デート・ア・ライブ  ~転生者の物語~   作:息吹

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 デアラ以外にも元ネタになったものが出てくる件については、無視してください。


第3話

 俺がASTの前に降り立つと、向こうから話しかけてきた。

「先に問う。彼方は何者だ?」

 問いかけてきたのは、リーダー格の若い女性だ。少なくとも、俺が知らないということは、原作で出てきてない奴だな。

 しかし、何者だ、と言われてもな・・・

「・・・一般人?」

 それ以外に何と答えろと言うのだ。

「背中から翼生やした人間が、一般人とでも?」

 おー、恐っ。威圧感がすげぇ。

 ま、もとより本気で言ったわけでもない。

「そんなことはどうでもいい。お前らは、あいつらに銃口を、刃をむけるんだろ?」

 そう、俺が誰かはどうでもいい。問題なのはあいつらに敵意を、殺意を向けるかだ。

「当たり前だ。精霊は殲滅すべき存在。生かす理由もない」

「・・・・・・そう、か」

 殲滅すべき存在、生かす理由もない、ねぇ。

 ・・・ふざけるな。

 殲滅すべき存在?嬉しければ笑い、悲しければ泣く、人間となんら変わらない奴らだというのに?

 生かす理由もない?お前らは、ただ意味がないからという理由で、誰かに殺意を向けるのか?

 ・・・ああ、やばい。『いつ何時でも冷静に』を忘れるな。

 冷静になれ。冷静に冷静に冷静に・・・

 大丈夫。怒りに身を任すことなんてない。その代わり考えろ。今、何をすべきか。簡単だろ?

 ――――――目の前の敵を倒せ。

「・・・なら、俺は、お前らと敵対することになる」

「そうか。なら―――」

 目の前の彼女の判断は早かった。

「―――お前も、死ね」

 瞬間、彼女は俺に肉薄し、自身のレーザーブレードを展開。俺の首元を狙う。

 周りのASTも、すぐに反応を示した。大半は、俺にミサイルやら銃弾を撃ち込む。

 しかし、その中にも何人かは八舞の方へ向かう。

バチィィィィッッッッ!!

 結果、生じたのは眩い閃光と、耳を劈くような音のみ。

 俺はというと・・・

「・・・こんなものか」

 その場から一歩も動かずに、いや、身動き1つとらないでいた。

 目の前に転がっているのは、先ほどのASTの隊員。

「が、あ・・・な、何が・・・起き・・・た・・・?」

 意識が朦朧としているのか、途切れ途切れに紡がれていく言葉。

 何が起きたか、簡単なことだ。

 なら、もう1回やって見せよう。コツはつかんだ。

 俺は、何が起きたか分からずに、呆然としているAST達の一角。耶倶矢と夕弦の方に向かっていた奴らに手を向ける。

 そして、イメージ。今度は炎といこう。

 直後、俺の手のひらから、炎が噴き出す。

「・・・!よ、避けろ!」

 本能的な直感か、守るではなく、回避を選んだ彼女らは、すぐに炎の軌道上から避ける。

 いい手だ。だが、相手が俺じゃなかったらな。

 俺は、向けていた手を、手のひらが上になるように軽く捻り、軽く握る。

 そして、開く。

 この2回で、動きをつけた方が、方向性なんかがイメージ、制御しやすいことに気付いたことによる動きだ。

 そういや、なんかの本で技名もイメージ言ったほうがイメージ固まりやすいってあったな。次からはそうするか。

 俺が放った炎は、手を開いた瞬間、一気に散らばる。流石に、これは予想できなかったのだろう。その周りのAST隊員達に直撃する。

「うあああああああ!!」

「きゃああああああ!!」

 悲鳴を上げながら墜落していく隊員達。

 そんな彼女達を見ていた、ほかの奴らが、やっと我に返る。

「総員、かかれ!」

 かかれも何も、既に攻撃開始していましたよね?お前ら。

 ま、こっちも仕事をしますか。

 えーと、動きと技名ってところか。・・・名前が中二っぽくなってしまうのは致し方ない。

 俺は、また片手を突き出し、そしてイメージ。方向は、手を中心に全方向。勿論、俺には当たらない。というより、逸らせるといったほうが正しいか。

「喰い尽くせ、『雷獅子』!」

 イメージとしては、雷の獅子。まんまだな。

 だけど、威力は絶大っぽい。当たった奴らが吹き飛んでいる。

 あ~、武器も欲しいかな。よし創ろう。

 イメージは、やっぱあのゲームからかな。

 俺は右手で何かを掴む動作をする。

 すると、出てきたのは身の丈ほどもある一振りの、両剣、と言うやつだ。

 真ん中が持ち手になっていて、その両端に刃が付いている武器だ。

 俺が生み出したのは、未だに出したままの翼にも似た、いろんな部分から(と言うほど多くはないが)光の粒子のようなものが溢れている物だ。

 元ネタは、『ファンタシースター』。やってて良かったとマジで思う。

 めんどいし、これでいくか。

 俺は、それを手にして、ようやっと起き上がりだしたASTの隊員達に突撃する。

「はあっ!!」

 気合一閃。剣を振る。俺がイメージしたものだから、重さはそうでもない。だけど、丈を誤ったな。小さいのか、少しやりにくい。別にこのままでいくけどさ。

 俺は、両剣の広い攻撃範囲を活かして、一気に何人もの隊員を斬りつける。

 しかし、向こうも向こうですぐに顕現装置を展開して防御する。が、それじゃ甘い。

「焼き尽くせ、『焔嘩閃』!」

 どっかで、聞いたことあるなとは思うが無視で。

 俺は、一歩下がり、両剣を何度も振りぬく。

 その度に、その剣の軌跡から先ほどよりも細く、濃い炎が奴らに向かう。

「ぐ・・・!」

 最初の数発は何とか避けたものの、まだ、『雷獅子』のダメージが抜け切ってないのかすぐに当たる。

 彼女らは、無数の火傷跡を残しながら、倒れていった。もう、戦えないだろう。死んではないと思うが。

「後ろが、がら空き、だ!」

 毎回思うが、何でそういうことを言うかねお前らみたいな奴らは。隙を突きたいなら黙っとけよ。

 あとな、やりにくいとはいえ、別に後ろだからって隙にはならないからな?俺は?

 直後、すぐ後ろで音が途絶えた。

「・・・絶対零度の凍てつく世界で、眠れ」

 成程、技名だけでなく、その後に言う台詞でもイメージしやすいんだな。・・・無駄に中二チックなのは気にしないで。お願い。

 さ、気を取り直して、最後の一撃といこうか。

 俺は空中へ飛び立つと、追いかけてくる他の隊員達へ向かって、両剣を振り上げ、叫び、振り下ろす!

 確か、【最後の剣】と【終焉の剣】は出てるから・・・。

「『破滅の剣』!!」

 まずもって剣じゃないんじゃ?とか、最後、終焉ときてなんで『破滅』?とか、中二病乙wwとか言わないで。お願いします。お願いしますからぁ!

 自分でもイタいのは分かってんだよ!傷口に塩を塗りこまないでくれよ!

 ・・・さて、俺がイメージしたのは、あの『最後(もしくは終焉)の剣』だ。

 だから、振り下ろした軌跡をなぞるようにオーラ?的なものが向かう。

 避けることすらできなかったのだろう。こちらに向かってきた残りの隊員たちは皆、直撃し、墜落していった。

 しかし、ものすっごい手加減して、地面が壊れないようにしたのにあれか。やべえな。あまり使わないようにしたほうが良いかな?

 さて、全員片付けたし、あのリーダー風の人のところに行きますか。

 

 彼女はすぐに見つかった。ま、あんまり動いてなかったし、ほぼ真下にいた。さっき凍らせた隊員は『破滅の剣』の余波の所為か、近くに倒れていた。周囲に氷の残骸があるから、多分そうだと思う。

「じゃ、撤収してくれるよな?」

 既に怒りは収まっている。だから、こんなに普通に話せる。

 うつ伏せに倒れていた彼女は、俺の声を聞くと、こちらに視線を向けてきた。

「・・・お前は、何者だ?」

 また、最初と同じ質問。

 だから、やっぱりこう答えるんだ。

「一般人さ。少なくとも、お前らとは敵対する、ね」

 彼女はそれを聞くと、何も言わずに立ち上がり、周りの倒れている奴らに少し驚いた表情をしたものの、すぐに叫ぶ。

「総員、撤収しろ・・・!」

 悔しいのか、すこし、声が力んでいた。

 まさかの、撤収命令に他の奴らは驚いていたものの、1人、また1人と何処かの駐屯所に戻っていく。

 ま、確かに、ASTって基本、精霊を逃がしはしても撤収はしないからな。

 全員がいなくなったのを確認してから上を見上げると、丁度、耶倶矢と夕弦が降りてくるところだった。

 さて、次はこっちを相手に頑張りますか。




 書いた後になって思いますが、最後のほうになるにつれ、台詞や地の文がワンパターン化していますね。気にしないでいただけると。
 次の次あたりで、詳しい能力解説を入れると思いますので、気になる方はしばしお待ちを。

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