妖精の翼 ~新たなる空で彼は舞う~   作:SSQ

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今度は地上もあるよ。


第6話 模擬戦&強襲

Check 6

ラウラが迫ってくる。機体にリミッターをかけているとはいえ、なかなか振り切れない。

流石は、オストマルク撤退戦の生き残りといったところか。かなり急な起動で仕掛けたつもりでもついてくる。つまりはこちらの動きが読まれている。だがこっちもメンツがあるんでね、墜ちるわけにはいかないんだよ。

もう一人の動きにも警戒しながら俺はラウラの動きと攻撃タイミングに警戒するのだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~

3時間前。

朝御飯を終えて、仕事前の会議のような奴で隊長が言った。

「昨日に引き続き、今日はバーフォードさんを含めての模擬戦を行いたいと思います。」

「平気なのか?ネウロイが来るかも知れないぞ?」

ここは近くに統合戦闘航空団なる世界各国のエースを集めて編成した特殊部隊のようなものがあるらしい。そこの部隊のやつらが大抵こちらに来るネウロイを撃破してしまうためここワイト島にはほとんどネウロイは来ないらしい。だかここも本土防衛のための重要な拠点のひとつ、らしいがあんな雰囲気をみるとそんな気はしないが。

「一応、私とあと1人が待機しているので問題ありません。」

ネウロイの強さがわからないが彼女2人で対象出来るらしい。なら任せるが。

「それなら構わないが。で、誰が出るんだ?」

「そうね、誰か出たい人がいる?」

「はい!」「はい」

手をあげたのビショップ軍曹と、ラウラ?意外だな。

こういうのは興味がないと思っていた。

「能力が似ているので戦ってみたい。」

あぁ、なるほどね。そらなら俺も興味がある。この自分に宿った能力がどれ程使えるのか未知数である以上、俺以上に使いこなせる彼女がどういう風にして使うのか参考になるだろう。

「あと1人ね。アメリーさんと、フランさんどうする?」

「あの…私出たいです。」

こちらも意外だった。大人しそうな雰囲気がある彼女もでるのか。

「それじゃあ、アメリーさんね。フランさんもそれでいい?」

「構わないわ、ネウロイが出たときはこちらできっちりおとしてあげるから。」

「それじゃあ1000に4人は離陸。1230までには戻ってくるように。解散」

 

1000離陸

軍曹を隊長機としながら編隊を組んで哨戒を兼ねながら訓練空域まで向かう。。

「それで、グループはどうする?」

この人数なら2人1組だろうか。

「どうしたいの?」

「これは提案だが俺とビショップ軍曹、アメリーとラウラというのは?」

「あの、なぜですか?」

「1つは、昨日とんだお陰でビショップの飛び方は大体わかったから連携がしやすい。だったら僚機なら最適かと思ったからだ。2つめは、聞いた話じゃ先日アメリーはビショップに戦い方を教えてもらったんだろ?ならそれを実際に試してみるのにいい機会だとは思わないか?それとも変えてほしいか?」

「いえ、問題ないです。」

「軍曹、仕切ってしまったようで悪かった。あとは君に任せる。」

別に平気だよ、と特に気にする素振りも見せず軍曹が指示をだす。

「それじゃあ全機、合図をしたら4500まで上昇、到達後、反転して4000まで下げたら模擬戦開始といこうか。」

「「「了解」」」

 

「全機、上昇」

軍曹の指示で全機が飛行機雲を作りなが上昇を始める。

3500

4000

4200

4400

4500

「それじゃ、反転!」

ユニットの出力先を変えて今度は降下を始める。

4400

4300

4100

4000

さて、いきますか。高度計の数字が4000を切ると同時に俺は体のスイッチを戦闘モードに切り替える。

「ガルーダ、エンゲージ」

俺がこの世界に来て初めての記録に残る戦闘が始まる。

~~~~~~~~~~~~~

 

さて、どうしたものか。おれ自身、彼女を振り切れないことに少し苛立ちを感じ始めていた。こっちだってそれなりの経験を積んでいるし特殊戦にいたプライドもある。最初は様子見だったのもいまでは振り切る事のみに集中している。そして今の今まで俺もラウラもそのどちらも一発も射撃を行っていない。銃弾は模擬弾に全て交換されているため射撃は行える。行えるのだが、どうにもタイミングが掴めない。ラウラがまだ一回も俺の後ろに付いているというのにこちらに射撃を行ってこないのもよく分からない。こちらのパターンを読んで最高の一撃を食らわすためかおれ自身を慌てさせてペースを崩させるためか、解らないがどちらにせよこの状況が長続きするのはかなり不味い。

持久戦はおれ自身が嫌いだし、このユニットでは相性が悪い。ここまで読めない奴と戦うのも久しぶりだ。

 

このままではらちが明かないと判断した俺は彼女、ビショップに助けを求める。

「ビショップ、ラウラを振り切れない。カバーできるか?」

「へ?昨日あんなに凄い機動やってたのに?」

「あぁ。どうやら俺は彼女と相性が悪いらしい。合図をしたら牽制射、方向は任せる。」

「了解。なら終わったらこっちも手伝ってよ?」

「俺が撃墜されていなければな。」

「なら、さくっとやっちゃいますか。」

「あぁ、たの・・・!」

っ!

警戒を怠っていたわけではないがかなりいいタイミングで攻撃してきた。初めてのラウラの射撃。今の今までさんざん貯めていた、かなり自信があったと見える。

回避できたのも勘だ。なんとなく狙われていたのがわかり左に体をひねりギリギリでそれを回避した。

「絶対に当たると思ったのに。」

「戦闘中に話しかけてくるとは余裕だな!」

一瞬、聞かれたか?と警戒するが周波数がそもそも違った。

「けど次は当てる。」

「そりゃどうも。」

だがこちらももうそろそろ仕掛けさせてもらう。ずっと追われるというのは嫌いなんだ。

ここで、俺は再び急上昇をする。体にGを強く感じるほどの急上昇だったはずだが彼女も普通についてくる。当たり前だ、ついてきてもらわなきゃこっちの作戦も成功しない。

ここで、左急旋回…くる!

ユニットを自分からみて右上に突き出し急減速、そして降下。

体を限界まで捻る。

体が360度ぐるりと回ったことで俺はラウラを見失ってしまう。全く、コックピットにいた頃は計器のせいでジャムを見逃しそうになりもどかしい思いをしたが、逆に全くなくなってもそれはそれで不便だ。

「後ろ!」

俺と軍曹のみが使えるチャンネルでの警告。まさかこれにも付いてきたと言うのか!

俺が驚いている間にラウラは俺を必中の範囲内に捉えていた。

「あぁもう、馬鹿!」

そして俺もラウラも思わぬ方向からの攻撃に驚いた。彼女はいつの間にかアメリーの追撃から俺の援護に移っていたのだ。

ラウラはビショップの攻撃圏内に入っていることに気づく。すかさず感覚加速でギリギリ軍曹の攻撃を回避するが俺への攻撃は中止を余儀なくされた。彼女の最高のタイミングでの援護射撃に2人も舌を巻いていた。

その瞬間、俺は彼女と目が合う。

"なにやってるの!"

そう促すような視線に俺は漸く意味を理解した。

さんざん煽られてイライラしていたせいで彼女が作ってくれたこの最高の攻撃タイミングを見逃そうとしていたのか。

バカだな、俺は。

 

すぐに俺は狙撃銃を構えてラウラの姿を照準の中央に捉える。ただこんなに早い動きだと狙いにくい。

・・・使ってみるか、あれを。

イメージするはエンジンの回転数をあげるあの感覚。そして

-発動-

そして世界が止まる。

スコープで、既に大まかな位置を捉えていたので微調整、あれ?前回と違って体が少しだけ動く、いや、正確には加速率が前回より小さいのか?

捉えた。

照準の先にはビショップか俺かどちらを先に狙うか迷っているラウラが。

「悪手だぞ、それは。」

たった1人のほんの一瞬の援護で全く状況が変わった。彼女に感謝しながら俺は引き金を引く、それと同時に魔法解除。

ガン!!

いつもよりも少し軽い射撃音と共にペイント弾が発射。

そしてペイント弾はラウラの額へ吸い込まれていき、ヘッドショット。

「あう!」

「よし!」

頭に衝撃を受けて変な声を出すラウラとその彼女の撃墜判定に喜ぶ軍曹。

 

 

「ビショップ、ありがとう。さっきは助かった。」

「なら次はこっちを助けてくれない?アメリーに追いかけ回されているんだ。」

「軍曹、さっきの腕なら君一人で十分じゃないか?」

「それが大変なの。どんどん私の技術を盗んじゃうから。」

「そりゃ大変だな。援護する。そのままの進路を維持してこちらに意識が向かないようにしてくれ。」

「なるほどね、了解。」

俺の武器からどういう攻撃をするのか即時に理解する軍曹。

ユニットの出力を抑えて空中でホバリングするように位置をとり、狙撃銃のスコープを覗きこむ。

軍曹の後ろを必死にだが確実に追いかけるアメリーの姿をとらえた。軍曹も後ろに向けて射撃を行い彼女のみに集中するように仕向ける。

「急いでくれると助かるんだけど!」

「わかってる。」

アメリーに、撃墜判定が出ればいいので先程のようにわざわざ頭に当てる必要はなく体のどこかに当たればいい。なので狙う際、飛行姿勢の関係で横のズレは問題ないが縦のズレは致命的となる。

「もし私に当たったら何かしてもらうからね?」

「それは君の責任だろう。」

「でもラウラに落とされなかったのは私のお陰じゃない!」

まぁ、確かにそうだ。さっきは危ないところを助けてもらったしな。

「まぁ、その心配は。」

雲や空気の流れ、重力を考慮に入れ照準をアメリーの腰に定める。

「不要だぞ?」

-発砲-

俺の狙撃銃から放たれたペイント弾は正確にアメリーへ飛んでいき彼女のユニットを黄色に染めた。

こうして、模擬戦は終了した。

 

 

帰投後、俺はユニットの整備を行っていた。昨日の今日でかなり激しい出力の切り替えや機動を行ったからな。メンテナンスしないと後々に影響が出てきそうだと思い、工具を手に取り始めた。

「みてもいい?」

そんな俺の作業風景が気になったのかラウラが顔を出してきた。

「あぁ、かまわない。」

俺がそういうと彼女は丸椅子をかかえ少し離れたところに座った。

「2度も・・・。」

「ん?」

「2度もかわされた。」

「あぁ、あれかって2度も?一回しか撃ってなくないか?」

「軍曹に邪魔されたから。」

「なるほどね。」

そういうとラウラは黙ってしまった。何か言うことを考えているのかそれとも見ることに集中しているのか?

「絶対に当たると思ったのに。特に最初の射撃は。」

「確かにな。中々に危なかった。」

「どうして避けられたの?能力?」

いや、そんな凄いものじゃない。

「勘だよ。」

「・・・そんなもので避けられるの?」

「そうだ。というか、勘と自分の経験を元に脳がとっさに判断したものだ。俺だってかなりの時間空を飛んでいるしそれなりに落としてきた経験がある。だから回避できたんじゃないかな。とっさに背中に感じるものがあって体を捻ると俺がいたところにペイント弾が飛んでいった。」

「本当に?」「本当だ。」

俺の言葉に難しい顔をするラウラ。まぁ俺だって言い表せないがな。

「でも、お前だって中々の腕じゃないか。射撃もそうだが飛びかたもかなり洗練されている。

本当は後ろにつかれた瞬間にコブラ機動から俺を抜かした瞬間に背中に撃ってやろうと思っていたんだ。それがどうだ?急減速しても俺を追い越すことなくしっかりとついてきやがった。あのときは焦ったな。それからはもうお前のペースだ。」

「そんな事ない。」

と首をふるラウラ。

「私もほとんど飛んだことないって聞いていたから油断していた。だから撃つタイミングも逃していたしそもそも付いていくだけで精一杯だった。」

よく言うよ。あんなの見せつけられてどこが精一杯だよ?

「だから次は絶対に落とす。」

「言ってくれるじゃないか。なら俺はまたペイント弾を当ててやるよ。なに色がいいんだ?黄色か?青色か?」

「あれ洗うの凄く大変だからいや。」

「なら。」

俺は左側ユニットの整備を終えてアクセスパネルを閉じながら彼女に言う。

「次は当たらないことだ。」

「ん。もちろん。」

俺の言葉に決意のこもった視線を向けて頷くラウラ。

次に右側のユニットの整備を始めようとすると彼女は立ち上がった。

「もういいのか?」

「うん。聞きたいことは聞けたから。」

そう言うと椅子を持って格納庫から出ていってしまった。あの歳のラウラに空で翻弄されたのは予想外だった。途中からはただ振り切る事のみに集中してたはずなのに結果はダメ。

「俺もまだまだ、だな。」

一から仕切り直しだな、と思いながら機体のカバーを開けてみると、ふと何かが震えているのがわかった。

どうやら何かが刺さっているみたいだ。おまけに光っている。

そこに刺さっていたのは

「携帯?」

 

~~~~~~~~~~

オーバーホールを、終えて部屋に戻る。

「なんだ、これは?」

こっちの世界に来たときに起きた機体の魔改造の産物?

いや、魔変形というべきか。どちらにせよこいつがメイヴの一部なのは間違いないだろう。

立ち上げてみると、どうやらgarudaに直接アクセス出きるみたいだ。保存してある様々なデータがこれで見ることが出きる。先程の戦闘データも保存してあり意外と便利だな、と素直な感想を口にする

充電はストライカーユニットに繋ぐことで出きるのか。毎回行くのは面倒くさいけど、どこでも充電できるのは大きいだろうな。

Garudaとのデータリンク完了。

警告!

ポップアップして出てきたのはgarudaからの警告だった。もとの世界ならウイルスか危険なサイトと判断して消しそうだがここではちがう。何だろう?と思いながら確認してみると

最近基地近くにて発光及び無線を確認、暗号無線のため解読できず。ただ出力が弱かったためどこか近隣にある受信施設への報告の可能性あり。至急対処を。

場所は~

とのことだった。流石、自分の身を守ることに特化したAIは違う。自分に害がある可能性が少しでもあるならば早急にパイロットに対してそれに対処するように指示を出す。おかげで今回も助かったが。

フムン、対応が早いな。いや、もともとこの基地を監視していた奴が偶然見つけただけかもしれないが。

俺は支度を始めることにする。隊長さんに何かが起こる前にこちらでその芽を摘んでおこう。

 

2200 隊長には早く寝る。死ぬほど疲れているんだ。起こさないでくれ。といって万が一部屋に入って脱走だと誤解されないようにちゃんと理由があっての事だという置き手紙をおいておく。

でもよく考えたら理由があってもなくても脱走だしそもそも理由なくして脱走はしないよな。

基地の周りにあるフェンスを越え、夜の林をひたすらに走る。腰には小型拳銃を装備しているが、それ以外の武装はしていない。最初は狙撃銃を持っていくことも考えた。だがあれは大きすぎるし弾薬が減っていた際の言い訳もできない。彼女たちの使用している銃を借りることも一瞬考えもしたがそれも捨てた。

あいつらの銃を人の血で汚すことなんて支度はなかったからな。

 

該当の家は村のはずれにある一軒家。以前に地図を見せてもらったがそこそこ大きい村のはずれにあり普段誰も近づかないような気に囲まれた場所にある。なるほど、絶好の場所だな。夜に明かりをつけたとしても木がそれを遮ってくれる。

ということは逆に俺のことも遮ってくれる、ということだ。

海からの風が木の葉を揺らし、地面の草をなびかせることで俺の走る音もかき消していく。

やがて該当の家にたどり着く。立哨もなし。トラップも見えない。

姿勢を低くしながらドアに張り付く。

そうしながら耳を澄ませると中から声が聞こえってきた。

『…それで、上は彼をどうするつもりなんだ?』

『さぁな、空軍大将様は様子見らしいけど命令があれば捕まえるんじゃないか?』

『とりあえず、今日は何て報告するんだ?』

『中の様子じゃ模擬戦をやったみたいだな。』

『全く羨ましいよ…』

内通者がいる?それか監視している別のグループがいるのか?まぁいい。どちらにせよ俺に敵対する勢力になりそうだな。

 

最初は何か、特に警察にでも偽装しようかと思ったがどうせ時間はかけられない。なら速攻だ。

こういう時のマスターキーと言ったらショットガンだろうがあいにくとそんなものはない。俺は以前に軍曹から魔法を使用している間は自分の基礎体力や筋力などが挙がっていることを知っていた。だから魔力を発現させ、準備を整える。ふとこめかみの所に灰色のふさっとしたものが出ていた。まるで小さな耳みたいだなと思いながら俺は拳銃を抜く。

強化された力をもって小型拳銃で木製扉の鍵の部分に連射する。

3発で完全にカギが吹き飛び、次に扉を蹴ると中に入れるようになった。

突入。

この家の大きさからしてそこまで敵はいないだろう。

そして音に気が付いてこちらに来ていた敵を見つける。

銃口をそのまま敵に向けようとするが、すぐに照準を下に向け足を狙う。

発砲。

「グッ!」

そのまま倒れる敵に後ろから続いていた敵が思わず下に注目してしまった。

そして集中がそれた内にさらに発砲。

そいつらに近づいて手に持っていた拳銃を蹴り飛ばして使えないようにする。

とりあえず2人は無力化した。あと敵は?と思った瞬間

背後から何か風を切る音がした。

足を軸にその場で回転しその攻撃を回避して逆に今度はこちらが攻撃する。銃底で胸をたたき、一瞬よろめいたとこでそのまま拘束する。

「よう。いくつか聞きたいことがあるんだ。」

「あ、あんた、何者だ?」

「あんたらが敵に回した男だよ。それより、定時連絡の時間だろ。上に繋げ。そいつらにちょっと用事があってね、話さないといけない用事があるんだ。」

敵の武装解除をしながら話す。

「何をする気だ?」

そのまま椅子の前に連れて行き座らせる。

「お前さんは話すことしかできないのか?黙ってやれ。」

時間。捕まえた男が連絡を始める。こいつの役割は最初の符号一致作業のみ。

『それで、現状は?』

すぐに用がなくなってしまった彼の頭をたたきつけて気絶させる。

「悪いな、全滅だよ。」

『…………誰だ?』

「あんたらが敵に回した男だ。」

『まだ、こちらは手を出してはいないつもりだけどね。』

「情報を漏らそうとした。それなら敵だ。」

俺は助けてくれた人や恩がある人に足しては自分の能力をもってその恩を返す。だが敵であれば自分の能力で排除する。なら今のこいつらは俺にとって排除する相手でしかない。ジャム、ネウロイと同じ認識でしかない。

『なるほど、ところで君はあのジェットストライカーユニットのウィッチという認識で間違いないかな?』

「あぁ。よくわかったな。」

『最近は穏やかなものでね。私の敵と言ったら政治的なものだけだ。それにそこを襲うやつらなんて君以外にいなさそうだからな。ところで2週間後君と話がしたい。ワイト島には連絡をしておく。』

連絡だと?つまりこいつはここに対して命令か何かをできる立場にある人間なのか?

しまったな、てっきりどこかの諜報機関が仕掛けてきたものだと思っていた。流石に手を出すのが早すぎたか?

「連絡だと?一体どうやって?」

『そりゃ正式なルートでだ。それじゃ、楽しみにしているよ。リョウ。』

「おい!」

そういうと切れてしまった。あいつは言いたいことを言ったが俺は聞きたいことは聞けなかった。なんだ、いったいどうなっている?なんでその名前を知っている?

正式なルート?どこかの軍の上層部が関わっているのか?

「あー、くそ!」

自分のその能力のなさに嘆くがこれ以上はどうしようもない。

 

俺はこの小さな家を後にする。

こうなってしまった以上は2週間後を待つしかないのか。俺は頭を抱えながらここを出るのだった。




昨日の分の投下です。
寝落ちしました。

書いている本人は暴走が激しくて楽しくてしょうがない。
戦闘の描写は上手く書けてるかな…

ご指摘、ご感想、誤字報告があればよろしくお願いします。

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