IS〜異端の者〜   作:剣舞士

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今回は箒ルートに入ります。


第11話 心を解く

翌朝、俺は非常に疲れていた。

俺はベットに横になった状態で、自分の背中の方に目線だけ向ける。

そこには当然の様に俺の姉である刀奈姉が添い寝しており、ガッチリと腕をお腹辺りに回され、ホールドされている。

昨日は一緒にシャワーを浴びたり、寝る前に色々とからかわれたして、疲れていたので直様寝落ちしてしまった。そして、気がつけば、今現在。更識の家でもこんな状態は日常茶飯事だったからもう慣れた…と言うより慣らされたと言うべきか。

 

 

 

「ふぅー、最近の刀奈姉は少しスキンシップが過剰だな………俺、いつか倒れるじゃないだろうか…」

 

 

 

そうつぶやきながら、俺は刀奈姉の腕を外し、洗面所へ。

寝癖のついた長い髪を櫛でといていく。これも最近になって思うが、段々とこの長い髪の手入れが上手になってきた。刀奈姉や簪から色々と教わり、俺はマドカと一緒にこれを反復練習して覚えた。我ながらどんどん男らしさが失くなって行くのではないかと不安になる。

 

 

 

「さて……仕方ない。さっさと起こして食堂に行かないと……おーい、刀奈姉。朝だぞぉ〜起きろぉ〜」

 

 

俺は刀奈姉の体を揺らして起こそうとする。

家でも同じことをやっているので今更どうってことない。まぁ、家では自分の部屋の鍵をちゃんとしているのだが、刀奈姉はそれすらもピッキングして侵入してしまう…。全くもって恐ろしいものだ。伊達に更識当主を継いでいない。

 

 

「うぅ〜ん………一夏?」

 

「あぁ、おはよう。朝だぞ、早く起きなくていいのか? 生徒会長?」

 

「ふああぁぁ〜〜〜〜。もう朝かぁ、おはよう一夏。でも、ここで『生徒会長』はやめてね? ここじゃあ唯一の安住の地なんだから」

 

「そこまで大げさなものでもないだろう……ほら、早く着替えないと朝飯の時間なくなっちゃうぞ?」

 

「はいはい。分かってるわよぉ〜」

 

 

 

 

俺は一足早く着替えを済ませていたので、とりあえず部屋の外で刀奈姉を待つ事にした。その間に刀奈姉も制服に着替え終わり、共に食堂を目指す。制服を着ている時は、気然としてて、ビシッとした出で立ちの刀奈姉。人間ここまで変わる事が出来るのはすごい事なのだと改めて実感させられる。

 

 

「あっ! 一夏、お姉ちゃん!」

 

「ん? おぉ、簪! おはよう」

 

「おはよう簪ちゃん♪」

 

「おはよう二人とも」

 

「マドカは?」

 

「今準備してると思う…」

 

 

 

その後、マドカが部屋から出てきて四姉弟揃って食堂へと向かう。すると、ふと簪が…

 

 

 

「ところで、一夏。なんでお姉ちゃんが一夏の部屋から出てきてたのかな?」

 

「うえっ!?」

 

 

 

ものすごくいい笑顔とドスのきいた声で俺に質問してくる簪。とてもじゃないが、虚ろになっている目を直視出来ない。

 

 

「え、えぇっと…それは…そのぉ……」

 

「それにお姉ちゃん、なんかお肌がツヤツヤになってるんだけど…」

 

「あらぁ♪ そう?」

 

 

 

しどろもどろして、曖昧に返事を返す俺とニンマリと笑みを浮かべて首を傾ける刀奈姉。この表情を見ていると母親の香奈恵を思い出す。こういう所はしっかりと遺伝している様だ。

 

 

 

「どうせまたイチャイチャラヴラヴしてたんだろ?」

 

「ばあッ、違ーー」

 

「あら、よく分かったねマドカ」

 

「なんで普通に答えてんだよ!?」

 

「ふぅーん……そうなんだ…。またイチャイチャラヴラヴしてたんだ…ふぅーん…」

 

「ああっと、とにかくッ! 早いとこ飯食べないか? 遅刻しちゃ元も子もないし……なッ⁇」

 

 

 

 

ジト目で怖いくらいに睨みを効かせる簪に耐えきれず、話を切り替えて食堂へ直行。そして、全員メニューを選び、席を探していると、窓際のカウンター席に箒を発見した。

 

 

 

「よっ! おはよう…箒」

 

「む。あぁ、おはよう一夏。っと、その人たちは…」

 

「ん? ああ、俺の姉弟だ。紹介するよ」

 

 

俺の紹介と共に全員箒に自己紹介をしていく。

 

 

「一夏の姉? になるのかな? 更識 簪です。一年四組のクラス代表で日本の代表候補生です」

 

「一応、一夏の妹になる更識 マドカだ。簪と同じ四組で日本代表候補生だ。よろしく」

 

「あぁ、よろしく頼む。私は篠ノ之 箒。私の事は箒で構わん」

 

「うん。よろしく箒」

 

「私もマドカでいい…」

 

「ああ、よろしくマドカ」

 

 

お互い一年生であるからか、箒もすぐに打ち解けられた様だ。そして、残るは…

 

 

「一夏の姉の更識 楯無よ。よろしくね箒ちゃん」

 

「あっ、はい!よろしくお願いします」

 

「隣いいかしら?」

 

「はい。どうぞ」

 

 

 

俺たちも箒の隣に座り、一緒に食事を取る。

それからはなんだかんだで、楽しく食事を取り、授業を受ける。

昼には、今度は織斑を一緒に連れてきた箒が俺たちの所へきて共に昼食を取った。

 

 

「やあ、昨日は忙しくてちゃんとした挨拶ができなかったね。僕は織斑 千秋。二人だけの男子同士なかよくしよう?」

 

 

 

そう言って右手を差し出す千秋。どうやらまだ俺だとは気づいていない様だ。

 

 

 

「ああ、こちらこそよろしく更識 一夏だ。俺の事は一夏でいい」

 

「ホント? じゃあ僕も千秋でいいよ! これからよろしく一夏!」

 

 

 

周りから見れば俺たちはとても仲のいい男友達の様に見えているのかもしれないが、蓋を開けて見ればとてもどす黒く複雑な事情を抱えた “元兄弟” だ。

今はこれでいいのかもしれない。しかし、いつか俺の正体を知ったら、こいつはどうするだろうか…。いつか見たナイトメアの予知夢…そこにも微かではあるが、千秋と思しき人物が出てきていた。あまり大した夢ではなかったため、深く考えたりはしなかったが、いずれ俺たちはまた対立するかもしれない。

 

 

 

 

時間は流れ、放課後。俺は授業を終え、アリーナへと向かった。今度行われるクラス代表決定戦に出るためだ。しかし、アリーナには先客達がいた。訓練機の貸出を得た一般生徒達が大勢で訓練をしているのだ。

 

 

 

(うーん…。今日の練習は無理かなぁ〜。仕方ない、また明日早めに来て練習しよう…)

 

 

 

一夏はアリーナから出て、少し校内を歩いていた。ここに入学してからは色々と忙しく、ゆっくりと校内を見てみることが出来なかったので、丁度良かった。

 

 

 

(この辺りは……部活関連の施設が多いな…。それにしても色々と部活があるもんだなぁ。流石は国立IS学園……)

 

 

 

そうしている内に更識の家でも見覚えのある建物が目に止まる。

 

 

 

「あれは……道場か。って事は剣道部か?」

 

 

自然と足が道場の方へと向かう。中からは人の気配がするが、複数人ではなく、一人しかしない。

 

 

 

(今日は休みなのかな…? 中にいる子は自主練かな?)

 

 

 

自分も剣を振るっている身であるため、少し興味が出てきた。とりあえず中を覗こうと思い扉の所まで来て、中の様子を見る。そして、そこにいたのは……。

 

 

 

「あれ? 箒?」

 

「ん?……あっ、一夏!」

 

「箒ってやっぱり剣道部だったのか…!」

 

「あ、あぁ、まぁな…。それよりどうしてお前がここに?」

 

 

 

 

俺は、箒にアリーナが人でいっぱいだったため訓練出来ないので歩いていた事を話した。

 

 

 

「なるほど、それでここに来たのか」

 

「あぁ、俺も家じゃ剣を振るってるからな。ちょっと気になって」

 

「何ッ?! じゃ、じゃあお前は今も剣道を続けているのか?」

 

「いや、剣道はしてないけど日頃の鍛練のために剣術はやってるかな」

 

「そ、そうなのか………そうか、まだ…剣を…」

 

 

 

どこか嬉しそうに頬を緩ませ微笑む箒。

そんな箒を見ていて昔のあの頃を思い出す。二人で一生懸命剣を振って、日々技を…剣技を磨いていた頃を。

 

 

「なぁ、箒」

 

「な、なんだッ!?」

 

「ちょっと、久しぶりにやらないか?」

 

「やるって…剣道をか?」

 

「ああ、久しぶりにやってみたくなったんだ…。ダメか?」

 

「〜〜〜ッッッ!!!?」

 

 

 

本来なら自分より背が高くなっていた筈であろう一夏。しかし、今の一夏は箒とほぼ変わらない身長差だ。そんな一夏に上目遣いをされて頼まれれば断る理由がない。

 

 

 

「そ、そそそそんな事ないぞ!! ぜひ! 一緒にやろう!」

 

「そうか……ッ! じゃあ悪いけど防具と竹刀を借りていいか?」

 

「あぁ、私のがあるからそれを使え!」

 

「OK! それじゃあ少し待っててくれ」

 

 

 

そう言って俺は箒に防具のおいてある所を教えてもらい着替えに行った。

 

 

 

 

 

 

 

箒は着替えに行った一夏の後姿を見ていた。

自分と同じくらいの背丈で見た目は女の子の様な容姿をしていて……しかし、何故かその背中は大きく男らしいと思った。六年も会わない内にすっかりと変わってしまった幼馴染。この髪型と貰ったリボン、そして、剣道を続けて来たのは唯一の繋がりだった一夏との思い出だったからだ。

千秋の事が嫌いなわけではない。しかし、昔から箒は千秋が苦手だった。我が強く、なんでも自分が正しいと思っている所が箒にとって癪に障る事も何度もあり、喧嘩までした事がある。天才であるが故なのか、千秋も姉である束に似ている所がある。剣道で繋がった一夏との思い出を姉が開発したISで引き裂かれ、それでも剣道は辞めず、いつか会えるのではないかと信じ、強制的に入ったIS学園。そして、また再会出来た。皮肉にも一度は自分達を引き裂いたISでだ。ホント皮肉なものだ。

 

 

そうしてる内に、一夏が着替え終わり道場内に入ってくる。

 

 

「悪りぃ、待たせたな」

 

「いや、問題ない。では、始めようか」

 

「あぁ、行くぞ」

 

 

 

一度、互いに正座で礼を交し、竹刀を正眼に構える。

 

 

 

「「……………」」

 

 

 

沈黙が周りを支配し、少しずつ竹刀が近づいていく。そして、先に仕掛けたのは箒だった。

 

 

 

「はあぁぁぁ!!!!!!」

 

 

上段から面を振り下ろす。流石は剣道の全国チャンピオン。勢いやタイミングはトップクラスだ。が…

 

 

「ふっ…!」

 

「なっ!?」

 

一夏は最小の動きだけでその一撃を躱す。

箒にしてみれば一夏のいない所へと竹刀を振っている様に見えるのだろう。その後も竹刀を振るうが全くあたらない。

 

 

「はあぁぁぁぁ!!! めえぇぇぇぇん!!! たあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「……ふっ、よっと! せいっ!」

 

 

怒涛の攻撃も全て動きを見切り、躱し、竹刀で受け流す。

 

 

(はぁ…はぁ…はぁ…。私の攻撃が…全て見切られている……これでも自信はあるのだがな……。これが…今の一夏の実力というわけか…)

 

(箒のやつ、この六年の間で実力は上がったみたいだな…。でも、なんでこうも迷いがある様な剣技なんだ…? 昔のあいつならもっと踏み込んで来る様な剣技なのに…)

 

 

 

少し違和感を憶えながらも、今度は一夏の方から攻める。そうして何度も竹刀を打ち合わせ、気づけば、互いに汗だくになるまで打ち合っていた。

 

 

「はぁ…はぁ…ちょっと休憩にしないか?」

 

「そうだな…。ちょっと待ってろ、飲み物を買ってくるから」

 

 

箒にそう言って、俺は防具をとり、自分の荷物の所へ行き、財布をとって自販機の所へ行く。

その間、箒は防具を外し、手ぬぐいをほどいて汗を拭き取る。そして、改めて先ほど打ち合った一夏の姿を思い出していた。

 

 

 

(一夏の剣…とても強く眩しいものだったなぁ……。それに比べて、私の剣は…)

 

 

一年前、箒は中学の剣道の全国大会に出場していた。姉である篠ノ之 束が開発、発表したISのせいで、自分を含め家族全員は『重要人物保護プログラム』と言う理由で各地に引越し、それを繰り返していた。一夏との繋がりを絶たれ、自身の性格や人見知りなどが色々と重なり、精神的苦痛を患ったことも数多くある。そのせいか、いつの間にか自分の剣が憂さ晴らしの剣になっていた。

………そのことに気づいたのは決勝戦の日。相手の選手を倒し、審判が自分の色の旗を挙げ優勝が決まった瞬間、相手の選手が涙を流しながら箒に告げた言葉。

 

 

 

 

 

ーーーーあなたの剣は、ただの憂さ晴らしの剣よ!!!

 

 

 

 

 

いつからそうなっていたのか、自分でもわからなかった。しかし、その言葉は箒の心に深く刺さった。自分の剣はここまで堕ちてしまったのだと…。

その剣のままIS学園に入学し、剣道部に入部した。部ではすぐに代表メンバーに入れると言ってもらったが、それで良いのかずっと悩んでいた。自信をもって剣を振る事が出来ない。以前の様に立ち回れない。そんな不安が箒を縛っていた。

そんなことを思っていたら自然とため息が漏れていた。

 

 

「何でそんなため息なんかついてんだ?」

 

 

ピタッ

 

 

「ひゃあッ!!!」

 

 

 

突然右頬に伝わる冷たい感覚に驚き、その方向を向いてみると、缶ジュースを持った一夏が私を見下ろしていた。

 

 

 

「な、何をする!!」

 

「悪い悪い。なんか箒が落ち込んでいるみたいだったからさ」

 

「わ、私は落ち込んでなどいないぞ! ま、まぁこれはありがたくいただくが…」

 

 

 

そう言って箒は俺が持っていた缶ジュースを受け取り、プルタブを起こし、ジュースを飲み始めた。

 

 

「何か悩み事でもあったのか?」

 

「………いや、何でもない。気にするな」

 

「そんな暗い顔されてちゃ気にもなるって。…………束さんの事か?」

 

「いや、違う。もちろん姉さんがどこにいるのか、気にならないと言うとは嘘だ。だが、今は違う…」

 

「なんだよ。やっぱり悩んでいたんじゃないか」

 

「な、なぁッ………くうぅ…」

 

 

 

 

言ったそばから嘘がばれてバツが悪い顔をして顔を背ける箒。一夏はそれを面白がって見ながらジュースを飲む。

 

 

 

「………なぁ、一夏…」

 

「うん?」

 

箒が神妙な顔をし、改まってこちらに顔を向け、話しかける。

 

 

「どうしてお前はそんなに強いのだ? どうすれば私は強くなれる!」

 

「ん? いきなりどうしたんだ? 箒はもう充分強くなってるだろ…」

 

「違う! そうではないのだ! 私の今の力は醜いものなのだ! お前の様に強く逞しいものではない! だからッ!!!」

 

「ち、ちょっと落ち着けって! どうしたんだ?!」

 

「あっ! す、すまん…取り乱してしまって……」

 

「いや、別に構わんが…本当にどうしたんだ?」

 

「………………」

 

 

 

 

またも箒はうつむき、目を細め、ため息を漏らす。

 

 

 

「一年前の剣道の全国大会の決勝戦の日。私は対戦相手の選手に「あなたの剣は、ただの憂さ晴らしの剣だ!」と言われてしまったのだ。それからどうにも自分の剣が分からなくなってしまったんだ…自分の剣とは何か、自分は何を追い求めているのか、それすらも分からなくなってしまったのだ」

 

 

 

眈々と話す箒を見て俺は思った。 “まるで、昔の自分と同じだ” と。そして、納得した。先ほどの立ち会いでどこか迷いがある様な剣技は、“このままではいけない!” と思っている気持ちと “誰か教えて欲しい” と心から思っている自分の気持ちの現れなのだと。

 

 

 

「なぁ、一夏。教えてくれ! 何故お前はそんなに強いのだ? 私は、このままでは嫌なのだ…。ずっと迷って逃げている様で、いつの間にかここまで弱くなってしまった…ッ! 私は強くなりたい!! 強くありたいのだ! ………だからッ!」

 

 

俺の肩を掴み、本当に懇願する様に教えをこう箒。だが、俺は。

 

 

「俺は強くなんかないよ、箒。俺は全く強くない…」

 

「な、なにッ!?」

 

「こんなものはただの “技術” であって、箒の言う “力” や “強さ” じゃない」

 

「嘘…嘘だ! お前は充分に強いではないか! 私はそれを知りたくて…」

 

 

 

追い求めていた答えが今ここで明かされると思ったのに、返ってきた答えは “強くなんかないよ” だった。その言葉を聞いてまたも落胆する箒。

 

 

 

「確かに、これも一種の強さなのかもしれない……けど、それだけで勝てるってわけでもないよ、箒。力だけが全てじゃないんだ。力はいろんなもの、いろんな形があるんだよ」

 

「いろんなもの……いろんな形……」

 

「うん…。確かに、力こそが強さだと思うやつは多いし、一概にはそれも事実だ。俺もそう思っていた時があったよ…」

 

 

 

天井を見上げながら自分の過去を話す一夏。それを隣でじっと見ている箒。

 

 

 

「でも、親父に会って本当の強さが何なのか分かった気がしたんだ……“己の身を護るのではない 己の魂を護る為の剣を振るえ”……親父に教えてもらった言葉なんだよこれ」

 

「己の魂を……」

 

 

 

箒はその言葉を、自分に言い聞かせる様につぶやく。

 

 

 

「あっ、えぇっと、そのぉ、ごめんな。なんか説教みたいに……」

 

「いや…いいのだ。ありがとう一夏…」

 

 

 

そう、微笑んでお礼を言う箒の顔は今まで以上に輝いて見えた。

 

 

 

「そうか? なら良かった」

 

「さて、もうそろそろ完全下校時間だ。帰ろうか一夏…」

 

「あぁ、そうだな」

 

 

 

そろそろ日が落ちてきた為、俺たちは共に防具や竹刀を片付け、道場から出る。

 

 

「一夏…」

 

「なんだ?」

 

「その……ありがとう。その、答えが分かった様な気がする」

 

「そうか、俺もまだまだ頑張んないとなぁ」

 

「で、では!! また一緒に…ッ!」

 

「ん? あぁ、そうだな。また一緒に…だな」

 

 

 

昔と同じように、二人で一緒に競い合おう。そう思う一夏と箒だった。

 

 

 

 

その頃、IS学園の食堂では…

 

 

 

「一夏、遅いね…」

 

「相当やりこんでるんじゃないか? ただでさえあいつはISの起動時間が短いから…」

 

 

 

そんな事を言いながら食堂で一夏を待つ簪とマドカ。そして、もう一人…

 

 

 

「んッ!? これは……」

 

「どうしたのお姉ちゃん?」

 

「おっ! 久びさに出たな『一夏レーダー』」

 

「そんなのあったんだ……それで? 一夏がどうかしたの?」

 

 

 

刀奈の感はもはや人間を超えてしまったのだと思う簪であった。(特に一夏に関して)

 

 

 

「これは…『女』だわ…ッ!」

 

「「女ぁぁぁ⁇⁇」」

 

「えぇ、今まさに女の子のフラグを立てたわ…。全く、浮気は許さないんだからねぇ…一夏……ッ!」

 

 

 

刀奈の周りから嫉妬のオーラが全開で出ていた。それを見て呆れる簪とマドカであった。

 

 

 

その頃一夏は…

 

 

 

「ヘェックシュン!!!!!!」

 

「どうした一夏?」

 

「い、いやぁ、なんだか悪寒が…」

 

「大丈夫か?」

 

「あぁ、大丈夫だ。これは絶対、刀奈姉だな……」

 

 

 

殺気に気づいた俺は今日どうしようかと悩むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






次回はセシリアとの試合です!

感想を待ってまーす^_^

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