妖精の翼 ~新たなる空で彼は舞う~   作:SSQ

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最初は説明です。特に読まなきゃあとでやばいというわけではないので飛ばしてもかまいません。
あと、今回は日記っぽくなってしまいました。



第29話 502の一日

さて、ここで502の指揮系統や部隊について簡単に説明する。

 

まず、指揮官であるラル少佐は基本的には出撃しないで基地に残り出撃したウィッチに命令を下す役割をしている。以前大怪我を負ったことも配慮してのことである。

その補佐官であるロスマン曹長はバックアップ要員として待機しており、ほかのウィッチが何らかの理由で出撃できないときは変わりに出撃することになる。

次に夜間ウィッチについてだ。

502では月曜日から土曜日までは下原少尉とサーニャ中尉が交代で行い、日曜日はバーフォード大尉が行っている。

これには2つの理由があり、1つは夜間ウィッチの負担軽減にある。ペテルブルグの夜は長い。1945年1月8日で言えば日の出は0953、日の入りは1617。単純計算で太陽が出ている時間は6時間24分しかない。それ以外は夜になってしまう。つまり17時間36分は夜間ウィッチの担当ということになる。

その上、欧州のなかでもトップクラスの激戦区である502では2日に1回は夜間戦闘がある。ただでさえ、1人で戦わなければならないためそれが連日続くと歴戦のウィッチでもすぐ消耗してしまうためこういう措置が取られた。

二つ目は、単にバーフォード大尉の夜間戦闘能力の向上にある。統合軍本部としても彼がどれほど使えるのか未知数であるため少しでもデータがほしいところであったため特例で許可された。

また夜に空を飛べるウィッチはそもそもの絶対数が少ないため、できるとことならぜひ使いたいというのが司令部の本音であった。

さて、こうすると太陽が出ている間に戦うことができるウィッチは8名となる。そして502における戦闘の90パーセント以上をこの8名が行っている。

502は前述したとおり非常に攻撃的な部隊であり時には数日間装備をもって基地から離れ、ネウロイの巣から遠くない位置で野営をして、そこから出撃を行うことがある。

ここではそれを“遠征”と呼んでおり、野営するところはかつて人が住んでいた村を借りたり、撤退戦以降使われなくなった基地であったりさまざまである。

そのため、502では細かい部隊を作る必要があった。

四人一組の大隊が二組、それぞれをA隊、B隊と呼称する。

また大隊の中でも一班、二班と分かれる。

具体的に言えば

A隊、一班・・・・ポクルイーキシン大尉(A隊隊長)、ニッカ曹長

A隊、二班・・・・管野少尉、ユーティライネン少尉

B隊、一班・・・バーフォード大尉(B隊隊長)、ビショップ軍曹

B隊、二班・・・クルピンスキー中尉、ルマール少尉

といった具合だ。たとえば遠征がないときは

日の出1時間前~南中時刻、A隊

南中時刻~日の入り30分後、B隊

といった感じにネウロイに対抗する。またA隊が遠征に出ている場合は

日の出1時間前~南中時刻、B隊一班

南中時刻~日の入り30分後、B隊二班

という割り当てになる。506のように、基地まで別ということにはならない。

こうしてウィッチーズとウィザードの一日が始まる。

 

 

 

 

 

 

0500

起床。1月とあってペテルブルグの朝は寒い、がとにかく起きなければなにも始まらない。

寝巻きから普段着に着替えて外に出る。まだ太陽が出る気配はまったくない。

10分後宿舎の前で準備運動をしているといつもどおりウィルマが出てきた。

「おはよう。ウィルマ。」

「おはよー、寒いね。」

「仕方ないさ、いくぞ。」

「わかった。」

二人で走り始める。この時間帯は着陸機がないから滑走路の端から端まで二往復する。毎日必ず走り、体力の低下が起こらないようにする。片道2kmなので計8km、ウィルマもよくついてきてくれるものだな。

「お疲れさま。それじゃあ。」

「うん。また後でね。」

走り込みを終えて、部屋に戻り汗を拭いて身だしなみを整える。

 

0555

全員がブリーフィングルームに集まり始める。

ちなみに、走り込みをしている奴はあまり多くなく、管野なんかはよく寝坊する。

そして、よく少佐に怒られる。学習しろ。

まぁ扶桑と比べて遅い朝、早い夕方には慣れないのかもしれないな。

 

0600

少佐と曹長が入室する。

「おはよう。」

「「「「おはようございます。」」」」

「それでは、気象ブリーフィングを始める。曹長、配ってくれ。」

「わかりました。」

毎朝、この時間から夜間哨戒中のウィッチを除くすべてのパイロットが集まって今日の天気など気象情報の通達が行われる。

「ペテルブルグ気象台からの報告によると本日の天気は一日を通じて晴れ、ただし、エリアエコー、フォックストロット、リマ、マイク、クエベックでは午後から雲が厚くなるそうだ。戦闘を行う際は、雲の中に逃げられないように注意しろ。また今後一週間の天気に更新があった。あさってまでが晴れの予報だったが、低気圧の勢力が予想よりも大きいらしく、明日までになった。それ以降は雪が降る予報になっている。遠征組みは延期になる可能性があるので、今後の通達を待ってくれ。以上だ。何か質問は?」

「雪というのはどのくらいだ?視界がさえぎられるほどか?」

「そこまでではないらしいが、予想される積雪はペテルブルグで15cm・・・・」

その後10分ほどで気象ブリーフィングは終了した。

 

0630

朝食の時間だ。といってもまだ太陽は出ていない。今日は熊さんとニパが作ってくれた。トースト、サラダ、コーンスープといった具合だ。ちなみに下原が担当のときは必ず和食だったりする。基本的にはお付の料理人が作ってくれるが、たまにウィッチが担当する。

一番多いのは夜食で主に親睦を深めるために行われるのだが、朝食の担当は少佐の朝ごはんくらいたまには自分たちで作ったらどうだ?という提案で決まったらしい。

「管野、塩取ってくれ。」

「フンッ。」

直球ストレートで投げてくるも上手くキャッチする。

まったく、これだから一匹狼は。大和撫子の名前が泣くぞ。

「どうも。」

「どういたしまして。」

しかし、ちゃんと教育を受けているだけあって返事はするのでさらに質が悪い。ただ、たてつくだけなら悪ガキの一言で片付けられるのだが。

朝食を腹に流し込んでお皿を片付ける。

「ご馳走様、熊さん、ニパ。」

「いえ、どういたしまして。」

「うん、今日は失敗しなくてよかったよ。」

「失敗?」

「ええ、ニパは前にトーストを全部丸焦げにしたことがあって・・・。」

すかさず、熊さんが答えてくれた。

「・・・ニパってとことん機械に嫌われてないか?」

「うっ。」

「だよなー。ユニットだってよく壊すもんナ。」

「イッル!それは、私のせいじゃ・・・・。」

「はいはい、そこまでにして。皆さん、やることあるでしょ?」

「はい・・・。」

さすが戦闘隊長、まとめるのが上手いな。

「大尉の隊は午前中だっけか?」

「そうだ。B隊が午前でA隊が午後だな。」

「ならこれからサーニャとなんかしよー。」

その場で2回転してスキップしながら食堂から出て行った。まだ、サーニャが帰ってくるまで時間があるから何か準備して待っているのだろうが。

さて、俺も支度するか。

 

0700

ユニットが置いてある格納庫で装備の最終確認を行う。

メイブの方は一度起動してしまえばオートチェックが働くがスピットファイアの方はそうはいかない。まだ完全には機体の構造を把握できていないためウィルマと一緒に確認する。こういう時、僚機と同じ機種だと整備がしやすい。今日は出撃があったときはメイブを使うつもりだが万が一動かなかったときのためにスピットファイアも準備しておく。ちなみに、模擬戦のときに出来た亀裂などはもう修理済みである。

全部の動作が完璧に行われることを確認して、チェックリストをマークして提出する。

ちなみに予備パックというのが存在していて、いろいろなサバイバル用品が入ったリュックサックを持っていってもいいのだがよく墜落するニパを除いては遠征のとき以外はまったくといっていいほど持っていかない。結局は戦闘の邪魔なのだ。

 

1000

ペテルブルグの日の出の時間が過ぎ、ネウロイがいつ来てもおかしくない時間帯になる。

ちなみに自分たちの今日の担当時間は0850~1200となっている。

 

「それで、エリアノヴェンバーからルート135を通ってエリアインディアに入った瞬間に右側に見える大きな建物は何でしょう?」

「ホテルかな?屋根に“HOTEL”っていう看板があるやつ。」

「教会、屋根にでっかい白い十字架が載っているやつだ。」

「教会で正解です。ホテルはルート246から侵入するときの目印ですよ。」

「あら?そうだっけ?もう一度確認してみる。」

「確認したほうがいいな。すぐ憶えなよ。

「わかってるって。」

今行っているのは戦闘を終えて基地に戻る際に目印になるものを覚えているかの確認だ。

レーダーがそれほど発達していないこの時代では目視での飛行が多くなる。

もちろんレーダーの索敵範囲内であれば現在地がわかるが範囲外や通信機が故障した際に無事に基地に帰れるよう、502周辺の地形を完璧に覚える必要がある。目印になる物で一番多いのは人工物だが、山や湖などでかい自然の物も目印になったりする。

そのため新参者である俺たちは数日でできる限り覚えて、こういった出撃待機中などの隙間時間に覚えられているかどうかのテストを行ってもらっている。ルマール、いつもありがとう。

ちなみに地図といっても山の大きさなどを正確に作ってある立体模型があるため非常にわかりやすい。

ワイト島時代は主な戦闘空域が海上であり、501のおこぼれをこちらが迎撃するのが任務であったため空域もそれほど広くはなかったことから、覚えることはそれほど多くはなかった。それ故に方角を正確に測ることができれば帰ることができた。

だがこっちは地上で似たような地形が広がり戦闘空域も広大である。一度自機がどこを飛んでいるのかを見失うと非常にまずいためこうして覚える必要があるのだ。

 

俺ら三人で土地当てクイズをしているこの出撃待機室はこの部屋にいれば何をしていてもかまわないことになっている。

ちなみに今この部屋には五人いる。

曹長、伯爵、ルマール、俺、ウィルマだ。

曹長がこの部屋にいるのは少佐の補佐としてやるべき仕事があるのだが、階級的に見てはいけない書類が少佐の所にはたくさん来るためこの部屋で仕事をしているらしい。

ちなみに何か連絡があれば曹長が伝えてくれる。

「伯爵ってさ、今まで何機のユニット壊したんだ?」

ふと気になって聞いてみた。

「聞きたい?まいったな・・・ここでかい?」

ほかにどこで聞けばいいんだよ。思わずため息が出る。

「十機です。」

代わりに曹長が答えてくれた。すると曹長は突然立ち上がり叫びだした。

「だいたい!あんたはどうして二回に一回は何かしらの装備を壊さないと気がすまないの!私はあんたがユニットを壊すたびにどれだけの書類にサインしなきゃいけないと思っているのよ!?」

「上が納得して黙っちゃうくらい毎回撃墜しているんだからいいじゃないか。」

「この!」

曹長は指示棒をもって伯爵に襲い掛かる。

「痛いな~。先生~。」

「少しは反省しなさい!」

めちゃくちゃ叩いている。よほどストレスが溜まっていたのか。

・・・・・・・・というか俺の知っている曹長と違う。

元のイメージは一言で言えばクールビューティーだったが今の彼女を見るとなんというか気苦労の耐えない突っ込み役にしか見えない。

まぁ、502に来て数日でどのような性格かを知ることができるわけはないか。

それにしても平穏だな。ネウロイの出現頻度が低い冬とはいえ最前線とは思えん。

「どうしたの?ウィザード、そんなじっとこっちを見ちゃって。まいったな。私に惚れた?でも、一夫多妻制は宗教上だめなんだな。」

「ウィザードじゃない。バーフォードだ。いや、曹長がそんな感情を表に出すとは知らなかったものでな。」

「なんと!私ではなくロスマン曹長か!やっぱりバーフォード大尉は年上がお好き?」

「違う。」

「というか、バーフォード大尉にも言いたいことがあるんです!」

俺?曹長がこちらに歩いてくる。プンスカプンスカ私は怒っていますオーラがすごい。

「模擬戦でユニットを中破するとか、一体どういうことですか?あの時は少佐がいて深くは追求できなかったのでどうして中破したのか聞きたいんですけど。」

「ユニットで回し蹴りをしただけだ。そうしたら管野に迎撃されてユニットが凹んだんだ。」

「なにが回し蹴りをしただけだ、ですか!普通そういうことはしないでしょ!?」

「ブレイクウィッチーズ相手に普通が通用するわけないだろ。」

「よ、さすが幻の四人目のブレイクウィッチーズ!わかってる!」

あおるな、伯爵。

「軽く話には聞いていましたがまさか、本当にしたんですね・・・・。次はないですからね。」

「もちろん、ブレイクウィッチーズにはなりたくないからな。」

「えっ、ならないのかい!?」

そこに驚くのか。

「というか、あんた!伯爵も少しは・・・・・」

リリリリリリリン、リリリリリリリン!!!

電話だ。

「タイミングが悪い!」

悪態つきながら受話器を取る。

伯爵も新聞をまた読み始めたし、俺も何か飲もうか・・・

と思った次の瞬間、曹長が叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スクランブル!!!!」

 

 

 

 

 

一瞬で全員の意識が戦闘モードに切り替わり、基地内に警報音が鳴り響く。

四人が一斉に走り出し、すぐ隣の格納庫にある各々のユニットに搭乗する。

そしてその瞬間からこの基地は少しの間、俺たちのものになる。

管制塔や格納庫には“SC”のランプが点灯し、基地は第二種警戒態勢に移行する。

ペテルブルグ基地に着陸しようとしていた輸送機隊には着陸中止と上空待機が通達され、ロンドンに向かう高級士官を乗せた飛行機も滑走路手前で離陸待機が命じられる。

全てはウィッチを最優先に離陸させるために。

メイブの回転数が上昇し始める。銃を取り安全装置を確認。

全員から準備完了のハンドサインを受け取り、移動を開始する。

「502B隊隊長機より、管制塔へ。離陸許可を要請する。」

『了解、アポロ1、ウイスキー3を経由し、28Lより離陸せよ。現在風は南南東に2km、離陸に支障なし。』

「了解。全機、聞いたとおりだ。ついて来い。」

「「「了解。」」」

そして滑走路に進入、速度を一気に上げて離陸する。

「相変わらずジェットストライカーユニットはうるさいね。どうにかならない?」

「すまない伯爵、できない。」

『502コントロールより502B隊へ、第13観測所より報告だ。中型5、小型13の計18機の編隊がエリアオスカーサウスより3-5-6方向に時速460kmで飛行中、エンジェル9、防衛ライン突破まであと30分。至急これを撃墜しろ。』

30分?だいぶ近づかれたものだな。山の間でも飛んできたのか?

「全機、12000ftまで上昇する。上空から奇襲をかけて一気に減らす。出来るな?」

「もちろんですとも。」「いけます。」「いけるよ。」

 

全機が一斉に高度をさらに上げる。四つの飛行機雲が空に浮かび上がる。

索敵に反応あり、二時方向か。

そして、目視でも機影を捉える。

「敵機発見、二時方向下。安全装置解除。スタンバイ。」

初弾を装填し、スコープを調節する。よし、問題ない。

「降下開始、まず小型機を出来るだけ減らせ。」

四機が急降下を開始しネウロイを捕らえる。敵機からも攻撃が始まる。

 

小型ネウロイの高熱源部分に標準を向けて

攻撃

すかさず、すぐ隣の小型機に対しても

攻撃

続けざまに二機の小型ネウロイが爆散する。撃墜できた。

そしてすれ違う直前に

-能力を起動-

世界がゆっくり動く中でさらにもう一機のネウロイに対して狙いを定める。

引き金に意識を集中して

-解除-

攻撃

よし、一気に三機落とせた。

地面が急激に迫ってくるので反転し上昇。魔力で身体が強化されているらしいがそれでも苦しみを覚えるほどの急激なGが体を襲う。

「くっ、全機散開!二班は残存の小型機を狙え!」

「「了解!」」

 

一番近い右側をとぶ中型機に狙いを定め

攻撃

コアの少し右に着弾。外したか。

敵レーザーを、体を思いっきりひねって回避。

ネウロイを見下ろす場所について再び

攻撃

ネウロイのコアを露出することが出来た。

しかし硬い。前じゃ、一発あれば中型程度であれば落とせた。

何らかの敵装甲のアップデートでもあったのか?

修復がはじまり、引き金を引くが

ミスファイア(不発)、こんなときに限って不発弾かよ!

手動で排莢しようとしたとき、目の前のネウロイが爆散する。

ウィルマか、ナイスアシスト。

「大丈夫?」

「問題ない。ただの不発弾だ。」

弾薬はこちらの時代の物を使っているがよく不発弾がある。

怖いからやめてほしいものだ。

「ルマールです。小型はすべて処理したのでサポートに回ります。」

「了解、助かる。」

 

その後五分ほどで、敵は殲滅できた。

スコアは伯爵が6、俺が5、ルマールとウィルマが4(共同撃墜も含む)という結果だった。

 

1130

無事全機、帰頭した。誰もユニットを壊すことなく待機室に戻ってきたため曹長のほっとした顔といったらもう。

その後、1200まで襲撃はなかったのでこのままA隊に引継ぎとなった。

 

お昼ごはんを食べ、四人で報告書を書く。

「今日は何も壊してないからサインする量が少なくて楽だね。」

「だったらこれからも壊さなければいいのに。」

「ユニットは壊してなんぼだからね。」

知らんがな。というか、この隊の隊長は俺だから伯爵が壊すたびに何か少佐に言われるのか?それは困る、というか面倒くさい。

「もう、壊すなよ。責任とかクレームとか全部俺にくるのだから。」

「それは無理な相談という奴だな。鳥に空を飛んではいけないといっているようなものだよ。」

なんだその例えは?

「・・・・面倒だけは起こさないでくれよ。」

「善処するよ。」

ウインクされてもどう反応していいのかわからないからやめてくれ。

報告書を仕上げ、少佐に提出後はノルマを達成したということであとはA隊任務終了時刻まで基地内であれば何をしてもいい時間となる。

ウィルマたち女子三人は女子会を開くとか言ってどっかに行ってしまったので俺は格納庫でメイブの点検を行ったり、ユニットに乗ってラジオでは聞けないような周波数を聞いて時間をつぶした。たまには一人も悪くはない。

 

1900

下原&管野ペアが担当となり扶桑食が今日の晩御飯となった。

煮物、焼き魚、お味噌汁、白米、卵焼きetc.が並んだ。

これってどちらかというと朝食向きじゃないか?と思ったが飲み込む。

まぁ、そんなもんだろうと納得しておいしくいただきました。

食べ終わって食器を台所に持っていくと扶桑二人組みがいた。

「管野も料理が出来るんだな。まったく、イメージとは異なるものだな。」

「オレだって出来るさ。家で徹底的に叩き込まれたからな。」

「それはご苦労なこった。」

自分の使った食器を水ですすいで洗い始める。

管野の隣で大皿を洗っていた下原が話しかけてきた。

「バーフォードさんも出来るんですよね、私としてはそちらのほうが意外です。」

「出来ちゃ悪いのか?生きていくうえで必要なスキルだしな。」

「そういうわけではなく、ただ単に珍しいなと思ったんですよ。」

「お前、実は女なんじゃないの?ユニット動かせるなんて。」

管野は相変わらず突っかかってくるな。

「そういう管野こそ、男なんじゃないのか?一人称オレだし。」

「何だと!」

「まぁまぁ。そう怒らない。ほら、ナオもやることあるでしょ?食器洗わなきゃ。」

「わかってるよ!まったく。」

洗い終わった皿を立てかける。

「それじゃあな。」

「はい。お疲れ様です。」

 

 

 

2300

夜間ウィッチのバックアップ要員ではあるが少佐が俺の行動を把握していればどこに行ってもいいらしい。が、特に行く場所なんてないから部屋か食堂で待機しているが。

万が一のときは曹長か少佐にたたき起こされるだろう。

ということで、少し早いが寝る。

さっきまで飲んでいた紅茶のカップを洗って元に戻す。

「お休み、ウィルマ。」

「おやすみ、私ももう少ししたら部屋に戻ろうかな。」

「明日も早いんだからそうしたほうがいいんじゃないか?」

早寝早起き、って廊下に張ってあるからな。

下原が502に持ち込んだ扶桑文化が広まった成果だろう。

扶桑文化が変な方向に広まっているのは気のせいだろうか。

「そうだね。ばいばいー。」

「あぁ。」

部屋に戻り横になって目を閉じる。

 

 

こうして502での一日が終わる。

そしてまた明日が始まる。

 




こういう設定を考えているときって一番楽しいんですよね。
間違いがあればご指摘よろしくお願いします。
いまいち全員の特徴を捉えきれてないんですよね・・・。

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