緋弾のアリア その武偵……龍が如く   作:ユウジン

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龍達と独奏曲

【豪華客船・アンベリール号沈没事件】…去年に起きた事件でその事件には一人の武偵が絡んでいた…その名は【遠山 金一】…一毅も面識がある男でキンジの実の兄である。その実力は全てに於いて二人を上回っておりヒステリアモードもキンジと違い完全に使いこなせていた…

だがその事件で客を逃がすことに成功したが自分は逃げ遅れ…死んだ…

だがそれだけではなかった…事件を責めたてられることを恐れた会社は事故の責任は事前に止められなかった武偵にあると断定…その矛先は無論キンジにも向かい【無能武偵の弟】【最低の武偵の弟】【役立たず武偵の弟】等々連日のように記者も押し寄せた…当たり前だが寮長さんが全部門前払いだったがキンジは絶望したのだ…武偵の不遇さに…そして知ったのだ、自分の命を捨てて助けても社会は簡単に裏切る…そして決めたのだ…武偵なんて辞めてやる…と。

 

 

っと今はそんなことを考えてる場合じゃない…今は…これに集中しよう。

 

【あと言い忘れてましたが自転車には爆弾がついてやがります~一度乗ると次に降りたときに爆発しやがります~キャハ!】

「何がキャハ!…だコンチクショー!」

 

一毅はさらに加速する。さっきとはうって変わり撃つことはなくなったがその分周りを取り囲んで一毅達の邪魔をしてくる。

 

「とにかく人気ない所まで行くぞ!」

 

キンジの言葉にうなずくと二人は曲がる。

 

「しつけぇええええええ!」

 

一毅は叫びながらペダルを漕ぐ。

すると…一毅たちの視界に人影がある。建物の屋上にいたそれは飛び降りた。

 

『ええ!?』

 

一毅たちの驚愕を他所にそれはパラシュートを広げ銃を構えた。

 

「そこの馬鹿男子共!後ろの女子みたいにさっさと頭下げなさい!」

 

キンキンのアニメ声でそう命令した女子は武偵高校のセーラーを翻しコルトガバメントを二丁抜く。

 

『ちょ!』

 

一毅とキンジは咄嗟に頭を低くする。そしてさっきまで頭があった場所を銃弾が通過し、一毅達を囲んでいた四機がなくなる。凄まじい射撃能力だ…通常拳銃は7、8メートル当てられれば一流だ。それをその三倍はありそうな距離から当ててきた…何者だあいつ…

 

「って待て!この自転車には爆弾がついてる!」

 

するとキンジはこっちに来たアニメ声の少女に叫ぶ。だが、

 

「黙りなさい!」

 

アニメ声の少女は銃を仕舞いながらこっちに来た。

 

「武偵憲章第一条!仲間を信じ仲間を助けよ!行くわよ!」

「行くわよって…げ!」

 

一毅は顔色を悪くする。視線の先にはなんと逆さまになり両手を広げるアニメ声少女が…

 

「嘘だろそんな助け方あるか!」

「文句言わずに漕ぐ!」

「くそ!行くぞ一毅!」

「勘弁してくれよ…レキ、絶対離すなよ」

「はい」

 

そう言って一毅とキンジは漕ぎまくる!

 

『ウォオオオオオオオオオ!!!!!!!!』

 

そしてキンジはそのまま突っ込み一毅はレキを着けたままキンジに抱きつく… そして大爆発した…

 

 

「い…つつ…」

 

一毅は目を覚ます。流石に気を失っていたようだ…胸にはレキがしっかりといる。無傷だ…

 

「よかったよかった」

 

一毅もたん瘤はできたっぽいが骨折等の怪我はない…するとレキが目を開けた。

 

「大丈夫ですか?」

「まあな」

 

一毅はそのままレキをお姫様だっこし持ち上げる。レキは小柄だから軽いのだ。

 

「ドラグノフは大丈夫そうか?」

「残念ながら銃身が僅かに歪んでます。暴発や不発(ミスファイヤ)の可能性があり射撃は難しいです」

「そうか」

 

一毅はレキを持ったまま歩く…どうも体育館の倉庫らしい…ここまで吹っ飛んだのか…

 

「さて…」

「ええ…」

一毅とレキはこのまま気づかないふりしようかと思った…だが無理そうだ…

 

「この強姦魔!」

「誤解だ!」

『何故こうなった(んだ?)(んですか?)』

 

一毅とレキは親友が跳び箱の中で小学生を脱がすと言う犯罪現場を目撃してしまった…

 

「キンジ…冗談でロリコンと言っていたが本当にロリコンだったとは…」

「ロリコンは犯罪ではありません…ですがキンジさんのように行動に移したら犯罪です」

そう言って一毅とレキは手錠を出す。

 

「時々面会に位には行ってやるよ」

「差し入れはカツ丼が良いですか?それともロリ専門のエロ本が良いですか?」

「どっちもいらんし違う!」

「言い訳は署で聞こう…」

 

一毅は渋い声で手錠をジャラッと鳴らす。

 

「この場合の署は尋問科(ダキュラ)です。そして武偵三倍刑の下に体罰も待っています」

「ここで言わせろ!」

 

キンジが叫んだ瞬間銃弾が来る。

 

『っ!』

 

一毅とレキは素早く横に飛び、キンジと小学生は跳び箱に隠れる。

 

「又来ましたね…」

 

倉庫の前にはUZI(ウージー)付きのセグウェイが六機程いた…

 

「他に予定はないのかよ…」

 

一毅は殺神(さつがみ)の鯉口を切りながらため息を吐く…

 

「何だよあれ!」

 

キンジが叫ぶ。

 

「武偵殺しの玩具よ!あんたも戦いなさい」

 

無理だ…と一毅は直感した…ヒスってれば別だが今のキンジでは難しいだろう。となれば自分が行くか…と思っていたところで銃撃が止む。

 

「……敵は?」

「垣根の向こうに追い払っただけよ」

「上出来だ」

 

一毅は首をかしげる…おかしいなぁ…何でこの声のトーンのキンジがいるんだろう…

一毅は脂汗を垂らす。そんな中でもキンジはにこりと笑いかけると小学生を先ほど一毅がレキにそうしたようにお姫様抱っこで持ち上げる。

 

「ご褒美にお姫様にしてあげよう」

「テメェなに成ってんだよ!!!!」

 

キンジと一毅の声が重なった…こいつどんな状況だったか知らないが成りやがった…ヒステリアモードに…

一毅とレキのジト目もスルーしてキンジは小学生を安全な場所に下ろす。

 

「六体か…一毅、半々でやろう」

「この変態野郎め…」

「全く否定ができないね」

 

キンジはきれいな笑みを浮かべながら歩き出す。

 

「ったく…」

 

一毅もそれに続く…

 

「な、何しに行くのよ!」

 

突然雰囲気が変わったキンジに小学生は困惑する…

 

「アリアを…守る」

 

アリアと言うのか…と一毅は内心思いながら見てみるとアリアはミルミル顔が赤くなる。こっちのキンジは喧嘩の腕も一流だがフラグの建築も一流だ…

 

「ったく…」

 

一毅は頭を掻きながら外に向かう。

 

「行ってくる」

「はい…」

 

レキに見送られキンジと外に出ると相手も戻ってきていた…

 

「さて…行くか!」

 

 

一毅は殺神(さつがみ)を抜刀すると走り出す。

 

「二天一流・秘剣!」

 

銃弾を避けながら一毅はスライディングして躱しつつ…

 

「疾走斬!!!!」

 

一機切り捨てると一毅は跳んで躱す。

 

「ウォオオラァ!」

 

二機目を真っ二つにすると最後の一機に神流し(かみながし)を投擲し、刺さったのを見届けるとその刺さった神流し(かみながし)を台に跳ぶ、

 

「二天一流・必殺剣!躍り猫!!!!」

 

あっという間に三機破壊し一毅は刀をしまった。

 

 

キンジは三体を見据える…

 

「っ!」

 

次の瞬間には銃弾が飛んでくるがキンジは上半身を逸らして躱す。

 

「良い狙いだ…玩具の割にだけどね」

 

キンジはそう言って軽く笑うと走り出す。

 

「ウッシャア!!!!」

 

キンジは跳ぶと目の前の一機に蹴りを叩き込む…だが更にその反動で反対側の二機の前まで跳ぶと…

 

「三角飛びの極み!!!!」

 

二機まとめて蹴りで破壊した…相変わらず曲芸師みたいな身軽さだ…いつか空でも飛べそうだ…流石に無理か?

 

「さて…」

 

一毅とキンジの二人は倉庫に戻っていく…

 

「ただいま」

「お帰りなさい…」

 

するとアリアはいつの間にか跳び箱の中に戻っていた。

 

「べ、別にあんたたちが居なくたってあれは私だけでも何とか出来たわ!ほんとよ!って言うか誤魔化されないんだから!あんたは私を脱がそうとしたわ!それは立派な犯罪よ!」

 

中でスカートを弄っている。大方スカートのホックが壊れたんだろう。そこにキンジは自分のベルトを投げる。

 

「落ち着いて欲しいアリア…それは悲しい誤解だよ」

(ヒスった癖に…)

「…………」

 

一毅とレキが冷たい視線を向ける。

だがヒステリアキンジは気にも止めない。

 

「何が誤解よ!私を脱がせた癖に!」

 

アリアはベルトでスカートを止めると跳び箱から飛び出す。

しかしこうやって見ると本当に小さい…レキも小柄だがそのレキより頭ひとつ分低い…

 

(150も無いな…140位か?)

 

一毅が首を捻る。

そんな中でもアリアは叫ぶ。

 

「せ、責任取りなさいよ!」

「待つんだアリア…俺はもう高校2年生だ…中学生に手を出すわけがないだろう?」

(ヒスっといてよく言うぜ…)

 

一毅とレキの冷たい目も更に強まる。それと同時にビキッとアリアの表情が固まった…

 

「わ、私は!中学生じゃない!」

 

ドドンドドンと珍しい地団駄を踏む。

それを聞いたキンジは慌てて、

 

「ああ、インターンで入ってきた小学生か…いや~あんな危険なところに来るなんて凄いよアリアちゃんは…」

 

キンジがそこまで言った瞬間キンジの足元に銃声と共に銃痕が出来た…

 

「こんな奴助けるんじゃなかった…私は…高2だ!」

『え!!!!』

 

傍観に徹していた一毅とレキもキンジと一緒に驚いた。あれで同い年だと!?

だが驚いてばかりでは居られない、キンジの方では次の瞬間にはガバメントが向けられていた。

 

「うぉ!」

 

キンジは素早く腕を固定して自分に向けられないようにすると全弾撃ち尽くさせる。

 

「ウルァ!」

 

だがアリアはジャーマンスープレックス要領で投げるとキンジは転がる。

あのヒステリアキンジ相手によくやる…と一毅は舌を巻く。

 

「強姦魔は…風穴ぁああああああ!!!」

 

アリアはリロード使用とするがマガジンがない。

するとマガジンはキンジが手の中で弄んでいた。

 

「ああ!」

「御免よ」

 

キンジはアリアとは別の方向にぶん投げた。

 

「は、反省の色は無しね…良いわ…」

 

するとアリアは背中から小太刀を二本抜いた。一毅とは違うが二刀流である。

 

「強姦魔風あきゃうわ!」

 

だがアリアはキンジがマガジンを投げる前にこっそり転がしといた弾丸を踏みつけて転ぶ。

 

「さて、一毅、レキ。行こうか」

「だなぁ…」

「はい」

「あ、こら待ちなうきゃあ!あんたたちも仲間ね、あんたたちもきゃう!風穴うゃう!」

 

立とうとしては転び…立とうとしては転びを繰り返し続ける…大丈夫かこいつ…等と考えながら一毅はレキとキンジと共に歩き出した。




ヒステリアキンジ相変わらず結構書きづらい。

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