デート・ア・ライブ  ~転生者の物語~   作:息吹

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 8話です。ここまで読んでいただきありがとうございます。

 今のところ、追加=美九、組み合わせ=四糸乃+誰かとなりそうです。追加のほうはこの次かその次の投稿で決定しようと思いますので、よろしくお願いします。といっても、本編に登場するのは皆様が思ってるよりもずっと後になりそうですが。

 一応こちらにも書いておきますが、追加及び組み合わせの提案は、感想ではなく活動報告の方に書いてください。


第8話

 意外とすんなり乗ることのできたジェットコースターを降りたところ、予想以上に楽しかったことに驚く俺であった。

「へえ、なかなか楽しいな」

 一回転や垂直落下といったものがある、メジャーなものだったけど、王道だからこそ面白いって感じだな。

 そう思って、俺は耶倶矢と夕弦に話しかける。

「どうだった?」

「くかか、なかなかのものではあったが、まだ我らの方が速い。もう少し速ければよいのにな」

「お前らと比べられたら、比べられるジェットコースターも迷惑だろ」

「失笑。そう言いつつ叫んでたのは誰ですかね?」

 あー、確かに乗っている間は前から悲鳴が聞こえていたもんな。きゃーとか、驚愕。うわーとか、にゃーとか。誰だよ猫連れてきたやつ。俺か。

「別に悲鳴なんてあげてないし!あれは、そう!楽しかっただけだし!」

「指摘。誰も悲鳴をあげていたなんて言ってませんよ?」

「う、うるさい!」

 可愛いなあ。焦ってる耶倶矢。もうこのまま見守っとこうかな。

 だけど放っておくと夕弦がサディスティックモードのスイッチが入りそうなので、ここらで乱入しとこう。

「はいそこまで。夕弦、次はどれに乗りたいんだ?」

「憮然。なんで止めるのですか」

「まあまあ、ほら選んで」

 そうやって押し切る。急かすことで無理矢理考えさせるという人の心理を突いた・・・嘘です。そんなこと考えていません。

「思考。そうですね・・・」

 夕弦はパンフレットを見ながら少し考えると、この遊園地の地図が描かれた面の一角を指差す。

 そこに書かれていたアトラクション名はというと。

「メリーゴーラウンドか・・・」

「心配。・・・駄目ですか?」

「いや、別にいいんだけどさ」

 うーん、別に乗りたくないわけではないんだけど、少し遠慮しておきたいな。

 だって、そのアトラクションに高校生(耶倶矢と夕弦も見た目はそんぐらいだし)が乗るのは少し、ねえ?俺の偏見かもしれないけど。

 ということで、俺は乗らないでおきたいんだよな。

「まあ、とりあえず行くか」

「了解。では行きましょう」

「うん?何に乗るのだ?って、置いてかないで!」

 ま、着いたら俺は辞退しておくかな。ちょっとさっきのジェットコースターでまだフラフラするとでも言って。

 

 甘く見ていた。氷砂糖にメープルかけた上でグラニュー糖かけたぐらい甘かったかもしれない。なにそれまずそう。しかも結局砂糖しか食ってないようなもんじゃん。

 いやそこまで甘いわけではないけども、実際俺は乗らなかったし。外から見てたよ。

 ならどんなことがあったのかと言うと、そうだな。

 例えば、まず一つの馬に二人とも乗る。これは別に変なことではない。仲が良くてなによりだ。

 でも一周して戻ってくると、なぜか体勢がおかしいことになってた。何故か耶倶矢は馬の胴を貫く支柱を掴んで頭に座ってるし、夕弦は胴の上に立ってたもんな。

 俺が茫然としていると、また一周して戻ってきた二人はさらにすごい体勢になっていた。小学校の組体操とかでありそうな、二人でやるV字バランスみたいな感じだろうか。それぞれの胴体に手を回し、何もない外側の手は横にピーン!としている・・・伝わるかな?

 まあ、その体勢で器用にも見事なバランスで馬の胴に立っているのだ。

 まあ、体勢は終わるまでに何回も変わってたし、その所為で一目を集めるし、終わったら管理人さんか従業員さんに説教されるしで。結局、なんでか俺が謝る羽目になるし。

 まあ、案外早く解放されたうえに、何か罰があるわけじゃないから、遊ぶのに問題があるわけではないけど。

 ということで、今は俺から二人に対して説教中。

「わかった?普通あんなことはしちゃダメ。もうこれからするなよ?」

「む、むう・・・すまなんだ」

「謝罪。ごめんなさい」

 はあ・・・この通り謝ってるし、もういいかな。

 俺は、二人の頭をポンポンと軽く撫でながら、告げる。

「じゃ、この件はもう終わりにして、遊ぼう」

「ふ、ふん。そうだな。多少時間を無駄にしたからな、急ぐぞ!」

「質問。で、どこに行くのですか?」

 え?なんで俺に訊くの?

「次は七海が決める番であっただろう?どこにするのだ?」

「あー、そういえばそうだったな・・・」

「焦燥。早くしてください」

 まあまあ、そんな焦らんでもいいから。しかし、ほんと何処にしようかな・・・?

 なんか悩んだら急かされそうなので、俺は近くにあったアトラクションにすることにした。

「ここでいいんじゃないか?えーと」

 それは、『絶対零度の世界』という、極寒アトラクションだった。

 この名前に悪意を感じたが、気にしないようにしよう。

 

 入った瞬間に襲った冷気に、反射的に身を竦ませてしまう。

「寒っ!」

 こりゃ意外と寒い。キャッチコピーでは何度って書かれていたっけ?さすがに-273.15℃ではない筈だが。

 早くも吐く息が白い世界で、二人はどうだろうと思って彼女たちの顔色を見てみる。

「くか、か。ここここの、程度、ど、どうってことは、ないわ」

「酷寒。これは、寒いです」

 耶倶矢はそう強がりつつも、歯の根は合ってないし、夕弦も自分の腕を抱いて寒さに耐えている。

 やっぱ寒いもんは寒いんだなー、とか思いつつも、ふと、腕がなんか暖かいものに包まれる。

 なぜなら、耶倶矢と夕弦が俺の腕にそれぞれ抱きついていたからだ。

「うぇ!?え、なに、どうした!?」

 あまりの事態に焦る俺。どうやら、抱きつくというよりもしがみつくの方が合っているみたいだな。

 現実逃避気味にそんなことを考えていると、両脇から声が聞こえた。

「ふん、我らの暖をとるために、使ってやるから、感謝するといい」

「弁明。人肌が一番暖をとれるといいますし」

 そんなこと言うけどな・・・

 これは、なかなか困る。俺の両腕に感じる、小さくても触れればちゃんと感触はある耶倶矢の『アレ』とか、俺の腕を挟んで形を変える夕弦の『アレ』とかが主な原因。

 なんなら、二人で腕を抱き合えばいいんじゃ?とか思っちゃうのは、世の男達からしたら怒られちゃうかな。

「これで、七海も、暖かくなる、じゃん・・・?」

「密着。これなら、もっと暖かく、なれます」

 !!

 あーもう!とっとと行くぞ!

「ほら、早く行こう!寒いんだから!」

 こんなんされたら、余計体温上がっちゃうじゃん!さらに寒く感じる!

 俺の体温が上がったのも気づかれているのかなー、とか思いつつ、心の隅ではもう少しこのままで、と願っちゃうのは仕方ない。うん。

 

 そんなこんなでやっと、外に出れた俺達。出たら出たで、入る前は気にしなかったけど、なんか暑く感じてしまうのだった。




 まさか予定よりも2話もオーバーするとは。駄文率が高いです。
 一応、どんな感じにするかは決まっていますので、すぐに投稿できるかと思います。
 しかし、学校も始まりましたし、勉強もあるので不確かではありますが。(勉強しろよ!と言う声は聞こえないふり)

 では、次の話も期待して待ってくれることを願いつつ、ここらで後書きを終わらせていただきます。

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