もんすたーな世界にもんすたーで転生?   作:ひなあられ

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毎度毎度、遅くなってしまい、申し訳ありません。




あるハンター二人の会話

「関心している場合か!?三番エリアに急ぐぞ!」

 

「ちょっと!待ちなさいよ!」

 

「ん?なんだ?」

 

「私達は連戦しているのよ?

先の戦いで色々と消しているわ。

ここは準備を整えてからの方がいいと思うんだけど…。」

 

「…ん、それもそうか。

よし!一旦休憩!

各自自分の武器の調整を怠るな!」

 

「ヘイッ!」

 

「…あぁ。」

 

「それと笛使い。」

 

「何かしら?」

 

「この後話がある。

準備が出来たら彼処の巣…ん?無い?

…まぁいい。あそこまで来てくれ。」

 

「わかったわ。」

 

…話って何かしらね?

アルンの事だからどうせクエストの事なんでしょうけど…。

 

それにしても、なんだか雰囲気が変わったわね?

私が訓練学校にいた時はもう少し優しい感じがしたのに、今はとてもピリピリしてる…。

でも、悪い感じじゃ無いわ。

 

何というか…気迫?闘気?

 

そんな感じの強い念を感じるのよ。

それも押されそうな程の。

…そう言えば話し方まで変わっているわね…。

前はそんなこと無かった筈なのに…何かあったのかしら?

何にせよ、聞いてみなくちゃわからないわね…。

 

ーーーーーーーー

 

「それで?話って何?」

 

「…来たか。

…なぁ、名前で呼んでいいか?ギルドの規則とはいえ色々と違和感があってさ…。」

 

 

ギルドの規則の内にある、狩場で個人名を話さない、の事を言っているのね。

私達ハンターはその職業上、住所や顔が割れやすいわ。

 

モンスターハンターは危険な職業だけど、それなりの見返りがある。

リオレイア一頭の狩猟で得られる報酬金で一ヶ月過ごせると言えばその凄さがわかるかしら?

 

だからハンターは狙われ易い。

それに、誰がハンターか何て直ぐにわかるしね。

…だって、クエストに行く時にネコタクが家の前に止まったり、大樽が表に置いてあったりするのよ?

バレない方がおかしいわ。

 

なので、ギルドはハンターに対して様々な配慮をしているのよ。

モンスターによる負傷以外で引退なんて、シャレにもならないしね。

 

ハンターの為の町や市場なんて物もあるし、住む場所だって考慮されている。

ハンター以外の人物が来ないようにって事ね。

さらに、ギルドからの自治隊も存在していて、俗にギルドナイトと呼ばれているわ。

なんでも現役ハンターの中から選び抜かれた精鋭だとか。

…まぁ、私も色々とお世話になったしね…。

 

…話が逸れたわ…。

 

それで何が言いたいかって言うと、ギルドの考慮に本名を偽っても良いって言うのがあるの。

それは…まぁ、個人情報の流出の阻止が理由何だけど…。

それに加えて、狩場では強制的に偽名を使うように指示されているわ。

狩場の全てを監視する事は、流石のギルドも出来ないの。

 

例えば…そこにハンター以外の人がいるとかね….。

 

そうなった時、ハンターは危機に晒される。

そこでギルドは、ハンターの安全を考慮して、狩場での個人名を言う事を禁止にしたわ。

 

…長くなっちゃったけど、だいたいこんな感じかしらね…。

他にも色々と理由があるんだけど…それはまた今度にしましょうか。

 

「別に良いわよ?どうせ偽名だし。」

 

「あ〜…そういやぁそうだったなぁ…。

…ん?お前…猫被らないんだな。」

 

「え?あ、そ、そうね。

色々と思う所があったのよ。」

 

「ふーん…。ま、良いか。

まぁ、俺は今のお前の方が好きだぜ?」

 

「ふぇ!?」

 

「なんせ元が元だもんな!

本性知ってると、ストレスで胃がマッハだったんだよ。

いやー、スッキリしたなぁ!」

 

「…あっそ(ゴゴゴゴゴ)」

 

「ハハハ…ハ…

…あのー、何をそんなに怒ってらっしゃるので?」

 

「なんでもないわよ!」

 

 

こ、この男はー!

だからモテ無いのよ!

女心をまるでわかっちゃいないわ!

そこは嘘でも褒めるべきでしょ!?

 

…でも、正論だから憎めないのよね…。

というか、嫌がっているのを知っていてやっている節があったから、そんなに強く言えないのよ…。

 

なんでそんな事をしたのかって?

…言わせないでよ恥ずかしい…。

 

「ま、まぁまぁ、落ち着いてくれよ…。

…俺がお前を呼んだ理由はわかるな?」

 

「…どーせこのクエストの事でしょ?

このクエストの最中の貴方は、どこかピリピリしていたわ。

この先の立ち回りの為に情報が欲しい。

…そんな所かしら?」

 

「流石だな!まぁ、大体はそんな感じだ。

俺が聞きたいのはゴア・マガラについてだな。

ここから本当に逃げ出したのか、どこかに潜んでいるのか。

一回狩っているお前なら何かわかると思ってな。」

 

「…そうね…。

おそらく逃げ出したと見て間違いは無いはずよ?

一回、大海原で襲われた事があるのだけれど、そこまで執着して来なかったわね。

普通のモンスターなら、もっと執拗に攻撃するものよ。」

 

「…そうなのか…。なら、ゴア・マガラの乱入はこの先無い可能性が高いな…。

だとすると、これは一体…。」

 

「どうかしたの?」

 

「…いや、俺の装備のスキルに千里眼を入れてみたんだ。

千里眼のスキルはわかるよな?」

 

「えぇ、あの気配を察知出来るやつでしょ?」

 

「その千里眼のスキルに、ブラキ以外の気配を感じるんだ。

…思い過ごしだと良いんだが…。」

 

「それって…人?モンスター?」

 

「このデカさはモンスターだな。

それもかなり強い。」

 

「…まさか…。」

 

「先の戦いでわかる通り、あのブラキは相当な力量を持っていると思う。

そこにゴア・マガラまで現れていたんだ。

こんな所に現れる竜は…もうわかるよな?」

 

「…それで?どうするの?」

 

「その竜が乱入した際に様子を見て撤退。

もし、"あの"状態だったら目も当てられ無いからな。

…それに、ゴア・マガラの影響がここには強く残っている。

"あの"状態に加えて狂竜化までしていたら…。

俺らのレベルでは手の打ちようが無いな。」

 

「わかったわ。この事を他のメンバーには?」

 

「伝えて無い。

余計な事は伝えない方が色々と都合がいい。

それに、緊急時の対処法はもう伝えてあるからな。」

 

「そう、ならいいけど。

…ねぇ、私からも一つ聞いていい?」

 

「ん?なんだ?」

 

「貴方は…なんでそんなにピリピリしているの?

いえ、緊張と言うよりは気迫というか、そんな感じ何だけど…。

何か理由があるの?」

 

「あー、やっぱ気づかれてたか…。

…なぁ、あのブラキ、お前はどう思う?」

 

「…どうって?」

 

「いや、お前の目にはあのブラキからどんな物を感じるかって事さ。」

 

 

…抽象的過ぎてわかりにくいわね…。

大体言いたい事はわかるけど…。

そうね…私は…

 

「どこかで…会ったような…そんな感じかな?」

 

「と言うと?」

 

「何だかこれが初めてじゃ無い気がするのよ。

もちろん、あんな攻撃をして来るような個体では無かったけど…何と言うか…雰囲気?とかそんな感じが…ね。」

 

「ふーん…。

…お前ならわかってたと思ったんだけどなぁ…。」

 

「え?」

 

「俺はあいつに一回会ったぞ。」

 

「そうなの?」

 

「ついでに言うとお前もそこに居たな。」

 

「…ん〜?…まさか!?」

 

「多分お前の考えてる通りだと思う。」

 

「嘘でしょ…?幾ら何でもそれって…。」

 

「あぁ、あの水没林にいたのと見て間違い無い。」

 

…そんな…。

それが本当だとすると私達の手に負える相手じゃ無いわ…。

水没林で出会った時でさえあんなに変化していたのに、先の戦いでは違う粘菌を使っていた。

だとすると、最低でも二種類の粘菌と攻撃パターンがある事になってしまう。

 

「確証は?確証はあるの?」

 

「ある。

水没林にいた太刀を持ったおっさん。覚えてるか?」

 

「えぇ、レイスターって名乗ってた人ね。」

 

「…名前知ってんのに何でわからないんだ…?」

 

「…え?」

 

「月刊狩りに生きるで、毎回伝説を作っている人だよ!

狩猟武器は太刀。どのハンターにも使えない居合斬りの秘術を持っていて、歴代最強とされている伝説の人!」

 

「知らないわね。

私が読んでいたのは社会情勢の欄だけだったから。」

 

「いや、逆に何でそんな所読んでんだよ…。

狩人なら見出しのハンター欄を読むだろ普通…。」

 

「それは…まぁ、昔付き合ってた男共がどうなってたかを見てた…かな?」

 

「怖ぇ!?お前、一体どんなパイプ持ってんだよ!?」

 

「うーん…上手くやればギルドって言う組織が潰れるくらい?」

 

「き、聞くんじゃ無かった…」

 

 

失礼な!

ギルドは狩猟専門の組織であると同時に、兵器専門の組織でもあるんだから当然でしょ?

内部でいざこざを起こすような情報を流せば一発ね。

って、そんな事はどうでも良いのよ。

 

「それで?何でレイスターさんが出てくるの?」

 

「あぁ、そうそう。

そのレイスターさんに何を調査しに来たかを聞いたんだよ。

そしたら、謎のキノコが大繁殖して生態系に影響が出るかもしれないって言ってたんだ。」

 

「それが?」

 

「そのキノコの特徴なんだが…。

麻痺、睡眠、毒の三種類で、繁殖能力を持たないと言う、生物として発生する筈の無い物だったんだ。

その当時はモンスターによる可能性が低いって言われていて、そのキノコだけを研究していたそうなんだが…。」

 

「そのキノコを発生させた張本人は水の中にいたって訳ね。

…全く…とんでも無いモンスターね…。」

 

「ご明察。

まぁ、そう言う事だ。

レイスターさん曰く、火山でも会っていたそうだけど。」

 

「…え!?」

 

「ん?どうした?」

 

「アルン。それって本当?」

 

「あ、あぁ、そうだけど…。」

 

 

…まずいわね…。

もしそうだとすると、あいつは爆破の粘菌も持っている事になる。

つまり、これで合計三種類。

これが思い過ごしで、爆破粘菌と未知の粘菌が使えないって可能性もあるけど、その可能性はかなり低い。

 

…ここは…撤退すべきなのかな…?

 

そんな風に弱気になっていた時、私の表情から何かを察したのか、彼が私に話しかけて来た。

 

「俺さ…あいつに勝ちてぇんだ。」

 

「え?」

 

「あの黒いブラキだよ。

 

俺はレイスターさんを尊敬してるんだ。

どんなに強いモンスターにも立ち向かっていって、どんなに不利な状況でも絶望せずに転機を見い出す。

本当は違うかもしれない。編集者が捏造した物かもしれない。

 

だけど…。

 

そんなレイスターさんの生き方が俺の爺ちゃんそっくりなんだよ。

俺が一番尊敬していた爺ちゃんはもう居ないけど、レイスターさんがいる。

だから俺は、レイスターさんを尊敬すると同時に目標にしているんだ。

 

そのレイスターさんとあいつは引き分けた。

 

…まぁ、レイスターさんがそう言ってたんだけどな。

あいつはそれ程までに強い。

俺はレイスターさんの強さに足元にも及ばないと思う。

それでも、あいつと戦って勝ちたいんだ。

 

無様に逃げ出すかもしれない。

もう二度とハンターとして活動出来ないかもしれない。

夢を果たせないかもしれない。

 

でも…こう…何て言うのかな?

なんでか知らないけど無性にあいつと戦って勝ちたいんだ。

そうすれば少しでも近づけるかもしれないからさ。」

 

 

…夢ってなんなのかしら?

そんな事、育成学校では話した事も無いのに…。

と言うか、「今は夢も何もねぇよ」なんて言って無かったっけ?

 

「まぁ、これがお前が不思議がってた俺の変化の理由…の筈だ。

 

…なぁ、俺、なんか変な事でも言ったか?

さっきから反応が無いんだが…。」

 

「え?あ、ごめんなさい。少し考え事してたわ。

…それと…ありがとう。

おかげであいつに勝てそうだわ。」

 

「いいって事よ。

さて、第二ラウンド、始めますか!」

 

「そうね。

私の推測に過ぎないけど、あいつはまだまだ本気じゃ無いわ。

気合い入れていきましょう。」

 

「…お前の言う憶測って大抵現実になるんだよなぁ…。

縁起でもねぇ…。(ボソッ)」

 

「何か、言った、かしら?」

 

「い、いえ、滅相もございませんですぅー!」

 

…全く…何でこんな男に恋しちゃったのかしらね…。

でも、嫌いじゃ無い。

このクエストがどんな結果になろうと、私の気持ちは変わらない。

このクエストが終わったら私は…。

 

絶対に伝えるんだ。この気持ちを。

 





文章が長くなると、重複する表現がどうしても出てしまいます…。
こんな文才の無い作者ですいません…。

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