もんすたーな世界にもんすたーで転生?   作:ひなあられ

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人間サイドです。



あるハンターの体験

…あ、マイクが無い…。

しゃーない。作るか…。

ピックアップの応用でいけるだろ。

配線もぶつければいいんだし。

 

ーーーーーーーー

 

準備完了!

演奏するのは20th Centure Boy !

誰も聞いちゃいないだろうけど、己の自己満足のためにかき鳴らすぅ!

 

イエィ!

 

ギュィイイイン♪

 

ーーーーーーーー

 

 

「…はー…、面倒クセェ…。」

 

「そう言うなよ。運が良けりゃあとんでもないお宝が出るんだからさ。」

 

「それはわかるが…もう30回目だぞ?

ここ最近、鉄鉱石や大地の結晶の出も悪くなってるし、そろそろ諦めねぇか?」

 

「バーカ、だから狙い目なんだろうが。

邪魔な鉱石がねぇって事は、発掘武器が出やすいってことだろ。」

 

普段、誰も立ち入らぬ未知の樹海に人影が二つ。

 

ハンターだ。

 

会話から察すると、どうやら発掘武器を探しているらしい。

古代の武器と別に、昔に捨てられた武器が変質して見つかる事がある。

それが発掘武器である。

当たり外れが大きく、当たりの物は古龍の武器に匹敵する程の性能を誇る事がある。

そんな博打のような武器を探して、この二人のハンターはこの地を訪れたらしい。

 

…発掘武器は強力だが、普通の者は使わない。

 

個人のポリシーで使わない者もいるが、大半は別の理由である。

狩猟地で武器を捨てると言う事はあり得ないからだ。

捨てられてない、ならなぜ落ちているのか?

 

簡単である。

 

持ち主に何かあったからだ。

遺体は朽ちても武器は残る。

 

…もしかすると、発掘武器が変質するのは持ち主の念が籠っているからでは無いか?

発掘武器には、このような根も葉も無い噂が飛び交っている。

溜めやスキルなど、十分に説明が可能な物が実際に有るので、余計に誰も使いたがらない。

 

だが、性能は折り紙付き。

恐怖よりも欲の強い者達は、そう言ったリスクを無視しても発掘武器を求める。

それがこのハンター達である。

 

「お、あったあった。…双剣か…。お前使うか?」

 

「ん?貰っとこう。俺は双剣も使えるからな。」

 

「お前、ハンマー以外使えたのかよ…。

さて、太刀はどこにあるのかなー?」

 

「お、太刀見っけ。」

 

「マジか!?」

 

「…なんか出る確率が高くなってるな。」

 

「三度目…いや、30回目の正直じゃね?」

 

「なんだそりゃ。」

 

そんな敬遠される武器を、せっせと集めるハンター。

どうやら出が良いようだ。

未知の樹海は奥深くに行く程年代が古くなる。

奥深くにある武器は当たりである事が多い。

この二人もその例に乗っ取って、だんだんと深い所へ進んで行った。

ただし、未知の樹海の最深部は誰にも発見されておらず、飛行船の調査隊が原因不明の失踪をした事をきっかけに、誰もそこに行こうとしなくなった。

…正しくは行けないのだが…。

 

真っ直ぐ進んでいるつもりなのに、いつの間にか同じ所を回っている。

突然霧が出てきて、気づいたらベースキャンプだった。

…などなど…。

 

そんな理由から、未知の樹海の最深部は誰も見た事が無い。

それに、最深部へ近づこうとすると、強力なモンスターが出る事がある。

…運が悪いと、三匹の古龍に追いかけ回される事もあるらしい。

まるで、何かを守るかのように出て来るモンスター達に翻弄され、余計に調査が困難なのだ。

 

その為、ギルドはハンターに調査を依頼し、最深部の様子を探ろうとしている。

…未だにそれを達成出来ていないが…。

 

「…ん?なんだこの音?」

 

…♪…♪♪

 

「どうした?とうとうこの樹海に、幻聴の噂でも流れるのか?」

 

「茶化すなよ。マジで聞こえたんだからさ。」

 

「こんな深い森で誰が居るって言うのさ?

ギルドからはなんの連絡も無いぞ?」

 

「もしかすると、戦闘中かもな。

声って言うより楽器の音だった。」

 

…fr…ds.say…fine〜♪

 

「…おい、フラグ立てんなよ。

なんか歌声に聞こえてきたぞ…。」

 

「しかも女のな。…行って見るか?」

 

「…行くしかねぇだろ。

面白そうな匂いがプンプンするぜぇ…。」

 

突如として聞こえた謎の歌声。

ハンター二人はその声の方角に向かって歩き出した。

…その方角が、最深部だと言う事もつゆ知らず…。

当然、そこには強力なモンスターが出る。

この二人もその例に洩れなかった。

 

「グギャァァアア!!」

 

「ゲッ!?フルフル!?

おい、逃げるぞ!今の装備じゃ勝てっこ無い!」

 

「…ぎる…。」

 

「お、おい!どうした!?早く逃げるんだって!」

 

突然現れたフルフル。

いきなりの襲撃に逃げ出そうとするハンターだったが、もう一人の様子がおかしい。

…そんな状態の中、謎の歌声が大きくなりだした。

それに合わせて、ハンターに謎のオーラが出始める。

 

「な、なんだこりゃ!?誰か狩猟笛でも吹いてんのか?」

 

「…ギル…ミナギルゾォォオオ!」

 

「ウオィッ!?しっかりしろ!早くここから逃げるんだ!」

 

「ォォォオオオ!!」

 

「おい!戻って来い!」

 

ザクッ!

 

「ギョワァァアア!?」

 

「おい!待て…

嘘だろ…?一体何が起こってるんだ?」

 

歌声が聞こえてからしばらくして、片方のハンターの様子がおかしくなった。

モンスターを目の前にしていると言うのに、全く怯む事なく立ち向かう。

採取に来ていたせいで、武器など無いのに、ピッケルを使って攻撃している。

本来、攻撃用で無いピッケルで戦おうとしても、その刃先が通る事など無いはずなのだが…。

 

「…なんでピッケルの攻撃が通ってるんだよ!?

あいつ、いつの間に人間止めたんだ!?」

 

「ラァァアアア!!」

 

「ギョワァァアア!!」

 

約一名の反応を置き去りに、戦闘はさらに激しくなる。

二、三回叩いただけで壊れてしまったのか、ピッケルを放って素手で戦い始めた。

素手だと言うのに押される気配はなく、むしろ押しているように見える。

 

「…この歌声が原因なのか…?

…幻聴じゃないって事ぐらいしかわかんねぇぞ…。」

 

「ハァァアア!!」

 

ゴキッ!

 

「グ…ギャア…ア」

 

そうこうしているうちに、様子のおかしいハンターがフルフルを倒してしまった。

それと同時に聞こえていた歌声も止む。

 

「…倒しちまいやがった…。」

 

「アアァァ…ああ…ん?俺は何を?」

 

「大丈夫か!?なんかお前、凄い事になってたんだぞ!」

 

「…いや、なんともねぇよ?

強いて言うなら記憶が飛んでるような…?」

 

「本当に大丈夫みたいだな…。

…ともかくここから逃げるぞ。…こんなエリア見た事がねぇ…。

それに、なんか気味が悪い…。」

 

「あ、ああ…。…ん?」

 

「おい、どうした?早く行くぞ。」

 

「へいへい…。」

 

このハンター達は運が良かったようだ。

…フルフルと戦っていた所から、約100メートルの辺りに古龍が三匹固まっていたのだから…。

 

そして、ハンターの一人が最後に見た物。

それは巨木な木だった。…だが、その木はどこかおかしい。

その巨木の葉は、なぜか全て真っ赤に染まっていた。

…なぜなのか?

その真相は誰にも知られる事は無いだろう。

…この秘境に迷いこむ者はもういないのだから…。

 





お察しかと思いますが、ハンターをバーサーカーにさせたのはブラキさんのギターです。

…ブラキさんのギターが、もし狩猟笛だったらこんな感じかな?↓

名:"闘魂曲"エレキ・ブラキ
音色:赤青白
攻撃力:1300 属性:麻痺200
切れ味:赤五%、青40%

説明:
環境の変化に屈する事なく、進化し続けた黒きブラキディオスの狩猟笛。
古代の技術と組み合わさったそれは、人々の魂を揺さぶり、戦いの真価を説く。

旋律効果:
自己強化
攻撃力UP(特大)
咆哮無効
魂の戦闘曲

魂の戦闘曲について:
音符を揃えた後、アールボタン長押しで発動。
そのプレイヤーは動けなくなってしまうが、吹いている間、仲間に超強化をかける事が出来る。
スキルを持っていなくとも、以下のスキルが強制発動する。
怒り、挑戦者、フルチャージ、本気、火事場、スタミナ減少無効、改心率UP。


…こんな感じですかね…。
スキルの名前が間違っていたらご指摘下さい。

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