もんすたーな世界にもんすたーで転生?   作:ひなあられ

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文章を書くって難しい…。


最恐との再会

「ダメだ…避けられる…。」

 

クソッ!さっきからいいとこ無しだな、俺。

キノコを生やしまくってた時よりも、格段に素早くなってやがる…。

所々の動きに残像が見えるんだが…。

…まさか、これ以上早くならないよな?

そうなると打つ手無しなんだが。

 

幸い、古龍のように、何もせずに弾かれると言う事がない為、まだマシな方だ…と思いたい。

弾を避けるならともかく、弾を殴り返す時は、拳が無差別に振られるので剣士が入る隙が無い。

これを踏まえると古龍より厄介…?

 

ともかく、ガンナーにとっては鬼門だな。

特殊改造された俺のヘビィボウガンだと、多少上手く立ち回れる…のか?

 

俺のヘビィボウガンは特殊改造…といっても些細なものだ。

本来、ライトボウガンにつけるべきであるフルリロード装置と、バレルとガードをつけただけの代物だ。

ライトボウガンはサイレンサーとバレル、どちらをつけるか選ばなければならないが、ヘビィボウガンはその辺りの心配がいらない。

…まぁ、改造分の素材と金が必要だが…。

 

しゃがみ撃ちは出来ないが、このブラキ相手ならその心配は無いだろう。

…と言うか、しゃがみ撃ちを全て弾かれそうだ。

 

俺が今使っているのは『カオスウィング』

かの有名な煌黒龍の武器だ。

別に倒した訳ではなく、撃退しただけだが…。

この武器の特徴は全種類の属性弾を使えるということ。

今回のクエストでは、全ての属性弾を持ってきていた。

どんな属性が効くのかを調べるためだ。

 

その結果だが…。

 

どうやら粘菌によって対抗属性が変わるようだ。

第一段階、キノコを生やしていた時は、火属性>雷属性>龍属性。

第二段階では、氷属性>水属性>火属性。

 

フルリロードの特性を活かし、検証した結果だ。

…属性面で攻略するのは難しそうだ。

形態変化を起こすたびに耐性の変わるのは、煌黒龍ぐらいかと思っていたぞ…。

 

「ガンナー!回復が完了したっス!」

 

「わかった!」

 

「…待たせたな。」

 

「まだまだこれからよ!」

 

その時、あの竜に変化が起こった。

腕の粘菌が黄色に、角の粘菌はより青く変化した。

そして…

 

ー咆哮ー

 

「ゴーーーァァァアア!!」

 

今までと段違いの凄まじい咆哮。

大気が割れ、地面が陥没し、雷が迸る。

それに合わせるかのように、突如として水が噴き上がった。

 

「…何!?」

 

「え…これって…。」

 

「何で古龍みたいな力を使えるんすか!?」

 

「焦るな!水が噴き上がる前には前兆がある!

膨らんだ地面に注意しろ!

それと変化するパターンに気をつけるんだ!」

 

「「「了解!」」」

 

「グルルル…」

 

ズンッ!

 

黄色に染まった腕を地面に付けるブラキ。

その拳に、水が吸い付いていく。

 

その様は、まるでボクシンググローブのようだ。

 

水によって倍以上に膨れ上がった右腕をもたげ、ランサーに向けて突進を敢行する。

その動きはまるで衰えておらず、逆に素早くなっているように感じた。

 

「…ぬ?」

 

「グルルルァァァアア!」

 

ゴパァアアアン!

 

「…ぐぅ…,」

 

バチッ…ドーーーーーン!

 

「…!?ぬぉおおお!」

 

「ランサー!?」

 

「…大丈夫だ。…しかし…これはまずいな…。」

 

…何て野郎だ…。

叩きつけによる攻撃も脅威だが、その後の爆発が凄まじい。

水を含んでいる分、重さが増しているのもランサーの表情でわかった。

広範囲に撒き散らされる水に加え、雷撃による爆発。

恐らく、電気分解に加えて、発生したガスに引火したのだろう。

水が分解されると出来るのは水素と酸素。

爆発の要因としては十分だ。

僅かだが、角から火花も見えたので間違いない。

 

だが、脅威はそれだけでは無かった。

 

奴は体制を立て直すと同時に、尻尾のヒレを地面に付ける。

付けると言うよりは刺さっているの方が正しい。

すぐさま集って行く水。

 

今度は刃のように尻尾についた水を、獣竜種特有の尻尾ふり攻撃によって飛ばす。

尻尾は半回転ほど捻られており、そこから飛び出た水は、まるで斬撃のようだった。

 

斬撃と化した水が俺の方へと飛んで来る。

 

「ハッ!」

 

それを前転する事によって躱す俺。

 

ースパンッー

 

「…へ?」

 

後ろを振り返ってみれば、岩が横一文字に切れていた。

…どんな威力だ…。

当たったらあの世行き間違い無しだな…。

 

時計回りに半回転したブラキ。

尻尾振り攻撃をそこで中断し、左腕を地面に付ける。

またもや集まって行く水。

 

集めた水を、今度はハンマーに向けて投げ飛ばした。

地面を抉りながらボール状の水が突き進む。

 

「うわぁああ!?」

 

ハンマーが横へ避ける。

しかし、水球はその直前で爆発を起こす。

それによって吹っ飛ばされるハンマー。

すぐさま笛の音が鳴り響き、ボロボロのハンマーが回復していく。

 

「ナイス!」

 

「ガンナー!前をみて!次が来るわよ!」

 

今度は両腕を地面に付ける。

瞬く間に球状に張り付く水。

 

そして…上に飛び上がった。

 

「ゴァァァアア!!」

 

ドパァン!

 

両腕が地面に叩きつけられる。

衝撃により拡散する水。

 

「…ぬ?」

 

「…へ?」

 

だが、今までと違い、それ程攻撃力は無いみたいだ。

俺と笛使いは範囲外に居るため、どれ程のものかわからないが、少し怯むだけのようだ。

 

…何故?

 

その答えは直ぐに出た。

 

バチィィィッッ!

 

両腕から放たれる強烈な電撃。

回りに拡散した水を伝い、ハンマーとランサーに襲いかかる。

電撃の通過した箇所は、水が霧状になり辺りを漂う。

 

「ランー」

 

俺の声を遮るようにそれは起こった。

角を起点として巻き起こる閃光。

全方位に一瞬で走る蒼い雷撃。

そして…

 

 

ー爆発ー

 

 

ーーッッォオオオオンンンン!

 

「クッ!」

 

「キャア!」

 

爆炎が球状にブラキを包み込み、そこに巻き込まれる形でランサーとハンマーが吹き飛ばされる。

途轍もない爆炎は、俺らの居る辺りにまで爆風を運ぶ。

空気が焼ける独特な匂い。その渦中にいる二人の容態は…。

 

「う…うぅ…。」

 

「…。(ピクリ)」

 

どうやら辛うじて生きているようだ。

ブラキの方も二人に興味を失くしたのか、こちらを睨んでいる。

…ん?睨んで…?

 

何故、攻撃をしてこない?

なにはともあれこれはチャンスだ。

 

「笛使い!お前はハンマーを運べ!

俺はランサーを運ぶ!直ぐにここから離れるんだ!」

 

「ガ、ガンナー…あれ…。」

 

「ん?どうした?」

 

ズン…ズン…ズン…

 

重い足音。

暗い緑と赤。…そして…黒。

首の辺りまで裂けた口。

そこから覗く凶悪な牙。

悪魔と呼べそうなその竜は、ゆっくりと、だけど確実にこちらに向かって来る。

…ここに来るまで、後1分も無いな。

 

「…まさか…。」

 

「ねぇ…どうするの?」

 

「強走効果、行けるか?」

 

「勿論。」

 

「…どうするかはもうわかるな?」

 

「えぇ。」

 

「幸い、ブラキの注意はあちらに向いている。

やるなら今のうちだ。」

 

「…わかったわ…。

行くわよ!効果は3分か2分!それ以上は無いわ!」

 

「承知!」

 

「フッ!」

 

ボーーン♪ホーーン♪オーーン♪

 

「グルァァァアアア!」

 

「ゴォオオオオアアアァァ!」

 

イカれた二匹の咆哮を合図として、同時に駆け出す。

強走効果のおかげで息切れは無い。

ランサーを抱えて安全地帯へ。後ろを振り返れば笛使いの姿が見える。

 

後もう少し…!

 

意識を失った人間の身体は重く、強走効果の無い状態なら運ぶのに相当苦労した事だろう。

安全地帯に転がり込むようにして突っ込む。

少し遅れて笛使いも入って来た。

投げ出されたハンマーを避け、倒れそうになった笛使いを支える。

 

ドスンッ!

 

「ムギュッ!?」

 

ポスッ。

 

「あ、ありがとう…。」

 

「…お前…軽いな…。」

 

「ニャッ!?」

 

「…リ…爆発…(パタッ)」

「リアジュウガァァアアア!!(泣)」

 

…今のは何だ?

ブラキが泣きながら何かを叫んだような…。

あ、竜の涙が落ちてる…。

…ハンマー…。寝ながら泣くなよ…。

 

「にゃ、にゃにごとですかにゃ!?」

 

「おぉ、いい所に。

ネコタク、こいつらを運んでくれないか?

俺たちはここで待機して様子を確認する。

どちらにしろ撤退するしか無いし、俺らの実力であいつの討伐は無理だ。

時間まではここにいることにするからさ。」

 

「ついでに手当てもお願い出来るかしら?

報酬は…このマタタビでどう?」

 

「にゃっ!了解したにゃ!

いくにゃ相棒!」

 

「おうにゃ!」

 

「…お前…いつの間に…。」

 

「お得意様の裏の情報を得る時の定石よ。

それより、観察しなくていいの?あいつを超えるんでしょう?」

 

「…言われなくてもやってるよ…。」

 

…ここは安全地帯。

安全というか、大型の竜が入って来られないだけなんだが…。

まぁいい。

重要なのは観察すること。

あいつの強さの上限はどれ程のものなのか、見極める必要がある。

相手はあの暴食の悪魔ことイビルジョーだ。

並大抵のモンスターは立ち向かう前に食われてしまう、異常な強さを持っている。

あいつの強さを見極める上で、これほど最適なモンスターはいないだろう。

千里眼のスキルで、その存在らしきものを感じていたが、その杞憂は本当になってしまったようだ。

 

更に言えば、あれの状態は飢餓状態と言う超危険状態だ。

日々、あらゆる物を食らうイビルジョーは、短命の個体が多い。

自身の実力以上の相手だろうと、容赦なく喰らいに行くからだ。

それ故に、返り討ちにあう事が多く、若い内に命を落とす。

だが、中にはそれを超える時間を生きる者が居る。

 

それが飢餓状態だ。

 

眼に映るものを全て食らう。ただそれだけの存在。

そんな存在を相手にあいつはどう戦うのか…。

本来ならば即座に撤退するのだが、未知のモンスターがどの様に戦うのかを観察する為にあえて撤退しない。

笛使いの言う通り、俺の私情が理由の大半を占めているが…。まぁ、言い訳なんて幾らでも思いつく。

 

…俺の目標の本気、見せてもらうぜ…!





皆さんはもう気づいているかもしれませんが、この作品に段落は存在しません。
理由としては作者がパソコンを持って無いからです。
よって、段落なんて無いものと考えて下さい。

…この携帯がクラッシュするまでのカウントダウンは、もう既に始まっている…!

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