IS〜異端の者〜   作:剣舞士

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今回はちょっと長くなりました。

それではどうぞ!!!!


第5話 家族

三日後。長野の山中のとある施設で麻薬の密売組織がいるとの報告を受け、俺たちはその組織の制圧任務に駆り出された。本当なら警察の特殊部隊などが制圧しに動くのだが、表立った情報や証拠がない限り警察は動けない。なので “暗部には暗部を” と言う事で、更識家の出番と言うわけだ。俺たちは麓の方で陣取り、作戦会議を行った。

 

 

 

 

 

 

「作戦としては、刀奈率いる強襲部隊が正面及び裏口から突入! 簪は打鉄弐式を展開し、敵拠点への電子攻撃…相手を撹乱してやれ! 刀奈も必要に応じてIS…ミステリアス・レイディを展開しての応戦も許可する!」

 

「「 了解!!!」」

 

「そして、一夏と少数の部隊は隠し路から逃げる賊の捕獲だ! ここまでで質問があるやつは?」

 

「「…………」」

 

「よし! それでは、17:00時において制圧任務を開始する! 各員、持ち場に付け!!!」

 

「「「 了解!!!!!!」」」

 

 

 

 

みんな、各自の持ち場へと行き、準備を始める。俺も自分の持ってきた荷物から戦闘服とトワイライトを持ち、準備する。トワイライトでの魔法の訓練は大方順調で、ドライブ継続時間もかなり長くなった。そして、こいつにはもう一つ機能があり、俺の意思で剣の形を変える事が出来るようだ…。今のところ竹刀の長さだが、必要に応じてさらに長いロングブレードになったり、直剣から反りのある刀に変える事が出来るみたいだ。まぁ、流石に短剣などの小さいのは出来なかったが、それでもすごい。改めてこいつは『魔剣』なのだと実感した。

 

 

 

「さて、俺も着替えるとするか……」

 

 

 

そう言って、戦闘服に着替え始める。全体は白を基調とした服で黒い線が入っている。胸当てとして、白銀の騎士甲冑の様なものが楯無さんから渡された。長袖のジャケットで裾だけがちょうど腰当たりまでであろうか…ベージュ色の七分丈のボトムスに黒い軍靴。そして、腰から脚を覆う形で垂れ下がる外套。黒のオープンフィンガーの手袋とトワイライトを帯に通して準備完了。楯無さんの所へ向かう。

 

 

 

「おお、一夏!準備出来たか」

 

「あぁ、しっかし……目立つ色だなぁ〜これ…」

 

「仕方ないだろう。お前に合うサイズがこれしかなかったんだから…それにお前のその髪色だ。どんな服着ても目立つだろう」

 

「まぁ、そうだけど…」

 

 

 

確かに、今の俺の髪色は薄桜色の様な色でたとえ黒や紺色の服を着て闇に紛れても目立つ。まとめればいいのでは? と思うが髪が長くてむしろ不快になるから却下した。まぁ、仕方ないからこれでいく事にした。

 

 

 

「そういやぁ〜お前、銃とか撃てるのか?」

 

「ん? マシンガンとか重機間銃とかは無理だな。小銃ぐらいは撃った事あるけど…」

 

 

 

 

トレイラーにいた頃は、主に剣を使っていただけで銃だって撃てる。ただ、あまり大きいやっぱり使ったことがないし、剣片手に撃てないから使わなかったのだ。

 

 

 

 

「そうか。なら、こいつを使え…」

 

 

 

っと、楯無さんが俺に手渡す。ホルスターに入ったスチールフレームの銃。確か…『ベレッタ』…だったけか?

 

 

 

「そいつは『ベレッタM92F』だ。使い勝手はいいやつでな…使用弾数は15+1だ。お前にはうってつけの銃だろ?」

 

「うーん。まぁ、ないよりあった方がいいしな。わかった、もらっておくよ」

 

 

 

そう言って俺は楯無さんからベレッタとマガジンを貰う。

すると、こちらに刀奈さんと簪がやってくる。

 

 

「準備は出来たみたいね…」

 

「えっと…その…よろしく?」

 

「あ、あぁ。よろしくお願いします」

 

 

 

 

これで全員の配置が終わった。刀奈さん率いる強襲部隊は二手に分かれ、正面と裏口付近に待機。簪は一足早く打鉄弐式を展開して空間ディスプレイを出し、キーボードを打っていく。

 

 

 

「それが簪の…」

 

「うん、私の専用機…打鉄弐式」

 

「すごいなぁ…こんなに近くでISを見たのは初めてだ…意外とスマートなんだな」

 

「まぁ、私のは装甲が少ないから……それにまだ完全には完成してないの」

 

「えっ? これで完成してないのか?」

 

「うん。ブースターやレーダーなんかのシステムはできてるけど武装がまだ。今あるのは近接格闘用の超振動薙刀の夢現だけだし…」

 

「ヘェ〜。これはどこで作ってもらったんだ?」

 

「家で…」

 

「家?! って! 自分で組んだのか!?」

 

「うん。お姉ちゃんや虚さん…それに本音も一緒に作った」

 

 

 

 

 

みんなまだ中学や小学生の集まりなのに……やはり暗部の人間…恐るべしだ。刀奈さんや虚さんは少し分かるとして本音まで作製に関わっていたとは、人は見かけに寄らないとはこの事だな。

そんな会話をしているうちに簪によって行われた電子攻撃での撹乱が始まった。建物内が少し慌ただしくなっているのが遠目からでもわかった。

 

 

 

 

 

「何事だ!!」

 

「何者かによってシステムが乗っ取られていきます! このままでは…」

 

 

 

 

ドカン!!! ドン!!

 

 

 

 

「何だ?!」

 

「正面及び裏口から侵入者です! かなりの数の武装者達が流れ込んで来ます!」

 

「ええい!! 何故ここが暴露た?! ここは警察でも手だし出来ない……ッ! そうか! 暗部の更識を使ったのか! くそっ!!!」

 

 

 

 

 

 

その頃、入り口付近では…

 

 

 

 

「A班、B班! 各自武力介入を試み、敵勢力を制圧! 拘束せよ!」

 

「「うおおおおぉぉぉぉ!!!!!!」」

 

 

 

 

刀奈の号令によって強襲部隊が突入。次々に組織のメンバーと思しき連中を拘束、無力化していく。

 

 

 

一方、俺はというと…

 

 

 

「本当にこんなとこに人が逃げ込んでくるのか? ほとんど制圧されたんじゃ…」

 

 

 

隠し路の出口と思われる付近に潜伏していた。俺たちの役割はそこから逃げ込む連中を徹底的に捕獲する事だ。

 

 

 

「一夏君、よろしくね?」

 

「あっ、はい! 香奈恵さん」

 

 

 

この任務には香奈恵さんも同行していて、彼女はドラグノフ狙撃銃を持っている。楯無さんの情報だと、昔は腕利きのスナイパーだったとか……ほんと、人は見かけに寄らないな……

 

 

 

「それじゃあ私は遠方から援護するから…一夏君は前ね♪」

 

「了解…香奈恵は俺が護りますので安心してください」

 

「あら〜、ありがと一夏君♪ お母さん惚れちゃいそうよ♪」

 

「アハハ…………」

 

 

 

 

そんなこんなで態勢を整えていると、目論み通り数人と男達が出てきた。それにすかさず俺たちは奇襲をかける。

 

 

 

「確保おぉぉぉぉ!!!」

 

「くそっ!! ここにも…うわあぁぁッ!!!」

 

「こんのぉぉ!!! 死にさらせぇぇ!!!」

 

 

 

 

ドォン!!!

 

 

 

「ぐあぁぁッ!!!」

 

 

 

 

 

突入と同時に軽く戦闘を行ったが、全ての組織員を確保し、抵抗しようとマシンガンを構えた男には容赦のない香奈恵さんの狙撃が腕に命中。男はそのまま拘束された。どうやら楯無さんの情報は確かなものだったらしい。

 

 

 

 

「うふふ♪ どんな時でもチェック・シックス…後方注意を欠かしたらダメよ?」

 

 

 

そういいながらこちらに近づいてくる香奈恵さん。そして俺はいまだに戦闘中。

 

 

 

 

 

 

「くっそ! どう考えても火力負けしてんだろこれ!! っと、うわぁっ‼」

 

 

 

相手の男はサブマシンガン、俺は剣とベレッタのみ…どうあがいても火力負けしてしまう。

 

 

 

「落ち着け…どうにかしてあいつの懐に入れたなら、こちらが優位だ。しかし、どうやって? この距離からだと剣もベレッタも届かないからダメだよな…弾丸を斬って進むしかないか?」

 

 

 

普通はそんな事無理だ。弾を躱し、弾丸の雨を進むのは自殺行為だってことはわかっている。しかし、一夏にはそれが出来るという確信があった。

 

 

 

(俺の〈ストライク・ビジョン〉は数秒先の未来を直感的に読み取れる…。ならば、弾丸を予測して斬る事だって出来るはずだ…ッ! いや、やってみせる‼)

 

 

 

森の木々に隠れていた俺は改めて敵の位置を確認し、そこから一気に駆け出した。

 

 

 

 

 

「ッ! そこにいたか!」

 

「……リベレイト!!!!」

 

 

 

すぐにリベレイトして、トワイライトが薄紫色に染まる。相手は俺を認識すると、すかさず照準を俺に合わせてきた。

その銃口から飛んでくる弾丸がどうやって、どこに向かって飛んでくるのか、俺のストライク・ビジョンが読み取る。

 

 

 

 

(頭、下腹部、心臓、脚、腕……急所を狙ってきているが…そいつは無駄だぜッ!!!)

 

 

 

 

その後、銃声が鳴り響き、俺に向かって無数の弾丸が飛んでくるが俺はその弾丸を、自分の体に命中するやつだけをトワイライトで斬り落としていった。

 

 

 

「くっ! はっ! せいやッ!!!」

 

「なっ!? う、うそだろ!!!!」

 

「よし! この距離からならッ!」

 

 

 

 

相手は弾切れしたのか、カートリッジをリロードしはじめたので、俺は腰に直してあったベレッタを引き抜き、相手に対して撃つ。

 

 

パン‼ パン‼ パン‼

 

 

 

「ぐあっ!!!?」

 

 

三発撃った弾が相手の銃と左手を撃ち抜き、右の脇腹を掠った。

 

 

 

「はああぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

 

 

 

最後の跳躍で、相手の持っていたサブマシンガンを右肩もろとも巻き込んでトワイライトで突き刺し、そのままの勢いで建物の壁に叩きつけた。

 

 

 

 

「かっはぁッ!!………あ、ありえねぇぇ……」

 

 

 

 

最後に一言言って、男は気を失ってしまった。やりすぎた感があったが、何とか全員を確保する事に成功した。

 

 

 

「お疲れ様、一夏君。 しかし、君はほんとにすごいわね…銃弾を斬るなんて、あの人や刀奈にも出来ないわよ?」

 

 

 

まぁ、普通はそうなんだが…半分人間をやめてる一夏にとってこんなのは造作でもない。

 

 

 

「あれ? 他の人たちは?」

 

「あぁ、みなさんは建物の中に入って加勢するって言ってたわ。私たちはたぶんもう大丈夫じゃないかしら?」

 

「じゃあ、そろそろ移動しますか。大丈夫だと思うけど、もしかしたらまだ仲間がいるかもしれませんし……」

 

「そうね♪ じゃあ護衛よろしくね♪」

 

「了解です」

 

 

 

 

そう言って俺と香奈恵さんは拠点に向かって歩き出し、途中で任務を終え、見回りをしていた刀奈さんとであわせた。

 

 

 

「お母さん! 怪我は? 大丈夫?」

 

「えぇ、一夏君が護ってくれてるから安心よ♪」

 

「いや、そもそもそんなに危ない事が無かったんですけどね…」

 

「まぁ、あなたにしたら良くやったんじゃないかしら? 怪我も無いみたいだし」

 

 

 

 

未だにギクシャクしている俺と刀奈さん。それを見て香奈恵さんも「あらあら♪」などと言っているが、意外と心配してくれていたのは嬉しかった。

刀奈さんは中学の制服姿で、なんだかほんとにお姉ちゃんって感じに包まれている。ふと、元いた家族の事を思い出す。千冬姉は高校生でありながら俺たち二人を育ててくれた。IS操縦者として世界大会に出てはブリュンヒルデなどと呼ばれ、世界的にも有名人になってそれでも俺と千秋のことを気にかけてくれていた。その事には感謝はしている。だが、結果がこうだ。結局俺は千秋とは険悪なまま、そして、唯一の家族だと思っていた千冬姉も最後は助けにすら来なかった。だから、ここの家族を見ているととても羨ましく思えた。自分の持っていないものをこの家の人たちは確かに持っているのだと、そう思ってしまう。

 

 

 

「おそらくもう、制圧は完了したかしらね。私たちも行くわよ」

 

「そうね。刀奈、一夏君、行きましょう…」

 

「あ、はい! ……んッ?!」

 

 

 

 

再び三人で合流地点へ向かおうとしていた時だった。ふいに俺のストライク・ビジョンが反応した。

 

 

 

「二人とも、あぶない!!!」

 

「「えっ?!」」

 

 

 

 

バババババババ!!!!

 

 

 

 

 

その直後、銃声が鳴り響き、俺たちの立っていた所に無数の銃弾が通り過ぎた。

 

 

「きゃっ‼」

 

「ううっ⁈」

 

「ぐっ…あ……」

 

 

 

 

二人を地面に伏せる様にして庇う一夏。もし、立ったままだったら三人揃ってハチの巣になっていただろう。

 

 

 

 

「お母さん! 大丈夫?!」

 

「えぇ、私は大丈夫……はっ! 一夏君!?」

 

「くっ……だ、大丈夫です…これくらい慣れてますから…」

 

 

 

 

二人はどうやら無事だったみたいだ。俺は二人を庇う寸前、飛んできた一発の銃弾が左腕に辺り、そこから血を流していた。

 

 

 

 

「なにが大丈夫よ‼ 血が出てるじゃない! じっとしてなさい! 今、止血するから…」

 

「相手はそんな事させるつもりはないみたいだけどな…」

 

 

 

 

そう、今こうして話している時にでも相手は銃を撃ち続けている。どうやらやけになって撃っているみたいだった。

 

 

 

「それよりも香奈恵さん、この状況でライフルを撃てますか?」

 

「撃てなくは無いわ。敵の注意を引きつけている間に別地点から狙撃するのは出来るけど……」

 

「けど…?」

 

「さっき倒れたとき、右手を強く打っちゃったみたいで…うまく構えることが難しいわ」

 

 

 

 

そういって俺に右手を見せてくる香奈恵さん。手の甲が少し青くなっていた。

 

 

 

 

「だったら、私がISで…」

 

「いや、それはよした方がいいと思います」

 

「な、何でよ!」

 

「刀奈さんのISは強力すぎるから、逆に俺たちを巻き込みかねません。最悪の場合、相手も死なせてしまう可能もある…」

 

「だったらどうするのよ! あなたの拳銃じゃここからは弾が届かないし、お母さんは撃てない! 私のISを使わないでどうやってきり抜けるのよ!」

 

 

 

 

刀奈さんが俺に対して怒鳴る。だから、俺はそこで提案をした。

 

 

 

 

「刀奈さん……狙撃銃は撃てますか?」

 

「えっ? 別に撃てなくはないわ…」

 

「そうですか…なら、俺が前に突っ込むんでバックアップよろしくお願いします!」

 

「はぁ?! 何言ってーー」

 

「大丈夫ですよ。全部とはいかないまでも、香奈恵さんと刀奈さんに弾はあてませんから…」

 

 

 

 

一夏の自信に満ち溢れた顔を見て、刀奈はきょとんとした。

 

 

 

 

「なんで、そんなに自信を持てんのよ…?」

 

「いや、なんでって言われても…」

 

「それに、なんであなたは……」

 

「えっ?」

 

 

 

 

刀奈は途端に暗い顔で一夏の顔を見る。

 

 

 

 

「なんであなたはそんなに危険をおかしてまで私たちを…」

 

 

 

そう、まだ知り合って三週間しか経っていない一夏はまだまだ赤の他人のようなものだと刀奈は思っていた。しかも、いきなりこんな危険な任務に参加させられているのだ。そんな一夏にとって危険をおかす必要がないはずなのだから。しかし、一夏は。

 

 

 

 

「…………はじめてだったから、さ」

 

「はじめて?」

 

「あぁ、なんか『家族』ってものを感じたのは…はじめてなんだよ」

 

「…………」

 

「俺にはさ、親がいなかったし、姉弟も揃って仲があまり良くなったから。なんか、さ……本物の家族ってものをはじめて感じたんだ……」

 

 

 

自嘲する様な笑みを浮かべて、語る一夏に香奈恵も刀奈も何も言えなかった。

 

 

「一夏君は…『織斑』の家の子だったの…」

 

「織斑って、あの?」

 

「あぁ、俺は織斑 千冬の弟で、天才だの神童だのと呼ばれてる織斑 千秋の兄なんだ…」

 

「……」

 

「俺の事はいいよ。俺はもう『更識』なんだし、あの家に未練もないから…。でもさ、だからこそなんだ! 俺はここにいるみんなを護りたいんだ! はじめてなんだこんな気持ちも…はじめて家族ってものを知って、はじめて護りたいって思えた。だからこそ、危険でも戦う。それが楯無さんと約束した自分の信念のために戦うってことなんだ……だから、協力してほしいんだ刀奈さん!」

 

「…………」

 

 

 

 

一夏のまっすぐな眼差しわ刀奈はずっと見ていた。その間にも敵の男は銃を乱射しては俺たちを誘い出そうとしていた。

 

 

 

「わかったわ! あんたを信じるわよ?」

 

「あぁ、任せとけ‼ 絶対に当てさせない!」

 

「じゃ、一、ニの三で行くわよ…」

 

「OK…」

 

「ふふっ♪ 頑張りなさい、二人とも♪」

 

 

 

覚悟を決め、俺はトワイライトを、刀奈さんはドラグノフを構える。

 

 

 

「……一、」

 

「リベレイト!」

 

「ニの!」

 

「ドライブ! 行くぞ!!!」

 

「三!!」

 

「くっ!」

 

 

 

勢い良く一夏は飛び出し、男はそれに気づき銃を構え、撃つ。だが、ドライブでより集中力と魔力、防御能力が上がった一夏にとって脅威ではなかった。

 

 

 

「くっ! はっ!ってい! せいやっ! はああぁぁ!!!」

 

 

 

一夏が弾丸を斬りすてる度に火花が散る。そして、バク転や側転、半身、あらゆる態勢でも自分と刀奈に当たる弾だけをことごとく斬り捨てる一夏。薄紫色に染まったトワイライトと一夏の薄桜色の髪が優雅に舞う。危険な状況にも関わらずとても幻想的な光景に刀奈は魅力されていた。

 

 

 

 

「今だ! 刀奈さん!」

 

「……ッ! いっけぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

 

 

 

ドンッ!!!!

 

 

 

 

放たれた一発の銃弾は、まっすぐ男の銃口に向かい、やがて銃弾が入り込み、爆散する。

 

 

 

「うおッ!!!!?」

 

「これで、終わりだ!」

 

「ぐほっ……う、そ…だろ…」

 

 

 

最後は一夏がトワイライトの刃をかえして峰打ちで敵を仕留める。

 

 

 

「ふう〜。なんとか、終わったか…」

 

「あなた…ほんとに規格外ね…それに、その剣…」

 

 

 

刀奈は一夏とトワイライトを交互に見る。

先ほどあれだけの身体能力を発揮した一夏と薄紫色に輝き、銃弾をいとも簡単に斬り裂いた剣。それを見て刀奈は一夏に疑いの目を向ける。

 

 

 

「あなた何者なのよ? そんな華奢な体してるくせにあんだけ動けるし、その髪だってそう、それにその剣を使ってる時点で怪しさ抜群だし……」

 

「えっと〜……それは〜、いずれ説明するよ…アッハハハハ……」

 

「ふう〜ん…」

 

 

 

 

なんだかんだで任務を終え、再び合流地点に向かおうとしていた時、刀奈にプライベートチャネルで簪から通信が入る。

 

 

 

「どうしたの? 簪ちゃん」

 

「お姉ちゃん! お願い! 今すぐ合流して! ……このままじゃーーきゃっ‼」

 

「簪ちゃん?! ……簪ちゃん‼ どうしたの?! 応答して‼」

 

 

 

 

 

その言葉を最後に通信が途絶えてしまった。

 

 

 

「何かあったのか?」

 

「わからないわ……。でも、急いだ方がいいわね!」

 

「俺たちも急いで向かおう!」

 

 

 

 

その後、俺たちは森を抜け、合流地点へと到着した。そこには一人の少女が強襲部隊のみんなを斬り倒し、楯無さんと簪が何とか応戦している状況だった。

 

 

 

「ん? あいつは……ッ!」

 

 

 

一夏はふと、その少女の顔を見た。その少女の顔は……

 

 

 

 

「ち、千冬…姉?!」

 

 

 

 

幼い顔をした織斑 千冬の顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






えぇ、一応前以て書いてありましたが、この戦闘シーンはSAOを参照させていただいてますので、わからなかった方はSAOファントム・バレット篇のキリトの戦闘シーンを参考にしてください!


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