少し長めです。
…暗い…。
何処だここ?
…あー、そういや人間に捕まったんだっけ?
おー怖。
で、今の状況だが…。
捕まりますた。|(|;|_|;|)|監禁
どっかの地下牢に入れられており、体の自由が殆ど効かない。
丸まった体制で動けない感じだ。
割とヤバス。
「(´・ω・`)モキュ?」
「あぁ、うん。そんな顔するな。
助かるから。多分。」
「…ミィ〜…。」
いやぁ、参ったなぁ…。
こいつを運ぶこと優先だったせいで、人間に襲われること考えて無かったわ。
「…てか邪魔だ。さっさとそこから出ろ。」
今こいつがいる所は俺の胸。
空気粘菌を犠牲にして作った特殊シェルターを胸に設置し、それを使ってこいつの体を包んでいたのだ。
腕の動きにフットワーク、粘菌の種類まで制限されてしまう代わりに、相当な事がない限り中にダメージは入らない。
…流石にバリスタ弾や龍撃槍は無理だけどな。
「。(>_<;=;>_<)。」
「いやマジで出ろって。そうじゃ無いとこの槍抜けないから。」
「…ミィ!
ε-(/・ω・)/ トォーッ!!
*o_ _)oバタッ
…(o- -)oムクッ」
「降りたな?ならそこに居ろよ?潰されても知らんぞ。」
「ミ!(`_´)ゞ」
「…ガルルルル…。」
先ずはこの雁字搦めに縛ってある縄から。
何故か粘菌が全く使えなくなってる為に、爆破させて脱出することが出来ない。
だから何だって話だが。
ある人は言った。弾幕はパワーだZE☆と。
ある人は言った。「何よりも速さが足りない!」と。
ある人は言った。「残像だ☆」と。
ならば俺は?
そりゃ勿論…。
「力技!これに限る!」
ブチブチブチィ!
「…((((;゚Д゚)))))))」
後はこの刺さってる槍だな。
右腕二本、左腕二本、角に一本、両脇腹に一本ずつ、両足に一本ずつ、尻尾に一本。
合計10本の槍が刺さってる。
粘菌が使えない今、これをどうやって抜くか?
…実は刺さってると言っても、人間で言う薄皮を針で突いた程度に過ぎない。
衝撃の強さから甲殻が砕けているけど、特に問題無い。
もう殆ど治ってるし。
なので…。
「(ブンブンブン)」
ガランガシャン!…ゴロンゴロン…。
犬が水を払う要領で身震いする。
それだけで刺さっていた槍が全て落ちた。
「…ふぅ。」
「( ゚д゚)」
「よーし、もう良いぞー。」
「ミ…ミミゥ…。」
「ん?どーした?」
「…ミ。」
「理解するだけ無駄?何言ってんだ。ちょっと普通の奴らより強いだけだろうが。」
「…ミー…。」
ジト目で見られてもどうしろと?
この異常さに関しては慣れるしか無いと思う。
それよかここからどうやって脱出するかだな。
先ずはこの鉄格子。ちょっとやそっとでは壊れそうに無いな…。どうやって壊そうか…。
…よし、殴って壊すか。
それ以外に思いつかんわ。
「そぉいっ!」
ジャラジャラ…ガキンッ!
「…あれ?」
何だこれ?枷?
「…グルル…。」
うっわ、よく見たら全身に付けられてんじゃん。
首の枷なんてよくあったな。手枷に至っては二つもあんじゃん。しかも尻尾にまで掛けられてるし。
自分の置かれた状況にうんざりしていた時、向かいの檻から男の声が聞こえてきた。
「…無駄ですよ…。」
「んぁ?」
「ここに入れられたらもう出る事は出来ないんです。
ここに入れられた時、何度も出ようとしたのですが出る事は叶いませんでした…。
まぁ、貴女ほど雁字搦めに拘束されている訳ではありませんけどね…。」
「あなた、そんな事言うものでは無いですよ。」
「…だが事実だ。早めに現実を認識して貰わないと、後々困る事になる。」
「それは…そうですけれど…。」
「…あのーお取込み中悪いけど、どちら様?」
「ミゥ?…ミミゥ!ミミゥ!」
「お?どうした?」
さっきまでつまらなそうにしてたナルガが急に反応し始めた。
子供がここまで反応するのは一つしか無いだろうなぁ…。
「あ、あなた!?この声!」
「ああ!間違いない!私達の息子だ!
しかし何故こんな所に…。」
やっぱりかぁ…。
ここに捕まってんのはこいつの親かぁ…。
えらい偶然だな。
状況が状況だが、取り敢えず目的は達成した。
ついでにこいつ男だったんだな。性別が分かってホッとしたぜ。
…これってもしかして一石二鳥?
脱出→親助ける→再会→目的達成&ここから脱出
うん、完璧だな。
ともかく情報収集だ。脱出するには情報が最重要となる。
「あんたらの息子を運んでる最中で捕まったんだよ。
まぁそんな事どうでもいい。
今はここを脱出することが最優先だ。」
「…そ、そうなんですか?と言うことはそこに居るのは私達の息子で間違いないと?」
「こいつの反応から見てもそうだし、暗くてよく見えないが種族はナルガクルガなんだろ?
なら十中八九間違いないと思うけどな。」
「あ、ありがとうございます!なんとお礼を言っていいのやら…。」
「お礼はここを出てからにしてくれよ…。」
「は、はい。」
「取り敢えず今の状況を確認したい。
聞きたいのはここが何処で、どのような扱いを受けるのか。それと人の行動パターンの三つだ。
説明出来るか?」
「は、はい。
場所は水没林の近くだと思います。
私は怪我の状態が軽く、麻酔玉の効果が薄かったのか、運ばれている時の意識がはっきりしていましたから…。」
「1日に一回程この上の扉が開きます。
どうやらこの檻と闘技場のステージは繋がっていて、そこから逃げようとしたら四人程の人間に攻撃されました。
その時だけこの枷の鎖が伸び、ある程度自由に動くことは出来ますが…殆ど的のような扱いを受けます…。
何故か妻の方は開く事はなく、自分の方だけ開きますね。」
「人の行動パターンについては私が説明します。
私達を管理している人間の姿はわかりません。
誰も居ないのに勝手に扉が開くし、食料に関してもそこから無造作に放り込まれるだけです。
後は多くの人間の足音と歓声しか聞こえませんでした。」
…どうでもいいけど、声の違い以外に差異がわからん…。
一人称が私の方が女の声で、自分の方が男の声だ。
だけどまぁ、なんとなくわかった。
要するにコロッセオと同じ仕組みってわけか。
目の前を挟んでる通路からは逃げれそうに無いな。人が通る用の為か狭すぎて竜が通れない。
「もう一つ質問いいか?
俺の粘菌が使えなくなってるんだが、何かされた所を見たりとかはして無いか?」
「…自分にはちょっとわかりませんね。
もしかすると龍脈エネルギーが使えないのが原因では?
このように外界から遮断された空間だと、龍脈エネルギーが使えなくなるんですよ。」
「あ…もしかするとその枷が原因かも…。
心なしか私達の物よりも黄色味が掛かっていますね。
それが粘菌の抑制要素になってるかも知れません。」
「…成る程。」
つまり二つの要素が原因ってことか。
枷は原作にもあった抗菌石。そのせいで粘菌の活性化が起きず、龍脈エネルギーの遮断により狂竜粘菌が始動しなくなった。
…詰んでやがる…。
それにしても…。
「グギュルルル…。」
腹減ったなぁ…。
「オメットネコパンチ 0( =^・ェ・^)=〇 <ぴこっ」
「…何してんだし…。」
「ミミゥ!」
「え?僕がこの檻を壊してみる?
…うん、まぁ頑張れ。怪我はするなよ。」
「ミャウ!」
飯…早く来ないかなぁ…。
ーーーーーーーー
「((((((((((っ・ωΣ[柱]ガコッ!」
「おいおい、大丈夫かよ…。」
「…ミ!」
健気だなぁ…。
こいつも俺みたいに変化すればなんとかなるかもしれんのに…。
ま、流石にそれは無いか…。
「…ミゥ〜…。」
…おや?にゃるがくるがの様子が…?
「ミミゥ!」
ボッ!
おめでとう!
君のにゃるがくるがはすーぱーにゃるがじんに進化した!
って、ちょ、おい。
「ミィィィァアアア!!
パーンチ!!o(*゚□゚)==○)」
ゴッ…パチンッ!…シュゥゥウ…。
…まじかー。お前もかー。
檻は…少し傷ついただけか。ま、しょうがないわな。
「ど、どうしたんですか!?息子に何かあったんですか!?」
「あぁ、うん。ごめん。取り敢えずごめん。」
「え、えぇ!?なんで謝るんですか!?余計不安になるんですが!?」
「…」
「なんで黙るんですか!?」
なんか煩いけど、取り敢えず無視。
変化したナルガはその体色が一部黄色に変色。
目元から尻尾の付け根にかけて二筋の黄色い毛が並び、四肢が赤く膨れ上がっている。
尻尾の鱗の縁が黄色くなっており、逆立った棘にもその性質が入っている。
…こりゃ暗闇で目立つなぁ…。
隠密性ゼロじゃねぇか。
…ん?足音…?
「おい、こっちに来い。人間が来る。」
「ミミゥ!」
ガシャン!…ゴゴゴ…。
上の扉がゆっくりと開いていく。
開いた扉は半分も行かない内に止まり、そこから何かが放り込まれた。
放り込まれた物体は俺の目の前に落ち、また扉は閉まっていく。
そして目の前に落ちた物は…。
「…少なっ!」
めっちゃ少ない肉だった。
えぇ…何これ…。
腹の足しにもならないじゃん…。
…はぁ…。
ここから脱出出来る見込みも無いし、飯は少ないし、拘束されて自由は奪われるし…。
散々だなぁ…。
…ん?食べる?
…あ…。
良いこと思い付いた♪( =①ω①=)フフフ
ブラキさんはどうやって脱出するのか…。
もうわかった人も居るんじゃ無いでしょうか?
ナルガ夫婦が空気だ…。