IS〜異端の者〜   作:剣舞士

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なんか…一夏との試合より白熱的に書いたような……いやッ、気のせいだ! 気のせい……だよね?


まぁ、とりあえずどうぞ!


第13話 恋慕と嫉妬

一夏対セシリアの試合が終わり、一夏はセシリアをアリーナのカタパルトデッキに送り届けた。セシリアは機体整備の後、今度は千秋と戦う事になり、最後に一夏と千秋の対決が控えている。

ブルー・ティアーズは思いの外、損傷は少なく、エネルギー充填をしている。その間にセシリアはシャワーへと向かった。

 

 

 

 

(まったく歯が立ちませんでしたわ……。あらゆる手を尽くしたと言うのに……)

 

 

 

射撃に、ビットによる多方向からの攻撃。ミサイルでの陽動からの近距離射撃……。あの対決の時、持てる手段はほとんど使った。まだ出来る事もあったが、充分過ぎるほどの戦術を駆使した…が、勝てなかった。

 

 

 

(とても強かったですわね……。あんなに強い男性を見たのは……初めてですわ…)

 

 

 

セシリアの母はとても強い人だった。ISが出来てからも、出来る以前も。幾つもの会社を立ち上げ、厳しい社会の中を生き抜いた人。とても厳しい人だったけど、時に優しくしてくれる…理想であり、尊敬していた。

それに比べて父は…婿養子としてオルコット家に嫁いできて、いつも人の顔色ばかりうかがって……そんな父が嫌いで、将来そんな男性とは結婚しないと決めていた。

そんな最中、セシリアにとって大きな事件が起きた。

イギリスで起きた地下鉄事故…。その事故に父と母が乗っていたそうだ…。原因は不明。残されたセシリアには、オルコット家の莫大な資産が残った。

しかも、それを奪い取ろうと企業の人間や親戚の者までしゃしゃり出てくる始末。だからセシリアは頑張った。資産を守るために…誰にも、自分の大切な物を奪わせない為に…。

だから代表候補生にもなった…。そして、いずれはその高みに登り、誰にも負けないと誓った。

だが、日本に来てみて、思い知らされた…。今まで負けた事のない自分が負けた。自分より強い者がいた事、そして、強く凛々しく逞しい…父にはなかった真っ直ぐな瞳を持つ男性がいる事を…。

セシリアの心には、千秋との試合よりも一夏の事が引っかかっていた…。彼の事をもっと知りたくて、あの強さがなんなのか知りたくて…。

 

 

 

「更識……一夏……」

 

 

 

自然と口から出てしまった。気になる彼の名前が…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いなぁオルコットさん……。大丈夫かなぁ…?」

 

 

 

そんな事つゆ知らず、呑気に飛天桜舞の調整をする一夏。

 

 

 

 

『一夏は相変わらず唐変木ですね…』

 

「へっ? なんだよいきなり…」

 

『なんでもありません…』

 

「なんでもない事ないだろう……なぁ、永遠、何が唐変木なんだよ…」

 

『いえ、本当になんでもありません…」

 

「ん?……」

 

 

 

話しかけきた永遠から嫌味を言われ、聞き返すと冷たい対応だ……。一体何なんだ?

 

 

 

そんなこんなしているとオルコットさんが戻ってきた。ブルー・ティアーズの様子を見て、万全であるのを確認すると、装着する。

 

 

 

「何故、あなたがここにいらっしゃるの?」

 

「ん? いや、ちょっとオルコットさんが心配だったから…中々上がって来ないし、体調でも崩したのかなぁ〜と…」

 

「………それでしたら、先生を呼べば良かったのではなくて?」

 

「いや、遠くにいる先生より、近くにいる俺が駆けつけた方が早いし、何より俺が心配になっただけだから…。迷惑だったんなら謝るよ、ごめん…」

 

「…………」

 

 

 

一夏の天然で女をたらしこむスキルに、セシリアは顔を赤らめて黙ってしまう。自分は一夏の事を馬鹿にし、挙げ句の果てに負けてしまった。しかし、一夏は威張るどころか自分の事を気遣い、心配してくれていた……。ますます心臓が高鳴ってしまい、顔が熱くなる。

 

 

 

「大丈夫? いけそうか?」

 

「へっ!? え、えぇッ! もちろんですわよ! 次こそは勝ってみせますわ!」

 

「そっか。頑張れオルコットさん!」

 

「は、はい! ………えぇっと、申し訳ないのですが、その前に…」

 

「えっ?」

 

 

 

改まってこちらを見るオルコットさん。やっぱり俺、なんかしたのかな?

 

 

 

「申し訳ありませんでしたわ!!」

 

「へっ!? い、いきなり何を…?!」

 

 

 

ISを解除し、俺の近くまで来たかと思うと、いきなり頭を下げて謝罪するオルコットさん。

 

 

 

「代表候補生の身でありながら、わたくしは更識さんと織斑さんを侮辱し、この様な事まで……」

 

「いや、いいよ全然ッ! 別に俺は気にして無いし、オルコットさんがわかってくれたならそれでいいんだ……。だから、もう頭を上げてくれ」

 

「しかしッ! それではわたくしの気持ちが収まりませんわッ!」

 

「アッハハハ………。参ったなぁ…」

 

 

 

 

その後も、謝罪し続けるオルコットさんをなんとか説得し、頭を上げさせた。そして、俺の気持ちを伝える。ちゃんと謝罪を受け入れ、許す…と。それから後は、千秋にも謝る事だ…と。

 

 

 

「えぇ、わかりましたわ……。えっと、その、さ、更識さん?」

 

「ん? なんだ?」

 

「えぇっと、その……名前でお呼びしてもよろしいですか?」

 

「えっ? 名前?」

 

「はい…その、『一夏さん』っと、お呼びしてもよろしいですか?」

 

 

顔を赤らめ、俯きながらそう問いかける。

 

 

「あぁ、………いいよ。その方が俺も気が楽だし」

 

「ッ! で、では! わたくしの事は『セシリア』とお呼び下さい。一夏さん!」

 

「オッケー! じゃあ、これからよろしくなセシリア!」

 

「はいッ! こちらこそ、よろしくお願い致しますわ♪」

 

 

 

お互いに和解しあって、握手を交わし、セシリアは再びブルー・ティアーズを展開して、カタパルトデッキへ移動し、アリーナ内へ向かって飛んで行った。

 

 

 

 

「んッ!?」

 

「どうなさいました? お嬢様」

 

「一夏……また女の子のフラグ立てたわね……」

 

「はっ、はぁー……」

 

 

 

 

アリーナの観客席。そこで観戦していた刀奈と虚。途端に刀奈が何かに反応し、目を細め、恐ろしいくらい低い声で言う…。一夏が女の子を落とした……と。

 

 

 

 

「はぁー……一夏ったら、またO☆SI☆O☆KIしてあげないとダメなのかしらねぇ〜。ウフッ、ウッフフフフ………」

 

「お嬢様、ほどほどにお願いしますね…」

 

 

 

前にも増して嫉妬の炎が強まった刀奈を見て、ため息を漏らす虚。まぁ、先ほども思いっきりセシリアが一夏に抱きつくシーンを目撃している為、嫉妬するのは、当たり前………なのかな? とりあえず、一夏の無事を祈る虚であった。

 

 

 

そして、アリーナにようやく二機のISが登場。先ほど一夏に負けてしまったが、その性能に、申し分ない技術を持つイギリスの代表候補生 セシリアが駆るブルー・ティアーズと、もう一人の注目株。白い機体に白い翼を羽ばたかせ出てきた織斑 千秋。その姿は、一夏が天使ならば、千秋は白い騎士と言うところだろうか……。

 

 

 

 

 

 

「やぁ、機体の方は大丈夫なのかい?」

 

「えぇ、申し分ありませんわ…。それから、あなたにも言っておかないといけない事がありますわね……」

 

「ん? 何かな?」

 

 

 

セシリアは主武装であるスターライトを量子変化し、格納すると、右手を胸元に持っていき、軽く頭を下げる。

 

 

 

 

「この間の事、一夏さんにも謝罪いたしましたわ……。自分が代表としてあるまじき行為をした……と。これで許してほしいとは言いませんわ…しかし、謝らせて下さいな…。本当に申し訳ありませんでしたわ」

 

「あっ………」

 

 

 

 

セシリアの反応に、千秋は呆然としてしまった。彼女なら絶対に自分を罵倒するだろうと思っていたからだ。負けたからなのか、それとも別の何かが彼女を変えたのか。もし変えたのなら、変えた人物はただ一人。

 

 

 

 

(更識 一夏……。お前は一体何者なんだ……)

 

 

 

 

セシリアの謝罪にアリーナに詰めかけていた一組の生徒が唖然としている。プライドの高い彼女の事だ、負け惜しみで千秋に罵声を浴びせるものだろうと思っていたが、どうやら彼女は心を入れ替えたと見える。その姿に、一組の生徒達もホッとした。

 

 

 

「まぁ、僕も悪かったよ。その、つい、ケンカ腰になってしまって…。まぁ、確かに許されることじゃないけど、今は、全力で戦ってもらわないとね」

 

「えぇ、そのつもりですわ…。一夏さんの時には、油断しましたが、もうそれはありませんわ…ッ! はじめから全力でいかせていただきます‼」

 

「望むところだ!! 来いッ!」

 

 

 

カウントが始まり、お互いに武器を取る。セシリアはスターライトを千秋は白式の唯一の武器。雪片弐型をそれぞれ展開する。

 

 

 

 

3………2………1………Battel Start!

 

 

 

「お行きなさい! ビット!」

 

 

 

ブルー・ティアーズからビットが射出され、多方向からのオールレンジ攻撃を仕掛ける。

 

 

 

「ちぃッ! 早速かよ!」

 

 

 

刀身が分かれ、その間からレーザーブレードを展開する雪片弐型。それで一夏同様にセシリアの攻撃を躱し、斬ろうとしてみるが…。

 

 

 

「くっそぉッ! 見えてる所は大丈夫でも、死角からは……うわッ!」

 

 

 

自分の真正面や左右から交互に来る攻撃は避けれても、死角…つまり頭上や真下、背中越しの攻撃には反応が遅れる。

 

 

(ちぃッ! あいつ…この弾雨の中を動き回って、被弾ゼロだったって言うのかよ…ッ!? マジで化け物かなんかなのか?! あいつは‼)

 

 

 

その後もレーザーを斬ったり、避けたりしてみたが、それでも著しく被弾はした。一夏はそれを被弾ゼロで完璧に勝った。自分にも出来なかった事をやってのけた一夏に対し、千秋の嫉妬の業火は凄まじく燃えていた。

 

 

 

(こうなったら、あのビットを一つずつ落として本体を斬るしかないな…。そうと決まればッ!!)

 

(仕掛けて来ますわね……。でしたら、迎え撃つまでですわ…ッ!)

 

 

 

白式とブルー・ティアーズが同時に動く。白式は地上を滑るように動き、ブルー・ティアーズはさらに上空へと上がってビットを操作し、白式を狙い撃つ。

 

 

 

「さっきの攻撃で、動きは読めた!! ここからは僕のターンでいかせてもらう!!」

 

「くうッ!」

 

 

 

先ほどの攻撃を受けてわかったが、セシリアはビットと自分の攻撃を同時にできない。ビットを操っている時は、自分が動かず、自分で攻撃している時は、ビットを収納して戦っていた。どちらかに意識を集中させなければ、操作を維持できないのだろう。そして、もう一つ。偏向射撃〈フレキシブル〉がセシリアは使えないということ。

セシリア対策として、資料を読んだが、ブルー・ティアーズと更識 マドカが乗っているサイレント・ゼフィルスはBT兵器。つまりレーザーだ。すると、そのレーザーを意識するだけで、曲げる事が出来るらしい…。本当かどうかはわからないが、セシリアはそれが出来ないでいる。ならば付け入るスキはある。

 

 

 

「はあぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

白式のもつ雪片がブルー・ティアーズのビットを一つ、二つと斬り裂き、落としていった。ミサイルビットの存在は一夏との戦闘で知っているので、奇襲や陽動には使えない。では、残っているスターライト、ビット、そして、小型ブレード装備のインターセプターで迎え撃つしかない。

 

 

 

「こうなったら、覚悟を決めるまでですわ……」

 

「ッ!?」

 

 

 

セシリアが残り二機のビットを戻し、右手にスターライトを左手にインターセプターを持ち、構える。完全に近接格闘モードに入っていた。が、しかし…。

 

 

 

「驚いたなぁ…。セシリアさんは近接戦が苦手じゃなかったっけ?」

 

「えぇ、そうですわね……。出来ると言ってもみなさんがやっているような真似事しか出来ませんが……」

 

 

 

 

諦めた……っと思うにはまだ早い。現にセシリアの目は、全然死んでいなかった。

 

 

 

 

「まぁいいや、どんな手で来ようと、叩き潰せばいいだけだしねッ!」

 

 

 

 

白式がブースターを吹かせ、一気に肉薄し、雪片を振り下ろす。

 

 

 

「はあぁッ!」

 

「ううッ!」

 

 

 

インターセプターでなんとか受け止めるも、力で圧倒的に押される。

 

 

 

「へぇー、よく受けたね…。これでも結構力いれたんだけど…」

 

「お褒めいただいて光栄ですわね……。ですが、生憎斬り合いに興じる趣味は無くてよッ!」

 

 

 

再び距離を取り、スターライトで狙撃する。だが、それでは千秋を抑えることが出来ず、千秋は再び間合いに入らんと接近戦に持ち込む。

 

 

 

「それはもう見切ってるんだよッ!」

 

「なら、これも見切ってらっしゃって?」

 

「なッ!?」

 

 

 

 

展開されているのは、この試合で未だ使って来なかったミサイルビット。そのニ門のミサイル発射口がしっかりと千秋を狙っていた。

 

 

 

「もらいましたわッ!」

 

 

 

二つの砲門からミサイルが発射され、千秋に向かって飛んで行く。

 

 

「…なんてね! それくらい読んでたよ!!」

 

 

一瞬、雪片の剣閃が煌めき、ミサイルを両断する。

 

 

「わたくしもですわよッ!」

 

「なにッ!」

 

 

ミサイルを斬り、ミサイルはそのまま千秋の後方で爆散する。後は一夏同様セシリアの間合いに入り、雪片で斬れば試合は終わる……。筈だったが、目の前には、セシリアが収納していた二機のビットがあった。

 

 

 

「これでッ!」

 

「クソッ!」

 

 

 

ビットからの集中攻撃が白式を襲い、シールドエネルギーが一気に減ってしまう。

 

 

 

(くそったれ!! あいつに出来て、僕に出来ない筈なんて無いんだッ!! こんな所で負ける訳にはいかないんだよ!!)

 

 

 

集中攻撃を避けるため、千秋は一旦距離をおく。が、当然セシリアもそうはさせまいと追撃にでる。

 

 

 

「このまま落とさせてもらいますわ!!」

 

「舐めるなァァァ!!!!」

 

 

 

撃たれるレーザーをなんとか掻い潜り、残り二機のビットを斬る。これで遠距離攻撃はライフルとミサイルのみ…。それさえ気をつけて接近すれば千秋の勝ちだ。

 

 

 

「うおぉぉぉぉ!!!!」

 

 

イグニッション・ブーストで一気に近づき、下段からの斬り上げでセシリアのインターセプターを弾く。

 

 

「くうッ!」

 

「これで終わりだァ!!」

 

「えぇ……こちらも充分に力を貯めることが出来ましてよ……」

 

「んッ!?」

 

 

 

 

不敵な笑みを浮かべるセシリアに千秋の感が警鐘を鳴らしていた。そして、セシリアの手にもつスターライトの銃口が真っ直ぐ千秋を向いている。

 

 

 

「狙い撃ちですわッ!」

 

「こんのォォォ!!!!」

 

 

 

スターライトから蒼いレーザーが射出され、それを迎え撃つ感じで、雪片のレーザーブレードが振り下ろされる。そして、その二つが同時に当たり、セシリアと千秋のいたその場所で大きな爆発が発生した。

 

 

 

 

 

ドカアァァァァン!!!!!!

 

 

 

 

「「「「ああッ!!!!!」」」」

 

「千秋ッ!」

 

「ッ!」

 

 

 

 

観客席にいた生徒達が、カタパルトデッキにいた箒が、そして、反対側にいた俺もその光景に驚嘆した。果たして勝ったのはどちらなのか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【試合終了 両者エネルギーエンプティ よって両者引き分け】

 

 

 

 

残ったありったけのエネルギーをスターライトに充填し、放ったセシリア。そして、雪片の持つバリア無効化攻撃による直接ダメージを与えた千秋。両者の最後の一撃によって互いのシールドエネルギーが尽き、引き分けと言う形になったのだ。

 

 

 

「うぅ……最後は僕が決めたと思ったんだけどなぁ…」

 

「わたくしもですわ……。最後はありったけの力で放ちましたのに……」

 

 

 

両者共に地面に座り込んでいた。その顔には、もうお互いを蔑む様な顔色は無く、すべてを出しきった、どこか清々しい顔になっていた。

 

 

 

「驚きましたわ……わたくしにここまでダメージを与えられる方が一人ではなかったとは……」

 

「まぁね、一夏程ではないけど……」

 

「ふぅー。改めてまして、先週の件では申し訳ありませんでしたわ……」

 

 

ISを解除し、深々と頭を下げるセシリア。それに千秋は……。

 

 

 

「別にもういいって…。僕もムキになりすぎた…だから、この話はこれで終了ッ!」

 

「そうですか……そうですわね」

 

 

 

そして、千秋もISを解除し、セシリアの所まで歩くと、二人は握手を交わす。

 

 

 

「では、改めてよろしくお願いしますわね…わたくしの事は『セシリア』とお呼び下さいな」

 

「わかった…じゃあ僕も『千秋』でいいよ。よろしくセシリア」

 

「はいですわ♪」

 

 

 

 

 

アリーナの中央で堅い握手を交わす二人に、観客席からは拍手喝采がおくられている。これも青春と言うやつだろうか……。

 

 

 

 

 

一方、一夏は……

 

 

 

 

「千秋のあの武装……。永遠、やはりあれは…」

 

『はい、おそらく雪片の発展型……そして、織斑 千冬が使っていた雪片と同じ能力が使えると見て間違いない様ですね………彼女の専用機 暮桜と弟の専用機 白式……偶然とは思えませんね…』

 

「あぁ、それにあいつとの試合では、フォトンソードは使わない方がいいな……エネルギーそのものを打ち消す武器にエネルギーで形作ったものは無意味だ」

 

『では、実体剣で…?』

 

「あぁ、日本刀で行く…………あいつとはいずれ、剣を交えなきゃいけないって思っていたからな……」

 

『そうですか……。私はあなた剣です。あなたの意志に従うまで…』

 

「そんな悲しいこと言うなよ……頼りにしてるぜ、相棒!」

 

 

 

 

 

 

 

残る試合は一夏と千秋によるもの……。因縁のある対決がこのあと行われる…。その事を知っている刀奈に虚、簪とマドカは心穏やかではなく、むしろ不安でいっぱいだ。だが、信じている…いつでも一夏が勝つということを……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






次回はいよいよ一夏 vs 千秋!


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