「……ろ……」
「ん……」
「…きろ……」
「んん……」
「おきろぉおおおおおお!!!!!」
「んがっ!」
一毅は突然の大声に跳ね起きた。
「て、敵襲か!?」
「着いたんだよ」
一毅がキョロキョロするとカツェが呆れていた……モンブランから降りて寝込んで捕まったあと一毅は目隠しをされて乗り物にのせられなにもすることはないので寝ていたがカツェからしてみれば敵に捕まったのに平然と寝られる一毅に思わず称賛を送りたいくらいの図太さだと思う。
「んで?これって……博物館か?」
「流石にそれくらいはわかるか。ま、そういうことだよ。これなら堂々武器を飾ってあっても問題ないだろ?」
とカツェから中に入りつつ説明され見てみれば戦車やら重火器やらが飾られている……見てみればわかるが手入れがされているため今すぐにでも弾を装填すれば使えるだろう。とは言え素人にはわかるまいが……
「一つ聞きたいんだがここは武器庫かなんかなのか?」
「ああ、
そう言うことね……こんだけ豊富に銃火器やら戦車やらが置いてあるんでは装備面でも
「カツェ!」
するとそこにキツめの目鼻立ちをした美人がきた……たしか名前は……
「イバリヤだっけ?」
「イヴィリア様だ。なんかそれだと威張りんぼみたいだぞ……っと、それよりも、カツェ・グラッセ!ただいま捕虜1名を連れて帰還しました!」
敬礼をしながらカツェが言うとイヴィリアも答える。
「ご苦労、重要人物の確保に後々特別手当てが付くわ」
「ありがとうございます!」
と、形式を終えるとカツェをイヴィリアはそっと抱きしめた。
「よかった……心配してたのよ……」
「はい……」
一毅はその光景を見つめるのも何なので近くの展示品を遠目に観察してるとイヴィリアがこっちを見てきた。
「一応礼を言うわ」
「いや、別に構わん。で?キンジは無事なのか?」
「ええ、丁重に扱わせてもらってるわ」
それはよかったと一毅は頷く。すると、
「さて、貴方も部屋に閉じ込めておくわよ」
「了解」
イヴィリアがそう言い一毅は魔女連隊の女達に連れられていったのであった……
「うーむ……」
一毅は首を捻る……魔女連隊のやつらに連れられぶちこまれた部屋……小さな窓には頑丈な鉄格子が嵌められておりそこから脱出するには一毅には小さすぎる……だが内装はどうだろう、フカフカのベットにきらびやかで豪華すぎるあまり一毅は気後れして部屋の隅っこの床に正座して備え付けのお茶を飲んでいた……中身はなぜか緑茶……慣れ親しんだ味で良い茶葉なのはすぐにわかった。テレビも備え付けられ冷暖房も完備……一毅の重度の骨粗鬆症の骨みたいにスカスカの脳味噌で考えみてもこれが所謂VIP待遇というやつであることは簡単に推測できた。
「お、落ち着かん……」
一毅は部屋のなかをうろうろし始める。さしづめその姿は動物園の熊みたいだ。
「なにしてんだ?」
と、そこに聞き覚えのある声……というかさっきまで聞いていた。
「カツェ……?」
「檻の中を歩き回る熊かなんかみたいだったぞ……もしくはゴリラ」
「あぁ?」
誰がゴリラだと一毅の目が据わるとカツェは扉を閉めながらベットに座る。
「んで?何かようか?」
「ま、まぁ少しな……話さないか?」
と、若干緊張しつつカツェが言ってくるので一毅は首をかしげつつ了承する。
「ほら……座れよ」
カツェはペシペシとベットを叩いて自分の隣に据わるように促す。
「いや別に俺は立ったままでも……」
一毅はキンジほどではないがあまりアッチ方面に詳しいわけではない。知ってはいるし興味がない訳じゃないが積極的にその方面の知識を取り込んではいない。理由として実家は孤児院だ……子供達が多くいるしそう言う物を所持するのは万が一……と言うのがあるし現在では女子が三人も同居している……そう言ったものの所持は互いの生活の循環的なもののために控えている。だがそれでも男女が同じベットに座って話すと言うのが危ないのはわかっている……
「良いから座れよ」
とカツェに言われた……もしかして考えすぎだろうか……考えて見よう、カツェは自分より年下だ。そんな少女相手に緊張も何もないんじゃないだろうか……
自分の考えすぎだな……と一毅は考え直しカツェの隣に据わる。ん?何かカツェから良い匂いがする。キンジほどじゃないが一毅も嗅覚が……と言うか呂布との戦い以降、五感その物が鋭くなっている気がする。
「シャワーでも浴びたのか?」
「え?あ……ああ!まあな!」
カツェはお慌てる。どうしたんだ?
「い、一応女だからな……これでも気を使うんだよ」
「そうか……」
一毅は相づちを打つ。実家の遥も夏に帰った時にそう言えばお洒落とかに気を使っていた……すっかり大人びてきてアイドルとかにスカウトされても可笑しくないかもしれない。
「で?話ってのは何だ?」
「……お前さ……私の使い魔にならないか?」
「…………はぁ?」
「まぁあれだよ……これでも結構お前のことは気に入ったんだ。助けてももらったし……エドガーも話したらお前なら良いって言ってくれた」
「使い魔ってあれじゃないのか?突然召喚されてキスされて左手にルーンが出てどんな武器でも使えるように……」
「それは違う……知識がおかしい方に向かってるぞ……」
カツェは大きなため息をついた。
「で?どうなんだ?」
「悪いが……遠慮しておくよ。俺は
「……ま、そんな気はしてたよ……」
「すまん……え?」
クラっと一毅の視界が回り出す……
「おいカツェ……お前何した……」
「男にしか効かねぇ特殊な香水さ……お前自分で言ったろ……魔女が古来から男と寝る際に用いた由緒正しいものだぜ……ま、毒っつうか薬っつうか……それに似たようなもんさ。何でか遠山キンジには効果がなかったみたいだ」
そりゃあいつは薬とか毒とかに生まれつき強い耐性があるからな……効きも悪かろうと一毅は思うが今はそれどころじゃない。とにかくカツェから離れないと……と一毅は身をよじるが力が入らない。
「桐生……お前は甘いよな……魔女がこれと決めた男を諦めるほどお淑やかだと思ったか?」
「あぁ、そうだな……良い勉強になった……」
カツェにすら組伏せられる……力が入らん……くそどうする……
「安心しな……私も書物でしか知らねぇけど時間はある……」
「やめ……」
ろと言おうとした瞬間……窓が割れた。
『へ?』
次の瞬間空気を切る音がしたかと思ったら今度は天井に火花が散り一毅の顔の真横を着弾した……連続跳弾による狙撃……背中に冷たいものが走った……
「っ!」
そして今度は爆発……一毅とカツェは吹っ飛んだ。
「な、なんだぁ?」
「あんたこそ……なにしてくれとんじゃぁあああああああああああ!!!!!!!!!!」
そこに短いスカートなのも考えもせずに乗り込んできたのはロキだった……すると別方向でも爆発音……だがそれに気をとられてる暇はない。ロキの背中には魔王が降臨していた……
「んな!何でお前が!」
カツェが驚愕するのも束の間ロキはギロリと睨むと、
「お兄ちゃんの危機を受信したのよ!」
と、地獄の業火のごとく怒りを滾らせ狙撃銃を持ち替えフルスウィング……次の瞬間ゴガン!っと派手な音が響き困惑するカツェの脳天にロキは狙撃銃を叩きつけた。
「げごぉ……」
と蛙みたいな声を漏らしカツェは目を回し気を飛ばした……
「あとなんであんたがお兄ちゃんの龍桜着てんのよ!」
そのままカツェから龍桜を剥ぎ取りロキは一毅をみる。
「お兄ちゃん大丈夫!?」
「あ、うん……はい……大丈夫だ……でもどうやって来たんだ?」
「遠山キンジ先輩の携帯を逆探知したの。そして助けに来たんだけどお兄ちゃんの危機を感じてね……急いできてみればお兄ちゃんの操の危機だったし慌てて持ってきたプラスチック爆弾を取り付けて爆発と同時に乗り込んできたの」
「へ、へぇ……」
「あ、勿論威力とかは落としてあるよ?だから安心してね」
一毅は誓った……金輪際絶対にロキを怒らせまいと……ロキはレキ同様怒らせるとヤバイ……いや、過激さならレキ以上かもしれない……
「おいそっちは大丈夫か?」
と、崩れた壁からひょっこり顔を出したのは重たい
「無事のようだな……いきなり爆発音が響いたから何事かと思ったぞ」
ジャンヌだった……手には一毅の刀がある。
「丁度良かった。おいキンジ、逃げるのに手を貸してくれ、力が入らないんだ」
「分かった」
とキンジの肩を借りて一毅は立ち上がり皆は逃げ出す。
「ま……て……」
「悪いなカツェ……ここは逃げさせてもらうぜ」
そういい残し一毅達は煙のなかに消えていった……
「にっげぇ……」
一毅は顔を顰める……
一毅達は現在助けに来てくれた一人、島 苺が運転する戦車に乗っていた……他にも通信役に電子機器越しだと饒舌な中空知がいる。まぁそれは良いのだが一毅は体に力が入らなくさせる毒をジャンヌから栄養ドリンクみたいな解毒剤を貰って治していた。
ジャンヌいわく割りとポピュラーなものらしく男である二人が捕まってると言う話のため一応解毒剤を持ってきていたらしい。
「まぁ、良薬は口苦しって言うしな……」
「…………一毅が諺をまた間違えなかっただと……不吉だ」
と、同じ解毒剤を飲んでいるキンジが眉を寄せた。
「ヤバイ……何かとんでもない事態に陥りそうな予感がするよ……」
と目を泳がせるロキ……二人揃って失礼だ。
「あ、安心するんだ。私たちには祝光の魔女がついてる……ここここれくらいなんとももないささささ」
「ジャンヌテメェは何にビビってんだ!」
皆揃って失礼すぎる。こっちだってたまには間違いない。元旦だってそうだったし……
「まあ冗談は1割くらいにはしておいて」
「ほとんど本気じゃねぇか……」
「……オホン!とにかく二人とも体は大丈夫か?」
「あぁ、もう大丈夫だ」
と、一応体に若干の痺れがあったらしいキンジは言う。
「遠山の場合は耐性のお陰か……桐生は?」
「俺も治った。ジャンヌの言う通り即効性のせいで持続性じたいは皆無らしい」
軽く首を回して調子を確認する一毅を見てジャンヌはうなずく。
「じゃあこれから私たちは
と、ジャンヌが口を開いた次の瞬間……
「んなっ!」
突然の爆音とエンジン音……そして横に掛かる強い揺れと重力……一毅は慌てて戦車から顔を出して後方を確認すると……
「戦車だ!しかもこっちよりデカイ!」
「追ってきやがったのか!やっぱお前が諺を間違えねぇから面倒な事態だぞ!」
「俺のせいかよ!」
と、一毅とキンジが喧嘩をおっぱじめそうになるのをロキが止める。
「喧嘩してられないよ!どうする!?」
「走って逃げるってのは?」
「それは無理そうですの!今の砲撃で駆動系が少しやられてますの!」
と島が答えた。となると……
「こっちも砲撃だ!」
そう言ってキンジは機械を弄って砲身を相手の戦車に向けると発射……だが戦車の表面を弾いて終わった……
「嘘だろ……」
「頑丈な戦車だなぁ……」
キンジと一毅の表情が曇ると相手の戦車の方から声が聞こえる。
「オッホッホッホ!そんなチャチな砲撃では私たちには傷をつけられませんわよ!」
「この声は……イベリコ……?」
「イヴィリアだ。イしかあってないぞ」
キンジから突っ込みをいただいたところで今度は相手の戦車が砲身を向けてくる!
「避けられるか!」
「無理ですの!」
「なら俺がやる!!」
一毅は戦車の上に飛び出すと背中の
「オラァアアアアアアア!!!!!」
だがそれに対して一毅は臆することなく
「ホームランバスター!!!!!!!!!!」
激しい轟音と光を発しながら
「ちっ……ライトへのファールか……いつつ」
一毅は胸を押さえて顔を顰める。今のでまた傷が開いた……くそったれ……
「大丈夫か!一毅!」
「なんとかな……ん?」
すると今度は戦車についた拡声器から歌が聞こえてきた……なんだろう……凄く嫌な気分になっていく……気分が滅入っていくようだ。別段音痴の歌ではないしジャイアンリサイタルが開かれたわけではない……だがそれでも気分が落ちていくような歌だ……
「ジャンヌ!」
「っ!」
次の瞬間ジャンヌが膝をつく……息は荒く視線がグルグルと動く……
「しっかりしろ!」
キンジが揺さぶるがジャンヌは反応がない……
「おいジャンヌ……お前ぇほんとに策士なのか?代表戦市なのか?弱い情けねぇし話しになんねぇなぁおい!」
という声を聞きジャンヌは全身から嫌な汗が垂れてきた気がした……
何時だってそうだ……何をしても中途半端……気高き先祖、ジャンヌ・ダルクと同じ名前と血を継ぎながらいつも自分は弱く……何も出来ない……挙げ句の果て重症の一毅と、藍幇での戦いを終えて間もないキンジを欧州で戦わせている……自分に何ができる?何もできやしない……自分は何も出来ない……自分は役立たずだ……
《皆さん耳を塞いでください!それは魔女が用いる恐怖の歌です!戦時でも用いられた相手の士気を著しく下げる歌……特にジャンヌさんのような超能力者には強い効果を発します!聞かないようにしてください!》
と、通信機から聞こえるのはメーヤの声……だが既にジャンヌの戦意は砕かれている……不味いぞ……傷が開いたからさっきみたく砲弾を打ち返す何て出来ないだろう……このまま砲弾を撃たれたら危険だ。
だがそこに怒声が響いた……
「いい加減にしろ!」
ガツッ!っとジャンヌの頭にキンジの頭が叩きつけられる……突然の衝撃にジャンヌは眼をパチクリさせながらクラクラとキンジを見た……
キンジのオーラはまるで野獣……そう、現在ジャンヌの心を奪われた……と解釈したキンジはヒステリア・ベルゼと呼ばれるヒステリアモードになっている。
「ったく!あんな敵の甘言になんか乗ってんじゃねぇよ!」
「だが遠山……私は……」
「誰がなんと言おうと関係ねぇ!俺がお前のすごさを知ってる!俺がお前を認めてやる!誰がなんと言おうと……お前は凄い奴だよ」
「っ!」
ジャンヌは眼を見開く……言葉だけじゃない……何故ならキンジに抱き締められたからだ。痛いくらい強く……少々乱暴で強引な抱擁……
「だから敵の言葉なんか気にするな……あれは外野が騒いでるだけだ……」
耳元で低めの声音で喋る……ジャンヌは耳まで赤い……
「だから黙って俺の言葉だけ聞いてろ……お前の存在意義なら俺が作ってやる……世界が否定しようと俺がお前を認める……ジャンヌ・ダルク30世……」
「本当か……?」
「あぁ……お前の可愛いところも格好いいところも抜けてるところも……全部俺は知っている。その上で言うんだ……お前は凄い……それとも俺の言葉が信じられないか?」
「………………」
フルフルとジャンヌは首を横に振る。
「おい一毅……できるか?」
「……やってやるさ」
何が……とは聞かずとも理解できる。全く……無茶をさせやがる。
「なら俺が合図したら行け」
「了解……リーダー」
一毅は立ち上がるとバッと上に来ていた制服を脱ぎ捨て上半身を外気に晒し包帯も外す……傷口が開いており血がボトボト出ているが関係ないと意識を集中する……それと共に
「二天一流 拳技……修羅の気位……」
ブラドとの戦いにも用いられたこの技……出来るなら使わずにおきたかった。何故ならこの技……傷を治す技では断じてない。正確には体の細胞分裂を強制的にヒートで促進させる技なのだ。その結果……傷が治癒したようにみえる。
だが生涯の細胞分裂の回数は決まっている。それを早めるのだから無論のことだが寿命をかなり削っているのだ。
【今】戦うために【未来】を捨てる技……これが【修羅の気位】……
代々短命な桐生が多いと言われるがそれも戦いに巻き込まれやすくこの技を使わざるを得ない状況が多くなりがちだからだ。事実一毅の祖父の一心も一毅が物心つく前に死んでいる……
だがそれでも……使わねばならない。【未来】より【今】が必要なのだ。
「行け!」
「あぁ!」
一毅は戦車から飛び出すと
「人間五十年……下天のうちを……くらぶれば……夢幻の……如くなり……」
一毅の体から溢れる緋色のオーラ……
それを尻目にキンジはジャンヌと共に砲身を動かし狙いを定める……相手の方針の角度を……相手の狙う場所をキンジの万象の眼が様々な風景から読み取り情報としてキンジの頭に流れていく……そして、
「今だ!ジャンヌ!」
キンジが叫ぶと砲弾を発射……それと共に相手も発射した砲弾とぶつかり合い狙いが逸れていく……砲台版の
「
互いが撃った砲弾は逸れていき……
「あとは任せたぜ……
その言葉が聞こえているわけはないがそれに答えるように一毅は爆走……だがそれを止めるため今度は機銃が一毅の方に向く……
「撃て!」
そこにイヴィリアが命令し機銃が一毅に撃たれる……が、
「二天一流 極技!」
一毅は渾身の……己の烈帛の気迫を込め……放つは乾坤の一撃……
「オォ!」
一毅は横に飛ぶ……次の瞬間一毅の四体の残像が戦車を取り囲んだ……
「ぶ、分裂したですって!?」
イヴィリアや他の面子が驚愕するなか一毅は戦車前方に密着する……
【玄武】
そして飛び上がりながら全身のバネを用いた
「まだだぁ!」
だが飛び上がった一毅は再度
そう、【玄武】は一見巨大な亀だが尾が蛇である……そしてその蛇こそが真の武器である。鈍重な見た目に騙された相手はその蛇に命を刈られる……
この技もそう……一撃目の鈍重な一撃を回避しても続けざまに放たれる斬撃は躱せない……寧ろこちらの斬撃が真の狙いだと言うのに……今回は戦車のため二撃とも叩き込むのはご愛嬌……
というわけで終わらせよう……一毅の二天一流で……一毅の全てを込めて……一毅の思いをのせて……
「乾 坤 一 擲 !!!!!!!!!!」
ザン!っと言う音と共に一毅は戦車の後方に着地……そして次の瞬間戦車が真っ二つに割れた……
「ふぅ……」
二つに割れた戦車の中にいた連中は呆然としていた……まぁ流石に戦車を両断されるとは思わないだろうしな……
「き……りゅう……」
すると中からカツェが這い出てくる。
「まだ……諦めてねぇ……からな」
「好きにしな……だが悪いが俺の頭は遠山キンジだ。他の誰でもねぇ……だから俺は誰にも靡くきはねぇよ」
そう言いながら一毅は
ちなみにその後……
「はぁ?捕まってたときチーズフォンデュ食ってフカフカのベットで寝て悠々自適な生活してたぁ?あいだだだだ……全身がいでぇ……」
「割りと厚待遇だったしな」
「てめぇ!こっちが雪山で遭難してヒィヒィしてたときに随分いいご身分でございますなぁ!いででででで……」
「俺の性じゃねぇだろ!」
「アホかぁ!こっちは死にかけたわい!あががががががが……全身の筋やってるよこれ……」
「生きてんだからいいだろうが!」
ボカスカボカスカとキンジと全身の筋をブチブチやってしまった一毅が戦車の中で喧嘩を始めてロキとジャンヌが止めに入ったのは余談であろう……
ついに一毅は戦車も切ります。
と言うわけで次回で前編も終わりです。そしたら対談やって後編にいきます。後編はキンジスポットの予定です。
更に人気投票にご協力してくださった方々ありがとうございます。意外なキャラがランクインしたさいには私も驚きました。いやはや……
と言うわけで欧州編も段々ヒートアップ!それではまた次回お会いいたしましょう!