妖精の翼 ~新たなる空で彼は舞う~   作:SSQ

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これから作者の暴走が始まります。
メイブ追記
FFR-41には電子頭脳が搭載されており、B-14も例外ではなくこれからは電子頭脳はgaruda、コールサインはガルーダと表記します。


第1話 接触

Another view -Side Royal air force &Royal navy-

 

1225 ブリタニア海軍所属イントレピッド(HMS D-10)が哨戒航海中に謎の発光を確認。

レーダーに反応がないが、新型のネウロイの可能性があったため座標及び視認内容を報告。

北緯32度20分23秒

東経02度46分01秒

 

1230 イントレピッドからの報告を受けた海軍指令部が空軍指令部に該当項目を確認、及び万が一に備えての偵察を要請。

 

1240 該当空域に友軍がいないことから当現象はネウロイまたはそれに準ずるなにかによる物と判断。現象から最も近く、かつ付近で演習を行っていたワイト島分遣隊に緊急発進命令。

 

1245 ワイト島分遣隊、現場急行了解と返答。

 

1300 分遣隊より報告。”特に異常は見当たらず”。現場海域に到着したイントレピッドからも同様の報告があったため上層部は処分保留と決定。

 

1305状況終了

 

Another view end.

 

-Side Barford-

ここは?

あの閃光に巻き込まれついに死んだと思ったらまだ、空を飛んでいた。

ここは噂に聞く天国か?

あの世と言うのはずいぶんと思っていたものとは違うようだ。

・・・ジョークが言えるほど意外と余裕があるらしい。いや、逆にそこまで追い込まれているのかもしれないな。

とりあえず、顔を動かしてあたりを確認してみる。まずな何事も状況確認と情報収集だ。

どうやら自動でオートパイロットが作動したのか普通の巡航速度で飛んでいるようだ。まったく、このシステムには感謝だな。これがなければ本当に死んでいた。

そして身体中生きていることを主張してくるかのように痛みが刺さってくる。パイロットがここまで全身に痛みがあるなんていったいどういった状況なんだ・・・。

下を見れば一面真っ青。海か?

ん?下?

よく見たら回りを見ても計器も操縦桿もない。ここはコックピットじゃない。

・・・じゃあ俺はどうやって飛んでいるんだ?羽でも生えてしまったのだろうか?

背中を確認してみると銃のようなものを担いではいたが、さすがに羽はなかった。

よかった。

いやいやいやいや、ちょっとまて。理解が追い付かない。

FAFは?フェアリィは?なんで俺はこんなところを飛んでいるんだ?

そして今の俺にはその疑問を解消するための解決策が手元に一つもない。降りようにもどこに下りればいいのかすらわからない。

「まったく、最高だな。」

そう思わずつぶやいてしまうほど俺は追い詰められているのだろう。

ふと足を見てみると見慣れないなにかがついていた。

それは両足についていてまるで・・・なんだ?これ?

不思議な形をしている。だがなんとなくだが俺が今まで乗ってきた愛機に似ている気がした。

どうやら俺はこいつのおかげで今、空を飛べているらしい。

こんなの履いた覚えはないんだがな。というかこんなのがいつの間に開発されていたんだ?さすがシステム軍団というべきかな?

試しに動かしてみるとオートパイロットが解除されて、一気に体勢が崩れた。

「うお!」

驚くことがたくさんありすぎて、オートパイロット中に入力動作を行えばそれが解除されるということを俺は忘れていた。

そしてただでさえ体に大きなダメージがあるのにそこで急な機動をすればもちろん答えは1つしかない。

急激なGによって体に一気に力がかかる。

そして動かした方向がまずかったのか一気に急降下が始まってしまった。

「まじか!!」

こうして急な気圧の変化からダメージを受けていた俺は簡単に意識を失ってしまう。

そして最後、1文の英文を読んでついに俺の視界は暗転した。

 

You have control.

I have control .

-Side barford end-

 

-Side garuda-

それは1225、イントレピッドが謎の発光を確認したところまでさかのぼる。

 

メインシステム通常モード起動。

garudaは一瞬で機体の形状が変わったことに気がついたが当たり前のように受け入れた。まるでそれが当然であるかのように。

機体が急降下中、パイロットは意識不明。

機体保全のため機体の操縦系統を掌握、オートパイロットに切り替え。

完了。

通常高度まで上昇次第、その高度を維持。

次に現状把握。

システム軍団の衛星網とデータリンク 失敗 。

偵察カメラからの情報を踏まえてここはフェアリィでないと判断。

他惑星最候補の地球と判断 。

GPS各種人工衛星とデータリンク 失敗。

該当周波数 探知できず。

各種無線を傍受 成功。

情報収集行動開始。

民間ラジオより現在が1944年8月26日であることが確定。

原因精査 ジャムによる時空干渉の可能性ありと判断。

これ以上は判断材料不足とし、情報収集を最優先任務とし、不確定要素はパイロットの判断に委ねると決定。

 

一瞬パイロットが目を覚ましたが再び意識不明。

バイタルに異常あり、これ以上は危険と判断。

付近の友軍反応を精査。

レーダーに感5 距離70 方位265 IFF応答なし。

速度、大きさからしてジャムでないと判断。

現在の自機と同形状なので友軍と判断。

救難信号 反応なし。

モールスによる信号 応答あり。

今後の判断はパイロットに任せ自分は航行に専念すると決定。援護を待つ。

-side garuda end-

 

Another view -Side isle of Wight Detachment-

ウィルマ・ビショップ、アメリープランシャール、フランシー・ジェラード計3人はいつもの、想定されている状況から明らかに外れている想定外の事態が起きていることに完全に混乱していた。

「何事も整理しないとね。」

「えぇ。整理整頓、大事です。」

「うん。」

ウィルマはとりあえず現場空域に到着するまでに現状を確認してみた。

命令を受けたとき私たち3人は対地攻撃支援演習を行っていた。アメリーは対地支援攻撃が苦手だから私たちがそれを見てアドバイスをする、というのが今日の内容だった。

そしてその演習中に司令部から発令された突然のとあるエリアへの急行命令。

付近を航行している駆逐艦が不審な発光を確認したので何が起きているか見てこい。とまぁこんな感じだった。

その時、みんなの隊長であった私は”こういう時に発令される命令はたいていの場合、ネウロイの撃墜命令。今回はどうやら違うらしい。

駆逐艦の見張りがネウロイの閃光を見間違うはずがないからもしかしたら今回は楽ちんかもね。”とそんなことを3人で話していた。

ここの空域に限って言えば1940年くらいに起きたバトルオブブリテンでも、ほかの場所でも噂程度だけれどカールスラントやガリアなど欧州各地でも不審な発光が確認されたことはある。これらすべてが同じものだったという報告はどこにもないしそれが単なる見間違い、金属片が太陽光を反射した、自然現象などその謎の光の原因は様々だった。

そして一番厄介なのは“新型のネウロイ”という報告。ネウロイの巣が近くにある空域だと特にその傾向は高く当時は怪しい光はネウロイだと思え、とか言われていたくらいだし。

だから今回もネウロイの可能性が高いのだろう、というのが自分と司令部の見解だった。

実際の所、確かにここは最前線だしその可能性は十分にある。だけれどもこの近くには501統合戦闘航空団の基地がある。新型のネウロイだったら私たちが倒すよりもそっちに任せてしまったほうがいろいろと後の処理が楽だし今後のためになるはずだ。

そう楽観視していた。

 

けど、状況は私の想定をはるかに上回った。

目標到着まで残り10分といったところで突然、救援信号が発せられた。

私たち3人は顔を見合わせ最悪の状況に備える。しかしそれから3分以上がたっても全く何も起こらない。そう、何も起こらなかったのだ。

普通なら救援信号というのは広域に発せられるためすぐに様々な部隊が受信できるようにその精度もかなり高い。だからこの近くにいるほかの部隊が聞き逃すなんてことはまずありえないはずなのだ。ましてや、この近くには先ほどの謎の閃光を確認したはずのブリタニア海軍の艦艇、支援物資を輸送している扶桑の護衛艦隊、オラーシャに変えるために航行している巡洋艦数隻をすでに“目視”している。そんな海軍の艦艇すべてが聞き逃すなんてことはまずありえない。そしていくら待っても司令部からその詳細に関する情報が一切流れてこない。つまりこの救援要請は私たち3人のみに送られてきていることになる。

「この状況、みんなはどう思う?」

「まずは下にいる海軍の皆さんに救援信号を受信しているかの確認を行うべきだとおもいます。」

「そうね、あとは司令部と付近を飛行しているほかの航空機にも確認ね。」

「ま、それが一番よね。解りました、フラン、司令部に確認をお願い。アメリー、できるだけ多くの航空機に確認してもらえる?私は海軍の船の人たちに聞いてみるから。」

「了解です!」「わかったわ。」

こうして3人であらゆるところに連絡する。私は他国と意外とつながりがあったから扶桑の駆逐艦の艦長と連絡を取ることができた。その彼も受信していなかった。ブリタニア海軍も同様、オラーシャはちょっと距離がありすぎてダメだったけれどこちらに報告してくれないところを見るとおそらく同様に受信していないのだろう。

アメリーやフランも同じだった。フランは何回も司令部に問い合わせたところついには怒られてしまったそう。こんなの怒られ損よ!と口をとがらせていた。

まぁ言いたいことはわかるわ。だって今も耳につけているインカムからは救援信号である…---…が聞こえてきているんだもの。これを私たち以外が誰も聞いていないなんて不気味なことがいま、目の前で起きている。

私が考えていると二人が心配そうな目で見てくる。

「そんな顔しないで。まずは私たちで確認に向かいましょ。だって今、まさに誰かが助けを求めているんだから。」

「そうよ!あんな使えない連中放っておいて早く行きましょうよ!」

「そうですね、手遅れになる前に急ぎましょう!」

「よし、それじゃあ行きましょうか。」

そして私たちはさらに速度を上げてそこに向かうのだった。

しかし、私の気がかりは偵察命令があった場所とほぼ同じ場所からの救援要請。なにか関係あるのか、むしろ関係があるとしか思えない。

もしかしたら何かしらの事情があるのかもしれない。

私は2人には言わないでひそかに警戒心をあげておくのだった。

 

そしてまったく予想だにしていないことが起きた。

今まで生きてきた中で一番驚いたかもしれない。

救援要請をしたウィッチは女じゃなくてまさかの男だった。

近付いた瞬間いきなり自由落下を始めるもんだから急いで回収した。

見た目は16から18くらい。

髪は黒いがうっすら開いた目は蒼色だった。

意識もなく怪我をしている。ただ、血は既に止まっているようで止血の必要はないかな。

 

というか、男のウィッチ何て聞いたことない。

まったく予想していなかった事態に2人もびっくりしてる。

「誰よ、こいつ。」

「少なくとも知り合いにこんな人はいないわね。」

「ケガ、していますね。大丈夫でしょうか?」

「フラン、あなたにはこいつが平気に見えるの?気を失っているのに?」

「あ、いえ、そんなことは・・・。」

「はいはい、ケンカしないの。」

この場を指揮する者として私はとにかく彼を基地に連れていくことにした。

見捨てるなんて選択肢は元から私にはなかったもの。

私が彼を背負って後ろの二人にユニットと、武器をもってもらった。

2人は「このストライカーユニット重すぎる!」と言っていたが、捨てるわけにもいかないので我慢してもらった。

「ごめんね、帰ったらお菓子あげるから。」

「なら、少し我慢します。」

「もう、仕方がないわね。」

ふてくされながらもしぶしぶ了解してくれた。

というか、お菓子で簡単につれちゃうならこれからもいろんなところで使えるかな。

まだ子どもなのね。

 

それにしても、彼に聞きたいことはたくさんあったけどこの状態じゃ聞くに聞けないし、武器も見たこともないような形だし、全く司令部に何て報告すればいいのよ。

悩んだ挙げ句さっきいないって言っていたのに嘘をつかれた怒りからか異常なしと報告してやった。

まぁ、後で文句言ってきたらすぐ確認がくると思って緊急事態につき無理だったと言えばいいか。

さて、基地に帰ったら隊長に何て言えばいいのかしら?

あっ、ドクターに待機していてもらわなわないと。

急いでくるよう隊長にお願いしておこう。

本当に隊長には申し訳ない、たぶん一気にやることが増えて負担をかけるかもしれない。だから私も手伝ってあげないと。連れ帰るって判断した私のせめてもの罪滅ぼしみたいなものだ、と考えていた。

 

 

こうしてバーフォードとウィルマのファーストコンタクトは終わった。

 

Another view end - side Isle of Wight Detachment-

 

 

 

 




小説って書くの大変だね。楽しいからいいけど。
頑張ったと思っても2000文字くらいにしかならなかった。
これからちょっとずつ増やせるようにがんばります。


このなんか時間ごとに刻々と状況が変化するような感じにしたかったがあまりできなかった。
次回から生かそう

ご指摘、ご感想、誤字報告があればよろしくお願いします。

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