前回はifの更新をしましたが、なかなか両立が難しいです。ポケモンの方も、そろそろ放置気味に・・・次はポケモンの更新ですね。
先日、これを読んでいる知人に、とある質問をされました。
曰く、『どうして2つに分けた?2人ずつにするよりも、1つの作品で合体させれば良いんじゃない?』とのこと。(多分な修正有り)
そう思っている方のために、ここでも同じ答えをしておきます。
要は、
『ヒロインが3人以上になると、誰かが空気になる可能性大だから』です。
自分としても、確かに1作品に絞ればよかったと後悔していますが、まあ、後の祭りです。
長々となってしまいました。
それでは、どうぞ!
時間的にも昼食時だったので、近くのファーストフード店に入った俺ら。
各々、好きなものを注文して、中で食べることにする。
「美味しくはあるが、何か物足りぬ気がするものだな。これは」
隣で耶倶矢が文句を言うが、お前、自分でこの味以上のもの作れんの?
「文句言ってんじゃねえよ。嫌なら食うな」
「いや、食べる」
そうかい。
「まあ、あれだ。機会があれば俺が作ってやるよ」
「クク、それならば、我らを満足させるものを作るがいいぞ」
いやいや、あんまり期待はしないでくれよ?
自分で評価しても、精々中の上がいいところなんだから。
「疑問。七海は料理が出来るのですか?」
「・・・一般人レベルなら」
ちなみに、中の中が、まあ出来る程度。中の下は、とりあえず出来る。
下は、出来ないレベルで、上は上手いレベル。それぞれに越えられない壁がある。
「して七海よ。次は一体どうするというのだ?先程、驚愕に顔を染めておったが」
「ん、とりあえず、夕方まで暇かな」
そうだな、その間何をしたものか。
「・・・買い物しに行くか」
買い物といっても、別に食べ物じゃない。
主に買いたいものとしては、服が挙げられるかな。
「賛成。そうと決まれば、早く行きましょう」
「オーケー」
と言って立ち上がり、この店を後にする。
しばらく歩いた頃、二人が話しかけてきた。
「そういえば言い忘れておったな。・・・七海、いくつか質問がある」
「?何かあったのか?」
「首肯。実は3日前、七海が倒れた日から、夕弦達のある能力が使えなくなったのです」
「ある能力・・・?」
何が使えなくなったんだ?
「うむ。服装の変換なのだが、何か知らぬか?」
服装の変換・・・?
「指摘。耶倶矢、もう少し詳しく言ってあげたらどうです?」
「そうだな・・・つまり、あの神聖にして邪悪なる・・・」
「霊装のことか?」
「む・・・まあ、そうだ。それに我らは・・・」
「霊装になることはできるけど、違和感がある、とかか? まさか、そもそも霊装になれない……とか?」
「・・・・・・そして、」
「その理由を知ってるなら教えてくれ?」
「むがーーーーー!!」
うおっ!?耶倶矢がキレた!!
何、一体どうした?
「何でっ、私の、台詞を、盗るのっ!?」
「す、すまん。確認したかっただけなんだ」
耶倶矢が繰り出すパンチを手で受けながら、俺は謝る。
対して痛くはないな・・・本気じゃないのか。
「嘆息。二人とも何をしてるんですか。周りを見てください」
「「へ?周り・・・?」」
言われて見てみると、結構人の目を集めていた。
中には夕弦の方に視線を向けるのもあるが、大半は俺らに目を向けられている。
・・・時折感じる生暖かい視線はなんだろう?
「・・・とりあえず、急ごうか」
「う、うむ。そうであるな」
その人だかりを分けるように歩き進め、それが見えなくなったところでスピードを落とす。
「注意。仲が良いのはいいことですが、場所を考えてください」
「以後、気を付けます」
夕弦の言ってることは正しいんだけど・・・ちょっと、な。
言うなら、なんであれしきのことで怒られんといけないんだ、ってことだ。
「補足。・・・それに、夕弦も甘えてみたいですし」
「あ?なんか言ったか?」
今、小さく呟いた気がするんだが。
「微笑。何でもありません。さ、見えてきましたよ。あれですよね?」
そう言って夕弦が指差すのは、この世界の転生直後にも来た、大型ショッピングモールだ。あとちょっとで着くだろう。
しかし、何でもないのは、本当か?
俺の前では、耶倶矢と夕弦が話してるのは見える。が、内容までは聞き取れない。二人が小声だからだ。
「疑念。どうして笑っているのですか、耶倶矢?」
「いやー、夕弦も嫉妬するんだなー、って」
「要求。訂正を求めます。夕弦は、別に、嫉妬なんて・・・」
「わかったわかった。嫉妬じゃないんでしょ?」
「憮然。・・・そこはかとない悪意を感じます」
「気のせいじゃない?」
・・・何を話してるんだろうか。
あ、そういえば、まだ答えてなかったな。
「おーい、ちょっといいか?さっきの質問のことなんだけどー」
まだ会話してたので、やや控えめに声をかけてみる。
「迂闊。そういえばまだ聞いてませんね」
「で、何か知っておるのか?」
「まあ、あくまで推測なんだけど」
俺はそこで保険をかけておく。一応の見当はついてるけど、間違えてるかもしんないし。
「先に謝っておく。すまん、多分俺の所為だ」
言いながら頭を下げる。
「?先に謝るとは、一体何をやったというのだ」
そうだな、早く説明しておくか。
俺は頭を戻し、二人に顔を向ける。
「多分だが、俺がお前らの
「疑問。というと?」
「端的に言うなら、お前らの霊結晶の一部を消して、二人の同一化が無いことにした時、間違えて服の変換に関する部分も消してしまったんだと思う」
「つまり、七海の失敗であると」
「ああ。だから、すまない」
俺がそう返事すると、二人は顔を見合わせ、また戻した。
「くかか、別に構わぬ。なに、あまり不自由があるわけでもない」
「首肯。そういうことですので、あまり気になさらず」
「・・・すまない」
そんな会話をしている内に、ショッピングモールの入り口が見えてきた。
さて、もうこの話題は終了。今は買い物を楽しもうか。
数時間後。
「結構買ったな・・・」
「主な物が、我らが身に纏う羽衣であるからな。多くなるのは必然であろう」
買い物袋6袋分。勿論、俺が持ってますよ?
まあ、耶倶矢と夕弦が1袋ずつ持ってくれてるけど。
買った物は、服がその殆どを占める。あとは、小物。
俺の物はあまり無いんだけど、二人の分が多い。
「心配。あと1袋ぐらい持ちましょうか?」
「いや、大丈夫、軽いから。俺こそ悪いな。持たせてしまって。持とうか?」
「拒否。これは七海には持たせられません」
持たせられません、って。
「何で?」
「質問。七海は女性用の下着等が入った袋を、そんなに持ちたいのですか?」
「・・・すいませんでした」
うん、あれだね・・・謝るしかないね。
「えと、じゃあ、耶倶矢もか?」
「否定。耶倶矢の分もこっちに入ってますよ?」
「あれ?じゃあ何で、あいつは持ってるんだ?必要無いのに」
「推測。・・・きっと、七海のことを想っているんですよ」
「は?
「微笑。なんでもありません」
出た。また、なんでもありません、だって。
これ言うときは大抵、何かあるときと思うんだ、俺。
ま、考えても仕方ない、か。
「む、我の名を呼んだか?七海」
そうしていると、興味深そうにキョロキョロしていた耶倶矢が、こちらに戻ってきた。
「応答。いえ、単に耶倶矢のことを話していただけです」
「我のこととな?」
まあ、間違ってはないな。
「肯定。はい。例えば、耶倶矢の好きな食べ物とか」
「ふむ」
「今日選んでいた下着とか」
「・・・・・・は?」
「スリーサ―――――」
「うわーー!!それ以上は言わなくていいから!嫌な予感がする!」
・・・何言ってんだろう。
そんな風に傍観していると、
「ていうか七海!そんなこと話してたの!?」
え!?こっちに飛び火してきた!
「は!?いや、んなわけねえだろうが!」
「注釈。きっと誤魔化していますよ」
「ほんと!?」
「騙されてんじゃねえっ!」
はあ・・・まったく、何やってんだか。
「ほら、そんな顔すんな。別にお前の胸は貧しいなんて話はしてないから」
スリーサイズって言おうとしたんだろうし、耶倶矢もその話題だと思っているだろう。
「・・・・・・」ブチッ
ん?今何かが切れる音が・・・
「七海、遺言は書いた・・・?」
「お、おい、耶倶矢?どうした?」
耶倶矢から、ものすごいプレッシャーを感じる・・・!
いや、マジで逃げ出したいレベルなんですけど、これ!
「だ~れ~が~・・・」
「おう!?」
さ、さらにプレッシャーが濃くなった・・・?
っていうか、もうオチが分かるんですけど!超メジャーでベタな展開が待っているでしょうね!
「貧乳じゃこらぁぁぁぁ!!」
「だからそんな話はしてなうわあああああ!!」
急いで逃げるも、時既に遅し。すぐに追いつかれる。
そして、昼過ぎのショッピングモールに、俺の悲鳴が響いた。
視線の先では夕弦の嘆息する姿が。見ているなら助けてくれよ!
はあ、前書きの通り、絞ればよかったかなぁ・・・と後悔している今日。
ポジティブに考えましょう。そうです。時間軸的に無理だったけど、他のヒロインも書きたかったから、とか!
あれ?そこまでポジティブじゃない・・・
ま、まあ、いいですね。
さて、あまりにも話が進まないので、章の変更をさせていただきました。身勝手な変更、申し訳ありません。
それでは、次回も読んでいただけることを願いつつ、ここらで終わりとさせていただきます。
な、なるべく早く、美九を書きますので!どうかご辛抱を!