短めです。
何となく思い付いたものとなります。
後、今話から501組もアニメと同じように呼びます
。
作中のB隊、チームについては次回説明します。
それは着任して数日後の朝だった。
「バーフォード大尉、ビショップ軍曹。あなたたち宛に手紙が来てますよ。」
曹長に朝御飯を食べ終わった後、そう言われ手紙をそれぞれ宛に計2通受け取った。
ちなみに、まだ朝食後の休憩時間なので皆くつろいでいる。
それぞれ思い思いの事をしているようだ。
「俺は、、、ジャックからか。ウィルマは?」
「メアリーからだ。どうしたんだろう?」
取り合えず各々の手紙を読む。
ジャックからの手紙には
ガリアのネウロイの巣が破壊された原因に関する暫定報告書が入っていた。
ウォーロックが巣と同調した結果、巣の中枢までシンクロしてしまった。それゆえウォーロックを破壊したため巣も破壊されたのではないかというものだった。
最後、宮藤にコアを露出させたのは少なからず残っていた人形ネウロイの意識ではないか?
何らかの意識が働いたため自らを破壊させるような行動をとったと思われる。
とも書いてあった。
なるほどな、それならかなりの説明がつくな。
ネウロイか。
ジャムともまた違ったよくわからないやつだ。どうやって飛んでいるのかもわからん。
しかし、ジャムがネウロイみたいな攻撃方法でなくて本当に良かった。
全方位に攻撃できるとか、戦闘機乗りにとっては悪夢出しかないからな。
それにしても、ネウロイの巣がどういう規則に乗っ取って配置されているのかいまいち良く解らないな。奴らは何を狙っている?
水か?何らかの資源か?はたまた文化か?
今度、皆と話してみるか。
「ウィルマの方は何て書いてあった?」
「なんか、メアリーは501の人達にスポットライトを当てた活動写真をとることになったらしいんだけどそれに出ることになったんだって。」
「は?なんでさ?」
「ペリーヌさんに誘われたらしいよ。同じガリア人で昔知り合いだったということで採用になったらしいね。憧れのペリーヌさんと、それも活動写真の共演をする事が出来てすごく嬉しかったって書いてあるね。ちなみに、私の妹のリーネもでるみたい。元気にしているかな?」
なんでも三人一組らしいが501は元々11人のため一人足りないから埋め合わせで入ったとのこと。もう他のメンバーは撮ったらしくてこの3人が最後らしい。
まったく、縁と言うものは時には珍しい繋がりを生むもんだな。
しばらくすると扉が開いて夜間哨戒を終えたサーニャが帰ってきた。
「お疲れさま、サーニャ。」
「あ、バーフォードさん、おはようご、、、」
「サーニャお帰り!!!」
エイラが割り込んできた。
「エイラ、ちょっとうるさい。」
「うっ、ごめんナ・・・・」
2人が話している間に紅茶を入れる。これから寝るサーニャに対してカフェインを与えるのはまずいからな。
「ほら、どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「あ、ありがとう、大尉。でも、珍しいナ。」
「何となくそういう気分だったんだよ。そういえばお前らはもう撮影したんだろ?いつ公開なんだ?」
「「撮影?公開?」」
「501のガリアの巣を破壊した活躍を記念して活動写真を撮るとか聞いたが。もう最後のグループの撮影が始まってらしいがな。」
「詳しく!!」
エイラが食いついてきた。
さっき聞いた話をすべて話す。そして…
「私たち、仲間はずれにされてるナ、サーニャ。ミーナ中佐、どうしテ!?501であんなことやこんなことをしてしまったからカ!?」
「エイラ、501で私が寝ている間何をしたの?」
「は!、べ、別に何もしてないゾ!!」
したな、わかりやすすぎるんだよ、お前は。
「どうしよう、ちょっと電話で聞いてくる!!いくゾ、サーニャ!!」
「あっ、待って。エイラ!」
走って出ていった。それに話題そらしやがった。
「なんか、悪いことしちゃったね。」
「仕方ないさ。さて、行くか。」
「うん。」
そういって手紙をポケットにしまおうとしてふと、もう1枚手紙があることに気づいた。なんだろうか?
赤文字で”極秘”とは書いてなかったのでウィルマも読んでいい物だろうと推測し2人で読む。
そこに書いてあったのは
「部隊証?」
「パーソナルマークみたいなものだよ。」
VFA-21のマークを考えてほしい。そして、それが出来次第、君たちのユニットに描くことになる。
というものだった。
「ウィルマは絵かける?」
「風景はかけるけど動物とかは苦手かな。」
「なら、適当に相談してみるか。熊さんにでも聞いてみようか。」
・・・・・・
「私はちょっと無理ですね。ごめんなさい。」
断られた。
「熊さんは絵を描くのは苦手か?」
「はい、絵はどうしても苦手で。何かを教えるのは得意なのですが。でもルマール少尉は得意みたいなので聞いてみたらどうでしょう?同じB隊なら出撃待機中に聞くのが一番いいと思いますよ。」
「わかった。ありがとう。」
「いえ、それでは失礼します。」
休憩時間が過ぎ、出撃待機中状態となり今は格納庫で装備の確認を皆でしている。もうすぐ終わるがな。
「ルマール少尉。」
「はい?なんでしょうか、大尉?」
「君は絵が得意か?」
「それなりにはかけますよ。それがどうしましたか?」
「頼みがある。」
部隊証の事で協力して書いてくれる人を探していて、熊さんがルマール少尉は絵が得意とのことなので依頼したい、と伝える。
「わかりました。いいですよ、協力します。でも私でいいんですか?」
「他に心当たりがないからな。助けてくれると本当にありがたい。」
「それなら、早く終わらせちゃいましょう。」
部屋に戻り4人で話を始める。
ちなみに俺、ウィルマ、ルマール、伯爵だ。
こうして、デザインが始まる。
「そういえば、バーフォード大尉の使い魔ってなんなんですか?」
「アメリカワシミミズク」
嘘だ。ジャックと来る前に決めておいた。
何故こいつかというと。ある日突然ジャックに好きな動物は何だ?と聞かれてふと小さい頃通っていた学校の名誉校長としていつも入り口にいたアメリカワシミミズクを思い出したためだ。それと夜間哨戒が出来るといったとき使い魔がミミズクというと納得されやすいというのもある。
「ふむふむ。それでは、それも入れましょうか。」
ひたすら鉛筆を動かす音だけが響く。
「そういえば、バーフォードのユニットって部品とか交換してないけどいいのか?」
伯爵がうつ伏せのまま話しかけてくる。てっきり寝ているもんだと思ったが。
「ジェットストライカーユニットの方が?あれは特別製だからな。放っておいても勝手になおる。」
「なにそれ?」
「すべての部品に魔力が込められていて帰ってくる度に魔力を入れておくと自動で直るんだ。だからとくに修理とかは必要ない。ブリタニアのすごい技術その5、”形状記憶魔道金属”って奴だ。」
「・・・・ずるくない?手かなにさ?形状なんとかって?」
「悪いがそれ以上は機密だ。」
装甲に魔力が込められているのはジャックと調べて気づいた。しかし、どうしてこうなったのかは未だに疑問だ。こいつの部品はおそらくこの時代では作ることが不可能だからこういう謎システムがあってよかった。
「どれくらいの速度が出るんですか?」
「巡航速度で計算するならバッキンガム宮殿から凱旋門まで9分30秒。」
「それはすごいですね。」
明らかに信じてないな。わかりやすいたとえだと思ったんだが。
まぁ、宮殿から凱旋門までおよそ340km、巡航速度がM1.75、最高速度がM3.3だから最高速度ならおよそ303秒だから5分。まあ、最高速度なんて維持し続けたらあっという間にガス欠になる。この時代じゃ音速も越えられないから想像も出来ないか。
システム軍団も化け物を作ったものだ。
「今さらですけど、男のウィッチって言いにくくないですか?てか長いんですよ。」
「ルマール、じゃあなにがいいんだ?」
伯爵が手を挙げる。
「ウィザードかソーサラーってのは?調べたらこの2つが出てきたよ。」
「もういっそのことウィザードにしたらどうです?世界にただ1人ウィザード。部隊名もそうすれば知名度アップ間違いないですよ。響もいいですし。」
「……………………俺にはガルーダっていう名前がある。それに誇りを感じているし、変えるつもりはない。」
「でもかっこいいじゃん。変えないの?バーフォード?」
「そう言われてもな。」
「というか、ガルーダってなんですか?」
「ヒンドゥー教における神の名前だ。伝説上の鳥だ。母親をへび族に苛められたことに滅茶苦茶怒ってそれ以来竜をよく食べるようになったらしい。ヴィシュヌ神を乗せて空を飛ぶんだ。」
「…………なんか凄いですね。」
結局、折衷案としてウィザードとガルーダ両方名乗っては?というウィルマの提案で片がついた。
俺としては変えたくはないのだが両方ならまぁいいか。
そうこうしているうちに部隊証が出来たみたいだ。
「出来ました。こんなのでどうでしょうか?」
ルマール少尉が見せてくれた。
「ウィルマさんが、魔女。バーフォードさんが、フクロウです。ちゃんと部隊名も入れました。」
ふむ。まぁ、ミミズクなんだがアメリカワシミミズクの特徴を捉えているからいいか。
「いいんじゃないか?」
「いいね、白黒って言うのが逆に目立ちそうだし。」
こうして部隊証もでき、近いうちにうちの愛機にまた新しいマークが追加されることが決まった。
ルマールから絵の書いてある紙を受取り、封筒に入れて司令部に出してきた。数日中にジャックの元に届くだろう。
すぐ近くだから出撃待機中でも許可は降りている。
部屋に戻ってウィルマの隣りに座り、ゆっくりする。
時計の針の音や本のめくる音が響くなか、ルマールが俺の前に歩いてきた来た。
「大尉、一つ言わせてください。」
「どうした?いきなり?」
そう言うとルマールは俺達に頭を下げた。
「祖国ガリアのネウロイの巣を破壊する作戦に参加してたと今朝、少佐から聞かされて知りました。恩人でもあるあなたにお礼を言うのが遅くなってしまい、ごめんなさい。けれど、言わせてください。
本当にありがとうございます。」
そういえばルマールはガリア人だったな。
「………巣を破壊したのは、501の奴等だ。俺はそこにいたにすぎない。感謝されるべき奴らは501であって、俺たちじゃないさ。」
「それでも、一人のガリア人として祖国解放に携わった人に感謝はしなければいけないと思いますから。些細なお返しでもしないと私のプライドが許さないので。」
そう言って彼女は俺の目をじっと見てくる。
「………わかった。ならその感謝は受け取っておく。律儀な奴だな。」
「ガリア人ですから。」
なるほどな。
「………一つ聞きたいことがある。」
「なんでしょうか?」
「君はこれからは何のために戦う?」
「戦う理由ですか?」
俺はうなずいて肯定する。
「祖国が解放された今、君たちの国はやるべき事が山のようにあるはずだ。現に501のクロステルマン中尉は予備役となって親をなくした子供たちの助けをしているそうだ。ガリア人なら、国の復興を支援するべきじゃないのか?」
ここで一度、覚悟を聞くべきだと思った。彼女の事だ、ここに残っているということはこれからの進むべき道は決めてあるはずだが、同じチームとして聞きたいと思った。彼女の覚悟を。
「確かにそうですね。ライフラインを復旧したり、各地に散らばった人々を呼び戻したり、たくさんありそれこそ10年以上かかると思います。けれどそれ以前にカールスラントやベルギカなどまだ祖国に帰れない人達もたくさんいます。なのに私だけが祖国復興のために帰るなんて出来ませんよ。私はヨーロッパが解放されるまで戦います。復興はそれからでも出来ますからね。」
なにを分かりきったようなことをみたいな顔で返してくれた。
「そうか。ならこれ以上は言うまい。頑張れよ。」
「はい、でも本当にありがとうございます。解放を聞いたときは涙が出てきましたから。」
彼女は俺に笑ってそう言った。
その表情はとても可憐であった。
「浮気は許さないよ?」
「わかってるって。」
エンブレムは今日久しぶりにペイントに触ったのでリハビリも兼ねて書いたものです。
絵はフリー素材を使用したため製作時間は1時間ほどとなりました。
本当はすべて1から作りたかったのですが自分の絵心の無さに涙。
ガリアの巣の件は前に感想で教えてもらってようやく真実を知ったのでここに書かせてもらいました。教えてくれた中将さん、ありがとうございます。
わからなかった人もいると思うのでようやく説明できてよかったです。
本編は近いうちに出します。
挿絵が上手く表示されてるといいな。
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