緋弾のアリア その武偵……龍が如く   作:ユウジン

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何気なく漢字変換して知った……フランスって漢字でかくと仏蘭西と書くんだ……


龍の仏蘭西旅行

「き、キンジみろよ!外国人ばっかだぞ!」

 

飛行機に揺られながら(まあ実際は揺れなんて無かったが)数時間……ついにフランスのパリにやって来た。そして一毅の開口一番がこれである……

 

「そりゃお前外国に来てるんだから当たり前だろうが……」

「でも金髪とか多いし肌も皆白いぞ!」

「そりゃヨーロッパだからな……お前もそんなキョロキョロすんなよ……田舎から上京してきた田舎者じゃないんだからよ。つうかお前は一応監査役なんだぞ?ちったぁ落ち着きってやつをもてって」

「へいへい」

 

キンジは思わず頭を頭を抱えた……飛行機の中で今回は戦役のこともあり中空知や島を巻き込まないためこの二人は普通に行動させて他の戦役メンバーにロキを加え戦役の戦況をひっくり返すため動く手はずなのだが一毅はロキに任せることになっている……やはり自分が面倒見他方がいいんじゃないかとキンジは思ったがロキが大丈夫だといいジャンヌも後輩の前でアホなポカはしないだろうと言って一毅&ロキ、キンジ&ジャンヌの構図ができたのだ。ちなみにワトソンは中空知と島の護衛だ。

 

「なぁ、今からでも遅くないから俺が一毅みてもいいんだぞ?」

「だが遠山。戦役メンバーでフランス語ができるのは私とロキとワトソンだ。そしてワトソンは護衛で居ないから実質私とロキだけ……はっきり言ってフランス語が出来ないもの同士と出来るもの同士で組むより出来るものと出来ないものがそれぞれ組んだ方が効率もいいと思うが?」

「うぐ……」

 

ジャンヌの非の打ち所もない論理に完全にキンジは論破された状態だ。更にジャンヌは、

 

「それに遠山も馬に蹴られて死にたくはないだろう?」

「…………まぁ……そうだな」

 

とキンジが言うとジャンヌは少し驚いた顔だ。

 

「なんだ気づいてたのか?」

「そりゃ気づくだろ……まぁ一毅は鈍感だしなぁ……他人をからかう暇があったら自分に向けられる好意に気づくべきだ……ってなんだジャンヌ……そのジト目は」

「いや……お前と桐生の共通点を見つけただけだ」

「?」

 

キンジは首をかしげた。自分で言うのもなんだが一毅と自分は余り似てないと思う。性質的には全然違う。だからこそ磁石のN極とS極のように息が合うのだと思っていたが……共通点?どこだろう……

 

とキンジは暫し考える……それを見ながらジャンヌは、

 

(自分に向けられる好意に鈍感なところはお前もだがな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つうわけでもう小学生の旅行じゃないんだし俺たちが逐一監視しなくても平気だろ?今から自由行動だかいさ――いで!」

「適当すぎるわ!」

 

キンジのぶっ叩きを喰らって一毅は頭を押さえそれを尻目にキンジが補則説明だ。

 

「まあこれから自由だがお前らもわかってるようにこれで一毅がつける点数次第ではお前らも留年だ。だからお前らもレポートなどをしっかりかいておけよ。わかったか?」

「ひゃい!」

「了解ですの~」

 

そう言って全員解散したのを確認すると、

 

「俺たちも解散だな」

「じゃあまたなキンジ」

 

と一毅とロキはフランスに繰り出した。

 

「さて……んじゃあガイドのジャンヌさん頼むぞ」

「ああ、任せておけ」

 

とキンジとジャンヌも街へ繰り出したのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしフランスの首都って言っても結構汚いんだな」

「そりゃあ花の都って言ってもね~」

 

取り合えず一毅とロキは街の一角にあるカフェテリアでのんびりしていた。

 

「で?何処に行くんだ?俺はフランスなんてエッヘン塔しか分からないからロキに任せる」

「任せて、ここに来るに当たって準備してあるからね。あとお兄ちゃん……エッヘン塔じゃなくてエッフェル塔だからね?なんでそんな自信満々そうな名前になってるの?」

「ま、まあそうとも言うよな」

「そうとしか言わないよ」

 

そう言ってロキは肩を竦める……だがその姿は何処か嬉しそうだ……

 

「何かお前機嫌がいいな」

「え?そうかな……」

「いつもお前は笑ってるけど今日は特に笑ってる。やっぱお前も海外に来て気分高揚してるのか?」

 

と言う一毅の言葉にロキはガックシと肩を落とした。どうしたんだ?

 

「そういうんじゃないんだけどさ……バカ……」

「????」

 

一毅は疑問符を飛ばす……うーん、恋愛ゲームで言うなら選択肢をミスったと言う奴だな……間違いない……しかも好感度も下がった。でも他にどういうのがある?他にある選択肢……例えばコーヒーが旨かった?いやいや……それだったら飛行機に乗るときから機嫌が良かったのは可笑しい……でも他に何かあるのか?

 

女心って言うのはよくわからん……だが機嫌が少し悪くなってしまった……ならば……

 

「なぁロキ」

「なに?」

「せっかくお洒落の国なんだし服でも見るか?ブランドものとかは無理だが一着くらいはなんとかなるぞ」

「ほんと!?じゃあいこうか!」

 

と一変して機嫌がよくなった……女の子は服を送られるのが良いと思うのはレキ、ライカで実践済だしな……

 

「ん?」

 

するとメールが来ていたのに気づく……送信者はレキ?海外でも日本からのメールって届くのかと驚きながら見てみると……

 

「どういうことだ?」

 

その文面に一毅は首をかしげる。何だこれ……レキのメールは割りと簡潔で分かりやすいのに良くわからない……

 

「ほらお兄ちゃんいくよ!」

「あ、ああ……」

 

どういうことだかわからなかったが取り合えず一毅はロキを追った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇこれどうかな」

「おぉ……」

 

そう言って服屋の奥から持ってきて体の前に当てながら見せてくる。因みに試着は日本独自らしい。

 

ゼブラのトップスに下はジーンズ……首にファーと言うマフラーみたいなのを巻くと説明してくれる……

 

「似合うけど……何か大人っぽくないか?」

 

ロキは基本的にはレキにそっくりだがそれでもレキより幾分童顔なんだ……あんまり大人っぽいと少し違和感あるんだよな……

 

「じゃあ……こっちは?」

「ぶふぅ!」

 

一毅は目を限界まで見開いて吹いた……何故ならロキが出してきたのは薄手のワンピース……といえば聞こえがいいが用は透け透けの服だ。つうかアラレもない。

 

「お、お前なに考えてやがる!」

「え~似合わない?」

「いや……」

 

似合うと思います。そう言う透け透けはロキみたいに胸がでかいと似合うだろう……レキやライカも絶対似合うけどさ……

 

「そう言う問題じゃないだろうが……」

「ちぇ~」

 

ロキは唇を尖らせたがそのあと結局コートを買った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこともあったが二人でいろんな場所を見ていく(時間が殆ど無かったもののちゃんと観光名所も回った)と日が落ちてきた……しかし……時差の影響かさすがに眠いな……ロキも少し瞼が重そうだ……

 

「何処かでなんか食うか?」

「そうだね……」

 

ふにゃりと可愛い口を開けてあくびをするロキを横目に一毅は周りを見る。見てみればマックとかもある……とは言えフランスに来てまでマックにいかなくてもなぁ……すると、

 

「ねぇねぇあそこは?」

「え?」

 

ロキにそういわれ見てみるとその先にはレストランのようなものがあった。

 

「だ、だけど良いのか?高そうだしスーツ着用の義務みたいなのありそうじゃね?」

「そんな店じゃないよ……見たらわからない?」

「わからねぇよ……つうか俺のイメージはフランスの店っていうのはブランドのスーツと時計をつけてマナー良く葉巻吸いながら食うって言う……」

「それは偏見だよ……」

 

一毅の良くわからないイメージにロキは苦笑いした。

 

「ま、何事も経験だよ。さ、行こうか」

「嫌でも俺ああいう肩が懲りそうな店で食うのは……」

「はい文句は言わない。そして今から慣れてた方がいいんじゃない?遠山キンジ先輩日本に居られなくなるかもしれないんでしょ?世界中飛び回ったら肩が懲りそうな食事も増えるよ」

 

とズリズリロキに一毅は引きずられていった……とは言え入っていった店はそこまで格式高い訳ではないのだがそれでも一毅はカチンコチンに固まっていてロキは思わず笑ってしまったのは余談だし一毅からすれば黒歴史になってしまった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつまで笑うなよ」

「御免ってば」

 

一毅はふてくされロキはまだ頬を弛ませながら謝る。二人は食事のあと今夜の宿を求めてホテルに入る。勿論交渉はロキの仕事だ。一毅では話せないから無理だし……

 

「じゃあ行ってくるね」

 

とロキはホテルの人にフランス語で話し掛ける……内容は全くわからん。チンプンカンプンだ……するとロキが戻ってきた……

 

「お、おにいちゃん……」

 

何かすごい緊張してる声だ……どうした?

 

「な、何かね……ホテルの部屋ひとつしか空いてないらしくてね?いやぁ困ったね……同じ部屋で泊まるしかないよ」

「いや……なら俺は別のホテルにすれば……」

「もう他のホテルも同じような感じだと思うから大人しくここにした方がいいよ!夜遅くなると治安悪いしね!」

「あ、はい……分かりました……」

 

一毅は大人しくしたがう……何だと言うんだ?そしてなんでホテルの人はグッと親指を立ててるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言うわけで現在ホテルの部屋なのだがロキはシャワーを浴びてる……うん……精神衛生上良くないね……更にベット……大きいんだが1つしかない……更に大きいと言ってもベット一つ分だしガタイが無駄に良い一毅が寝たら場所とってロキとくっつきながら寝てしまうことになる……これはソファーで寝るしかないな……何て一毅が考えてるとバスルームからロキが出てきた。

 

「次どうぞ~」

「了かぶふぅ!」

 

了解……と言おうとしたが一毅は飛び上がった……何せロキの格好……昼間に見せてきた透け透けのやつだった……下着見えてるって!

 

「どう?」

「いや眼福……じゃなくて!何でお前着てんだよ!」

「こっそり買っておいたの。もっと見てもいいよ?」

 

ロキがこっちに来た……こうなれば!

「おぉ!」

 

一毅は一瞬で深紅のオーラ(レッドヒート)を発動させロキの死角に消えて着替えをとってそのままシャワー室に飛び込んだ……欧州初公開の深紅のオーラ(レッドヒート)はあんまりな登場であった……

 

 

 

 

 

「はぁ~」

 

その後一毅はシャワーを浴びるために服を脱いだがふと見てみると風呂桶にしては小さい……お湯をどうやって貯めるのかわからないが取り合えずシャワーでお湯を貯めるとそこに浸かる……ぬるいな……しかも肩まで浸かれない……仕方ないので棺桶に寝るみたいにして風呂に浸かっておく……駄目だもっと深くないとな……もしかして欧州の方では半身浴しかしないのか?

 

「文化の違いってやつかねぇ……」

 

そう思いつつロキの行動を振り替える……いや一般的に鈍い鈍感といわれる一毅でも流石に違和感を覚える……元々くっついたりしてくる女の子だったがそれでも今回は妙に機嫌がいいし何か何時もより女子女子してるし極めつけに明らかに貞操の危機管理的なものを捨てて来てる感じだ……幾らなんでもなにかが可笑しい……どうしたんだロキのやつ……

 

(まさか誰かにフラれて自棄になってるとか?)

 

と一毅の思考はだんだん可笑しい方向に向かいそうになっている……だがいやそれなら自分にじゃないだろと自己修正して取り合えず風呂から上がる。多分外国に来て気分が高揚してると言うことにしておこう……他の理由が検討つかんし……

 

そう考えつつ部屋着に着替え部屋に恐る恐る戻る……何時もからかい終われば普通に戻るとは言えそれでもやはり一応安全確認だ……

 

「あ、お帰り~」

「あ、うん……」

 

ほらな……嫌な予感がしたから見てみればロキはまだあの服だった……その服でベットにゴロゴロしてるのだから無駄にエロい……こいつには危機管理と言うやつがないのだろうか……だが下手に口にすれば薮蛇になるので言わない方がいいだろう。こう言うのはそっと視線をはずせばそれでいい……

 

「さて今日はもう寝ようぜ。俺は時差のせいで眠い」

「そうだね、はいどうぞ」

 

とロキは横にずれた……え?

 

「どういうつもりだ?」

「そう言うってベットにお兄ちゃんが入るスペースを作ったんだけど?」

「いや……俺はソファで寝るけど?」

「そんなんじゃ疲れとれないでしょ?それとも私に欲情した?」

「ち、ちがわい!」

「なら大丈夫だよね?」

「……………………」

 

一毅はこんなことになるなら素数くらい数えられるようにしておけばよかったと心で泣いた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と言う訳で一毅はベットの隅っこに縮こまりながら寝ることになった……だがこれの方が寝づらい気がするんだが……不味い……何かロキのチョコミントの香りがこっちに来てる気がする……

 

(確か素数は……2、4、6、8、10、12、14…………)

 

因みにこれは素数ではなく只の偶数である……何てやっていると……背中にフッカフカの何かが当たった……もみにゅう……っと背中に当たって形を変えるソレはロキの胸だと言うのは奇しくも毎日のように当てられてるのですぐにわかる。と言うかこの部屋にいるのは自分以外ではロキだけなのでそれ以外はあり得ない。

 

「おいロキ……お前なにして……」

 

っと振り返ろうと体を一瞬仰向けにしたのがイケなかった……その瞬間にロキに組伏せられた……

 

「お、おい何する気だ……ロキ……」

「お兄ちゃん……年頃の男女が同じ部屋でベットに寝てるんだよ?することなんて一つでしょ?」

「お、おい幾らなんでもこれはやりすぎだろ……旅行先で高揚とかの次元を越えてる……」

「違うよ……」

ロキは否定した……

 

「私ね……お兄ちゃんが好き……勿論異性としてね」

「…………え?」

「そんな意外そうな顔しないでよ。お兄ちゃんだっていつだったか言ってたじゃん。私とお姉ちゃんは似てるって……男の好みも被っちゃったんだよねぇ…………アハハ……」

 

ポトッ……っと一毅の頬の滴が落ちた……

「ごめんね……お姉ちゃんの彼氏好きになるってイケないよね……ごめんね……もうお姉ちゃんやライカいるのに好きになっちゃって……ごめんね……」

「ロキ……」

 

掠れた声でロキは続ける……

 

「だから一回だけでいいから……今夜だけでいいから……私を彼女として扱って……て言うのはダメ?今夜あったことは夢だよ……って言うのはダメかな?明日にはもう姿消してるって言うのでもダメなのかな?」

 

ロキはポロポロ涙を目から落としていく……あぁ、自分は最低だな……結果として自分はロキの好意に気付かず追い込んでいたんだ……女に泣かれた時点で……男の負けは決定してるんだよ……と、いつぞやのヒステリアモードキンジが言っていた……そうだな……

 

「全部ダメだ」

「っ!――そうだよね……ごめむぐ!」

 

言いきる前にロキの顔が一毅の胸に押し付けられた。

 

「お前なぁ……俺の性格からしてそう言われたらもう見捨てらんねぇのくらい分かっとけよ……」

「…………」

 

一毅の胸でロキは顔を隠す……

 

「レキからな……メール来てたんだ」

「え?」

「【これから妹共々お世話になります……あとかえったらライカさんと一緒にビンタ一発ずつですよ】ってな……いきなり送られてきたときは意味わかんなかった。もう既に一緒に住んでるじゃんってさ……でもまぁ本来の意味はこう言う風になるのも見抜いてたんだろうな……だからロキ……その……あれだ……頼むから何処にもいくな……俺を好きでいてくれないか?」

「でもビンタだよ?」

「お前に泣かれるより良い……」

 

体の痛みは……元々痛みにも鈍いし直ぐに治るけど……心の痛みや喪失感は一生残る……ここでロキと一生の別れになったなんて言う方がずっと嫌なんだ……

 

「良いのかな……」

「良いよ……」

 

ロキは頬を染めて頷いた……

 

「ねぇ……」

「何だ?」

「ん……」

 

とロキは目を瞑って顔を突きだす……流石にこれの意味くらいはわかる。

 

「分かったよ……」

 

チュッと互いの唇をくっ付ける……暫しくっ付けたままにして離すとロキは笑った……

 

「大好きだよ。お兄ちゃん」

「……俺もだよ」

 

そっと髪を鋤いてやりながら言うとロキは嬉しそうに頬を弛ませながらそのまま一毅に抱きついて眠りについた……本当は彼女も疲れていたんだろう……まあ当たり前か……

 

「もうキンジのこと言えねぇよなぁ……全く……」

 

一毅の独り言は誰かに聞かれることはなかった……




取り合えずこれで完落ちですね……うん……一毅も大概だね。でも一毅のメインヒロインはこれで最後です。一毅にホの字になる女の子は出ますけど……

取り合えずこれを読んでくださった方が苦いコーヒーをのみたくなるような話を書きたかったのですが……まぁ難しいです。中々上手くいかない。やっぱり恋愛系は苦手です。さて次回はメーヤも登場し遂に魔女連隊との戦いになっていきます。そして前編終了時にはあいつらも出てきますし段々盛り上がっていく予定です。では又次回お会い出来たらお会いしましょう。

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