IS〜異端の者〜   作:剣舞士

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今回はセシリアvs一夏!


勝負は見えていると思いますが、楽しめたらいいなと思います。

それでは、どうぞ!!


第12話 決闘

一週間が経ち、決戦日当日。

集合したアリーナはクラスメイトや決闘の話を聞きつけた生徒達でいっぱいだった。

 

そして、俺たちはそれぞれの専用機の調整をしてセシリアは既にアリーナ内の上空に、俺はセシリアとは反対側のカタパルトデッキで機体調整をしていて、千秋はその後ろで自分の専用機がくるのを待っている。

 

 

 

 

「さて、織斑の専用機がまだきていないので、更識、すまないがお前とオルコットの試合からはじめさせてもらうぞ? 準備の方は大丈夫か?」

 

「はい、問題ありません。いつでもいけます」

 

 

 

そう言って俺は自分の専用機の待機状態…トワイライトの剣と鞘が交差した様な形になっているネックレスに意識を持っていく。

 

 

 

「いくぜ……飛天桜舞(ひてんおうぶ)…ッ!」

 

 

 

キイィィィン!!!

 

 

 

名前を言うと共に、全身が光に包まれ、そこに白銀の甲冑をつけた一夏の姿が現れた。

 

 

 

薄桜色の髪が優雅に舞い、飛天桜舞の装甲と重なり、その場にいた織斑先生、千秋、山田先生、箒が息を呑むのがわかる。

 

 

 

「それが、一夏の専用機なのか…?」

 

「ん? あぁ、飛天桜舞…それがこいつの名前だ…」

 

「ああ…………キレイだ……」

 

「えっ? なんか言ったか?」

 

「い、 いやッ! なんでもない! …………その…頑張れ一夏!」

 

「あぁ、やるからには勝ってくるさ…」

 

 

 

 

箒の激励を受け、カタパルトデッキに足を乗せる。

 

 

 

「更識 一夏 飛天桜舞 出るぞ!!!」

 

 

 

高速で射出された飛天桜舞。そして、両肩にあるアンロック・ユニットである蒼い翼が開き、それぞれ三枚の白い羽根が出てきて、その白い羽根の間から蒼いブースターの光が出ている。その姿は、さながら天使と言った所だろうか。

 

 

 

「おっ! 一夏の奴出てきたな…」

 

「何度見ても、あの翼ってカッコいいし、キレイだよね…」

 

 

 

 

観客席で見ていたマドカと簪は一夏の機体を既に見ているので、さほど驚かないが、周りの生徒達は……。

 

 

 

「うわあぁぁぁ〜〜〜ッ! きれぇぇい!!!」

 

「天使みたい!!!」

 

「更識君の機体ってあんまり装甲がないんだね…」

 

 

 

 

そう、俺の専用機 飛天桜舞は高機動型のISで、その為極端に装甲が少ない。本来なら腕にも籠手型の装甲が両腕についているはずなのだが、簪の打鉄弐式同様、それがない。

そして、脚の装甲も、ミステリアス・レイディの様に細くなっている。実質装甲と言える物があるのは、胸部と腰部の所だけだ。

 

 

 

 

「あら、来ましたわね。それにしても随分とみすぼらしい装備ですわね…そんなのでは、私の射撃、一発目でおしまいですわね!」

 

「さぁ、それはどうかな? 勝負っていう物はやってみなきゃ分からないもんだぜ?」

 

「ふんっ、その様な事にはなりませんわ…開始してからは私の独壇場、ワンサイドゲームになるのですから!」

 

 

 

 

対した自信だ。マドカ同様、BT兵器の適性値が高いことからBT一号機『ブルー・ティアーズ』を授けられたのだ…自信がない方がおかしいか。

 

 

 

「それにしても、何故あなたのISスーツは女性ものなのですか?」

 

「うぅ!? 言っておくが、下はちゃんと千秋と同じズボン型だし、これを用意したのは姉さんだ! 決して俺の趣味じゃないからなッ!」

 

 

セシリアの指摘に、焦る俺。本当なら、俺も千秋同様半袖シャツ型にズボンと言う形の筈だったのだが……今観客席で俺を見ている刀奈姉が、取り寄せたと言うので着てみたら、刀奈姉達と同じノースリーブ型に袖をカットされたシャツが来たのだ。…………絶対に刀奈姉の悪意ある行動だと俺は踏んでいる。

 

 

「まぁ、それはそれで結構ですわ……。さっ、早く終わらせましょう」

 

「ふっ、やれるもんならやってみな…」

 

「言いましたわねッ! なら、手加減致しませんわ!!」

 

 

 

 

セシリアがスターライトの安全装置を解除し、狙いを定める。

 

 

(レーザーライフル………確か、オルコットさんのISは遠距離射撃型だったな…。だったら、アレの実戦稼働をしてみるか…ッ!)

 

 

 

更識家と倉持の技術者たちの手によって作られた新システム。射撃武装対策で作られた俺専用の技と言うべきものだ。

そして、カウントダウンが始まり、俺も武装を展開する。実戦でも使っていたベレッタM92を再現した銃が俺の左手に現れる。銃自体は実際のベレッタの一回り大きいくらいの大きさだ…。口径もそれに従い、一回り大きい。反動が大きくもなるが、そこはISが吸収してくれるので問題はない。

 

 

 

 

「あら? そんなお粗末なもので私に対抗しようとしているのかしら? でしたら……拍子抜けもいい所ですわ!!!」

 

 

 

カウントがゼロになり、レーザーライフルの銃口が俺に向けられる。だが、それと同時に “赤い線” が俺の左肩の辺りに向かって伸びているのが見えた。

 

 

 

(左肩に一発か……。人を殺した事のない完全な素人のやる手段だなッ!)

 

 

赤い線が消えたのと同時に、蒼いレーザーが放たれる。だが、弾道が読めている俺にとって、それを躱すのにさほど苦労はしなかった。

 

 

 

「よっ! っと…」

 

「なッ! か、躱したッ!? ま、まぐれですわ‼」

 

 

 

その後もセシリアは一夏に対し、レーザーを撃ちまくるが、一発も当たらない。

 

 

 

(やっぱすげぇな! この『バレットライン・システム』!!)

 

 

 

 

 

〜Ichika side〜

 

 

時期は一夏がISを動かした三日後だった。

 

 

 

 

 

「おい、一夏…お前の専用機なんだがな、新システムを使おうと思っているんだが…」

 

「新システム? なんだよそれ?」

 

 

 

父、刀矢の説明を聞きながら、一夏は自身の専用機、飛天桜舞を見ていた。

 

 

 

「簪の専用機…打鉄弐式に取り付けた『マルチロックオン・システム』を発展させたものなんだがな…これをお前の専用機に組み込もうと思ってな…」

 

「まぁ、それは…永遠が拒否ってないなら、俺は構わんが…一体どういうシステムなんだよ?」

 

 

 

俺の相棒、トワイライトに宿る意志ある人格…永遠は、俺の専用機、飛天桜舞のコアに入ることも出来る為、永遠が認めた、あるいは気に入った武装しか詰めない。その為か、俺のIS製作には苦労していたらしい……。

 

 

 

「永遠はひどく射撃武装を嫌がってただろう? 唯一認めてもらったのが、ベレッタだけだったしなぁ…。だが、それじゃあ完全な近接格闘型と変わらんし、マドカのサイレント・ゼフィルスの様な射撃型のISには不利だ。こいつは、その弱点を補うシステムなんだよ」

 

「へぇ、そいつはありがたいな……さてと、それじゃあそのシステムとやらを見せてもらおうかな?」

 

「わかった。じゃあ飛天桜舞に乗れ…相手はマドカがしてくれる。マドカ! 準備はいいか?」

 

「OK。……一夏、私は普通にお前に向けてレーザーを撃つだけだから、あんまり難しく考えなくていいぞ? ただ避ければいいんだ…」

 

「簡単に言うなよなぁ…」

 

 

 

飛天桜舞に乗り込み、ファースト・シフトが終わる。白銀の甲冑の様な装甲になり、背中には二対の羽根がつけられ、飛天桜舞から表示されるウインドから、積まれている武装が一覧になって表示されている。

 

 

 

フォトンソード×1

日本刀型ブレード×1

大剣型ブレード×1

片手剣型ブレード×2

ベレッタM92型拳銃×1

 

 

 

見ての通り近接格闘装備がほとんどを占めている。

この武装はすべて、俺がトワイライトの武装変化、他人の魔力を弾丸に詰め、解放した事によって得られた武装。

刀はマドカの時、大剣は簪の時、片手剣の二刀流は刀奈姉の時にトワイライトが変化した武装そのものだ。そして、ベレッタはもちろん俺が使っている武器で、今回新しく装備されたのが、フォトンソードだ。刀身がレーザー出来ており、実際の重さはトワイライトと同じ形をした柄の部分だけの重さしかない。

 

 

俺は、フォトンソードを展開し、刀身を出す。トワイライト同様、片刃の刀身がレーザーによって形付けられている。

 

 

 

「おぉ! すごいなぁ…これ」

 

「準備はいいか? マドカ、手始めに何発か撃ってやれ」

 

「りょうか〜い!」

 

 

刀矢の合図と共に、マドカがライフル…スターブレイカーを向ける。すると、そこから赤い線がいくつも伸びて来て、俺の周りを通り抜ける。

 

 

「ん? なんだ? この赤い線…」

 

 

その言葉を口にした瞬間、今まであった赤い線の所を、実弾が通っていった。

 

 

「ッ! な、なんだ!?」

 

「ハッハッハッ!!! 凄いだろ! これが家と倉持で考え、作った防御的システムアシスト『弾道予測線』通称『バレットライン』だ…。こいつはお前の魔法…ストライク・ビションと簪の機体に取り付けたマルチロックオン・システムを応用して作ったものなんだ…。どうだ? 感触の方は…」

 

「あぁ、凄いなこれッ! じゃあこれは、ほとんど俺のストライク・ビションと同じ様に使えるのか?」

 

「まぁな。しかし、それは射撃武装にのみ使えるシステムだからな…。ストライク・ビションの様に完璧に相手の動きを直感的に予知する事はできんぞ? 流石に魔法を他の者に見せるわけにもいかんしなぁ…」

 

 

 

だが、それだけでも凄いシステムなのは変わりない。これがあれば、たとえ銃弾だろうが、レーザーだろうが斬り伏せる事が出来るのだから。

 

 

 

「よっしゃッ! マドカ! 次、頼む!」

 

「ふっ、いいだろう……うまく凌いでみな!」

 

 

 

 

〜side out〜

 

 

 

 

 

「ああっんもう!!! とっとと落ちなさい!!!」

 

 

先ほどから狙い撃つがその全ての攻撃を躱し続ける俺に、セシリアのフラストレーションが溜まっていく。

 

 

(さてと、こいつにも慣れてきたし、そろそろ反撃と行きますか!!!)

 

 

 

俺は右手にフォトンソードを展開させ、左手のベレッタで牽制し、距離を取る。

 

 

 

「ん? 右手に何か持ちましたわね? ですが、させませんわ!」

 

 

 

動きを止めたブルー・ティアーズから、四枚のフィン型のものが射出され、四枚とも別々の動きをとる。

 

 

 

「ん⁈ BT兵器の……」

 

「えぇ、そうですわッ! これこそがブルー・ティアーズの特殊武装 ビット 《ブルー・ティアーズ》ですわ!!!」

 

「機体名と武装名が一緒かよ!? ややこしいな…」

 

「これでフィナーレですわッ!!!」

 

 

 

四枚のビットがそれぞれの地点から俺を狙っていた。それと同時にバレットラインも俺の方に向かって伸びている。

 

 

 

(左脚……右肩……左腕……背中……なるほど、この順番だな!)

 

 

 

バレットラインが当たった箇所と順番…それさえわかってしまえば、後は一夏の独壇場だ。

 

 

 

キュウゥゥゥーーン!!!

 

 

 

フォトンソードのレーザーを展開し、ブレードを形作る。

そして、飛んできた四つのレーザーを全て斬り伏せた。

 

 

 

「なッ!?」

 

「「「「ッ!!!!!!??」」」」

 

 

目の前の光景に、刀奈、簪、マドカ以外の全員が驚いた。それもそのはず、本来なら早すぎて見えないレーザーの弾丸をレーザーとはいえ、剣で斬り裂いたのだ。到底人間に出来るレベルではない。出来るとすれば、ブリュンヒルデの称号を持つ織斑 千冬ぐらいか、もしくはその千冬でも難しいだろう……。

 

 

 

「な、何者ですのあなたッ!?」

 

「更識 一夏…普通の男子高校生だよ…」

 

「普通の人間がレーザーを斬るなんてあり得ませんわ!!!」

 

 

 

タイミングを掴んだ一夏はその後もセシリアの攻撃を避け、斬り裂いていく。

 

 

 

「こ、このッ!」

 

「そろそろ終わりにしようッ!」

 

 

 

フォトンソードを振る度に、ブォンッ! ブォンッ!っと言う音がなり、薄紫色の刀身が蒼いレーザーを霧散させていく。

 

 

 

「もらった!!!」

 

「なッ! しまっ…」

 

 

 

ドンドンドンドンドン!!!!!!

 

 

 

 

「きゃっ!!!」

 

「くぅッ!」

 

 

 

 

距離を詰めた状態なら、ベレッタの射程範囲内だ。一夏の撃った弾丸は全部ではないが、セシリアに命中し、セシリアはライフルと左手で顔を覆い、防御態勢に入っていた。そこからは一夏の距離。完全不敗のキリングレンジ。

 

 

 

「はあぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「甘いですわね…ブルー・ティアーズは四機だけではありませんのよ!!!」

 

 

腰部のパーツが前方に迫り出し、俺を狙っている。

 

 

「ちぃっ! 弾道ミサイルかッ!」

 

 

 

二機のミサイルビットからミサイルが発射されるが、それすらもバレットラインで読めている。ならば後は簡単だ…。ただ向かってくるものを斬り伏せるのみ!

 

 

 

「せいッ! はあぁッ!」

 

 

フォトンソードで二発のミサイルを斬り裂く。ミサイルは慣性に従って、そのまま一夏の後方へと落ち、爆散した。

 

 

 

(このまま決めてーー。ん?!)

 

 

 

後は、残っているセシリアを斬るだけだったが、一夏の目の前には、スターライトを構え、不敵な笑みを浮かべるセシリアの姿があった。

 

 

「この距離からなら、絶ッ対に外しませんわッ!」

 

 

 

確かに、ものの数十メートル。この距離ならば、狙撃銃としては絶対必中の距離だ。外す筈がない。

 

 

「終わりですわ!!!」

 

 

セシリアの言葉と共に、充分なエネルギーを溜めて放たれたレーザーが射出され、一夏の胸部辺りに向かって伸びる。その光景に誰もが一夏の敗北が決まった瞬間に思えた。が…………。

 

 

 

 

ブォン!!!

 

 

 

キュウオォォン!!!

 

 

 

二つの音がその場に鳴った。一つはフォトンソードを振った時に鳴る音。そして、もう一つ…セシリアのレーザービームが斬り裂かれた音だ。

 

 

「「「「あぁッ!!!!」」」」

 

「なッ! あ、ありえませんわッ!!!!」

 

「くぅッ!」

 

 

 

 

これが、最後のチャンス。スラスターを全開にし、一気にセシリアに迫る。そして、突き出したフォトンソードの切っ先が、セシリアの懐に入った。

 

 

 

「はあぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「きゃあぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

ブルー・ティアーズの胴体部分から、激しくほとばしる閃光。それに伴い、ブルー・ティアーズのシールドエネルギーがみるみる減っていく。

 

 

 

「くぅッ、うぅわあぁぁぁッ!!!!」

 

「せぇえいやあぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 

懐に深く刺さったフォトンソードに苦ししむ表情のセシリアと怒号の様な声を張り上げ、突き刺す一夏。そして……。

 

 

 

 

ガシャァァァァン!!!!!!

 

 

 

 

 

突如、まるでガラスが砕け散った様な音が周囲に響き、ブルー・ティアーズのシールドエネルギーが、完全に消失した。その為か、機体が解除され、気を失ってしまったセシリアを俺は慌てて抱きかかえた。

そして、ブザーが鳴り響き、この決闘の勝者を宣言する。

 

 

 

 

 

 

 

 

【試合終了 勝者 更識 一夏】

 

 

 

 

 

 

宣言と共に、沸き起こる拍手喝采。俺の勝利を信じて疑っていなかった刀奈姉、簪、マドカも同様に俺に拍手を送ってくれているのが、見える。

 

 

 

「う、うぅん……」

 

「あっ、気が付いたか?」

 

「へっ?」

 

 

 

 

状況がよく飲み込めていないのか、セシリアは素っ頓狂な声を挙げる。そして、やがて気が付いた…。自分がお姫様抱っこされていることに…。

 

 

 

「な、なな、何をしていらっしゃいますの!!!?」

 

「うわあっ!? おい、暴れるなって‼ 落ちるから!」

 

「なっ!? きゃあッ!」

 

 

 

そう、今二人がいるのは地上から離れたはるか上空。今ここで一夏が手を離せば、セシリアはたちまち地面に向かって落下してしまう。それがわかり、慌てて一夏に抱きつくセシリア。それを見ていた刀奈は再び嫉妬の炎を燃やしたとか燃やしてないとか……。

 

 

 

 

 

「し、試合はどうなりましたの?」

 

 

 

この状況に慣れていないのか、頬を赤く染めたセシリアが尋ねる。

 

 

 

「あぁ、俺の勝ちだ…」

 

「そうですの……。わたくしは負けてしまったのですね………」

 

 

 

俺の言葉を聞き、落ち込むセシリア。すると、今度は俺を睨みつける様な目で見てくる。

 

 

 

「あなた…最後の狙撃を…何故わたくしが胸の辺りを狙ったとわかったのですか?」

 

「…………ISって凄いよな…。数十メートル離れた場所からでも、相手のまつ毛までくっきり見えてしまうんだから…。だからわかったんだよ…スコープレンズ越しに見える君の目が…」

 

「なッ! で、ではあなたは、わたくしの視線で弾道を読んだと言いますの!?」

 

「あぁ、あの距離ならば君は絶対に外さないと思っていたからな……。あの短時間の最中、出来る事と言ったらそれしか思いつかなかった…」

 

 

 

セシリアは絶句してしまった。そんな方法で自分が得意としていた射撃を封じられたのだから…。そして、改めて実感した。『この人は、自分よりも強い』のだと……。

 

 

 

「それより、大丈夫かな? オルコットさんの機体。ダメージが蓄積されてるんじゃ…」

 

「へっ? い、いえッ! 大丈夫でしてよ!? それほど深刻なダメージはありませんわ!!」

 

「そっか♪ 良かったよ…。それじゃあ、このまま送って行くから、それまでジッとしててな」

 

「は、はい……」

 

 

 

ジッとして、黙って俺に体を預けるオルコットさん。その顔は、どこか儚げだった。

 

 

 

 

 

 

 

〜アリーナ・カタパルトデッキ〜

 

 

 

「凄かったな…一夏の奴…」

 

「うん…そうだね…」

 

「ん? どうした千秋?」

 

「ううん。なんでもないよ箒」

 

 

 

 

そう言って、自身の専用機〈白式〉の元へ向かう千秋。その顔は、凄く暗かった。

 

 

 

(僕や姉さんにも難しい事を……なんなんだ、あいつは……ッ!)

 

 

嫉妬…と言うより憎悪に近いオーラを出しながら機体に乗るのだった。

 

 

 

 

 

 

 





えぇ〜、一夏の機体、飛天桜舞のユニット…って言うより、機体は、クロスアンジュのアンジュ機、ヴィルキスを想像していただけると幸いです!


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