中で電気分解を起こし、酸素と水素を放出する。体内へと繁殖した空気粘菌は血管の側に繁殖し、筋肉への栄養供給(狂走薬)を行うことでドーピングが出来る。
現在にゃるがくるがの運搬の際、無理な酷使によって死滅。

3、狂竜粘菌
ブラキさんが四番目に会得した粘菌。
ブラキさんが狂竜ウィルスに感染した際、土壇場で空気粘菌が狂竜ウィルスを解析、分解。空気粘菌の管を強化し、龍脈エネルギーで動く"狂心"を作り出した。
身体強化が桁違いに強化され、速度、力、粘菌の威力も上がる。
容姿も変わり、後ろ向きに生えた二本の角が排気筒に変化、黒い蒸気が噴きだす。背中の甲殻が前側にスライドし、赤い燐光が漏れ、白い蒸気が噴き上がる。尻尾は二倍近く伸び、棍棒のような尻尾の先からヒレが伸びる。
とにかく物凄い変化です。
現在龍脈エネルギーが使用できず休止中。

4、雷撃粘菌
ブラキさんが五番目に会得した粘菌。
体外にあった空気粘菌が変化した物で、水を電気分解する際に使われる電気をそのまま使えるように進化した。
水と言う媒介が無くても発電可能だが、今の所あまり使えていない。
原因は発電量の低さとチャージの長さのせい。
現在ヤル気も無さそうに休止している。

5、爆破粘菌
ブラキさんが最初に会得した粘菌。
粘菌の中の粘菌。対象に付着すると爆発すると言う特性を持っており、ブラキさんの十八番。
全粘菌の中でトップの性能を誇る。
最近また強くなったらしい…?
現在抗菌石の枷を侵食中。

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