気がつけばオーディナルスケールのDVDが出ましたね
僕が好きなシーンはキリト対エイジです
お待たせしてなんですが短めです
それでは、どうぞ
「だっ……」
誰ですか貴方は!!!と心のなかで叫びながら、ハルユキは目の前に降り立った少年アバターを凝視していた。
全身を漆黒のコートに包みこちらを見る少年は、どこか見覚えがあるが、決してハルユキの知り合いでも何でもない。
同じヒューマンアバターの知り合いはそこにいるリーフ・フェアリーともう一人の……
「き、キリトさん……?」
「……?何言ってるんだクロウ、当たり前だろ?」
「はぇ……っ」
眉を潜めながらそう返答するキリトに、ハルユキは再び変な声をあげる。
ハルユキの中でキリトは美少女型のヒューマンアバターだったはずだ。
どういうことだ?ブレイン・バーストにはTSなるものが存在するのか?
信じて送り出したネガ・ネビュラスの美少女剣士が気がついたら少年剣士になってた件について。
「お、お兄ちゃん!服装!服装!!」
「服装……?あ"っ」
リーファの声に怪訝な顔をしたキリトだったが、少し時間をかけて言葉の意味を理解すると、しまった!と言った表情になる。
そのままあー、とかうー、と唸ったキリトは歯切れが悪そうに。
「実は俺男で…あのですね、アビリティで姿形を変えることができるんだよ。あのほら、形態変化的な奴」
「え」
アビリティで姿形を変えることができるって何それ怪盗二十面装?
パドさんも人型から獣型になったりできたけど、こんな劇的に変わるのか?
リーファ達《ヒューマン・アバター》用のアクセサリーがBB内のショップに存在していることはハルユキも知ってはいるが、ブレイン・バーストにはまだまだ知らないことが沢山あるみたいだ。
よくよく聞けば姿が変わるとアビリティの構成も変わるようで、形態変化系統のアビリティなのかなと無理矢理納得する。
というかその姿ができるんならわさわざ美少女(?)アバターにする必要無かったんじゃ…
「まさか」
「いやいやいやない!断じて、クロウが考えてることじゃないから!!」
どーだか、と内心で呟いたハルユキははて、と考えを巡らす。
「確かリーファのお兄「■■■■ー!!!」」
とある疑問を口にしようとしたハルユキの声は、ダスク・テイカーの雄叫びにかき消される。
その声に一瞬で戦闘体勢に入ったキリトは、テイカーの心意の爪を迎え撃つが、ハルユキはあっ、とあることに気づきキリトに言葉を投げ掛ける。
「だ、駄目だキリトさん!!その爪は普通の武器じゃ防げないんだ!!」
ハルユキの言葉を聞いたキリトは紙一重でその爪を回避するが、薄い水色の剣が刀身の半分から先ほどまで吹き飛ばされてしまった。
いくら実力があっても、心意の前では無意味だ。
同じ心意技を使えないと、勝ち目がない。
「またかよ…っ!!」
キリトは悪態を付くように声を上げると、使えなくなった剣をテイカーに投げつけ距離を取る。
心意を使えないキリトは驚異でないと見なしたのか、投げつけられた剣をその爪で迎撃したテイカーは再びハルユキに視線を移す。
「くっ……」
心意を練れるかはもう自信がない。
むしろこう思っている時点で心意を発動することはできないだろう。
だがやるしかない、戦えるのは自分だけなのだから。
疲労で鈍った頭を必死に回転させながら、右腕にイメージを集中させようとしたハルユキだったが、突然漆黒のコートが目の前に立ったことによって中断させられた。
「き、キリトさん!!?」
「大丈夫だクロウ、俺に任せてくれ」
「ば……」
馬鹿言わないでください!!と続けようとして、しかしハルユキはキリトの目に言葉を失う。
あれは諦めていない者の目だ。
いや寧ろあれは……
「楽しんでる……?」
ハルユキの言葉が聞こえたのかは定かではないが、キリトはニヤリと微笑むとテイカーに向かって剣を構える。
「さあ、続きといこうぜ」
キリトの声に反応したように、走り出すダスク・テイカー。
その爪が振り下ろされる瞬間、キリトが左腕を翳すと、彼の体が発光した。
あれは心意の光だ。
そうハルユキが気づくと、ガンッ!!と大きな衝撃と共にテイカーの爪が動きを止めた。
まるでそう、そこに見えない剣があるかのように。
「!!?」
驚く感情はあるのか、驚愕の気配を見せるテイカーの隙をつくように、キリトは右腕の黒剣で心意に包まれていないテイカーの体を斬り裂いた。
そして怯んだテイカーに追い討ちをかけるように彼の左手がライトエフェクトに包まれる。
「《閃打》っ!!」
システムが音声を認識し、必殺技が発動する。
威力を増したキリトの拳はテイカーの顔面を的確に捉え、彼を後方へと吹き飛ばした。
「すっげぇ……」
思わず感嘆の言葉を付くハルユキ。
それもそうだ。
心意技というとんでも技を一度使っただけで、あとは通常技でテイカーを吹き飛ばしたのだ。
ハルユキもやろうと思えばできるだろうが、流石にあの心意の爪の中を掻い潜って通常技に持ち込める自信はない。
というか、あの人いつの間に心意技を習得していたんだとツッコミたくなってしまうハルユキは悪いだろうか?いいや悪くないだろう。
「…っ、ぐっ……」
吹き飛ばされたダスク・テイカーは呻き声を上げながら起き上がる。
「……なんだよ、ナンなんだよ…笑えない、こんなの、こんなことがあってたまるか…」
ぜえ、ぜえ、と息を吐きながら、周囲に殺気を振り撒くダスク・テイカーだったが、そのHPは残り20%程だ。
ここに来て呑まれていた意識を取り戻したらしい。
シルバー・クロウ達よりレベルの差があったとはいえ、ライム・ベルによって回復されたHPはここまでの激戦でかなりのところまで削られていた。
「ば、バイス!!何やってんだよ!!早く僕を助けろよ!!!」
「テイカー君それは無理だ。流石にそんな余裕はないよ」
テイカーがブラック・バイスに叫ぶように声をかけるが、等のブラック・バイスは天馬から降りたブラック・ロータスの猛攻をその盾で防いでいる。
しかし、彼女の攻撃を捌ききる実力はかなりのものだ。ブラック・ロータスも困惑の気配を見せるが、それを振り切るように後方へとバックステップ。
膝を落とし左腕を前に、右腕を引き絞るような体勢をとった。
「≪
その言葉と共に放たれた彼女の心意技は、深紅の槍となってブラック・バイスへと襲いかかる。
しかしその攻撃も灰色のオーラを纏った十枚の板に阻まれる。
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彼の体から放たれ展開された十枚の板は、黒雪姫の心意技とぶつかり合う。
激しい音を立てながら板を貫いた槍は、残り一枚と言うところで止まり、ブラック・バイスの体には届かない。
しかし、心意技の戦いはどちらがより強いイメージを持つかで決まる。
そのため、二人はこの場に釘付けという結果になっているのだ。
「くそっ!くそっ!!なんだよ!!肝心なところで!!!」
「ぜやぁっ!!!!」
偶然的にも心意逆流現象から復帰したダスク・テイカーであったが、彼が意識を取り戻したことによりその両腕の爪は既に消えている。
バイスからの救援は望めないとその頭で理解したテイカーは感情を露にして悪態をつく。
そこに予備の剣を背中に背負い直し、既に抜いた漆黒の剣を構えたキリトが斬りかかった。
辛くも大型カッターで受け止めるテイカーだが、レベル差はあったとしても王と渡り合えるキリトの攻撃は的確に彼を追い詰める。
「くそぉっ、ぱ、《パイロディーラー!!》」
今までの攻撃で溜まった必殺技ゲージを使い火炎放射機でキリトを攻撃しようとするテイカー。
しかしその砲身は身を屈めた彼の背中から抜き放たれた黄金の剣によって阻まれた。
「なっ……!!」
「お前達が何の目的で動いているのかは知らない……だけど、妹を、俺の仲間を傷つけるなら、俺は容赦しないぞ……!!」
言うが否や、二本の剣が青いライトエフェクトに包まれる。
「《スターバーストーーー、ストリーム……っ!!》」
必殺技ゲージを全て使用した大技。
かの世界で二刀流ソードスキルとして設定された技が、テイカーに放たれた。
パイロディーラー弾くところはアニメで初めて二刀流が使われるところをイメージしました
折角だしオーディナルスケールネタも入れたいなと思うこのごろ
ほんと亀更新ですがお、更新してんじゃんって感じで見てくださると嬉しいです
それではまた次回